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長い間、病人の腹を眺めていた。
ゆっくりと上下に動くのを、眺めていた。
その動きがあまりに静かなので、一瞬目を離した隙に死んでしまうのではないかと、不安で不安で息を殺して見つめていた。
ふと、病人の瞼がかすかに開かれたのを感じた。
そして深い呼吸をして、再び瞼は閉じた。

一度その深呼吸が終わると、部屋は一気に静まり返った。

部屋の全てが停止され、それは一瞬時が止まったような、長い時間だった。

私の呼吸さえ止まり、心臓音だけが強く耳に響いた。

我に返ると再び時間が動き出した。
病人は既に死んでいる。
私は静かに呼吸を始めた。

10/11/2023, 8:53:44 AM