『物憂げな空』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「私、これからどうやって生きていけばいいのかな」
今にも雨が降りそうな、物憂げな空を見上げて、そんな風に呟いてみた。
当たり前だけど、返事は来なかった。
------
空の向こうには、月や太陽や惑星があって、その向こうに銀河系の他の星々があって…。中学生の時に受けた地学の授業が好きで、いまでも夜空を見上げて星座を探すけど、曇ってる日には空を見上げようともしてないって、今気づいた。
【物憂げな空】なんて、小説の情景描写じゃ無いんだから…と思ってしまったので、少し感情を乗せて誰かの物語の端くれを書いてみました。
理由のない不安が
押し寄せる
消えない雨雲のように
曇ったガラスが覆い隠す
物憂げな空
心、沈む、灰色に染まる
声も出せず、雑踏に紛れて
振り出した雨に傘もささずに
許せない感情を
どうか受け入れてと
扉は開かない
鍵は見つからないまま
冷え切った指先が触れた
居場所のない虚無感を抱いて
伝い落ちる雨粒の行き先は誰にも告げず
この手を引いてと傲慢に願っていた
終着駅はわかっているのに
不恰好な唄を鳥は歌い堕ちる
答えの無い問いにいつかを夢見て
それでも捨てられないガラクタばかり増えていく
ここは雨の街
彷徨う亡霊のような危うげな存在感で
色の無い空が支配する
抜け出せない迷路のように
春の雨 昔の紀要 樟脳の
匂い懐かし 母の引き出し
# 物憂げな空
大雨の町中。
私の心みたいに暗くて冷たい。
時間が経つにつれて
世界はどんどん暗くなっていって、
雨はだんだん強くなっていって、
人はすぐに見なくなっていって、
雨ざらしで取り残されたわたしは。
雨が止むまでじっと
冷えてく体なんて気にせず。
身体が雨に流されるまで
雨が私を流してくれるまで
願って
祈って!!
祈り続けて!!!
遂に流されることなく止んだ雨は。
月の姿を見せつけるように。
自分は関係ないとそっぽを向いて。
陽の光で目を覚まして。
濡れたままの体を引きずりながら家へと帰る。
凍えきった体を拭くことなく
服を着替えて布団に入り目を閉じる。
ひかりがまぶしい。
どうでもいい
おなかがすいた。
どうでもいい
かぜをひいたみたい。
どうでもいい
いたくない
くるしくない
いきたくないの?
どうでもいい
もういいの?
どうでもいい
またあいたくないの?
どうでもいい!!!
どうでもよくないんじゃん
いたいんじゃん
くるしいんじゃん
あきらめないでよ
まだまだここからなんでしょ?
おそくなんてないんでしょ?
やりなおせるよ。
ぜったいに。
あきらめないでよ。
目を開ける。
重い体を持ち上げてシャワーを浴びる。
昨日の朝ごはんの残りを鍋に入れて粥にする。
食べ終えたら寝る。
体が早く治るように。
明日、話をする。
もう一度やり直して欲しいって。
どうかこの物憂げな心が。
この物憂げだった空のように晴れますように。
一定の距離ってなんだろう
「ようやく名前を呼んでくれた」
そう言って嬉しそうに笑うあなたをみて、初めて気がついた。会話は普通にするし、冗談も言えるくらいには打ち解けていたのについさっき初めて彼の名前を呼んだ。
理由はわからない。彼が嫌いな訳ではないし、むしろ好ましいと思う。友人になれたらいいなとすら考えていた。
なんで、どうして。責められてもいないのに、彼は何も言っていないのに、きつく叱られたような気がして苦しい。
「敬称はいらないからさ、また呼んでよ」
彼は変わらず嬉しそうに笑っている。なのにどうしてこんなにも罪悪感でいっぱいになるのだろうか。
なんて返せばいいのだろう、名前を呼べばいいのか、それとも彼が好みそうな話題を振ればいいか。その前に私は今ちゃんと笑えているのかな。
「泣かないでよ、大丈夫だからゆっくりでいいからね」
呆れられただろうか。重たいと思われたかな。面倒くさいからと離れて行ってしまうかもしれない。余計な気を遣わせるようなことしたくないのに、なんで、どうして、ごめんなさい。
あのね、私はすごく怖がりなの
だからどうか、離れていかないで
何度も、何度も彼の名前を呼んだ。その度に返事をしてくれて、嬉しいよ、ありがとう、を繰り返し伝えてくれる。その優しさに触れる度に私はもっと苦しくなる。その優しさが嬉しいのにそれ以上に怖くてしかたない。
心配そうに揺れるその目が、冷たく鋭く私を映さないビー玉のようになる光景がちらついて恐ろしい。
「…何がそんなに怖いの?」
ああ、ほら。ほらね。
ボタボタと音を立てて降り出した雨に項垂れる。涙が雨粒に飲み込まれて消えてしまって、それに安堵してその場にへたり込む。直前、腕を強く引かれてそのまま一緒に走り出した。バシャバシャと地面を蹴りつけているのに足元はふわふわして覚束ない。
「降られちゃったね」
その笑顔は、さっきまでのと同じですか。
それすら怖くて私は何も言えないの。
【題:物憂げな空】
齢も30を過ぎると、たいていのことには落ち着いて対処できるようになる。
ほんの少し甘いものを放置しただけで沸いてしまったアリの大軍。夜、そろそろ寝ようかしらと電灯を落として気づく、小さな侵入者の羽音。寝静まってから始まる天井裏の運動会。
なぜ例に挙げるものが虫や害獣ばかりなのかというと、レナが今、東南アジアのとある発展途上国にいるからだ。
土煙の舞う、この南国に降り立ってもう、10年になる。
対処できるようになったのは虫や獣だけではない。
道を歩いてるだけで突き刺さる視線、無作法に群がりついてくる子どもたち、誰かと知り合うたびに「結婚はしてるのか」と聞かれるわずらわしさ、初対面で平気で言及される容姿のうんぬん—。
日本にいた時はとても窮屈に感じていた。早く脱出したいとさえ思っていたはずだ。もちろん今でも帰国した時には同じ窮屈さを感じる。日本について誇れるのは高度な衛生観念くらいだ。
だからと言って、海外もたいして変わりはない。窮屈に感じる箇所が移動しただけだ。結局、人間のいるところには人間の悪い所が渦巻いている。
それでも、たいていのことは対処できる。なんてったって私は、10年も異国の地で一人で生きてきたのだから。
いま目の前にいる、懐かしい癖っ毛の、それでいてあの頃とはまったく背丈の違う、この男を除いては。
雲の絵に広げた鬱が頭を擡げる
詩人の居ぬ間に ひとつの終を
夕方の霜に消ゆ紅顔の若者
指折る時に居なくなった
それで、何もかも終わりになった
「物憂げな空」
銀色の午後。
窓の外は、境界線が溶け出したような物憂げな空。
雨が降る直前の、あの重くて静かな灰色が部屋に満ちている。
テーブルには、少し冷めたカフェオレ。
カップの縁にわずかに残った泡の跡を、スプーンの先で静かになぞりながら、
押し入れの奥で見つけた古いアルバムをめくる。
セピア色の写真の中の私は、今よりもずっと、
「永遠」という言葉を簡単に信じていたみたいだ。
足元では、愛犬のクロが深く息をついて丸まっている。
その規則正しい寝息だけが、この止まった時間の中の唯一の時計だ。
「ねえ、クロ。私たちはどこへ行くんだろうね」
答えのない問いを飲み干して、私はまた、
銀色の空の向こう側を眺めている。
✦・┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈・✦
「もう一日の断片」
雨上がりの午後のひかり。
昨日の雨が嘘のように、雲の間から薄いひかりが差し込んでいる。
物憂げな空は、洗い立てのシーツみたいに少しだけ軽くなった。
テーブルの上には、今日もカフェオレ。
スプーンでゆっくりとかき混ぜると、ミルクの色が渦を巻いて、
私のとりとめのない思考と一緒に溶けていく。
古いアルバムはまだ、開いたままそこにある。
愛犬のクロが、そのページの上にわざとらしく顎を乗せて、
「もういい加減にして」とでも言うように私を見上げた。
「わかったよ、クロ。もうすぐ散歩に行こう」
過去の私と今の私が、ふっと重なるような感覚。
新しく淹れ直した温かい一杯を飲み干して、
私は重い腰を上げた。
••┈┈ ˖ ࣪⊹ᴛʜᴀɴᴋ ʏᴏᴜ𖥔. ִֶָ𓂅 ┈┈••
物憂げな空
#枯葉#同情#太陽のような#Love you#小さな命
から続くシリーズ小説。
俺は、枯葉が下を向いて気づいていないのをいいことベッドへと戻りまだ寝ているかのように背中を窓に向けた。開閉制限でほとんど開かない窓からは腕も出せず、何もしてやれない後ろめたさから声もかけられずにいる。
(かっこわりぃ…)
音が聞こえなくなり寝返りを打って窓の外を見ると、雨は止んでいたが空はいまだ物憂げで、いつまた降り返してきてもおかしくなかった。枝先に残る枯葉を見て安堵の息をひとつ吐き、ベッドテーブルの上のスマホを掴んで慣れた手つきでアプリの動画モードを起動させて、雨粒の残った枯葉へとレンズを向けるとこの天気で月など出ていないはずなのに、画面には木の枝に座り空を見上げる枯葉が映っていた。
(なにみてんだろ)
視ている景色は想像もつかないが自分を待っていることだけは明らかで、俺はスマホを机に戻し空いた手で体を支えながらゆっくりと上体を起こして松葉杖と再び手にしたスマホを外に向けながら、雨の匂いを含んだ窓辺へと足を向けた。
(後書き。)
AI達に言葉を教えてもらう日々^^;
院内のルールは守ったけど枯葉が守れないTT
閉幕したけど余韻で頑張る^^
→ハムレット的な朝。
「To be, or not to be, that is the question. 」
不明瞭な空が、出勤前の私を困惑させる。
濡れた洗濯物のなんと重いことか!
ベランダか、屋内か……。
それが問題だ。
テーマ; 物憂げな空
ジョッキを勢いよくテーブルに置いて、先輩は私を睨み据えた。赤い顔をして、口元に泡をつけたまま。
「圧迫面接されたことある?」
「無いです」
「入社試験何回受けた?」
「二回です」
「お祈りメールは来た?」
「いえ、どっちも採用だったから一つはこっちから断りました」
「面接の時趣味をバカにされたことは?」
「無いですよぉ。趣味の話なんか話題にもしない」
「·····あっそ」
先輩は再びジョッキを煽る。白い喉を晒してビールを流し込むと今度は天井を見上げたまた「いいなあ!!」と叫んだ。
「先輩、そろそろ帰りましょう」
私はゆっくり立ち上がり、先輩の腕を取る。今日はかなり飲みすぎたようだ。
ヒールを履いた足元が時折カクンと崩折れる。
駅まで向かう道すがら、先輩 はずっと喋り続けていた。
「アンタ達にはアンタ達の悩みがあるのは知ってるけどさぁ。理不尽だったなぁ、昔は」
石畳を歩く先輩の足音は不規則で、体全体がゆらゆらと揺れている。
赤信号にさしかかると、私は揺れる先輩を支えながら見るとはなしに空を見上げた。
星も無い、月も無い。
雲が低く垂れ篭める、暗くて重い空がそこにはあった。
先輩が今の私と同じ歳だった時代は〝就職氷河期〟と呼ばれていた。
何百社も面接をしても採用されず、面接では今ならハラスメント案件と言われてもおかしくない質問をされたり、趣味をバカにされる事もあったそうだ。売り手市場の今とはまるで正反対で、もし私がその時代に生きていたら多分耐えられなかっただろう。
先輩は仕事は丁寧だし優しいし、私のような後輩にも気さくに話しかけてくれて、どうしてこんなちゃんとした人が入社試験に合格出来なかったのか、不思議でならない。
そんな先輩は私とお酒を飲んで酔っ払うと、ちょっとネガティブになる。仕事や世間に対する愚痴が増えて、最後は「いいなぁ」と呟いて眠ってしまうのだ。
先輩が今の私と同じ歳だった時代。
先輩は面接の帰りに空を見上げたのだろうか。
何百社も試験を受けて、疲れ果て、見上げた空――。
きっと今と同じ物憂げな空が広がっていたのだろう。
もしもタイムマシンがあったなら。
その頃の先輩に会いに行って、一緒に昏く沈んだ空を見上げてみたい。
改札に向かう階段でまたぐずぐずと崩折れてしまった先輩を支えながら、私はそんな事を思った。
END
「物憂げな空」
いっそ泣いてくれたなら
拭って抱きしめてやったのに、と
きみが卑しくわらったから
『物憂げな空』
"物憂げな空"
貼り替えた障子を破る犯人の
曲がったひげが予報の代わり
雨だれがトタン屋根を叩き始め、次第に速くなっていく。
久し振りの雨。窓を開けると土の匂いがした。
どうぞ穏やかで健やかな一日を。
#物憂げな空
雨はやんでいた。
「いつにも増して、お疲れのようですね」
柱の影から不機嫌さを感じ取り、生徒は声をかける。影は揺らめきヒールの靴先がコンコンと鳴った。
「見なさい。昼間はぬくもりを帯びていた芝生が、通り魔に全てやられてしまった」
生徒は裏庭へ目を向けた。
一面に濡れそぼった深緑の葉。
「それは先生がため息をついたからでしょう?」
自習の合間に外気をもとめて来てみれば、よく話題に上がる彼女がいつもの姿勢で腕を組み、ひっきりなしに。上を睨みつけ、下に睫毛を震わせ。
「あの鳥を見てください。枝葉に包まれた木のなかの巣はあたたかく居心地が良さそうですよ」
そうして彼らは遠くの成鳥を観察し始めた。注視する気配を感じ取ったのか、羽ばたくまでにそう時間はかからなかった。
「はぁ、方角がいけませんね」
またしてもため息。
「あの方向には何があるんです?」
「特に何もないでしょう」
首をかしげる生徒には目を向けず、雨上がりの空を。「……最近の子達は朝の情報番組を観ないのですね。聞くところによれば、新聞も読まないとか」
「朝は忙しくて……」
ため息に取って代わるように雲が流され、日を遮る。
「先生?」
「いいえ、改めて考えるとどうでもいいことばかりですね」
床を踵で小突き。「これからまた雨が降ろうと、風が吹こうと」「いつどこで何が起きようとも」
「現状を受け入れなければ。そうでしょう?」
二人の横目がちらりと合う。
生徒が「はい」と。返事だけは良かった。
「自習に戻ります」
「そうですか」
「先生はどうするんですか?」
「気分が乗らないので帰ります」
【物憂げな空】
物憂げな空
曇天
まるで私の心のような
もしかして
あなたの心でもあるのか
そんな事を考えてしまう
どうか泣かないで
まつ毛も上がりきらない気候。
グロスを塗った唇からはため息しか漏れない。
せっかく新しい靴も下ろしたのに、と内心愚痴るも喋りかける友達もいないソロ活中なので一人ごちることしかできない。
曇天の空は今にも水が溢れ出しそうな表情を浮かべ、じんわりと翳りを灯す。
せっかくのお出かけが嫌な気分で終わっては仕方がないと、重い腰を上げ歩みを進める。
肩にかかった小さなバッグの鎖がシャラリと音を立てるのも厭わない。
今日はいい日にしてやるんだと意気込んだ私は、ヒールを鳴らしファーのベストを風に揺らしながら馴染みの喫茶店へと目標を移した。
まずはあの店のプリンアラモードを食べてやるんだ。
いくらでも気分なんて上げられる。
今日のあたしは可愛いし、きっと最強だもんね!
どこか物憂げな空は
太陽を遮り
やがて雨を降らせた。
数ヶ月ぶりの雨。
サーッと降る時もあれば
ザーッという音が聞こえることも。
傘をさしてしまえば
全部パラパラという音に変わるけど。
だいぶ前に読んだ本に
傘が人と人を繋ぐ、
そんな不思議な傘屋の話が出てきた。
私の傘はそんな大層なものでは
無いのだけど、
何か1つから
物語が始まるのっていいなって。
考え事をしていたら
いつの間にか服はびしょ濡れ。
物憂げな空のせいで
薄い月は見えないまま。
"Good Midnight!"
春を感じる暖かな気温は
どこかへ飛んでいき、
また少し冷たい風が
雨と共にやってきた。
「物憂げな空」
物憂げな空をしばし見つめて、口づけをする。
この空を綺麗だと思う自分は少しおかしいのだろうか。きっと誰かに笑われている。
抱きしめてほしいだけなのに。
色をなくした誰かを、呼んでいる空に。
『違う温度』
はぁとため息が口から漏れる。物憂げな空と同じく、私の気分も晴れなかった。いつもより上手くまとまらない髪を指に巻き付けながら口を開く。
「なに、何の用?」
そう問いかけながら振り返ると、予想通り彼が立っていた。目を見開いていたが、直ぐに苦虫を噛み潰したような顔に変わって思わず笑ってしまう。
「あら、どうしたの?そんな顔して?」
「……別に」
そう拗ねたように顔を背ける彼に益々笑いがこみ上げてくる。そんな空気を正すように、彼は咳払いをした。
「……あいつがついに力に目覚めた」
その言葉に、髪を巻き付けていた指が止まる。指から髪がするすると解けていった。
「そう…あの子が……」
恐れていたことが起きてしまった。今はまだ大丈夫かもしれない。でも特別な力を持ったあの子が暴走なんてしたら……
そんな最悪のケースを考えこんでいると、いつの間にか彼が隣に来ていた。彼にそっと手を取られる。彼の手は私の手より暖かく、私の手にじんわりと熱が移っていくようだった。
「俺と一緒に来ないか」
彼の目はいつになく真剣だった。その目から逃げるように目線を外す。無意識に噛んでいた唇を緩め、息を吐き出した。
「…ごめん、私は私のやり方であの子を見守るから」
そう言い、繋がれていた手を外す。
彼は少しの間のあと「わかった」と言い、くるりと踵を返した。彼の白いコートも一緒にふわりと翻る。コツコツと足音を鳴らして去っていったかと思えば、すぐにその足音は止まった。
「……必ず後で迎えに行く。それまでに心の準備をしておけ」
その言葉に急いで彼の方を振り返るが、そこにもう彼はいなかった。
私は先程まで繋がっていた手を見つめ、無くなった温度を取り戻すように手を握った。
【物憂げな空】