朽ちる流れに身を任せ、 気儘な寒空が肌を隠させる。 来たる暮相は曙色に染まり、 終を告げる風はどこか優しく。 外套を纏って帽子を目深く、 閑散に包まれた街路を歩く。 現世の石畳をあてもなく辿り、 堅い靴音と日常が木霊する。 微風が裾を翻し、 頬をよぎるそれにどこか嬉しく、 朱色一つの今世でもまた、 ひとりぼっちの旅が始まる。【木枯らし】
1/18/2024, 12:38:33 AM