『木枯らし』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「木枯らし」
コガラシは
厳しく
冷たく
存在を否定し
枯らそうと、消し去ろうと、
つまりは殺そうとする意志を持つ
狂気を含む風。
しかし本来は
木を枯らそうとするものではなく
春の訪れを正常に感じさせるため
厳しさを木々に体験させている。
そうして木枯らし自身は
忌み嫌われ、眉をひそめられ
「来なければいいのに」と言われ
祝福も感謝も労いも享受することなく
春の訪れの前に
山の彼方へ独り消えてゆく。
その後ろ姿を誰にも看取られることなく。
「木枯らし」
寒い 暖かい何かに
触れたい
容易く触ると火傷して
さらに寒くなった
ひとりただ
瞼を綴ると
本当の 暖かい形が
広がり だした
まるで
木漏れ日なか
宿っている
みたいに
扉が開くと白い熱気が部屋を満たす。
お風呂上がりの女の子の、のぼせそうな甘い香り。
ピンク色の飴玉みたいに頬が上気して可愛らしい。艶のある髪が乱れたまま重たく揺れると、透明な雫がぽつんと床を濡らす。
ツンと胸を張って猫のように威嚇し続けるツインテールの彼女。その威勢はもう影も形もないほど薄れている。自然体ままにっと笑うと八重歯をちらつく。
「……なぁに突っ立ってんのよ。ほら、はやく髪乾かしてよね!」
ふん、と機嫌良さげに鼻を鳴らすとペタペタと裸足のまま椅子の背もたれに深く越しをかけて背を向ける。視線をそらした一瞬、彼女の唇がむずかゆそうに動いていたのを俺は知っている。見惚れていたのに気づいたんだろう。
しょがないな、と舎弟にでもなった気持ちで肩を竦めて彼女の髪を一束掬う。
意地っ張りの甘えん坊なのに、不思議なほど不器用で甘え方にまだ迷っている。プライドはむしろ低い。褒められるのが飛び上がるくらい嬉しいのに恥ずかしがり屋だからつい高飛車を演じてしまう。
両立できなくて嫌われないか不安がる繊細さは一緒の時間を過ごすうち、雁字搦めの糸が解けていくように顕著になっていく。眉尻を八の字にして瞳を彷徨わせるんだから、今となっては分かりやすくて仕方ない。
ごう、とドライヤーの熱風の音はよく響いた。微睡みはじまる瞳はやっぱり猫みたいで、そんな彼女がやっぱり好きだった。
「……は!べ、べつに寝てないから。嘘じゃないからね!」
寝てくれたらいいのに。実際、口に出すと余計に彼女は頬を膨らませて睨みつけたあと、迷子になった子どものように声を震わせる。
「一緒におやすみって言ったあと、抱きついて寝たいのよ」
その言葉には光がつまっている気がした。眩しいものを見つめるように頷くと彼女はまた前を向いてしまう。気を引きたくて思わず抱きしめるとぎこちなく固まって文句をつけられてしまった。
それは暖かな夜の、優しい時間だった。
花嵐
薫風 野分
木枯らしと
四季の風の名
センス最高
お題☆木枯らし
落ち葉が風に揺られながらゆっくりと落ちていく、
心地いい風が頬に触れて少し寒さを感じると
もう、秋なんだなと感じる
No.67
お題[木枯らし]
#11 【愛されたいがゆえ】
自分のやることが、意味をなさないことだと
わかっているのか?
わかっているのか?
否、わかっていないな
自分は願っているだけの、存在だということを
わかっているのか?
わかっているのか?
否、わかっていないな
私はゴミを丸める
それを、信じている
私はそれでもゴミを丸める
それを、信じてしまっている
『木枯らし』
木枯らしの吹く季節がいつ間にか終わり、指先を凍らすような冷たい風が吹く季節になった。それでもしばらくすれば春を告げるような暖かい風が吹き、気がつけばうだるような暑さをつれて吹く熱波が襲う季節になる。
四季折々、ないものねだり。そんなことを考える冬の布団の中。
______やまとゆう
朽ちる流れに身を任せ、
気儘な寒空が肌を隠させる。
来たる暮相は曙色に染まり、
終を告げる風はどこか優しく。
外套を纏って帽子を目深く、
閑散に包まれた街路を歩く。
現世の石畳をあてもなく辿り、
堅い靴音と日常が木霊する。
微風が裾を翻し、
頬をよぎるそれにどこか嬉しく、
朱色一つの今世でもまた、
ひとりぼっちの旅が始まる。
【木枯らし】
木枯らし
木枯らしが吹く。風に乗って飛んでゆく。
寒さ近づく秋風とともに私もどこかへ飛んでゆく。
温もり探して飛んでゆく。
うまく絵が描けないなと思い、とりあえず今の気分を切り替えるために散歩をしに外へ出てみた
外へ出ると暖房で温まっている部屋よりもかなり寒く感じ、風が当たると顔がヒリヒリとした。
ふと、前を見ると、枯れ木の葉を遊んでいる小さな龍がいた。
無邪気そうに龍は枯れ木の葉を風で巻き上げたり、手足で葉をボールのようにバウンドさせていた。
すると、僕の気配に気づけば、目を丸くし、小さな風になって去ってしまった。
一瞬の不思議な出来事にしばしぽかんとしていた。
ふと、良い絵の材料になったなと感じた僕は足早に家へと向かった。
木枯らし
ピュウッと木枯らしが吹き荒ぶ
「寒い~っ!」と言いながら私達は
体を擦り合わせ 両手を摩る
「早くバス来ないかなあ~」
「遅いねぇ~」
「何かあったのかなあ~」
私達女子三人は、予定時刻より遅れている
バスをバス停で待ちぼうけを食っていた。
制服のスカートから出る素足を
厚手の靴下やタイツで誤魔化し
寒さを凌ぐ女子三人
よくお洒落は我慢とか言うけど...
私は 校則で決まっていなければ
喜んでズボンを履く派だ
現にスカートの長さも私だけ指定の
長さに降ろしていた
それでも スカートの下から入ってくる
風は、堪えるので 厚手のタイツ靴下で
頑張っている。
やはりお洒落をしていなくても
スカートを履いている限り女子は
冬は、我慢の様な気がする....
ああ 男子に生まれたかった。
そんな下らない事を悶々と考えて
寒さを記憶から追い出していると
友達の一人が....
「あっバス来たよ!」
一方向を指 指して言った。
やっと目的のバスが来たらしい...
自動ドアが開き 乗り込む時
運転手さんから
「道を開けて下さい!」と指示があった。
見ると歩行器を引いて歩くおばあさんの姿があった。
傍らには、息子さん いやお孫さんだろうか 二十代位の男性がおばあさんに
寄り添って手を引いて 階段が
あるので まず一旦おばあさんを
手を繋いで降ろしてから
おばあさんが引いていた
歩行器をお孫さんが降ろしていた
次に幼稚園の年中組だろうか
園の遠足でもあったのかなあ....
小さな子供達が ちょこちょこと
小さい歩幅で保育士さんの手を
借りて一人ずつ降りて行く
そうして みんな降り終わった所で...
おばあさんとお孫さん
幼稚園の保育士さん園児達が
一斉に 「ありがとうございました」と
挨拶して去って行き
最後に運転手さんが
「御協力ありがとうございました」と
乗車するお客さん達に声を掛けていた。
私達 三人は、顔を見合わせ
このバスが遅れた理由を察する。
そうして 三人で顔を綻ばせ
バスに乗り込んだ。
そうしてバスは 発車する。
いつの間にか私達三人は、
木枯らしの風の寒さが気にならなく
なっていた。
それどころか胸の中心がぽかぽかと
暖かくなっていた。
木枯らしが吹いて
秋は去ったと告げた。
心地よかった金色の空気は灰色に変わり
無愛想な冷気が目を覚ます。
表情は重くなる。
遠い北の来訪者ツグミは
梢で軽やかに歌う。
手を繋いで心を繋いでと。
題「木枯らし」
récit œuvre originale
気になるあの子とお出かけなのに
木枯らしふいてる外で待ち合わせ。
あの子を待たせることなんてしたくないから
5分前から外であの子を待ってる。
あの子にカッコイイって思われたらいいなって
せっかくセットした髪型が崩れた。
あの子にボサボサの髪で嫌がられたらどうしよう。
今日は木枯らしふいて寒いから
あの子との距離縮められたり出来たらいいな。
─────『木枯らし』
忌憚なきただゆうゆうと鳴いている山羊の背をオレンジの陽が滑り落ちて征く
『木枯らし』
忘れられない光景といえば、長野県で見た、真昼の冷たく吹き荒ぶ風に、黄金色の街路樹がばさばさと一斉に空を舞う。
あとは…
タンホイザーゲートの近くで暗闇に瞬いていたCビーム...
おしゃれかな
木枯らし吹いて
落ち葉舞う
愛犬の背に
コサージュできた
「木枯らし(凩)」
暖冬と云うてたのに木枯らしが吹いているではないか?
凍てつく風の中で珈琲の温もりはすぐ奪われるが、
部屋で飲むよりも何故か美味く感じるのだ。
「はじめまして。」
何度繰り返したか、何度振り出しに戻ったか。
顔を見る度にお前は俺を忘れて、余所行きの笑顔で笑いかけてきた。
俺の名前を何度も教えた。その度にお前は漢字も覚えようとした。
同じ話を何度もした。その度にお前は笑った。
いつでも同じものを持っていった。お前は飽きることなく喜んだ。
「はじめまして」を告げられる度、胸の奥がきりきりと傷んだ。
覚えていてほしかった。忘れないでほしかった。
「はじめまして」を聞くのは、もう嫌だった。
けれど、それでも。
「はじめまして」を聞くのは、確かに嫌だったけれど。
「さようなら」が聞きたいわけじゃあ、なかったんだ。
ひゅうと木枯らしが駆け抜ける。
冷たい風、如何なる者にも平等で、無慈悲な風。
頬を刺すそれはどこまでも乾いて、寂しかった。
[木枯らし]
木枯らしが吹き始めた。
細く枯れ細った老いた木は、そろそろ自分の終わりを感じた。
それなりに生きて長くこの景色を見てきたし、満足していた。それと同時に、やはり寂しくも思った。
びゅうびゅうと風は容赦なく吹き付ける。
枝がもげ、宙に舞った。
その様子を見て、ああやって空を飛べるなら、いろんな景色を見られるのかもしれないと、少し慰めされたような気持ちになった。
風はいよいよ勢いを増し、木を根元から攫っていった。
『木枯らし』
眠れぬ夜は
心の中に
木枯らしが吹き荒れる
泣きながら
唸りながら
叫びながら
あのひととの想い出を
舞い上がらせ
辺り一面に散らかして
今夜も
木枯しは吹き荒れる
わたしに届く春は
まだ
遠い
# 木枯らし