『特別な存在』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
特別な存在
この人は特別な存在。
私の人生に必要だった人。
今はあってないけど、どこかで生きているはず。
感情論ではなく、生物学的に特別な存在になり得るのは、誰にとっても母親なんじゃないかと思う。
世界に一人、この存在が無ければ自分はこの世に存在しない。
自分という存在を創造してくれた神とも言える。
…決して、マザコンではない。
父親だって頑張っちゃいるが、所詮協力者にしかなれない…という実感がある。
自分の中で創り出し育て、その痛みに苦しむのも母親一人で、それらに関しては父親は蚊帳の外だ。
まあ、俺がいなきゃこの子は生まれてこなかった、というくらいの自負はあるが。
感情論としては、母親と折り合いのつかない人もいるだろう。
自分の少年期にも覚えがある。
自分を創造してくれたとはいっても、一人の人間だ、反りが合わないのは仕方がない。
口うるさくて、とか、何もしてくれなくて、とか、人によっては生涯で一番言い争った相手にもなり得る。
逃げるように遠く離れて、もう二度と会わないと心に誓った人だっていると思う。
でも、自分にとっての特別な存在が母親であるように、母親にとっての特別な存在が自分であることは、心のどこかにいつも留めておきたい。
自分はそんな風に思われていない、と悲観する人や、そんな風に思われたくないと非難する人もいるかもしれないけど、そう思われてると信じることが大きな心の支えになることは確かなんじゃないかと。
母親ってそーゆー存在なんだと思う。
男に生まれて後悔してることを強いて挙げるとすれば、そーゆー存在になれないことか。
まあ、父親には父親の役割がある。
それを精一杯こなすことで、きっと子供達にとって特別な存在になれていることを…心から願う。
「去年もいったと思うけど、やっぱ俺には『特別な存在』っつったら某『彼もまた』から始まる某キャンディーなんよ……」
まぁ、年齢バレるし、ゆえに俺の執筆ネタの引き出しが固くて少ない理由も説明ついちまうけどさ。
ソレしか思いつかねぇっつったら思いつかねぇんだから、仕方ねぇよな。
某所在住物書きは昔々の動画を観ながら呟いた。
そういえば元ネタを食ったことが無い。
「キャンディーっつったら、ガキの頃ずっと食ってた、けど今はどこにも売ってねぇのど飴があってよ」
物書きは言った。
「EXじゃねぇ方の、かつ某UMAみたいな名前の会社から出てたやつ。……今でも味よく覚えてるわ」
物書きにとっての「特別なキャンディー」といえば、すなわちそれであった。
――――――
最近最近の都内某所、某特定の作品群に対する監督シリーズのファンが集うカフェ、夜。
その日の訃報ひとつが発端で、SNSにより急きょ非公式な「偲ぶ会」の開催が告知・拡散され、
席は個室から相席まで満員御礼、
巨大なスクリーンには、訃報届いた声優の出演作が、アニメのみならず、ジャンルもシリーズも超えた特撮まで引っ張り出して、映し出されている。
店主はわざわざ版権元に電話をかけ、許可をとりつけ、後日使用料の振り込みまで行うという。
客の誰もがほぼ初対面。
私のデビューは◯歳だった、僕のファーストコンタクトは◯◯だった、なんなら俺の自己紹介の鉄板はあのキャラの声真似だ、等々、等々。
それぞれが、それぞれの弔いを共有している。
店内に、特撮ファンでも某監督作品群マニアでもない、別のゲームに対する元二次創作作家、昔々物書き乙女であった女性が2人、紛れていた。
片や元夢物語案内人、片や薔薇物語作家。
薔薇の物書き乙女が夢の物書き乙女を誘ったのだ。
「私の作風の一番の転機が、『コレ』だったの」
二次創作の執筆と公開から離れて数年。かつての薔薇物語作家がスクリーンを観ながら、ポツリ。
「今でも覚えてる。父さんが根っからのファンだったの。アンタとの相互小説書いてる丁度その頃だった」
そうそう、ここ、このシーン。
薔薇乙女がスクリーンを指さす。
映っていたのは劇中のヒロインが飛空艇内の調理場を戦場として、料理を次々整えている場面。
この後の食事風景は飯テロで有名である。
「『美味しそう』って感想しか無かった」
「わかる」
「でも父さんがね、バチクソにドヤ顔で言ったの。
『必ず食事シーンがある』、『必ずコケる』、それから『歩き方だけでその人の年齢とおおまかな職業と、感情が分かる』って」
「はぁ」
「メインキャラ以外、数秒しか登場しない人にも、その映画の『前』と『後』がある。
本当の名作は、その世界だけでなく、世界に生きる人の生活や息遣いまで見える映画だってさ」
「完全にそっちのお父さんの解釈と感想だね」
「でも、なんかハッとしたの。
メインキャラにも子供時代が、モブキャラにも『その後』の生活があるんだって」
それから私の作風が変わったの。
それから、コレも含めてこの監督の映画が、私の執筆スタイルの目標として、理想として、
すごく、「特別な存在」になったの。
かつての薔薇物語作家はスクリーンを見つめたまま、視線を離さない。
劇中モチーフの木樽型コップに口をつけ、傾けて、中のジンジャーハイによって喉を湿らせるばかり。
「それじゃあ、私と相互してからそっちのサイトの小説にモブキャラが増えたのも、カプの子供時代とか食事風景とかのネタが増えたのも、」
「そっちの片思いリンク先の作風に引っ張られたんじゃなくて、父さんのドヤ顔トリビアが理由」
「見向きもしなかった例の厨二病ロボットっぽいアニメを観始めたのも、」
「『物語の中の日常風景がバチクソ丁寧に描かれてる』ってのが、すごく似てたから」
「特別な目標になったワケだ」
「そう。特別な存在になってた」
懐かしいね。
一緒に個人サイトで相互結んで一緒に小説書いて、なんやかんやで二次から離れて、
あれから、もう何年経ったろうね。
かつての物書き乙女ふたりは、互いにカフェの一角を、すなわちアニメ映画を上映しているスクリーンを見つめて、酒をあおる。
その後カフェの中は劇中飯の話題となり、どれが一番美味いかでモメにモメて、プチ騒動となったが、
詳細を記すと長くなるので、推して知るのみとする。
「特別な存在」
現在時刻十一時五十六分
分針「なあ時針」
時針「なんだよ分針」
分針「起きてたか」
時針「ちょっと喋ってないからって寝た判定になんのやめろ」
分針「いいじゃんかよ。俺たちが喋れんの距離的に数分なんだから。寂しいんだよ」
時針「そうか?逆に言えば会いたくなくても一時間に絶対数分は顔を合わせることになるんだぞ」
分針「まぁ、そんなことはどうでもいいんだよ。それより俺さ落ち着きがないやつ嫌いなんだよね」
時針「それってつまりアイツのことか」
分針「そう!アイツこのこと」
時針「やめとけって。アイツ一分ごとに来るから悪口言ってるといつか出くわすぞ」
秒針「やっほー。今何話してたの?じゃあねー」
時針「ほら来た!」
分針「合ういうところが嫌いなんだよ。顔合わせるごとに挨拶してくるのうざいんだよ」
時針「確かにウザイがアイツも大変なんだよ。俺たちみたいに同じ場所にとどまることができなからそうなるのも無理はないだろ」
分針「でもよぉ〜。一分ごとに挨拶されんのいい加減にしてほしいんだよ!」
時針「待て、これくらいにしておこう」
秒針「どうもどうも。なんかさっき俺のこと言ってなかった?じゃあね〜」
時針「言わんこっちゃない。多分俺たちの会話聞かれてたぞ」
分針「この際だからはっきり嫌いって言ってやろうかな」
時針「俺は知らんぞ。時計の仕組み忘れたのか?」
分針「そっか。そんなことしたら一分ごとに気まずくなるか」
時針「そうだろ?我慢するしかない。それが俺たちの運命だ」
分針「我慢かぁー。時針は腹立たないのか?」
時針「俺はあんなやつがいるからこそ今が楽しいんだけどな。うざいけど」
秒針「おい!今俺の悪口言ってなかったか?」
時針、分針「ギクッ!?」
時針「こりゃまいったな」
分針「めんどくさいことになっちまった。どうすれば良いんだよ。これから顔合わせるたびにアイツから嫌味言われるかもしんなよ!」
時針「アイツ意外にも恨む心が強いからな。俺も覚悟しなきゃな。」
分針「今はいいかもしれないけど俺達が離れたときはもっとしんどいぞ!終わった…俺の人生終わった…」
時針「それはそうとして俺たちもうすぐで重なるな」
分針「ああ。もうすぐあれか。あれうるさいから嫌なんだよな」
時針「でも、特別な存在って感じがしていいよな。俺もその役割が良かったな」
分針「確かに。一気に人間の注目浴びれるもんな」
時針「もうそろそろか」
秒針「お前ら、さっきのこと忘れてないからな!」
鳩「俺の出番だから静かにしろ」
人「もう十二時か。そろそろ飯作るか」
地元からプロ野球選手が出た。それは、小さな町にとってものすごい快挙で母校には横断幕が掲げられた。関西の強豪校で1年生から4番を任せられ
た。その学校で1年生でスタメンを掴むことは難しくさらに主砲ということもあり多くの人に注目された球児である。しかも、夏の甲子園では兄が所属している高校の野球部との対戦が実現した。
49もの学校が出場するなかこんな偶然もないだろう。その大会でホームランを打ちドラフト指名につながる。そして、3年目に開幕レフトスタメンを掴んだのである。まさに、我が町にとって特別な存在といえるだろう。
(これ、実話です。)
「特別な存在」
耳が聞こえないから特別
目が見えないから特別
声が出せないから特別
体が不自由だから特別
特別だから 羨ましいと思うこともある
けれども
特別な人はそれぞれ辛い思いをしているのかもしれない
みんなが嫌だと思っていることも、
できない人は羨ましいと思っているかもしれない
めんどくさい
おなかいっぱい
おもしろい
そう思えることすら、羨ましいと思っているかもしれない
ひとりひとり、特別な存在でずるいと思うかもしれないけど
代償が必ずある
特別にしてもらっているのは
辛いことがあるからかもしれない
テーマ「特別な存在」
また、雨だ。休みの日に、たまに外出しようとすると雨が降る。学校は皆勤だけど、友達がいなくて休日はほぼ引きこもり。ちょっと外に出ようと思った時に限って雨が降るのは、俺が超ド級の雨男だからだ。
お前は雨男だな、と父親によくいじられてきた。本当に俺と出かけると雨が降るから、言われて当然。どこでも雨を降らしてしまうのが、始めは恥ずかしかったが、いつしか自分が「雨の神」になったようで誇らしかった。
学校で、一度も雨男といじられたことがない。俺のクラスは、体育の時によく雨が降る。遠足の日にも雨を降らした。下校で外に出るときも、俺が外に出たら降ってくる。だけど、俺は一度たりとも雨男といじられたことがない。俺の担任は、毎年雨男雨女といじられる。他の奴が雨男呼ばわりされていたこともある。雨男は俺なのに。
いじられるキャラじゃない、ってやつなのか。雨を降らすのは、俺の能力なのに。
9月、ヒナタという男が転校してきた。ヒナタは陽キャも陰キャも別け隔てなく絡んでくる、太陽みたいな男だった。無キャの俺にも絡んでくる。
「お前さ、髪ボサボサじゃん。てか、隠れイケメンじゃね?ちゃんと整えろよ。」
「…そうするわ。」
ヒナタのお陰で、ちょっと他のクラスメイトと喋ることも増えた。俺がぼそぼそ言ってたら、「実はお前、面白いこと言ってるよな。もっとデカい声で言えよ。」って。拾ってくれた。
ヒナタは俺にとって、特別な存在だ。ああ、ヒナタに「雨男」っていじられたい。ヒナタにいじられたら、俺は最強の雨男キャラになって、クラスの厄介者という名の人気者になれる。事あるごとに話題の中心に…!
でも。
ヒナタが来てから、全然雨が降らないんだな、これが。
以前、マハトマ-ガンジーが言った言葉を思いだした。ロシアで起こっていることは謎である? 世界中の人にモスクワのコンサートホールでの事件を説明する責任があるのではないだろうか?
「特別な存在」
周りが曇っている鏡だらけでも
私を映してくれる存在はきっといるから。
【#52】
何も無い田舎の高等学校。生徒は各学年10人くらい。
その中でもふたりは異質な恋人だった。
周りの人たちがどんな噂や陰口を言おうが、ふたりはふたりの雰囲気を壊さずにいたのだ。あくまでふたりはふたり、私たちは私たち、といったように彼らは一線を引くのが上手かった。
そんなふたりがある日から学校に来なくなった。けれど数日で戻った___のは、片方の彼だけだった。
彼女の姿は見当たらなかった。
私は思わず聞いてしまった。
「綾乃ちゃんと一緒じゃないの?」
「綾乃は、まだ逃げているよ。君から」
「どうして私なの?」
「ありもしない噂を流したの、君だろう?」
嗚呼、憎らしい。
バレないようにやっていたつもりだったのに。
紛れもなく彼らは"特別"だったのだ。
貴方にとって私はなに?
ただの教え子?
それともちょっとは好いてくれてる?
私にとって貴方は好きな人だけど
貴方には大切な人もいるもんね
別にそれでもいいけど、いや良くないけど
教え子の中でも特別な方だと錯覚させて
あとちょっと早く生まれてたら
あとちょっと早く出会えてたら
貴方の恋人は私だったのかな、
#特別な存在
お題『特別な存在』
※におわすレベルのBL要素を含みます。
「俺と別れてほしい」
放課後のサイゼリヤで、向かいの彼は真っ黒な後頭部が見えるほど頭を下げた。
私はドリンクバーで出したオレンジジュースをストローで吸うのを止めた。正直、ショックではない。前から目の前の男は、私に対する気持ちなんて無いんだろうとは思っていたから。
彼は私がずっと好きだった人だ。容姿端麗。運動神経が良くて運動会では大活躍していた。それだけでもときめくのに、彼はそういう男には欠けがちな優しさを持っていた。
だから思い切って告白して、付き合えたはいい。しかし、彼の視線が私に向くことが無かった。
いつだって隣のクラスから来る彼の幼馴染に向けられていた。彼と違って背が低くてメガネをかけた、オタクっぽさを感じさせる見た目。彼とその幼馴染くんは、家が隣同士のようで幼馴染くんは、毎日お弁当を彼に届けていた。彼の両親が仕事で不在にしてることが多いから隣の家のおばさんが善意で作ってくれるんだと彼は言っていた。
それだけならまだいい。私とランチを食べてる時、彼はよりによって幼馴染くんを誘おうとするのだ。そのたびに幼馴染くんは「邪魔しちゃいけないから」と去り、私は彼と喧嘩になることがあった。そのたびに彼は申し訳無さそうに「ごめん」と返すだけだ。ちょうど今、別れ話を切り出してきた時みたいに。
幼馴染くんの話をする時の彼は、私といる時よりもずっと優しい顔をしていた。彼の名前を口にする時は、なんだか壊れやすいものを大切に扱うような響きがする。
彼は事あるごとに幼馴染くんのことを「特別な存在なんだ」と語っていた。
正直、理由はなんとなく察している。だが、一応聞いてみる。
「理由を聞かせてよ」
「俺、やっぱりだめだったみたい」
その言葉が聞けただけで安堵した。
「もしかして、隣のクラスの」
彼は急に顔を上げた。目を見開き、眉を下げ、歯を食いしばるみたいな顔をしている。。その顔を見て、やっぱりそうだったんだと、自分の中でパズルのピースが埋まっていくのを感じた。
彼はショックそうな顔から一点、心底怯えるみたいな顔して俯く。
「気づいてたの?」
「なんとなくね」
「本当にごめん」
彼は頭を下げ
「俺は君の想いを利用したんだ。女子と付き合えば俺は普通になれるって、でも……出来なかった……」
正直、いろいろ言いたいことはある。でも、それを言ったところで彼の気持ちが変わるわけではない。必死に謝罪する彼に私は「いいよ、わかった」と呟いた。
彼は顔を上げると、席を立つ。通学用の黒いリュックサックから財布を出して野口英世のお札をテーブルの上に出した。
「付き合わせてごめんね。今日は俺が奢るから……それじゃ」
そう言って彼は去っていった。サイゼリヤの角の席、私は一人取り残される。
正直、彼の『普通でいること』に付き合わされた傷は野口英世一枚を絆創膏にしただけじゃ足りない。
「ふざけないでよ……」
小声で呟いて、メニューを開く。
あぁ、もう。今日は自棄食いしてやる。奢らせてたまるもんか。千円以上は食べてやる。
だいたい目星をつけた後、私は呼び出しボタンを押した。ピンポーンと音がなり、壁の高い位置につけられた電光掲示板が座席番号を表示する。
鼻の奥がつんとして、泣きそうになっているのを気取られないように私は背筋を伸ばした。
特別な存在
「レディ&ジェントルマン お集まりの
紳士淑女の皆さん今宵はこの私のステージに足を運んで下さりありがとうございます。」私は腕を胸に当て深々とお辞儀を
する。
「さて今宵見せますステージは観客席の
皆様の協力が必要です。
今からステージの協力者をランダムで
選びたいと思います。」
そうしてステージのスポットライトが
前列 真ん中 後列 2階席と順々に
光って行く。
そうして いきなりバッとライトの光が
一点に集中する様に光った。
そうして光の中に一人の男性が目を白黒させながら 何が起こったか分からない感じで周りを見ていた。
私はステージの上から即座に大きな拍手を
する。
そうして大げさな程 声を大きくし
身振り手振りを激しくした。
「おめでとうございます 貴方は選ばれた
特別な存在です。
どうぞステージの方へお越し下さい!」
私の拍手につられる様に観客からも
大きな拍手が鳴り響く
選ばれた男性は、最初はおっかなびっくりと ステージに上がってからは誇らし気に
笑みを見せて観客の拍手に応える
私はそれを見て小さく笑みを浮かべる
さあて本番は此処からだ
私の役目は如何にして彼を輝かせるかに
思考がシフトする。
彼に特別感を与えたからには此処からは
彼のステージだ。
協力者など名ばかりの口実に過ぎない
今からは彼が主役
私が彼のサポート役だ
さあ 観客を彼の魅力に引き寄せる
イリュージョンを開始しよう。
特別な存在。家族や友人は特別な存在なのだろうけど所詮は他人でしかない。ある意味一番どうでもいい存在だ。
逆にどうでもいい存在が特別な存在になることもある。大した物じゃなくても長く使ってると愛着がわいて特別な存在になるものだ。今使ってる机なんかがそれだ。
かれこれ十年以上は使ってるか。傷が目に見えるくらいあってもうすっかり汚くなった机。でも愛着ある一品だ。
人から貰った物でいくらだったかもわからないしでかくて重いから引っ越しの時には捨てたほうがいいんだろうな。代わりの机なんて一万、二万出せば買えるし。
でも捨てるには長く人生を共に歩みすぎた。このでかくて重い机を捨てるのは忍びない。だから引っ越し先にも持っていこう。
単にまだ使えるのに代わりの机買うのもったいないという気持ちもそこそこあるけどね。なにしろ金がないもので。
自分勝手でずるくてバカな人。
100円で大騒ぎして、何にも知らずに高説ばっかり垂れて、思い通りにいかないと拗ねる面倒くさい人。
なのに、
カスタムもできない癖に普段行きもしないStarbucksに一人で行って誕生日プレゼントを買ってくれたり。
一度好きだといったチョコレートを毎年ホワイトデーに贈ってくれたり。
そうやって私にだけ甘い顔を見せるから、ムカつくあれやこれも許してあげようかなって少しだけ思うんだ。
[3/23 特別な存在]
キラキラしてる 特別な存在
キミが大人になったとき、
どんな世界を歩んでいるのか
楽しみにしているんだよ!
親では無いし友人でも無い
恋人でも無いし親友でも無い
でも大体そばにいて困った時は助けるのではなく見つめ合うだけ
そんな特別な存在の君
腐れ縁なのかな
はたまた運命なのかな
《特別な存在》
ばいきんまんにとってのアンパンマン 落語家の手許の扇子と手拭い 歴史上の業績はともかくファラオといえばツタンカーメン マトリョーシカのなかのいちばんちいさい子 卵の黄身 目を閉じてベルフィルを振る帝王カラヤン バッハと平均律 ゴジラのあのメロディ フレンチだけどやっぱり箸で 劉備には諸葛亮 ゴホンといえば龍角散 桜をてらす春の日差し ツバキの受粉を手伝うメジロ ミツバチが一生のうちに生産するハチミツはティースプーン1杯分 おにぎりには紀州梅がよく似合う 紅白は見なくても、一年の締めくくりは必ずゆく年くる年で 冬は餅を食うための季節 かけるだけでたいていのものを旨くしてくれる醤油は偉大
習慣とは恐ろしいという話をします。
人に寝顔を見られたくない俺は、人前で寝られません。寝落ちてもちょっとの物音で起きてまうし、寝起きドッキリなんかも向いてないです。ドアガチャの音で目が覚めます。
でもあなたは知ってるでしょう。
例外があるということを。
なんてことはありません。若い頃、金もなくて一人一部屋なんて用意されてなかった俺たちはひとつのベッドで寝るしか無かっただけです。
それが毎日続いたので、睡魔に負けて寝るしかなかったからです。それだけです。そりゃ目の前で無防備に気持ちよさそうに寝てるあなたを見たら安心出来るってのもあったんでしょうけど、大した理由じゃありません。ただ、隣があなたやっただけです。他の誰が隣だとしてもいずれは眠れたでしょう。
別に特別じゃない。
でも頭がそれを勘違いして何を思ったのか、寝ているあなたが隣に居ればどんなに眠れない夜も眠れると解釈しはじめて、深酒したあと気ぃついたらおたくの家に居る、みたいなことが頻繁に発生しました。
お前もお前やぞ、アポ無しで来た奴をホイホイと家に入れんなや!ベッドを明け渡すな。じゃ、俺ソファーで寝るわとちゃうねん。お前がおらんと意味ないねん。
「お前の寝顔見に来たんやぞ、俺は」
目の前の顔が驚いたように目を見開く。
モノローグがつい言葉に出てしまった。
出てしまったものは仕方ない、とはいえ恥ずかしいは恥ずかしいので誤魔化すために言葉を連ねる。
「お前の寝顔みたら眠なれんねん。ええからはよ寝るぞ来いや」
「……あんた、寝られへんかったん?やから来たん?」
「そうや言うてるやろ、はよ隣で寝ろや」
「無茶苦茶言いはる……まだ俺は平気なん?」
「おかげで彼女の横でも寝られへんわ。なんでお前隣やってん」
「若い頃の話?そらあんたが俺隣おらんかったら機嫌損ねるからやんか」
今も損ねてはるけどと苦笑するコイツに決まりが悪くなって顔を背けた。
「やから隣に来たやんか、機嫌直してよ」
特別じゃないなんて言っておいて、最初から最後まで全部自分発信だった。こいつが隣にいる理由は俺がそう望んだからだ。
お前だけが特別だった。
『特別な存在』
作者の自我コーナー
いつもの
本当はもっと長かったんですけど、投稿せずに寝落ちしたらデータが飛んでしまって突貫工事で作り上げたものです。
心が折れましたね。3時投稿はやめようと思います。
グレてしまったので全くぼかしていません。
俺にとって、家族というものはなんか、虚しい記憶しかない。
中学時代から鬱や引きこもり、家庭内暴力で病んでいた。今思えば、正にバチ当たりな人生の始まり・・・
定時制高校に入っても、バイト三昧で、結局夜のバイトの帰りに原付で事故って死にかける。
・・・俺って生きてて良かったのだろうか?その後も家族と揉めまくってバラバラ。
「・・・ああ、イエスよ、ブッダよ、いつ私は救われるのでしょう」
自分を殺して何とか様々な仕事をして今の歳まで生きながらえてきたけど、50近くになると、何か疲れた・・・
色々通院中の身。
そんな中でも、妹は気にかけてくれる。散々迷惑かけたのに。今は、感謝の思いしかない。
妹は、俺って特別というか、大切な存在だ。
−特別な存在−