『特別な存在』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
いつからか、彼がいないと駄目になっていた。
彼の為に生きている。彼から生きる活力を貰って、彼の為にお金を貯めて、彼の為にお金を使い、また彼に元気を貰ってる。
彼と出逢う前はどうやって生きていたのかもう思い出せない。
でも、出逢って、間違いなく彼が私の人生に彩りを与えてくれた。
彼は特別な存在。そう、それが『推し』。
彼の為に生きている。彼に生かされている。
幸せなことだ。
そうして、彼のSNSや動画やいろんな情報から、今日も生きる活力を貰っている。
しかし、この頃は、まさか彼に認知されるなんて夢にも思っていなかった。
認知されるようになるのはまた別のお話。
『特別な存在』
私も誰かの特別な存在になりたかった
いや、特別じゃなくてもいい。
自分らしく着飾らずにいられて
誰かの記憶の片隅にでも置いてもらえれば
それだけで。
特別な存在なんて作れない
裏切られた時怖いから
嫌われた時怖いから
特別な存在だ。容姿端麗頭脳明晰、誰よりも優れていて、国民の嫉妬を一身に受けている。そして巨大。体中に空けられた穴と棒。全ては可食部である。人々は鬱憤ばらしに石を投げ、悶々としたならセックスに走り、腹がへればどこまでも食う。住民の誰もがこの妬ましい女神を嫌っている。嫌っているから、団結する。(Unite)憎悪による精神の束縛は数分の行為で晴らされ、団結したまま自由を勝ち取る。(freedom)自由を享受する女神は笑ってレイプされる。
すでに腰からは下は無くなっている。彼女の背丈はこの国家の寿命を表しているものの、ひとまずそれが、現在地球で唯一アメリカ合衆国が形を保って存在できている理由である。
〜特別な存在〜
年齢を重ねてくると、沢山の出会いや別れを経験する。
だから、その時その時で特別な存在は違ったりする。でも、唯一変わらないのは家族だ。私の中で家族は“特別な存在”と言うより、いつも”当たり前にいてくれる存在“と言ったほうがしっくりくるかもしれない。
そんな私にも実は誰にも言えない“特別な存在”がいる。約40年間私の心の中にいる。
実らなかった初恋の相手。
ものすごく仲は良かったが、幼馴染も好きだった事もあり逆に二人の仲をとりもってしまった。良くある話。それでも、仲の良さは変わらず続いていた。
お互い家族が出来ても毎年の同窓会には必ず私の携帯にメールがくる。
『今回は忙しいから行かない』と、返信を書くと直に携帯が鳴った。行った所でお互いに幼馴染やそれぞれに飲んで楽しくやっていた。
ある日の同窓会で、中学の時に好きだった人は誰だった?との話しになった。順番で話していると結構以外な人の名前が出たりして笑えた。
ちなみに、初恋の人は私の幼馴染をあげた。私は心の中で『違う人(幼馴染以外の人)あげたらただじゃおかんよ〜!』と内心思っていたのでホッとした。
あえて言いたくなかった私は、トイレに行ったりして時間をかせいでいた。
そんな時間稼ぎも虚しく言わなくてはいけない羽目になった。笑ってごまかしていると、幼馴染が笑いながらボソッと私の初恋の人の名前を言った。
『え〜!!』とザワザワしていたが、私の方が『え〜!!』だった。知ってたんかいっ!
もちろん、その本人も周りも超仲良しの男女関係もない親友と思っていたようだ。確かにそうだったから。ある意味私の中で他の誰にもバレなかった事にガッツポーズだった。でも、その時何故か否定してしまった。誰にも言いたくない淡い初恋だったから。
そんなこんなでその年の同窓会は終了!
またそれぞれの1年が過ぎて同窓会の時期になっていた。案の定、いつものようにメールが来た。『今回は忙しいから欠席だわ』とメールを返した。実は私だけちょっと遠い所に住んでいたので面倒くさいとの気持ちがあった。
だけどお決まりで携帯が鳴った。面倒なので出なかった。『出ろ!』とまたメール。携帯が鳴る。観念して携帯に出ると、
『出れるのに出なかっただろう!』と。バレてた。
『今回は忙しいから行かないよ!』
『イヤ!絶対来いよ。話したい事あるんよ』
『何?今聞いてあげるよ。奥さんと喧嘩でもした?女心がわかんないの?
『違うわ!直接会って聞きたい事と話したい事あるんよ』
『わかったよ!じゃあ、子供達預けなくちゃいけないから遅れるかもだけど』
『絶対来いよ。約束したからな』
『わかったよ。しつこいと嫌われるよ!(笑)じゃね!』とその時は終わった。
同窓会の1週間前にまたメールがきた。
”社員旅行行くからお土産買ってきてやる。何が良い?“
“金塊!笑!嘘!饅頭”
“了解”そんなメールをした。
同窓会3日前にメールがいっぱいになったので、全削除した。
次の日、社員旅行中の事故で彼は亡くなったと連絡が入った。頭の回路が止まったように理解が出来なかった。直に同様に仲が良かった彼の兄から、お通夜とお葬式に参加してほしい。受付もやってほしい。と連絡があり程なくして案内が届いた。全てが滞りなく終了し、お骨まで拾った私は涙は出なかった。ただただ、怒りしかなかった記憶がある。
”こんなに、家族にも友達にも愛されているのにサッサと逝くんじゃないよ!バカタレ!“
だからお墓参りは今だに行っていなかった。
どこかで、信じられない気持ちと信じたくない気持ちがあったんだと思う。
その事故以来、同窓会は中止になっていた。
あれからもうすぐ18年。今年お墓参りに行こうと思っている。その時に、“私の好きだった人はずっとオマエだよ〜!ちゃっちゃと気がつけ”と、笑いながら話そうと思っている。
ただ一つ、今だに何を聞きたかったのか、何を話したかったのか、それが聞けない事はズルいよね!いつかまた戻って来いよ!
だって、それがある限りあなたは私の中で”特別な存在“になっちゃったんだから!
嘘のような本当の話し。
『特別な存在』
ステージの上で歌と踊りで疲労もものすごいはずなのにそれを一ミリも感じさせずに観客に手を振り、笑顔まで見せてくれるアイドルたち。その一員のひとりは私にとって特別な存在だ。がんばってと応援する気持ち、どうしてそこまで一生懸命なのかと感動する気持ち、そんな姿を見せてくれて感謝しかないという気持ちをペンライトに込めて両腕を振りに振り、気づけばステージを去っていく彼を号泣しながら見ていた。
週刊誌に私服姿の彼が写っていた。傍らには私服姿の女性アイドルがいて、熱愛という見出しが踊っている。アイドルの裏側なんか見たくないという気持ちと彼のことをもっと知りたいという気持ちをせめぎ合わせながらコンビニの雑誌コーナーでしばし立ち尽くしたあと、カップコーヒーだけを手に店を出る。指先はじんわりと温かいけれど心のどこかがひんやりとしていた。彼はいつかは誰かとお付き合いをするだろうしいつかは誰かと結婚もするのだろう。ぼんやりとわかっていたことだけれど、いざ目の当たりにすると予想していたよりも自分の足元がぐらついた。
それでも足が現場に向かってしまう。以前よりも顔見知りのファンが数を減らしていても、いつものようにステージは始まる。これまでと同じ気持ちで彼を見られないかもしれないと思っていたけれど、杞憂だった。彼は変わらず全力で歌って踊り、観客の声援に全身で応えていて、それを見る私は応援し、感動し、感謝を返した。号泣のさなかに思う。私ができることは応援と感動と感謝、そのぐらい。けれど彼にとっての特別な存在にはそれ以上のことができるのだろう。彼女の存在が彼のプラスになるのなら応援してあげたい。足元のぐらつきは収まり、冷えていた心も気にならなくなっていた。
特別な存在
靄がうねり、どこかへ誘うよう
昼下がりのような、しかし夜中のような
隅々まで静寂な場所にいる
冷静な自分の心音だけが靄を掻き分け広がるのがわかる
靄に頬を撫でられながら、自分のいる場所を悟った
そして、肉体は手放したらしいという事も
すると突然に靄がサーッと自分の身から引いていった
ずっと望んだものが、視界に現れるのがわかった
少しの緊張感と、湧き上がる高揚感
その姿が、白い景色のフレームごと近づいてくる
そこに佇むのは……
ゆっくりとその姿が形になった
やっぱり
こちらに気づくと、
いつもと変わらない、大好きなその表情で
まっすぐこちらを見つめている
全身の力が抜け、
喉から胸がスッと軽くなった
もう会えないかと思って、
写真を見ては泣いてばかりいたのがバレたのか
だって、こんなにすぐ
また会えるなんて思わなかったから
涙ぐみ、一歩、もう存在しない足で歩き出したその時、
その姿の輪郭が薄くなり、ブレはじめた
!!
そんな、待って!
駆け寄ろうとしたら、満点の星空が下の方から波紋のように現れ、回転しながらジワジワと広がりはじめた
よく見ると、様々な色が混ざりあってできた、淀んだ不気味な黒だった
待って
せっかく会えたのに
いやだ、行かないで
いなくならないで
近づこうとすればするほど、ドロドロの星空が激しく回転して迫り来るし、愛しいその姿は、強い光を放ちながら激しく揺れる陽炎のように不安定になった
不安に怯えながら強く願い続けた
じっと耐えていると
いつしか激しいゆらめきは収まり、星空も消え去った
酷い形相で必死に懇願する自分を見兼ねたように
ついに、愛しいその姿がゆっくりと近づいてきた
目の前まで来て、
穏やかな眼差しはこちらを見ている
近くにいる
その存在を感じる
どれだけ会いたかったか、わかる?
再び、世界が暗転する
その姿が再び、陽炎のようにブレはじめたのだ
ただただ怯えていると、
その瞬間、様々な感情や景色が自分の中を駆け抜けはじめた
それは、その魂で生前に見てきたものや、
感じたことの記憶だった
涙が、止まらなかった
いろいろな感情を一度に浴びて、混乱しながらも
最後に言った一言は、ハッキリと聞こえた
ありがとう
きっとまた会えるから、大丈夫
そう言って、閃光を放って弾けて消えた
その姿があったところから、
色とりどりの小さな光が散って落ちる様子を見ながら、
涙が頬を伝っては消えてった
眩しいような、温かなぬくもりのようなもので
自分の体が満たされていくのを感じながら……
そっと目を開けると、もう靄は無く
自分は、あの世界からどうやったのか、
いつもの世界に戻っていた
どのくらいの時間の再会だったのか
あの世界は、とても不安定だった
また会えるから、大丈夫
濡れた頬を手でぬぐった
特別な存在
自分の裏側を見る
鏡のような人や物が
特別な存在の人だとわたしは
思う
見たくない自分
嫌いな自分
逃げたくなる自分
でも、本当、本音で
向き合い…それが
特別な存在
それができる相手は
貴重…
辛いし苦しいし
逃げたくなる
だから
特別な存在なんて
いらない
投げ出す
それでいいと
わたしはおもう
むりしないでね
自分を労ろうね…
大事にしてね
俺にとって君は特別な存在だけれども
君にとっての俺はどうなのだろう。
君の手にある古いけれど大切にされてきた本を見てそんなことを考えてしまった。
「この本は特別。昔からの友だちみたいなものだ。」
へえ、そっか。なんてつまらない嫉妬を出してしまう。本に嫉妬なんて。いよいよだな。
「その子は特別?ずっと一緒にいるんだろ?」
その子、と呼ばれた俺の膝にいる犬のぬいぐるみ。
とぼけた顔でくったりと寝そべった姿が気に入ってるし触り心地もいい。
お腹いっぱいになって昼寝をしたときも
悲しくて泣きながら眠った夜も
あと5分あと5分を繰り返した朝もずっと一緒だった。
「うん、特別だ。だから君も抱っこして撫でてあげて。あ、ちゃんと洗ってるから!」
「ふふ。ありがとう。じゃあこの本を読んでみるか?
そんなに長くないし、わかりやすい。」
活字は苦手だけれど頑張ってみるか。
お前を知れば彼女の特別になれるかもしれないからな。
ぺらりとページをめくってすぐに頭がくらりとした。
なれる、だろうか。
「その本は誰にも触らせたことがない。特別だ。」
特別な存在
「特別な存在」
特別な存在。
それは子どもたち。
それは親友。
それは家族。
何故、特別なのだろう。
上手く理由は説明できないけれど。
特別な存在。
あなたは私にとって特別な存在。
だから、他の人にとっての特別な存在があなただと、複雑な気持ちになる。
あなたが他の子と一緒にいると、嫉妬しちゃうし、その子が羨ましくなっちゃう。その子が、私のお友達でも、そういう気持ちになるんだから、私は悪い子ね。
あなたにしばらく会えないとなると、その日が待ち遠しくて、会いたくてドキドキする。
私は、あなたのことを見れるだけで嬉しいの。けど、あなたと目があったら最悪。あなたに、また見てるって思われるから。
あなたから話しかけたりしてくれた時は、最高。
だって、あなたからだから。
私からだったら、あなたに、なんて思われるか分からないけど、あなたが話しかけてくれるなら、私の気持ちを私は分かってるし。
とにかく、あなたは私にとって、本当に特別な存在なの。
ヒーローになりたい。
テレビに映るヒーローを寝転びながら見て思う。
初っ端からやる気ないと思われても仕方ない。
私は今何にもなりたくないのだから。
私はの夢は不労所得。
そんなのダメだって知ってるから
今悩んでる最中なのだ。
みんなは言う。
将来やりたいことは好きなもの興味あることから
考えていけばいいんじゃないか。
そんなの出来てたらとっくの昔に決まってんの。
口には出さないけど、何度こう思ったことか。
急な話だが、ヒーローというものはいい。
誰かにとって特別な存在になれるのだから。
誰かが支持してくれて好きになってくれて
その支持が私の力になるっていうことは
自分の価値を感じられていいなーって思う。
こう思うってことは、
つまり私も誰かの特別な存在になりたい。
そう思っているのだと思う。
頭の隅にある配信者という言葉。
簡単にできたら、本当に楽だろうなって思ってる。
しかし自分に強みがない、
誰も私という存在を見つけてくれないと思う。
特別な存在になるのは難しいかもしれない。
まあ、これは全て想像によるものだから
やってみないと分からないけれど
特別な存在になるために、
私は何をすればいいのだろうか。
────『特別な存在』
ふとした時に思い浮かんで、自然と元気をくれる。
目の前にいなくても、温もりを思い出せる。
その生き方が私に勇気をくれる。
私にとっては特別だけど、きっと同じ気持ちではない。
でもそれでいい。心が通いあっている必要はない。
その存在だけで私は生きることができる。
どんな人にも特別な存在はあるだろう。私の好きな人にも、苦手な人にも、関わることのない人にも。
そう考えるとこれから出会うどんな人にも優しくありたいと思う。皆誰かにとって特別な存在なのだから。
貴方のおかげでこんなふうに人に優しくすることもできます。私に生き方を教えてくてありがとう。
”特別な存在”
特別な存在
我が家に来たぬいぐるみ達は
みんな名前が付き愛でられる。
パステルブルー色のアイス
メロンパンのようなメロン
マシュマロのようなマシュ
その中で、修学旅行の宮島で
自分の土産として連れ帰ってきた
鹿の角が付いたみやちゃんがいる。
小6で新入りしたみやちゃんは
もうすぐ高3になる今も
娘の一番の心の支えとなっている。
そして、高2の修学旅行の石垣島には
みやちゃんもスーツケースに詰められて
旅行してきた。
宿泊先では、同室の友達にも
可愛がられたようだ。
そんなこんなで、今も娘と一緒に寝ている。
ときどき洗濯機でぐるぐる回され
痩せたり太ったりを繰り返しながら
ずっと娘のそばに居てくれるだろう。
「特別な存在」
貴方は私にとって特別
貴方の笑った顔が好き
貴方の楽しい顔が好き
貴方の嬉しい顔が好き
貴方のどんな顔も好き
貴方は特別で大好きな存在
春の大会に向けて練習試合が始まった。武蔵には負けたくない。1番を取りたい。
昨日の試合、俺は9回を2失点。先生に褒められた。武蔵は4回を7失点。途中交代となった。
武蔵には勝ちたいので、武蔵がいいピッチングをすると悔しくなる。が、なぜか武蔵が打たれても悔しくなる。調子が悪い時、武蔵の精神状態が手に取るように分かる。
野球の時だけではない。体調が悪い時もなぜか体調の悪さが伝わる。
今までの友達でそんな奴はいなかった。武蔵は特別な存在なんだな。
2人で継投して勝つのが1番嬉しい。夏は一勝でも多く勝ちたい。
他人からの裏切りは失望。
家族からの裏切りは絶望。
絶望した時に見離さずに居てくれる人が特別な存在。
元来、私は他者の目を気にする気質があるようだ。今迄、どうして、その事に気がつかなかったのだろうか。思い返せば、幼少の時分は、まるで反対の性格、言うなれば、稚気溢れる子供の、それ特有の全能感による豪語とか、嫌に声量も態度も大きかった、自己中心的な部分とか、自分の存在意義を他者に示そうと、強引に努めていた時、そう、一切のデリカシーも、マナーも感じとれない所が一際、目立つような、そんな子供だった。にもかかわらず、時の経過と共に現れた、幼少期とは至って系統違いの性情、言わば、自嘲交じりに謙遜したり、人と距離感を置いて、時には交わりを避けたり、他者に与える不快感を忌避するが余り、言葉選びに時間がかかるようになったり…。加えて言えば、詮索される事を酷く嫌うようになり、自己開示が出来ない、つまらない人間になってしまった。
何が一体、私をこうさせてしまったのだろう。そう考えていたある時、私は、一つの本を手に取って読んでいた。それは、この話とは何ら脈絡のない、確か、日本人の芸術観に関する本だったろうか。表現者は、他者が表現している自己をどう観るのか、というのを強く意識している、というような話だ。その中で、今でも時折、思い出す一文がある。曰く「表現するということは、何らかの意味において自己を見せびらかす事であり、自己顕示の行為である」と。その時、何度かその一文をゆっくりと読み返して、内容を咀嚼していた。何度か読み返すうちに、私はこれを読んでいて、ある一つの疑問が次第に浮かんできた。それは、私の気質についてだった。
他者との会話の中で、いつも感じられることがあった。それは自分の一つ一つの、綿密な点における仕草や態度、そして、口から出した言葉の効能を気にする事だった。会話している瞬間においては、自分はその一切を気にもとめずに、その人が話している事について、集中していられる。然し、その後に思い返してみると、己の一つ一つの軽はずみな言葉を省みて、つくづく自分の不注意で、半端な不徹底さと、高揚から来る調子の変動によって、失礼な態度に出たり、気が緩んで不躾な仕草をしてしまう事に、幻滅の苦々しさに加えて、恥ずかしさや憤りも感じられた。この事から導き出せるのは、私が後の幻滅を忌避する余りに、今の快い歓びをも避けるようになって、感情を抑制する事に努めた結果が、この気質の正体だった事になる。
無論、この性情が不幸なものであると、そう言いたい訳では無い。単に、私がこの気質に至るまでの過程に、どのような理由があったのか、それを突き止めたに過ぎず、加えて、それを記録に残しておきたかったという、それだけの話なのである。
○○が"ある" や ○○で"ある" のように
何かを表すときには在るという存在概念を経由する
そして存在とは何かを記述しようとすれば
存在とは○○で"ある" と存在について語る文そのものに
存在概念が使われてしまうというほど根源的な概念である
この問題はとある哲学者が存在概念そのものが存在(が表そうとしているもの)について語るうえで思考を狭めるものだとして「存在」という文字の上に☓印を付けたほどのものである
思えば当たり前過ぎるほどに存在は我々の前に存在する
身近でなくてはならないもののことの喩えで
「空気のような存在」といった表現があるが空気よりも
まず先に存在自体が身近でなくてはならないものである
最も身近で欠かせないが故に透明であるもの
存在は特別である
わが子たちはそれぞれ、大人になってきた。仕事を持ち、稼ぎ、結婚こそまだしていないがパートナーを見つけ、独立して生活をしている。
自分が産んだのだから当たり前だけれど。わたしは彼らが生まれた時から知っている。
なんにもできなかったのにな...。
この25年ほどを振り返るとき、幼かった頃の彼らの姿を場面ごとに思い出し、そんなに昔のことでもないように思うが、確実に時は過ぎたのだなとも思う。
巣立って行くのは喜ぶべきことなのに、なんだこの寂しさは...。
わが子であることは一生変わりはない。一緒に過ごした日々はわたしのかけがえのない宝物だ。
彼らたちを産めたこと、親子でいられること、大したことではないけれど、わたしにとっては人生で一番誇れることだ。
特別な存在...それはまさにわが子たち。