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冬なのに木枯らしもあまり吹かず、太陽の光が優しく降りそそぐ日。そんな日を、冬晴れと言うらしい。

短かった冬の休暇が終わり、今にもまた地獄の日々が始まろうとしているのに、空気は嫌みなほど澄んでいる。

明日から学校だな
また愛想笑いしないとな
話を合わせないと
どんな顔をしていたんだっけ

そんな重苦しさが心の中でぐるぐると渦巻いている。
こんな私は、誰にも求められてない。
みんなから見た「私」は、悩みなんてなんにもなさそうな明るい人。
たまに言われる度を越した「イジリ」も、笑って、
「ひどいよ〜」
と受け流す、メンタルの強い人。
本当は傷ついていても、裏でどれだけ涙を流しても、それを見せちゃいけない。
だって、それはみんなが求める「私」じゃないから。

自分で決めた「キャラクター」を演じて、たくさんの友達ができた。
だけど、常に「自分じゃない人」を演じるのは辛かった。
「私」には悩みも、辛いことも、何も無い。
だから弱音なんて吐いちゃいけない。
何回もやめたいと思った。
逃げたいと思った。
死にたいって、そう思った日は数え切れないほどある。

でも、
本当の私を見たらみんなはどう思うだろう。
人から言われた言葉をずっと気にして、
褒め言葉も素直に受け取れなくて、
自分のことが大嫌いで。

嫌われてしまうんじゃないか。
みんなが離れて言ってしまうんじゃないか。

独りはいやだよ。

そんな、心が弱い私はこの先ずっと、誰にも本当の自分を見せられないのかもしれない。



穏やかな冬晴れの日。
カーテンの隙間からこぼれる太陽の光が、暗い部屋で1人涙を流す私を嘲笑った。



               2025.1/6 冬晴れ

1/6/2025, 8:14:17 AM