『木枯らし』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
木枯らし
木枯らしが吹く
ひとり帰り道公園を通り帰り道を急ぐと
目の前に落ちた枯れ葉に夏の猛暑を思いだし
これから来る雪の季節をおもい
自然の偉大さを肌身に感じる
昭和の幼少期
木枯らしが吹く日でも
しもやけになるまで
毎日 外で遊んでいた
とある日
近所の線路を伝って
どこまで行けるか
友達2人と弟の4人で
ちょっとした冒険に出た
着いた先は 隣町
見知らぬ神社の階段で
持参した風呂敷をマントにし
姉弟 対 友達での戦いごっこ
やがて勝ち敗けでケンカになり
友達2人は 帰ってしまった
……………
冬の夕暮れが 突然顔を出し
真っ黒な神社の森が
背後から追いかけてきた
風呂敷のマントをつけたまま
泣きじゃくる弟の手を引いて
昼来た道を引き返す
だけど
楽しく来たはずの線路は
どこまでも暗く果てしなく
繋いだ弟の手が
ここを戻っちゃダメ! と 訴える
木枯らしに凍えた涙が
紅くひび割れた頬を
ヒリヒリと容赦なく突き刺した
痛い…寒い…怖い…
帰りたい…おうちに帰りたい…
…おかあさん…おかあさんっ!!…
途方に暮れる
日も暮れる…
冬灯(ふゆともし)の 迷い道
#木枯らし
◯木枯らし◯
夕暮れ、勇気を出して声をかけた帰り道。
“一緒に帰っても良い?”
“おう”
笑って頷いてくれた君。
さり気なく、それでいて当たり前のように君は道路側へ。
そんな優しい君が、私は大好き。
木枯らしで舞い上がる枯葉。
テンション高めに“すげぇな!”とはしゃぐ君、そんな姿に思わず“かわいい”なんて小さく呟いてしまう。
手袋もない、冷えた君の大きな手をとった。
“好き。君の事が、好き”
いつでも君を温めてあげられる権利を私に下さい。
【木枯らし】
ひゅうひゅうと吹き荒ぶ木枯らしに身をすぼめる。寒さに震えていれば、呆れたような嘆息とともに背後から布が降ってきた。
「それ、使いなよ。見てるこっちが寒いんだけど」
「ありがとう!」
君が愛用している、肌触りの良い薄いブルーのマフラーに口元を埋めた。ポカポカとした温かさが首元を包んでくれるだけで、随分と木枯らしの冷たさが和らいだような気がする。
「何でいつもマフラーしてこないかな……」
「ごめんごめん、つい忘れちゃうんだよね」
ヘラヘラと軽い調子で謝罪を口にする。毎回律儀に文句を言いながらも、マフラーを貸してくれる君の優しさが嬉しくて、わざと薄着で出てくるのは、一生の秘密だ。
木枯らしが吹き荒れる。
寒さが見に沁みてたまらない。
暖冬と聞いてたけどやっぱり寒いものは寒い。
目の前に目標の建物があるはずなのに、手が悴んで前に進むことすら精一杯だ。
そうしてる間にも時間が経っていく。
いそがないと。
#木枯らし
私達は地球の代わりになり得る星を人口的に作り出そうとしていた。
次第に膨張する何層にも重なった小さい球体を宇宙に放ち体積高めていき
小惑星ほど地球の20分の一ほどの大きさになった
しかし温度、酸素、生命維持なかなか叶わない
50体ほど管理用のロボットを放ち小惑星の観察を任せた。
「木枯らし」という表現をほとんど使わないし思いもしない。
木々の葉が鮮やかに色を変える時期には、それぞれの木のサイクルを見ている。一枚一枚の葉で起こる紅葉のバイタル。はらはら落ちる葉の数々は、風が来なくても落ちる。木々は自分で葉を手放すのだ。
…無粋だが、秋から冬に葉を落とす木々は「枯れる」わけではないよ。地中での「地域活動」に専念するために、つまり「エネルギーを得る方法を切り替える」ために、枝の葉を手放す。冷たい風の吹く時期に木々もスイッチを切り替えるから、その時期の冷たい風のことを「木枯らし」と呼ぶのだろうね。まるで風が木を枯らしているように見えなくもないけど、なんだか風にも木にも失礼な言葉という気がする。風は木を枯らしてないし、木も枯れて(死んで)ない。
葉はどうなのかって?
葉は間違いなく「枯れる」。それは葉っぱ達の生涯が完了するときだから。土に出会い、分解者の助けを得て、そのありようをほどく。どこまでも、いのちの姿だ。
やっぱり「木枯らし」って言葉にはなじめない…
冷たい風が頬を冷やす。
ついこの間まで真夏だったのに。「暑いね」って笑う君とアイスを分けていたのに。
ずっと夏が続くと思っていた。ずっと君が隣にいると思っていた。
「寂しいなぁ」
木枯らしが夏と君を連れて行ってしまった。
木枯らし
夏が過ぎて
秋がやってくる
気温低くないからって油断してると風強い日めっちゃさむい
髪セットしてもぼっさぼさ
冬がもうすぐか
『木枯らし』
そうだ、金髪にしようと思い立ったのは風のものすごく強い日だった。当日予約ができる美容院をネットで探し、玄関のドアを開けたところで吹き込む風の冷たさにめげそうになる。けれどこの前買ったかわいいニットのマフラーと帽子を装備して気持ちをなんとか持ち直した。
気持ちって不思議だ。カバンにちょっとしたお菓子があると学校やアルバイトで落ち込むことがあっても、わたしにはお菓子があるからな、と思うことでちょっとだけがんばれたりする。やる気が出ないよと友だちにメッセージを打っていい感じのスタンプが返ってきただけでもちょっとだけやる気が出たりする。
ブリーチとカラーをセットでやるのは初めてだったので世の中の金髪の人たちはこんなに時間のかかることをやっているのかと驚いた。けれど仕上がった頭を鏡で見たときのテンション上がり具合が半端ない。かわいいニットのマフラーと帽子に金髪が相まって余計にかわいく見える。
美容院を出るともう日が傾いていて風もさらに冷たくなっていた。美容院の人曰く、きょうの風は木枯らし1号だったらしい。けれど今のわたしはなんというか無敵だ。いま着ているコートはかわいいのだけれど、もっとこの頭に似合うものがあるはずだという気がものすごく湧いている。なんでもできる気がする気持ちを胸に夜の明かりを灯す街へと足を運んだ。
それは穏やかに始まった
25秒、私の鼓動が早くなる
「生」を感じる
鼓動が躍動する
そこに思考も思想も無く
意識は脈打つ心臓へ
そこだけ
ただただ
そこだけを
一刺し釘付け硬直で
私の心臓が何か言いたげに
何かを
何かを
求めて欲して縋ってシタクテ
絡まって解けて
いよいよドキドキする
止まらないでと叫ぶ
平常より赤くなっている
見なくても分かる
私の大切な命と言う臓器が一つ
翻弄される
脳がついていけない
弄ばれている
それを望んでいる
脳もそれを知っている
―苦しい、欲しい、抉られたい―
ピシャリと音が止まった時
やっと頭が働く
ただただ
「綺麗だった」の一言しかなく
それ以上の感想など必要なく
人の心に働きかける唯一の存在
それが芸術なんだと改めて心のドキドキが
教えてくれる
身体が教えてくれる事は多い
それが自身の素直な事実である事も
間違いない
ショパンのピアノに反応する私の身体は
純粋にマゾヒズム
木枯らしは一種の性的倒錯である気がした
Winter Wind-Chopin.
題 木枯らし
著 塵芥椎名
木枯らし。調べたら十月から十一月にかけてふく風らしい。
まぁ辞書的な意味はともかく最近の寒さは木枯らしがふきやがるぜ、って言いたくなるくらい寒い。寒さ最前線だ。
こう寒いと食べ過ぎるしメンタルがおかしくなるってもう今年だけでも何回書いたことやら。それくらい寒いのは人間にはきついということか。
最近は寒くて寝る時に電気毛布だけじゃ足りなくて布団乾燥機を使うようになった。これを使うのは本当に寒い時だけだぜ。
布団乾燥機を使った後の布団の中は幸せそのものだな。これも前に書いた覚えあるけど幸せって暖かさそのものだよな。
暖かいは幸せだ。だから寒いのは不幸だ。早く暖かくなってほしいものだ。
元気ですか?
こっちは昨日、木枯らしが吹きました。
そのせいで落ち葉が舞って、道路に沢山落ちてたよ。
掃除してくれるボランティアのおじさんは大変そうだったけど、私はその風景を見て綺麗だなあって思ったの。赤っぽいのや黄色いの、色んな色が地面に敷き詰められてるみたいで、まるで自然の芸術みたいだなって。
あれ、なんかちょっと夢見がち発言だった?でも、こんなふうに考えられるのは良いことだと思ったの。外の景色に目を向けられる余裕があるってことだから。それでもやっぱり、あなたと離れて寂しくないなんて思えることはないけどね。
そっちはどうですか?
日本みたいに四季がはっきりしてないんだよね。1年じゅう暑いって聞いたよ。日差しが強いんだってね。
次、あなたに会った時気づかないくらいに真っ黒に日焼けしてたらどうしよう。別に、そんなことで愛想尽かしたりしないから心配しないでよ。でも間違いなく、去年よりあなたは見た目が変わってると思う。こないだ送ってくれた写真見て思ったもん。私がそばにいないからって、甘いものばっかり食べちゃダメだからね。
日本はまだまだ寒いです。
でもいつかは春が来るから、また桜が咲いて暖かくなるから。それが私は楽しみです。あなたに会えるの、もう少しかなってほんのり期待を持ちながらこの冬も過ごしてるよ。そう思ってるだけで風邪引く気がしないから不思議だよね。
あなたにまた会えるまで元気でいるつもりだから心配しないで。でも、時には私のこと恋しく思ってよね。
あなたも身体には充分気をつけてください。
また連絡します。
愛を込めて。
木枯らしがびゅうびゅうと吹き、そのあまりの寒さに思わずぶるりと身を寄せる今日この頃。
窓の外をぼんやり眺めていると、荒々しい風と共に、ひらひらと木の葉が舞っているのが見えた。それはまるで足並みを揃えてくるくる回る踊り子のようであった。その足並みは非常に激しく、しかしとても優雅であった。1、2、1、2と練習の成果を観衆に見せつけるかの如く力強く全身でその魅力を表現する。
その後木枯らしは満足するまで踊り終えたあと、まるで終焉を告るかのように空の彼方へと勢いよく舞い上がり、散っていった。
#木枯らし
「木枯らし」
コガラシは
厳しく
冷たく
存在を否定し
枯らそうと、消し去ろうと、
つまりは殺そうとする意志を持つ
狂気を含む風。
しかし本来は
木を枯らそうとするものではなく
春の訪れを正常に感じさせるため
厳しさを木々に体験させている。
そうして木枯らし自身は
忌み嫌われ、眉をひそめられ
「来なければいいのに」と言われ
祝福も感謝も労いも享受することなく
春の訪れの前に
山の彼方へ独り消えてゆく。
その後ろ姿を誰にも看取られることなく。
「木枯らし」
寒い 暖かい何かに
触れたい
容易く触ると火傷して
さらに寒くなった
ひとりただ
瞼を綴ると
本当の 暖かい形が
広がり だした
まるで
木漏れ日なか
宿っている
みたいに
扉が開くと白い熱気が部屋を満たす。
お風呂上がりの女の子の、のぼせそうな甘い香り。
ピンク色の飴玉みたいに頬が上気して可愛らしい。艶のある髪が乱れたまま重たく揺れると、透明な雫がぽつんと床を濡らす。
ツンと胸を張って猫のように威嚇し続けるツインテールの彼女。その威勢はもう影も形もないほど薄れている。自然体ままにっと笑うと八重歯をちらつく。
「……なぁに突っ立ってんのよ。ほら、はやく髪乾かしてよね!」
ふん、と機嫌良さげに鼻を鳴らすとペタペタと裸足のまま椅子の背もたれに深く越しをかけて背を向ける。視線をそらした一瞬、彼女の唇がむずかゆそうに動いていたのを俺は知っている。見惚れていたのに気づいたんだろう。
しょがないな、と舎弟にでもなった気持ちで肩を竦めて彼女の髪を一束掬う。
意地っ張りの甘えん坊なのに、不思議なほど不器用で甘え方にまだ迷っている。プライドはむしろ低い。褒められるのが飛び上がるくらい嬉しいのに恥ずかしがり屋だからつい高飛車を演じてしまう。
両立できなくて嫌われないか不安がる繊細さは一緒の時間を過ごすうち、雁字搦めの糸が解けていくように顕著になっていく。眉尻を八の字にして瞳を彷徨わせるんだから、今となっては分かりやすくて仕方ない。
ごう、とドライヤーの熱風の音はよく響いた。微睡みはじまる瞳はやっぱり猫みたいで、そんな彼女がやっぱり好きだった。
「……は!べ、べつに寝てないから。嘘じゃないからね!」
寝てくれたらいいのに。実際、口に出すと余計に彼女は頬を膨らませて睨みつけたあと、迷子になった子どものように声を震わせる。
「一緒におやすみって言ったあと、抱きついて寝たいのよ」
その言葉には光がつまっている気がした。眩しいものを見つめるように頷くと彼女はまた前を向いてしまう。気を引きたくて思わず抱きしめるとぎこちなく固まって文句をつけられてしまった。
それは暖かな夜の、優しい時間だった。
花嵐
薫風 野分
木枯らしと
四季の風の名
センス最高
お題☆木枯らし
落ち葉が風に揺られながらゆっくりと落ちていく、
心地いい風が頬に触れて少し寒さを感じると
もう、秋なんだなと感じる
No.67
お題[木枯らし]
#11 【愛されたいがゆえ】
自分のやることが、意味をなさないことだと
わかっているのか?
わかっているのか?
否、わかっていないな
自分は願っているだけの、存在だということを
わかっているのか?
わかっているのか?
否、わかっていないな
私はゴミを丸める
それを、信じている
私はそれでもゴミを丸める
それを、信じてしまっている