『木枯らし』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
木枯らしに乗ってこの身を委ねたら
常春の地まで飛べるのかしら
/お題「木枯らし」より
木枯らし
木枯らしが身体を芯まで冷やして
家帰ってこたつであったまるのが冬の醍醐味よ
みかんもあるとなお最高
「木枯らし」
私の切ない思いは
舞い上がった葉に流れて
誰かの涙に合わせて
高く高く
飛んでいってしまったようだ
木枯らしが僕の初恋をさらっていった。
「ひゃー寒い!」
数メートル先にいる彼女が、そう言って隣にいる男にもたれかかった。
並木道の枯葉が風でカラカラと音を立てる。
クールで利発な人だと思っていた。一緒に図書委員として活動する中で、凛とした物腰とか、本を読む姿の美しさとか、そういうところに僕は惹かれた。
彼女は今、弾けるような眩しさで笑っている。寒さか、高揚か、頬を赤く染めている。僕の知らない男に向かって。
あんな顔するんだ。好きな男の前では。
渡そうとしていた手紙が、木枯らしになびいて手の中で暴れる。
もう終わった恋だ。切り替えた方が良い。彼女に伝えようとした言の葉なんて、一刻も早く忘れた方が良い。その方がお互いのため。
それでも、強風にもぎ取られそうになるそれを、僕は手放すことができなかった。
彼女が手を男に差し出す。男がそれを握る。
彼女の手は温かいだろうか。それとも冷えているのだろうか。
乾ききった冬の景色がにじんで、僕はこれ以上彼女の姿を見るのが耐えられなくなった。
もうこれ以上、好きになってはいけない。
【お題:木枯らし】
「木枯らし」
木枯らしが吹くと寒くなるから好きではない。
ピュー、という風の音が大きいほど身構えてしまう。
木枯らしが吹き止んだ後の道も好きではない。
何故なら、杉の木の枝や葉っぱが道いっぱいに散乱するから。
①車を走らせる
②杉の木の枝と葉っぱが車の下に挟まる
③ギーギーと音がする
④車から降りてどこに挟まってるか屈んで探す
⑤見つけて取る
この一連の行動がとても面倒くさい。
これは、田舎あるあるだと思う。
ブァー〜ーーっと、落ち葉が舞う。
風に身を任せて飛んでいく。
落ち葉さんたちはいいねぇ自由で。
楽しそうだし、気持ちそう。
【173,お題:木枯らし】
木枯らしが吹く、くるくると舞い踊る木の葉が耳元を駆けていった
コートが風になびく、マフラーで口元を覆って
軽くスキップしながら地面を蹴り歩く
意味もなく途中で回ってみたり、鼻歌を歌いながら
木枯らしの演奏の中、一人家路を歩いた。
木枯らしに吹かれることは想定済み!
だから
冬帽子に大判マフラー
風を凌ぐコートは当然、手袋とマスクも?
スカートやブーツも油断なく
万全の防寒対策をして外に飛び出した
それもこれも彼氏とデートを楽しむための
コーディネートだったのに…
「うっ!おれの下心が崩壊する装備じゃないか!
付け入る隙がねぇ!!」
空っ風で吹っ飛びそうなほど彼氏は消沈
震えながらドン引きしていた
#木枯らし
昨日の夕飯の香りごと、1号くんがさらっていった。きみの気配も連れてった。
#木枯らし
木は何もなくて寂しい
春が近づくとつぼみになってくるちょっと美しい
だんだん暖かくなると綺麗な満開に咲く
やっぱりお花見は最高!
300字小説
『暖かさ』の醍醐味
生徒玄関を出ると木枯らしが吹き付ける。
「うわっ! 寒っ!」
「本当に」
彼女と言い合いながら校門を出る。
だが、私はこの冬の寒さが好きだ。キンと冷えた風にピリピリする頬。そして……。
「コンビニ、寄ってく?」
「賛成!」
「私、カフェラテとあんまん」
「私はココアと肉まん」
外の駐車場で温かいものを食べる暖かさ。
「楽しかったぁ」
VRグラスを外して伸びをすると
『わざわざ寒い思いをしたいなんて解りませんね』
養育AIの呆れた声が応える。
「一年中、同じ気温のドームの中だとこういう体験がしたくなるのよ」
『しかも私にアバターまで着せて』
「『暖かい』っていうのは誰かと一緒の方がより『暖かい』のよ」
私はモニターににっと笑った。
お題「木枯らし」
木枯らしを背にして歩く。
冷たい風が背を押す感覚が心地よい。
こういう風の日は、趣味を行う絶好の良い日だ。
ほら、冷たい風のせいで、誰かがこちらに向かって顔を伏せて近づいてくる。
私は笑みを浮かべながら、手元のナイフの切っ先を獲物に向けた。
(もう1つ正反対の物語が思い浮かんだので、書きます)
今年の風はいつもより冷たい。
いつも陰ながらに守ってくれていたものを、失ってしまったせいだ。
どんなに失いたくないと願っても、その想いはあっさりと散ってしまった。
だから今日とて、頼みの綱の育毛剤を買いに行く。
葉っぱがヒラヒラと舞う木の下で、私は青空と、雲を見ていた。
11月になって、毎日寒い季節が到来しているけれど、毎日日課の散歩をしている。
平日は帰宅ついでに駅から自宅まで遠回りしてみたりだけれど。
今日は休日。寒さに震えながら、午前中にいつも休憩する散歩の中間地点にやって来ていた。
ひときわ目を引く大きな木がそびえていて、その下で休憩するが好き。
空の青さが微妙に変わる境を見つけるのが好き。
雲の形が様々で、雲の色と空の色のコントラストが楽しむのが好き。
私が空と雲に見とれていると、ヒューっと風が髪をたなびかせる。
それと同時にパラパラッと上から木の葉が舞い降りてきた。
顔にかかった髪をよけながら、上を見上げると強風に吹かれて葉っぱが次々に枝から離れていく。
冬を告げる木枯らしが辺りを包みこんでいる。
それでも頑張ってしがみつく木の葉たち。
私は、散っていく葉っぱが美しいな、と思いながらも、まだ枝に付いている葉に、頑張れ、と応援したい気持ちになっていた。
風が吹き付けても落ちずに頑張る葉っぱ。
確か最後の一葉が落ちた時が命の尽きる時っていうテーマの話があったっけ。
今木枯らしに揺らされている葉っぱ達もきっと今生きているんだ。
いつか散ってしまう葉っぱだとしても
明日また残っていてくれるといいなと思う。
うーんっ
伸びをした私は、再び歩き出す。
青い空に見とれながら
強い木枯らしに震えながら
木の葉が散って積もった地面をゆっくりと歩き出した。
木枯らしのエチュード
私はこの曲を聴くたびに
チリチリとパチパチと
焼ける焚き火を感じる
それが私にとっての木枯らしで
きっとピアノを弾く人に
とっては、もっと違う
意味を持つ。
う〜、寒い寒い
帽子かぶってない日に
こんな風強くて
冷たい風が
吹き抜けていくなんて
もう耐えられない、
えい、
とダウンのフードを
被った
すると
寒さが
まるでウソのように
あったかい
ダウンのフード、
飾りだけではなかった
素晴らしい優れもの!
と心の中で
ダウンフードへの賞賛を
連発しながら
家路を急いだ
さて、
もし心に木枯らしが吹く時は
どうしようかな
うーん、
自分で自分を
思いっきり褒めてあげよう
自画自賛
いいじゃない
まず自分から始めよう
自分の心があったまれば
周りにもその温かさが
伝わっていくから
「木枯らし」
題と関係ない
最近とても悲しいことがあった。
利用されて捨てられた気分。
自己嫌悪になってたけど、昔知り合いに言われた
「神様が最後の最後にあなたの肩を叩いてくれたんだよ、そっちじゃないよ」って言葉を思い出して、案外自分はラッキーだったのかもしれないと思えた。
それに心配して話聞いてくれる人や、都合つけて電話してくれる人もいて、捨てられた気分だったけど、1人2人、本当に自分が悲しんでる時に助けてくれる人はいるんだなと思った。
だから、あとちょっとで立ち直れそう。
【木枯らし】
人は寒くて厚着をして。
花は茎が折れないようにとふんばって。
葉っぱ宙高くまで舞踊る。
鳥は寒くても綺麗な空を飛び
魚はそんなの関係ないと呑気に泳ぐ。
寒い冬はまだまだ続きそうですが。
皆様それぞれご自愛しながらお過ごしください。
木枯らしに乗って楽園の匂いがここまで届いた。
(あと少しで楽園だ)
足取りが軽くなる。
しかしどういう訳か、歩けど歩けど楽園にはつかない。
そしてついに果てしなく禿げた荒野に出てしまった。
荒野に目を凝らしても、どこにも楽園は見えない。
おそらく楽園は、先程の木枯らしだったらしい。
風と共に去ってしまったのだ。
まるで俺は遊ばれているようじゃないか。
移動生楽園の補足に、またもや失敗した。
寂しすぎる荒野へ叫びたくなった。
白いため息を漏らしてから、クルリと踵を返して、
残りの体力で楽園の足跡を辿っていく。
____
木枯らしが吹いた。
(この大迷宮の中で、木枯らしだと!?)
「三日三晩飲まず食わずでろくに働かない脳を働かせて考えろ。吹いたのは、風の通り道があるからだ。それは入口から出口までだろう。吹いたのは入口の方向じゃない。あれ?入口の方向から吹いた、入口の反対の方向へ吹いて行った。入口の反対の方向ということは、出口ということだ。私は出口を目指しているんだろ?確かそうだから、
枯れ葉の流れていくのをたどれば、出口にたどり着けるということだろ!」
私は最後の力を振り絞って枯れ葉を追いかけていった。
足が回らなくなると這った。
いいんですか、こんな残酷なことして。
騙されたのは彼だ。彼は適正でなかった、
それだけだろう。今は夏だぞ。
「木枯らし」
人生を四季で現すことがよくあるが
木枯らしが吹く季節
秋の終わりから初冬にかけての
季節の変り目は
人生に例えるならば60歳前後だろうか
今まで実らせてきたもの
背負って来たものを
整理し、大事な人と濃い人生を
送る為のわずかな準備期間
かもしれませんね❢
そして 人生と四季の違いは
次に来る春の為にと
考える必要が無いのが人生だ
そして思う事は
後悔しない為にも
今を全力で生きるのが
生きている者の宿命だろうと…
「木枯らし」
木枯らしの吹く頃、あなたは私を置いていった。
置いていった私のことなんて、きっと
思い出すことすらないのだろう。
恨んでも、悲しんでも、媚びても、
何しても置いていかれた事実は変わらないし、
思い出してももらえない。
だから、精一杯幸せなふりをしている。
あなたなんていなくても私は大丈夫だと
強がっても木枯らしの頃には涙が溢れる。