今日も独りだった。
いつも一緒にいたあなたは、いつからか私を無視するようになった。
クラスの子も、全員。
朝登校したら、あなたを横目で見ながら図書館に行く。
クスクスと笑う不協和音。
あなたも一緒に笑っていることに気づいてないとでも思ってる?
昼休み。
席は取られるかゴミを置かれるかされているので、屋上で食べる。
誰もいない屋上で。
孤独。
そんな一言が嫌にしっくりくる。
私は所詮群れて行動する弱い人間。
だから一匹狼のようにこの状況を悠々と過ごすことは出来ない。
エスカレートしていく私へのアピールにウンザリしてきた頃。
ようやくクラス替えの日が来た。
私はあなたを屋上に呼び出した。
「今日は記念日だね。」
私はそう告げた。
怪訝そうな顔をするあなたにゆっくりと、それでいてしっかりとした足取りで近づいてゆく。
「群れで行動する弱くて愚かなあなたを消してあげる。」
そう言ってあなたの肩をとんっと押した。
『…え?』
まさか殺すなどと思いもしなかったのだろう。
驚愕の表情を浮かべた間抜け面が、地獄に向かって静かに落下していった。
さようなら、愚かなあなた。
大好きで大嫌いなあなた。
赤く染まったあなたを屋上から見下ろしながら私は誰にも知られず1人泣いた。
2023.10/11 涙の理由
10/11/2023, 9:19:09 AM