『最初から決まってた』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
初めから決まっていたことなど、ありません。
全ては貴女が、自らの力で切り開いたことです。
ああ、でも、今の貴女がこの生を与えられたのは、決まっていたことですね。少なくとも、どこかの時点で必ず、貴女はこの幸福に安穏に安楽な人生を生きるよう、皆に要請されたでしょう。それは確かなことです。
最初から決まってた
過去のこと、たくさん後悔するけれど。
あんなに悩んだ選択も、予想だにしなかった間違いも、
全部、最初からそうなると決められていた運命だった。
世界が決めた道を、ただ辿っているだけ。
過去の運命を思い返したって仕方ないよ。
そうやって思い込んだら、少しだけ気楽に生きられる。
「私の運命なんて、最初から決まってた。」
産まれた境遇と、育った環境で、こんな言葉が産まれる。
いいな、いいな。夢を追いかけられる人は。
運命とは絶対なのかな?と思う日々が過ぎていく中、自分は見てしまった。聞いてしまった。
「この会社は辞められないけどね、私夢叶えられたよ。」
これは努力で夢を、運命をねじ曲げ勝ち取ったのかと。
「運命なんて」そう願うことは、ただ認めたくなかっただけじゃないのか。
自分は聞いてしまった。
「今の子は夢を叶える環境が整っている。」
なんだってできる世の中だと。
なんでも出来る中、運命に身を委ねる私は阿呆なのか?
否、違うと信じたい。
茜、刻々と迫る夕陽に、運命が確立されていない子供の声。この子は将来何になろうと願うのか。
親の仕事に憧れ、親の背に食らいつくのだろうか。
人の命を抱え、ひたすらにただ走り抜けるのだろうか。
もしかしたら、この子も「運命だから」と夢を諦めるのだろうか。
もし、そうならその運命はきっと100通りある1つに過ぎないのかもしれないよと、私ができなかったから少しだけ若い芽に託したい。お願い。
最初から決まっていた結末
分かりきっていたことでも
後悔したくなくて
精一杯足掻いてみた
やっぱり駄目だった
あの子には敵わないや
あの子のことを目で追う君が
私を見てくれることなんてない
わかってた
「最初から決まってた」
「どうしたらいいと思う?貴女の意見を聞かせて」
と言われたから渋々答えているのに、やたら「うーん…」「でも〜」とダラダラ話を引き延ばされる
そしてまた冒頭の質問に帰ってくるのだ
新手の拷問かもしれない
とりあえず私の意見や好みを聞かれたから答えているだけなのに、何かが自分の思いと違うのか遠回しにやんわり否定される。何度も何度も…
答えはきっと奴の中に既にある
そもそも何故20近く歳が離れている異性の私に聞くのか。内容も私の専門外で全くわからない
メンズのオーダーメイドスーツの裾の丈なんか知るか。襟の形も自分の好きな形を選べばいいじゃないか。色も好きにしろ!店員と相談してくれ
私に聞くな
この本の結末も、この人生の結末も、
全部最初から決まってたんだよ。
わたしはそんな決まった人生の結末を
裏切るような人生を生きてみせる。
引かれたレールを進むのも大事だが、
時にはちょっとぐらいやんちゃしたっていいじゃないか。
自分らしさを残した人生を歩もうじゃないか。
「最初から決まってた」
→短編・侵略 (2024.8.8 改稿)
王子は誰もいなくなった宮殿で、愕然と膝から崩れ落ちた。
「最初から決まってたなんて……」
砂漠に覆われた彼の国が、不思議な緑色の目をしたビジネスマンから買い付けた小さな植物の苗を植えたのは半年ほど前だ。
力強い繁殖力で植物は株を増やし続け、国は緑に覆われた。
緑化の成功に国中が沸き立ったのも束の間、植物は手当たり次第に増殖し、遂には国民に取り付き始めた。植物たちは人間を操って移動した。またたく間に彼らの生活圏は拡大していった。
植物たちは、ジャングルよりも濃ゆく深く緑を成し、王子の国を飲み込んだ。
大多数の国民は逃げ出したが、王族だけは国の長として最後まで王宮に残った。王も王妃も親族もみんな植物に食われていった。残ったのは王子ただ一人だった。
その彼の生命も長くはないだろう。
彼の周囲を生暖かい緑の香りが漂い始めた。王子の首元にスルスルとツタが這い寄る。逃げることも抗うこともなく、彼は無念を眉根に結びキツく目を閉じた。
王子の呟きの意味を知る「人は」誰もいない。
テーマ; 最初から決まってた
最初から決まっていた
のかな
一緒に生きていくことが
☺️😍☺️😍
なーんか見たことあるお題やな……。自分の作品見返してたらあったわ、ちょい前に書いてた。これは、歴史の話してますねー。んー、何言いたいのか分からなすぎて黒歴史、萎えぽよ。
つまり結果か過程かって話よ。そんなの人によって違うじゃない、社会的価値観として決めるべきものじゃないわ。個人の自由を尊重すべきよ。
とか言ってたら、いつかすごい世界になっちゃうのかな。今もジェンダーレスが叫ばれて、個人の自由を尊重して、笑っちゃうぐらいのパワハラが生まれて、多様性の時代になって。それが全部合体した世界ってどうなんだろ、道徳の授業内容も変わったりするんかな。今のこの過程の先に、どんな結果があるのかなんて、考えるまでもなく最初から決まってるんだよ。きっと。
♯最初から決まってた
「最初から決まってた」
やってみないと分からないよ
そんな言葉をよく聞く。
これからの未来なんて誰にも分かるわけない
そう思っていた。
実際、来は最初から決まってたのかもしれない。
だから
生きている中で奇跡や偶然、何かを起こさなければ未来は変わらない、と思った。
だから、私は今から自分を変える。
最初から決まってたなんて言わせない、自分自身で自分の未来を作り上げることを。
最初から決まってた
葉巻を吹かしている。薄くにじんだ煙が部屋を満たしている。知らない人が目にしたら火事じゃないかと吃驚するかもしれない。
ふと、なぜ私は葉巻なぞ嗜んでいるのだろうと思った。紙煙草のほうが余程かんたんだ。父も祖父母も愛飲していた。母が吸っているところは一度もみたことがなかった。顔の形が記憶の中ではっきりしないほど久しく逢っていない愚弟は、いつの日からかシーシャ屋に通っているらしい。
嗜好は千差万別。何を好もうが個人の勝手で、そこに決められたルールなどない。それは今生きる社会の上では、実に素晴らしいことのように思えた。私は、すっかり鈍くなった舌を酒で濡らしてから、再び葉巻を手に取った。
もっと早く出会えてたら。
違う環境で出会えてたら。
そんな台詞をよく聞くけれど
君といまこうして出会ったこと、
最初から決まってたのだと思う。
今、このタイミングで、
結ばれることの無い環境で出会ったことの意味を
日々探している。
「チョコレートケーキ、フルーツタルト、モンブラン...どれも捨て難い......」
「買うもの決まった?」
「やっぱチョコレートかなぁ...いや、無難にショートケーキもいいな...よし、チーズケーキで」
「全然違うのきたな」
「声に出してなかっただけで初めから目ぇ付けててん」
お題:最初から決まってた
「いい加減に直せよな、お前」
先を歩く友人に、期待はせずに言ってみる。
くるりと振り返る友人は、いつも通りの清々しい笑みだった。どういう神経で笑ってるんだろうか。
「何を?」
「危険に自分から突っ込むのを、だ。さっきのも肝が冷えたわ」
「何か変な事あったっけ?」
「ちびっ子助けるのに道路に飛び出しただろ!ああいう危なっかしいことするなって言ってんだよ!」
いつもそうだ。猫を助けるために折れそうな木に昇ったり、溺れてるヤツを助けるために深い河に飛び込んだり、命を張って誰かを助けに行く。
今回だって、トラックに轢かれそうな子供を助けて、自分が轢かれかけたのにヘラヘラ笑ってやがる。
止めに入っても、今までそれが上手くいった試しも無い。止めて、すり抜けられて、無傷で誰かを助けて、ヘラヘラ笑って戻ってくる。
自分の命を何とも思っていないのか、と思ってしまう。
「でも、助かってるじゃない」
「次は無いかも知れねぇだろ、なんでそんな自分の命が軽いんだよお前……」
「その時はその時。あと、自分の命が軽い、なんて思ったことは無いよ」
「……余計わかんねぇ、付き合い長いけどお前の事まだ本当にわかんねぇ」
でっかい溜息と一緒に吐き捨てると、友人は心外そうな顔になった。
「じゃあ、なんでそんな私に付き合ってるの?」
「危なっかしいからだ、毎度止めても止まんねぇけど」
「じゃあ、そういう事なんだと思う」
「はぁ?」
「キミが私を止められないなら、多分そういうことなんだよ」
クスクス笑いながら近づいてくる。残り1歩、という所で、友人は俺を見上げた。
「私、運命って大好きなんだ」
「……ああ、そうかよ」
俺の返答に満足したのか、友人は「分かればよろしい」とだけ言って抱き着いてきた。
女子の、というか友人の体格の小ささに驚きつつ、改めて一生コイツに振り回される覚悟を決めた。
お題:最初から決まってた
「ぼくらの地獄は、最初から決まってた。
この世界に進む以外の選択肢は、生まれた時から…どころじゃないねぇ、母親のお腹の中にいる時からなかった」
椋は悲壮感もなく、いつものなんてことない表情でそう言った。
五条が同じことを言葉にしても、同じようになんの感情も出ないだろう。
なにせ前述の通り、自分たちにこの世界以外存在しないのだから、思うことなどなにもない。
「それでも、泣き喚いて、引きこもって、吹っ切れて、自分の意見を通すため交渉して、ここに来た。センパイもきっとわがまま言ったから、ココにいるんでしょ?
ぼくらがこんなところで出会ったのは想定されてない未来だと思うから」
「だから?」
一度、大きな瞳を伏して言葉を溜めた椋に、わかりやすく乗ってやる。
すると、朝顔が華やぐように笑顔が開いた。
「センパイと打算もなしになかよくなりたいなぁ」
「…あっそ」
「あ、でも打算なしは無理かなあ…家の人たちにも運命にも、ざまぁみろって言ってやりたいもん」
言い終わると同時に、椋は咽るように咳をする。
止まらない咳に、せっかく開いた朝顔が早々に閉じていく。
椋の中身は、朝顔のように慎ましくも清廉でもない。
でも、
「そういうのは嫌いじゃねぇよ」
咳で弾む椋の肩は、笑っているようだった。
いや、実際に笑っていた。
生意気だぞ、後輩。
【最初から決まってた】
未来、どう生きるかは小さい時に
全て決めてしまうらしい。
僕は物心ついた時から自傷をしていた
多分無意識だった。
親に怒られる度に頭を床にうちつけたり
腕を引っ掻いたり
手が赤くなるくらい机を叩いてた
やることは変わっても
それは中学生まで続いてた
【最初から決まってた】
✂ーーーーーーーーーーーーー✂
風邪をひくと思い出す。
大好きな人が
薬を飲み干したこと。
家に着いた時にはフラフラで
ほとんど立てなかった
そんな大好きな人が
今は人を支える側なんだもん
惚れちゃうよね
リビングの机に、新品の花瓶をおいた。
真夜中にコトッっと言う音だけが響く。
その花瓶に、私は4本の薔薇をさして紙を添えた。
“私の居場所になってくれてありがとう。
これからは私のことなんか忘れて、幸せに生きてね。”
4本の薔薇の花言葉は、
「死ぬまでこの気持ちは変わりません。」
この結末は最初から決まっていたんだよ。
さよなら。私の大好きな仲間達よ。さよなら。私の大嫌いな世界よ。
【No. 21 最初から決まっていた】
今日はモンブランを買って帰ることは最初から決まってた。
行きつけのケーキ屋でパティシエをやっている佐久間さんという人が、新しいモンブランが完成したから買いにきてほしいと昨日言ってきたのだ。そして感想を聞かせてほしいと。
私はもちろん引き受けた。そして仕事帰りにモンブランを買っていくことを約束し、さっき買いに行ってきた。
ただ普通に新しいモンブランを食べたかったっていうのもあるけど、それとは別に佐久間さんに会うきっかけがほしかったのが引き受けた1番大きな理由だ。
これを今から食べて、感想を明日言いにいく。美味しかったと笑顔で言ったら、どんな顔で喜んでくれるんだろう。
想像すると、明日が待ち遠しくなった。
私はお皿の上に置いたモンブランに、ゆっくりとフォークを沈めた。
「祖母の口癖」
「人の寿命っていうのはね、生まれた時から決まっているんだよ」
祖母の口癖だ。
五歳の時に事故で母を亡くした私は、祖母に育てられた。父はいない。私が生まれてすぐに離婚したのだという。
祖母は若くして親と夫を亡くし、最愛のひとり娘にも先立たれた。
人の寿命は最初から決められている──そう思わないと乗り越えられなかったのかもしれない。
決められているのは、寿命だけなの?
もしも、事故死する運命を回避してしまったら、そのあとその人はどうなるの?
母が亡くなったときの事故で、私は生死を彷徨ったという。
もしも、私が運命に逆らって生きているのなら、未来のことがまったく描けないのも、自分が大人になった姿さえも想像できないのも、生きる運命じゃなかったからなの?
時々そんな考えがよぎる。
「あの時生かされたのだから、頑張って生きなきゃ」
私が一番嫌いなセリフ。
祖母は決してこんなことを言わなかった。
「頑張っても、頑張らなくても、いつか人は死ぬの。だからいつ死んでも後悔しないようにするのよ」
祖母の口癖。
だけど私は、まだまだ後悔ばかりの生き方をしている。
昨日もあんなひどい事故に遭ったのに、私は無事だ。念のためにと病院に留められたが、たいした怪我ではない。
何らかの力で生かされているような気さえしてきた。
もしかしたら、生きるために後悔ばかりしているのかもしれない────なんて、ちょっと自分の都合の良いように考え過ぎか。
後悔しないように生きるには、どうしたらいいのか。
無性に祖母に話を聞いて欲しくなった。
三年間、伏せていた写真立てを起こす。
祖母の顔をやっと見ることができた。
────最初から決まってた
『ようこそ、故人図書館へ。』
「どうも。司書さん、犯罪者顔ですね。」
『そう言う貴方様は、幸の薄そうなお顔ですね。』
「どうとでも。実際、幸薄いので。」
『よく知っております。』
「そうですか。」
『それで、本日はどのようなご要件で?』
「僕には、生きる価値があるんですかね。」
『そのようなものは、誰にも備わってはおりません。』
「普通は、これから見つけるべきとか言うのでは?」
『そのような言葉は、偽善者が述べた戯言に過ぎませんよ。それに…。』
「それに?」
『貴方様の生きる価値は、一つの人生で見つけられ程に安価なのですか?』
「一つの人生で見つけないと、ずっと苦しいままです。」
『それならば諦めれば良いのです。貴方様の祖父がなさったように。』
「祖父は、事故死のはずですが。」
『彼は長年、生への恐怖がございました。そしてついに、自決なさったのです。』
「そうか。祖父も僕と同じだったのですね。」
『彼は死後、こう語っておりました。〝私の孫は立派だ。私が泣くなと頼んだ時から、泣かなくなった。優しくて強い。それが私の孫なんだ。〟』
「僕は泣けなかっただけです。祖父に言われてから。でもそれは、祖父の葬式でもで。僕は大切な家族が死んでも泣けない、屑でしかないんです。」
『貴方様は今、泣いておられますよ。』
「えっ。本当だ。何で今更、出てくるんだよ。」
『貴方様は、まだ死にたいと思いますか?』
「分からないです。」
『今決断する必要はないのです。どうせ人間は、死ぬのですから。今だって死へのカウントダウンは始まっております。これは抗えない、決め事なのです。』
「では、極限まで悩んでも良いんですか?カウントダウンが0になるまで。」
『ええ、どうぞ悩んでください。それが生きた証となりましょう。』
『最初から決まっていた事。それはゲームのルールのようですね。貴方はお利口にルールに従いますか?それとも、死という裏技を取りますか?』
『今宵も、貴方様の物語をお待ちしております。』
『そういえば、最近〝生人図書館〟と言うものがあるそうですね。何でも幽霊も訪れるとか。まぁ、一寸も興味は持ちませんが。』