『涙の理由』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
今日も独りだった。
いつも一緒にいたあなたは、いつからか私を無視するようになった。
クラスの子も、全員。
朝登校したら、あなたを横目で見ながら図書館に行く。
クスクスと笑う不協和音。
あなたも一緒に笑っていることに気づいてないとでも思ってる?
昼休み。
席は取られるかゴミを置かれるかされているので、屋上で食べる。
誰もいない屋上で。
孤独。
そんな一言が嫌にしっくりくる。
私は所詮群れて行動する弱い人間。
だから一匹狼のようにこの状況を悠々と過ごすことは出来ない。
エスカレートしていく私へのアピールにウンザリしてきた頃。
ようやくクラス替えの日が来た。
私はあなたを屋上に呼び出した。
「今日は記念日だね。」
私はそう告げた。
怪訝そうな顔をするあなたにゆっくりと、それでいてしっかりとした足取りで近づいてゆく。
「群れで行動する弱くて愚かなあなたを消してあげる。」
そう言ってあなたの肩をとんっと押した。
『…え?』
まさか殺すなどと思いもしなかったのだろう。
驚愕の表情を浮かべた間抜け面が、地獄に向かって静かに落下していった。
さようなら、愚かなあなた。
大好きで大嫌いなあなた。
赤く染まったあなたを屋上から見下ろしながら私は誰にも知られず1人泣いた。
2023.10/11 涙の理由
「涙の理由」
美しい雲をみたとか
紅い彼岸花の中に
白い彼岸花があったとか
トンボが追いかけっこをしていたとか
塀の上で三毛猫が昼寝していたとか
いつもより早く星を見つけたとか
今日は月が大きくて眩しいとか
美しいものを見た時
知らない車のナンバーが
自分の誕生日と同じだったとか
あなたと同姓同名の人がTVに出ていたとか
「私のこと」を鏡で見るより
「あなたのこと」を見ている時間が長いとか
驚いてしまうことに気づいた時
嬉しい時、楽しい時
困惑した時、哀しいとき、
自分だけでは顔をあげられないとき
触れられたわけではないのに
そばにいるだけで温かくなるとき
すべてがぜんぶ
あなたにつながっている
それが嬉しくて 愛しくて
だからそれが
「涙の理由」
「涙の理由」
小さい頃はとても泣き虫で、家族にトランプやカルタで負けるとすぐ泣いていた。
小学生くらいからは、あまり勝ち負けにこだわらなくなり、悔し泣きをすることもなくなっていった。
部活に入っていた中学三年生のとき、最後の公式大会で県大会出場を逃し、顧問の先生が泣いてくれた。
高校生のとき、初めての彼女にフラれて死ぬほど泣いた。
大学時代は、就職活動をしなかったため、将来への不安で涙した。
営業の仕事をしていたときは、契約がとれず悔しくて悔しくてビルのトイレで泣いた。
娘が無事生まれたとき、嬉しさのあまり看護士さんの前で泣いた。
父親になった今は、『さとうきび畑の唄』を聞くと泣く。
今、頬伝うそれは何のためだろう。
胸がズキズキ痛い
息が意識しないといけないほど苦しい
誰でもいい、どうでもいい。
この誰も知らない哀しみを取り除きたい
そうやって流れた「哀」はぽとりと零れて
いつか大輪の華を咲かせるだろう
大丈夫 大丈夫...
痛いも苦しいも未来のためにあるから
#涙の理由
長い間、病人の腹を眺めていた。
ゆっくりと上下に動くのを、眺めていた。
その動きがあまりに静かなので、一瞬目を離した隙に死んでしまうのではないかと、不安で不安で息を殺して見つめていた。
ふと、病人の瞼がかすかに開かれたのを感じた。
そして深い呼吸をして、再び瞼は閉じた。
一度その深呼吸が終わると、部屋は一気に静まり返った。
部屋の全てが停止され、それは一瞬時が止まったような、長い時間だった。
私の呼吸さえ止まり、心臓音だけが強く耳に響いた。
我に返ると再び時間が動き出した。
病人は既に死んでいる。
私は静かに呼吸を始めた。
『涙の理由』
君を思い返す時、いつも最初に思い浮かぶのは泣いてる顔だった。
教室で話しかけてくれる時はいつも笑っているのに、泣いてる顔の方しか浮かばないなんて皮肉もいいところだ。
優しい君は誰かが傷つく時、いつも心を痛めてた。
誰かを思って涙を流す君を見ても優しいヒトだなと思うだけなのに、自分のために泣いてる君を見ると美しいと、愛おしいという気持ちが湧いてくる。
どうしてそう思うのか、君に触れれば分かるだろうか。
君の涙の理由に触れれば分かるだろうか。
涙の理由
男、あれ?、どうしたの?なんで君泣いてるの?
涙の理由を教えて?
と、あなたは言ったね、私はあなたに涙の理由をこう言ったね。
女、私が泣いてるのはね、あなたが私のことどう思ってるのかわからなくて泣いてたの。
男、え?俺…?君になんかしたっけ?
女、うーん、なんか私避けられてる気がして…、嫌われたのかな?って思ってしまったの…。違うかな?
男、ごめん、君を嫌ってもいないよ。俺…もっと君のこと話しかけてあげればよかったね…💦、ごめんね。
女、うんうん、あなたは悪くないよ。ありがとう。私が勘違いしちゃっただけ。だから泣いてごめんね?
男、そっか。今日はどこか君と一緒に行けるとこ行こうか。どこ行きたい?
女、うーん、遊園地行きたいなー。
男、お、そしたら、夢の国でも行くか!
チケットは向こうで買おうな!
女、え!嬉しいな!ありがとう🎵
夢の国行きたかったんだ!行こう❗
男、うん、なんで泣くんだよ、嬉し泣きか?
全くかわいいやつだなぁ。
終わり
きみが涙の理由を教えてくれるなら、
3つ数えてから抱きしめに行くよ
テーマ【涙の理由】
大切な人を亡くした。
駆けつけたときも
次の日も涙は出なかった。
そしてその瞬間まで一滴も出なかったのに
湯灌の時
突如涙が溢れた。
溢れて溢れて止まらなかった。
イヤだ、イヤだ、イヤだしか口から出なかった。
その後は、もう何も出てこなかった。
涙が
出なかったのも止まらなかったのも
理由は分からない。
カタカタと押し上げられ
隙間から伝い落ちて
初めて蓋の存在に気づく
溢れた心を拭いながら
私たちは理由を探し出す
また蓋をしながら
その矛盾を理由に変えていく
食堂に行くと、何故か後輩が沈んでいた。
あまりの沈み具合に、いつもは毛嫌いしている苦手な野菜を口に入れている。
あ、呑み込んだ。
「大丈夫か、おまえ」
「…………っ」
話しかければ、こっちを見ないままぼろりと涙を流した。
突然のことにいつも元気のいい後輩の現状を心配していた周りの人間もとたんに騒ぎ始める。
いったい何があったと言うんだ。
「どうしたんだよ……」
「うぇ…………」
「とりあえず擦るな、腫れるぞ」
「うー」
ゴシゴシと目を擦るから、慌てて止めさせる。
面が良いこいつが明らかに泣き跡を残していたら学年どころか学校中が大騒ぎだ。
「で?」
落ち着いたタイミングで泣いた理由を問いかける。
けれど、後輩の返事に早々にこの場を離れたくなるとは思わなかった。
「オレの…好きな人が……」
「おう」
「昨日ご飯作ってくれて」
「あぁ、うん」
後輩の好きな人。
話しやすいのか牽制か、この後輩はよくオレのところに話をしにやってくる。
まだ想いを告げていない片想い状態なのに。
しかもその状態で、世話好きな奴の部屋に入り浸っているのだ。
だから、こいつが誰を好きなのかは知っている。
ご飯を作ってくれて、という言葉に、簡単にその時の状況を想像することができた。
「その時の鼻歌が……」
「あぁ、あいつよく鼻歌歌ってるしな」
「失恋の歌だったんです〜」
帰っていいかな。
びゃああと泣き出した阿呆から、心配していた周りの人間が目を逸らす。
とりあえず話を続けよう。
意味が分からないから。
「…………なんでそれでおまえが泣くの」
「ひぐっ、失恋の歌ってことは失恋したってことでしょ?オレ以外にぃぃ」
残念ながらあの器用貧乏型多才バカはその時の気分関係無しに流行りの曲を歌ってるぞ。
リズムが好きだからとかいう理由でキャットファイトする洋楽歌ってたバカだからな。
カラオケのストック増やすために聴いた新曲が頭から離れなくなったとかだろ、それ。
とうとう食堂のテーブルに突っ伏してベソベソし始めた後輩を見下ろす。
人の気持ちを考えない傍若無人の言動を天然でする後輩の涙の理由は、心底くだらないものだった。
お題「涙の理由」
わーかったー
わーかったってー
よしよし
ムリに言わんでいい
何か食べに出かけようか
そうだ、それがいい そうしよう
おなかすいたし
笑ってるほうがいいよー
こんど聞くね
『涙の理由』
目の前にいる知らない女性が泣いていた。
何故?どうして?
どうして僕の目の前で泣いているのだろう。
分からない。
何か言葉をかけるべきなのだろうか?
涙を拭うべきなのだろうか?
その泣き顔を隠すように抱きしめるべきなのだろうか?
分からないのだ。
泣きながら彼女が吐き出す言葉も理解が出来なかった。
気がつくと周りに人が集まっていた。
それぞれコソコソと何かを囁きあっている。
ただ突っ立って黙っていても埒が明かないのは分かっていた。
深呼吸をして意を決して彼女に言った。
「君は誰だい?」
さっきまで涙を流していた彼女は目を大きく見開いて固まってしまった。
周りに集まっている人達も同様に固まっている。
思い出せないのだ。
何故こんな場所にいるのか
目の前にいる女性が誰なのか
どうして女性が泣いているのか
そして
〖僕自身が誰なのか〗
冷静に考えてみても何も思い出せなかった。
「君には申し訳ないが何もかもが理解できていないのだ。」
「君が誰なのか、僕が誰なのか、どうしてこうなってるのか」
「もし、僕がなにかしてしまっていたら謝罪しよう。すまない」
ゆっくり目を見て伝えると固まっていた彼女が周りに聞こえないように小さく、それでもはっきりとした声で言った。
「そう。じゃあもうあなたに用はないわ」
そして静かに彼女は涙を拭うふりをしながら去っていった。
呆然と立ち尽くす僕は他人から見れば滑稽だろう。
彼女の姿が見えなくなった頃、ボソッと周囲の人間達が言った。
「君、良かったね」
「運がいいなお前」
「救われてよかった」
何故かその人達は喜んでいた。
彼女は一体何者で、僕は一体何者なのか。
そして周囲の言う«良かった»とは。
思い出せないし、理解が追いつかない。
「そういえば…」
「彼女の涙の理由はなんだったんだろう?」
涙の理由
朝、目が覚めたら、涙が出ていた。
鏡の中には、目元を真っ赤にした自分がいる。
なんで泣いたのかわからないけど、とても悲しかったんだと思う。
「なんで、泣いているの?」
私を見て、そう聞いてきてくれる君がいる。
もしかしたら、涙の理由は悲しみではなく、嬉しさかなと思うことにした。
"どんなに頑張ったって人は人じゃないか"
"さあね、僕も僕で頑張ってるんだから働いてもらわないと"
そして世界の主導権は……
『涙の理由』
「怖い」
ただ、それだけだった。
人間 自分 幸せ
車、バイクのエンジン音 人の声、目線
街の騒音、ざわめき 電話
電車、飛行機 人混み
路上でチラシ配ってる人 店員 募金 選挙
救急車、消防車、パトカーのサイレン
人間の感情 期待
物音 誰かが傷つくこと 怒り 不満
怖くて、怯えて、疲れて。でも、涙なんて出なくって。
「たすけて」ってずっと言ってた。でも誰も気づいてはくれなかった。
当たり前だ。声に出してるわけではないのだから。
この世界の誰も、相手の心の中を見通すことなどできないのだから。
でも君は、気づいてくれたね。
「大丈夫?」って聞かれて。
「大丈夫だよ。」って反射的に答えてて。そしたら。
「大丈夫じゃないでしょ。」って。
君は、私から目をそらさなかった。
怖かった。
(気づかれた。誤魔化さないと。)って。
気づいたら、泣いていた。
君は優しくて、温かくて。
あの日、私が泣いた日。
隣にいたのが君でよかった。
思えば、親友が涙を流したのを見たのは、初めて見たその時一回きりだったかもしれない。
当時、私は技術面ではなく、様々な込み入った理由があっての部長に選ばれてしまったことがある。また、優勝連覇を目指していた。
親友も副部長としてチームの皆を引っ張ってくれた。私はどちらかというと、一歩引いて皆を俯瞰的に見守り、何かあれば自ら声掛けてコミュニケーションを取るタイプである。
ただ、肩書きだけとはいえ自分には荷が重すぎた。
相談はされやすいけれども、自分は深刻であればあるほど誰かに相談するといったことを昔からした事がなかった。相手が家族でさえも、今でも深い相談はできないでいる。
大会が目の前まで迫っていたある日、練習中に親友の姿が見えないのが気になった。トイレでも行ったのかと様子見にいくと、顧問の先生と2人で突っ立っていた。
私からは背中を見せていてわからなかったのだが、側まで近寄ると親友は泣いていて目が赤かった。
「えっ!どうして泣いてるの?何かあった?」
顧問の先生から、口を挟んで彼女に「話していい?」と許可を得てから、話してくれた。
「あなたが、ここ最近ずっと笑顔が無かったんだって。」
「………え?」
何を言ってるのか、その意味がすっと分からなくて固まってしまった。笑顔が無い。
「…えっと、友達が?」
「彼女はその事で、自分があなたの力になれていないことが悔しくて泣いてるんだよね。」
親友は一言もこぼさない。小さくコクンと頷いた。
「私…私、笑えていなかったんですか?」
ハッと我に返ったような気分だった。自分では、全く気付かなかった。私、いつからなのか笑顔が消えてたんだ-
そして、気が強くて明るい親友が泣いたのを見たのも初めてだった。
その事があってから、手の空いた教師が2人来て3者面談することになった。
カウンセリングのようなもので何があったのかと色々と聞かれたが、親友の涙を見るまでは自分でも自覚は無かったのだから、原因も何なのかも実のところは分かっていなかったのだ。
きっとキャプテンのプレッシャーと、後輩からの悩み相談を一緒に背負ってしまったのもあり、知らず知らずのうちに自分に余裕が無かったのだろう、ということになった。
親友には感謝している。自分でも気付かなかったことを、彼女には見抜いていて、そして自分事のように泣いてくれた。
その事を思い出すだけでも、心がいっぱいになって涙が出てくるのは歳のせいでもあるだろう。
どうして。
どうしてお前は……。
俺は既に冷たくなった彼女の体を抱き寄せた。
「最後は何を想ったんだ……」
少しだけ濡れてる彼女の頬を優しく撫でる。
教えてくれよ。
今度は俺も背負うから。
だからどうか、目を覚ましてくれよ。
"涙の理由"
涙の理由。
何かの衝動で涙が出る。今までにない事が起こった時に出る。誰かの立場になって考えられた時に涙が出る。
悲しくなった時に涙が出ると思っているが、悲しい状況になって自分の心が空っぽになった時、その空っぽを埋めるようにして涙が出るのではないか。
恋をした。けどまだ相手との今は乗り越えられていない壁を感じて悲しくなった。ただまだ涙は出ない。悲しくて疎外感を感じた。涙が出る。私は少しだけ落ち着く。
涙の理由
それはブタクサの花粉です。秋の花粉症なんです。
スギ花粉よりはマシです。くしゃみ鼻水も出ますが、目も少し痒くて涙が出てきます。