『澄んだ瞳』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
澄んだ瞳
私の瞳は、黒々として
いつも死んだ魚の目。
貴女が黒曜石のようと
言ってくれた目。
貴女のおかげで、私の瞳は
沢山の夜を吸い込んで、
澄んで微かに光っている。
夜
嵐の夜
風呂に入る
庭の薔薇が揺れている
野犬が鳴いている
その頃
産院の新生児室では
まだ目も見えぬ赤ン坊が
じっと宙を見つめていた
それは木漏れ日の綺麗な午後、屋敷の庭園に用意されたお茶会の席でのこと。
「なんだか楽しそうね」
淹れたての紅茶が飲みごろになった頃、私はようやく楽しげに微笑んでいる彼に声をかけた。
「うん、とても楽しいよ」
「まだ楽しいお話はしていないと思うのだけど?」
使用人たちを屋敷へ戻し、文字通り二人だけのお茶会を始めたものの、彼は一言も話さずニコニコと笑みを浮かべて私を見ているだけだった。
「君の澄んだ瞳、それを見ているだけで楽しいんだ」
ありふれたブルーの瞳だと思うけれど、そう心でつぶやきながら続く声を待つ。
「その澄んだ青がほの暗く陰る時はいつだろう? 僕と同じ感情の色を宿す時はいつだろう? って考えて、待ち遠しく思う、それがとても楽しいんだよ」
「同じ感情ってなにかしら? あなたを好き、愛してるって気持ちでいいの?」
何を言っているのこの人は、という気持ちは不思議と浮かばなかった。瞬時に浮かんだ同じ感情への疑問を問いかければ彼は小さく首を振って、また私を見つめる。
「もっと黒くてドロドロしている気持ち。君を誰にも渡さない、誰にも見せたくない、とか……早く君にもそういう感情が芽生えないかな」
うっとりと歌うように言葉をつむぐ彼に問いかける。
「あなたにとって私の瞳はどう見える?」
「穢れを知らない、とっても綺麗に澄んだ瞳だよ」
返された答えが子供のように純粋なもので、私はほほ笑む。
「あなたの方が純粋で綺麗な澄んだ瞳をしているわ」
「どうして?」
「私の瞳が宿している、ほの暗さに気がつかないのだから」
嫉妬も独占欲も、はじめて出会った時から芽生えてる。ずっと気づかず、純粋なあなたでいて欲しかったけど……
「ねぇ、あなたはいつ私と同じ色を宿してくれるの?」
一途な想いは狂気にも似て。
お題【澄んだ瞳】
お題《澄んだ瞳》
どんな悲劇もそこには、存在しない。
夜の果てさえも、人は必ず越えてゆける。
前を向こう。
その命で、やさしさを繋いでいこう。あなたのやさしさがいつか荒れ果てた場所でそっと、、花開くように、そう信じて。
「澄んだ瞳」
羨ましい。
そう、思ってしまった。
澄んだ瞳できみは何を見ている?
明るい未来と希望か?
それとも期待と好奇心か?
そんな目をできる生き方をしたかった。
未来は見えず。
希望は絶望に。
期待は責任に。
好奇心は無関心に。
変わってしまったなぁ
【澄んだ瞳】
未来の話をしよう!
そう提案したその時、春歌の頭の中は確かに、希望と期待に満ち溢れていた。
高校卒業したら進路どうする?
ヨウは頭いいから、イイトコの大学も狙えそうだよね。わたしは成績よくないし、そしたら別々になっちゃうね。小学校も中学校も高校も、ずっと一緒なのにね。……もっと勉強しとけばよかったかなぁ。でもわたし、勉強嫌いだしな。
違う学校行ったとしても、会わなくなるわけじゃないもんね。
仕事はさ、どんなのしたい?
わたしは、人といっぱい接するヤツがいいなー。ショップのスタッフとか。テーマパークのキャストとかもおもしろそう。
ヨウは逆に、あんまり人と話したりするの好きじゃないもんね。凝り性だし、なんか専門的なの似合いそう。専門的が何かって言われたらわかんないけど。
住むトコも重要だよね! 駅が近い方が便利とか、ちょっと郊外ぐらいが静かで広い! とか。
わたしはね、一軒家よりマンション派だよ。何年かに一回引っ越して、ガラッと環境変えたり。でもヨウは環境変わると体調くずしちゃうから、おんなじトコでもいいよ。
こどもはね、いっぱいいたら楽しいよね! でも、大変な生活させたくはないから、ムリのない範囲の大家族が理想かな。
たくさんたくさん語った春歌に、夜雨はただ黙って聞いて、時々頷いた。それだけだった。
だから春歌は訊いた。
ヨウは?
春歌はなんの恐れもなくただただ夜雨の未来を聞きたかった。そこに自分が存在することはとても自然なことだったので。
当然と思うことすらなく、春歌の未来に夜雨が存在するように、特別でもなんでもないことだった。
夜雨は腕を組み、首を傾げて少し考えた。
「この歳で将来のこと決めるのって難しいよな……。その辺はまぁ、おれは追い追い。とりあえず目標は、他人様に迷惑かけることなく生きて、他人様に迷惑かけることなく死ねれば、それで十分だわ」
未来の話をしよう!
そう提案したその時、春歌の頭の中は確かに、希望と期待に満ち溢れていた。
春歌は良い人生送るよ。目に見える。
そう優しい顔で、柔らかな声では言えるくせに、そこに自分を置けないひとの目を見るまでは。
普段は伏せがちに光の少ない目をしているくせに、こんなときばっかり真っ直ぐ、澄んだ瞳をする。
曇りのない、澄んだ瞳。
私はあと何年この力強い瞳を見ていられるのだろうか。
君はまだ知らないだろう。
何年後かにその澄んだ瞳が復讐の炎に燃えることを…。
「澄んだ瞳」
『澄んだ瞳』
"やりたい事をやった"だけ
結末なんて興味無い
誰かが死んだ
どうでもいい
誰かが生きた
どうでもいい
誰かの不幸
どうでもいい
誰かの幸せ
どうでもいい
どこかの誰かが
どうなろうとも
そんな事は
どうでもいい
"やりたい事をやった"だけ
結末なんて興味無い
お題『澄んだ瞳』
「ねえ、何か面白い話をしてよ」
そんなことをそんな綺麗な目で言われて、俺はどないしたらええんや。
関西出身やとバレたら雑に笑いを求められる。そんな通過儀礼があるいう噂は知っとった。けどこれはちょっと思たんとちゃう。
からかう気満々の嫌ぁな目をしとるんやったらいくらでもスルーしたる、ボッチもケンカも辞さん。けどこの兄ちゃんは本気で俺に面白を求めとる。
この兄ちゃんが特別なんやろか。それともほんまはみんなこんなふうに悪気なく面白を求めとるんやろか。なんにせよ、東京の大学に進学して、最初に雑談したんがこの綺麗な目の兄ちゃんやった。できることなら期待に応えたい。
けど、俺に面白い話はできん。
そういう奴もおる。だからこそこの通過儀礼が話題になる。
どうしよ。どうする。
大学の大教室の真ん中らへんの列で、俺は一人で大葛藤した。
応える。どうやって。
断る。どうやって。
関東の人間には関西弁て怖いらしい。断るにしてもビビられるような言い方はしたない。……いやまあここまで二、三の雑談してくれた相手や、大丈夫やろけども……。
もう頭ん中は大騒ぎ。往年のローン会社のCMより、今期の大河ドラマより「どうする」で満ちとった。内容はめっちゃ個人的やけど。
冷や汗が伝うんを感じながら兄ちゃんの顔を見たら――兄ちゃんも汗かいとった。
それに気ぃ付いた瞬間、ふっと力が抜けた。
よう見たら兄ちゃん、ほっぺも赤いし口も強張っとる。
何のことはない。俺も兄ちゃんも大学デビューに緊張しとった、それだけや。
「あー……あんな?」
自然と言葉が出せた。……嘘、まだちょっと喉が強張っとるけど、それでも喋れた。
喋ってすぐに直感的に! ってわけやないのが残念やけど、俺、君とやったら良い関係を築けそうな気がしてきたで。そらもう、じゅうぶん運命的と言ってもええほどに。
そうと決まれば見栄張っても始まらん。苦手は伝えとかなな。
これから友達になってくれ。よろしゅうな、綺麗な目の兄ちゃん。名前教えて。
ガラス玉みたいな目。
洗脳されてる奴の目。
平気で他人を傷つけて、何が悪いのかとヘラヘラ笑ってる奴の目。
電車の前に飛び込もうとしてる奴の目。
何もかも諦めた奴等の目。
この世で一番嫌いな目。
お題「澄んだ瞳」
『待雪草』 初めて彼女を見たとき、頭に浮かんだ。
彼女は、絹のような髪、白磁のような肌、紫翡翠をはめ込んだような瞳をしていた。
まだ齢三、四の子どもだった彼女は、刀に魅入られた。
彼女は、こちらをじっと見る。和多志の刀を振るう姿を、稽古する姿を、いつも凝視した。
今の平和な世で、女である彼女が、刀を振るう必要がない。そもそも、彼女はこの家の人間では無い。あくまでも、此処に一時的に預けられただけに過ぎない。
この家の家業は、御様御用(おためしごよう)。刀剣の試し斬り役にして、死刑執行人。
この家で刀を習うということは、死刑執行人になることと同意義なのだ。
「刀を習いたいか。」と、和多志は彼女に問うた。
「はい。」と、彼女は凛とした、真っ直ぐな眼で応えた。
「和多志の見習いとなり、相応の努力をすれば、死刑執行人になれる。女は、死刑執行人には成れない。女を捨てる覚悟は、有るのか。」と、和多志は彼女に問うた。
「はい。」と、彼女は覚悟を決めた眼をしていた。
後に、彼女は首の皮一枚だけ残し斬首する、最年少の死刑執行人となる。
そして、その技力から後世に語り継がれることとなる。
澄んだ瞳
あるゲームの夢小説です(ネタバレを含む可能性があります)
「ねえ、行こう」
彼女は私に手を差し伸べる。
夢にまで見た光景。
しかし、また夢であったらどうしようと不安になる。
それに、君を幾度も傷つけてしまった。
そんな私が手を取るなんて。
「嫌?」
彼女がそう聞いてくる。
「嫌なんて、そんなわけないよ。ただ、少し不安なんだ。」
「「失ったものを悲しむより、ただ喜べばいい」」
「それは…」
「ふふ、聞いたことあるでしょ?
確かに誰かと比べ物にならないくらい僕達には失ったものも多いかもしれない。けど、今二人でこうして外に出られること、僕はこの上ない幸せだと思う」
「まだこの手は取ってくれない…?」
彼女は再度手を差し伸べる。
勇気を振り絞り、彼女の華奢な手を取る。
彼女は満足そうな顔で握り返す。
不思議な感覚がした。
これが当たり前のような、必然であったかのようなそんな。
今まで考えてきたものがすべて覆されるようなそんな。
「さぁ、どこに行こうか?」
どこまでも澄んだ瞳には君と私しか写っていない。
今はただそんな君を見つめながら幸せな時を過ごそうと思う。
いや、きっとこれからも。
みゃあみゃあ
みぃみぃ
猫用ソファーに寝転がる小さな命たち
「可愛いねぇ、かぁわぁいいぃ~」
私の飼い猫が仔猫を産んだ。
三匹の仔猫たちは父親要素はどこに忘れたらしく、母猫によく似ていた。
あまりにも可愛いものだから、近しい人たちに天使と称して親馬鹿よろしく自慢していたところ、仔猫たちを見てみたい、と駄々こねまくられてしまったため連れて来た友人だが。
すっかり目の前の小さな命にメロメロ、通り越してデロデロだ。
弱々しい小さな身体、ふわふわの体毛、無垢なピンク色の口元。
幼いながらに魅惑のボディを持つ天使たちはつるりとした真ん丸な目で不思議な物を見つけたと言わんばかりにじっと友人を見ている。警戒心は無いのかな君たち。
「あぁ~、ホントに天使。何コレ尊い、見てるだけで清らかになるわマジ天使」
発言が相変わらず可笑しなことになっているが、いつものことだし気にしない。
語彙が乏しくなっているのは、私も一緒だしね。
「見てよ見てよ、この円らな瞳、澄みきってて見てる私が汚物みたいでマジごめんって感じ。はぁ尊い」
分からないこともない。ホントに無垢、純粋な感じ。穢れを知らないって言うのか、見えるもの全てが初めましてだからか好奇心も見えるけど、やっぱり澄んでるっていうのは分かる。
分かるけど、
「ママはどんな感じ? やっぱり美猫? この仔たちみたいに綺麗な顔なんだろうな」
言うべきか言わざるべきか、後ろからこちらを見ている母猫の冷やかな表情。
大人になってしまった彼女の胡乱げな眼差し、かつての澄んだ瞳など最早過去のものでしかないのだ。
この天使たちもいずれ無垢を忘れ、母と同じように世界を知り、大人になってしまうのだろうな。
「はあああ、1日の時間が足りない。この命たち永遠に見てられるわ」
誠に時の流れとは残酷である。
キミの瞳は、とってもキラキラ輝いてるね!!
ボクね、キミを眺めているのが大好きなんだ。
あ、別に変な意味じゃないよ?
うん。
本当の本当に澄んでるから、透明になって消えちゃいそうなくらいに、澄み切っているから、
惹き込まれていくんだ。
〜澄んだ瞳〜
彼が好きだ。
彼の澄んだ瞳が眩しくて。
走ってる姿がかっこよくて。
その揺れる髪の毛すら愛おしくて。
そして、何より笑顔が素敵で。
ある時、彼が1人で校舎裏にいたことがあった。
どうしたのって声掛けようとしたら、彼は泣いていた。
本当に悔しそうにしていたのが私の心に残っていた。
後々聞いたら、部活の選抜に入れなかったって知った。
そんな一生懸命に取り組む姿勢も好きだ。
彼は私の歌声が好きって言ってくれる。
私も歌を歌うことは好きだ。
だからよくカラオケに行くと私ばっかり歌って。
歌いなよって言うと、君の歌を聴くのが減るから嫌だと言われた。
私は彼の歌が聴きたいんだけどなぁ。
彼から名前を呼ばれるとすごく嬉しい。
そう伝えると、「じゃあずっと呼び続けるね」って言ってくれた。
今の私の彼への愛は空よりも高く海より深い。
だから、今日も彼にこの気持ちを届けよう。
最愛の君へ。
※「きみにとどけよう」という合唱曲をモチーフにしました。合唱曲の中で1番と言っても過言でないくらい好きな曲です。今回のテーマを見たら、それしか思いつきませんでした。(w) 普通に曲が最高なので、良ければ聴いてみてください!
■テーマ:澄んだ瞳
どうしてそんな澄んだキラキラした瞳で見つめてくるの
抱きしめたくなっちゃうよ
大好き大好きってたくさん言いたくなっちゃう
そしたらぺろぺろお鼻を舐めてくれるよね
私の後ろをずっとついてきて
そのキラキラおめめで見つめてくるんだ
わかってるんだよね、伝わってるんだよね
これからもこれまでもずーっと大好きだよ❤️
澄んだ瞳
彼は何を求めているだのだろうか。
その表情から正しい感情を読み取る事は困難だと感じた。
君はどんなときも、その、夏の晴れ晴れとした空のような、澄んだ瞳を私に向けてくれていた。
だが、私は見えない虚無というものを感じてしまって。
じっと見つめていたら、思わず惹き込まれそうな感覚に少し恐怖を覚えた。
しかし、またそれも美しく、儚くて。
彼女の目から、彼女のナニカが零れ落ちているかのように私には見えた。
彼女のナニカとは、、。
私にも分からない。
否、分かりたくもない。
人の中に入りすぎると危なくなるのは、自分だ。
秘密を一つや二つ持って生きているのが、人というものだろう。
,,と、考えていくうちに、ふと私は思った。
果たして、彼女の瞳は本当に澄んでいるのか。そう考えると、怖くなって思わず身震いした。人間の大半は結局、裏で黒く染った感情を隠し、誰にも悟られぬよう、ただ普通の人の面を被っているだけのような者ばかりなのでは,,と。
考えすぎだと、無理やり思考を一旦停止させて、自分もまた、笑顔を貼り付け、外へと歩き出した。
わたしを見つめる4つの眼
時に甘えたくて潤んだ瞳
ある時は守ってくれる凛々しい瞳
その4つの眼は
純粋な澄んだ瞳です
鋭い爪がたまにキズですが
可愛いわたしの家族です
にゃ〜
それを語れるだけの自分に
もう一度 なりたい
.
.
.
申し訳無さ
向き合う 勇気も なくし
今日も
明日も
…
(変えたくてここに来ました)
*「澄んだ瞳」、2023/08/02に編集