らの

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7/16/2024, 10:50:37 AM

私たちは二人で河川敷に寝そべっていた。
夜風に吹かれて揺れる草が頬をくすぐる。
草の匂いと夜の匂いが混じって、まるでこの世に私たち二人しかいないような気持ちになる。
目を開ければ、満点の星空。
時折、流れ星が流れていく。
私は隣にいる君に話しかけた。

「ねえ、流れ星にお願いごとした?」



返答はない。 まあ、当然か。
でもいいんだ、そばにいてくれるだけで。
私はまた話しかける。

「流れ星ってね、宇宙のゴミが燃えているから光っていて、流れるのはそのゴミが地球に落ちてきているからなんだって。大抵は地球にたどり着かないうちに燃え尽きちゃうんだけどね。」

つまりね、と私は続けた。

「私たちはゴミに一生懸命お願いごとを唱えてるの!」

くすくす、と私は笑う。

ねえ、とっても面白いと思わない?と、私は呟いた。

「ゴミみたいな人間が、どうせすぐに消えてしまうゴミにお願いごとをしてるの。ほんっと、お似合いだよね。」

私の目に涙が溢れた。

「だからね、ゴミみたいな私の願い事も、願う前に燃え尽きて、叶うことは無いんだ。願うことすら出来ない。」

ぐったりと横たわる君の、汚れてしまった白い毛並みを優しく撫でる私の目からは、大粒の涙が零れていた。
こんなことをしても、君は戻ってこない。
辛いことがあった日も、悲しいことを言われた日も、ボロボロに傷つけられて為す術もなく泣いた日も、君がいたから乗り越えられたんだ。
君だけが私に寄り添ってくれた。
私の話を聞いてくれた。
温かい体温に、私は救われた。

理不尽に奪われた君の体温を少しでも取り戻したくて、私は泣きながら君を抱きしめた。
君と初めて出会ったこの河川敷で、君と最期を迎えたい。
何億光年先の恒星たちに見守られながら。


   2024/7.16 空を見上げて心に浮かんだこと

7/14/2024, 2:25:56 PM

みんな手を取りあって仲良くしましょう。

学校の先生が最初に言った言葉。

私はそれを律儀に守ろうとした。

嫌な事を言われても、暴力を振るわれても、あからさまに無視されても

私は仲良くしようとし続けた。

本当はみんないい人なんだと思いたくて。

でも、気づいてしまった。

生まれながらに心が汚い人も、環境に恵まれなかったゆえに歪んでしまった人もいる

そういう人たちは、私には変えようがない。






それから私は変わってしまった。

いい人、、誰かのためになにかをする人、なんていない。

みんな結局、自分が一番大事なんだ。

そんなこと当たり前だなんて言う人もいるだろう。

でも私は知らなかった。

みんな自分より大事なものがあって、それを守るために必死に生きて。

そうだと思っていた。

ああ、なんて汚いんだろう。

私は全てが嫌になった。

最後に見た夕日は、そんな人間たちを鮮やかに照らしていた。

すごく、醜かった。




          2024/7.14 手を取り合って

6/6/2024, 10:13:15 PM

突然、意味もなく、わけも分からないのに、無性に
死にたくなる。
何だかやる気が起きなくて、ただ一日中、どこかから飛び降りたい気持ちを押し殺している。
こんな人生でも生きていたいと思ってしまう私はきっと、救いようのない愚か者なんだろうな。


              2024/6.7  最悪

4/21/2024, 11:44:10 AM


「雫」

それが私に付けられた名前だった。
雨があがったあと花の上で輝く雫のような、明るい
子になりますように。
そう願って付けられた名前。
でも私は、表面こそ明るく繕っているけれど、内面
は真っ暗闇。
この先も生きる勇気がないくせに、死ぬ決心もつか
ない。
ああ。
もういっその事、光り輝く雫の最期のように、綺麗に消えてしまいたい。


            
           2024/4.21 No.25  雫 

3/29/2024, 12:56:29 AM

見つめられるのは好きじゃない

吐いた嘘がバレてしまうような気がするから

どうしてそんなに見つめるの?

あなたは私を見つめて何を思っているの?

ああ、怖い。

せめて私の顔がこんなに醜くなかったら良かったのに。

家に帰っても視線を感じる

誰もいないのに

あなたに見られているような気がする

そんなわけないのに

落ち着かない。

あなたには綺麗な私だけを見ていて欲しいのに

やめてやめてやめてやめてやめてやめて

私に失望しないで

見捨てないで

もう…あなたしかいないのに


       2024/3.29 NO.24 見つめられると 

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