『明日、もし晴れたら』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
明日がもし晴天なのならば、ぼくらは笑顔でいられるのだろうか。心の奥底はいるでも曇っているのに。でも、夜まで晴れているのなら星は綺麗に見れるだろうか。そんな小さな楽しみを心に秘めながら今日を終わりにしよう。
「ねえ、明日、もし晴れたらアイス奢ってあげる!だから、もし雨が降ったら私にアイスを奢ってよ~!」
突然、彼女が笑いながら謎の提案を持ち掛けてくる。
「お前、明日雨が降るってわかってて言ってるだろ」
「え、何のこと?」
彼女は、俺には目を合わせず、そんなの知らないわ、とでも言いたげな表情をしている。あくまでも白を切るつもりらしい。
「・・・・・・まあ、いいけど」
俺がこの賭けに勝つ確率は、さっきみた天気予報によると、おそらく0%だ。それでも、彼女の笑顔に逆らうことはできなかった。
「約束だからね!」と彼女は嬉しそうに笑った。
翌日、しとしとと降りしきる雨の中、俺たちは彼女のお気に入りのアイス屋へ向かった。
道すがら、「雨の日は、トッピングが無料なの」と彼女が説明してくれた。だから、雨の日にわざわざアイスを食べたかったのか。とようやく合点がいった。
「おいしい!ありがとうね。」
満面の笑みを浮かべながら、トッピングを載せたアイスを食べる彼女を見て、案外悪くない取引だったかもなと思った。
きっと 海を見に行こう
浜辺をサンダルで歩いて
波を辿りながら
潮の匂いを嗅ぐ
【明日、もし晴れたら】
【明日、もし晴れたら】
葉が風に揺れる音と試験勉強をする学生が他にもいるのかページをめくる音がかすかに聞こえる。
ここは大学図書館の一角。その窓際の席に座っていた。
机の上には開かれた教科書とノートが広がり、その横にはスターバッカスのカップが置かれている。
彼の名前は大輔。文学部の三年生で、専攻は日本文学。今日は期末試験のために図書館に籠っていた。だが、どうしても集中できないでいる。頭の中には明日のことがぐるぐると回っていたからだ。
明日は彼がずっと好きだった同じ学科の梨花に告白しようと思っていた。二人はよく図書館で一緒に勉強する仲で、梨花の優しい笑顔と知識に対する熱意に魅了されていた。だが、彼は内気な性格で、なかなか気持ちを伝える勇気が持てなかった。
明日、もし晴れたら…と彼は心の中で繰り返す。ときおり天気予報を見て拝んでいる姿は異様で明日の告白より、周りを気にした方がいいかもしれない。
後に、オカルト研究同好会から熱烈なスカウトを受けることになるのだが…それはまた別の話。
夕方になり、図書館が閉館する時間が近づくと、大輔は窓の外を見つめた。曇り空が少しずつ晴れ、薄い夕焼けが顔を出していた。その光景に、彼はふと両手を合わせ明日の天気が晴れることを願う。姿はなぜか様になっているが、頭の中は煩悩だらけだ。
何度も天気予報の内容を見てるので明日晴れることは分かっているはずだがすぐ忘れているのだろう。
翌朝、大輔は早めに大学に向かった。予報通り空は澄み渡り、太陽の光が輝いていた。天気に祝福された彼だが心の中は希望と緊張でいっぱいだった。図書館に向かうと、すでに梨花が窓際の席に座っていた。彼女も同じように試験勉強をしていたが、顔にはやや疲れが見えていた。
「おはよう、梨花」と、大輔はできるだけ平静を装って声をかけた。
「おはよう、大輔。今日も頑張ろうね」と、梨花は優しく微笑んだ。その笑顔に、大輔の心臓はドキドキと高鳴った。
彼は深呼吸をして、意を決した。「梨花、少し話があるんだけど、いいかな?」
梨花は少し驚いた表情をしたが、すぐにうなずいた。「もちろん、どうしたの?」
大輔は言葉を選びながら、心の中で何度も練習したフレーズを思い出した。「ずっと前から、君のことが好きだったんだ。もしよければ、これからも一緒に時間を過ごしてくれないか?」
梨花は一瞬驚いた表情をしたが、次の瞬間、顔を赤らめて微笑んだ。「私も、大輔のことが好きだったの。でも、勇気が出なくて言えなかったんだ。」
その瞬間、二人の間に新しい風が吹いたように感じた。図書館の静かな空間で、彼らは未来への一歩を踏み出した。明日、もし晴れたら──その願いが叶った日のことを、二人は一生忘れないだろう。
明日もし晴れたらなら
愛する…人よ…
そばに…来て…
欽どこ劇場
出演
高部とも子 ノゾミちゃん
倉沢淳美 カナエちゃん
髙橋真美 タマエちゃん
望み叶えたまえ三姉妹
見栄晴 お兄ちゃん
黒子 ラビット関根
グレ子 小堺一機
村のアナウンサー 斎藤清六
皆さま~村の村の時間がやってまいりました♪
真屋順子 お母さん
萩本欽一 お父さん
ゲスト
当時クール・ファイブを辞めたばかりの
前川清
「なぁ、明日もし晴れたら花火しようぜ。」といつも急に友達は誘ってくる。「了解」と返してしまう僕はいわゆる暇人だ。
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theme 明日,もし晴れたら。 2024-08-01
明日、もし晴れたら、貴方といる事ができたら、貴方と出会う事ができたら、貴方と同じ世界に過ごせたら、それだけで嬉しくて私を失ってしまう。でも、
貴方と言う名の光なら、早く、今すぐに包まれていたい。そう思ってしまうのは、何故だろうか。
『僕は化け物。』
僕は化け物。
人間以外は全て不味く感じる。
いわゆる漫画やアニメでありがちな人喰いだ。
僕は人間から生まれた。
どういう原理で生まれたかはわからない。
生まれた意味も。
生まれつき牙やツノが生えていた。
人間はそんな僕を見て、「気持ち悪い。」とか「怖い。」とか言うんだ。
人によっては殴ったり蹴ったりするやつだっていた。
仕方がない。
僕は人間ではないから。
そんな酷いことをされても殺さなかった理由だ。
本当に仕方がなかった。
昔はこんなことを考えていた。
(医学が発展する地域では僕の体を人間にしてくれるのでは?)
(いやいや、それより宗教に入り神に祈れば僕のことを人間にしてくれるのでは?)と。
人間になれば普通にのんびりと暮らしていけるかもしれない。
でも今の僕は違う。
だって僕は何もしていない。
人間を殺したり、傷をつけたりもしていない。
それに比べて人間はどうだ?
なんの罪もない僕を虐げ、可愛い動物は人間によって食い殺される。
挙げ句の果て人間が人間を虐げ、殺す。
一度だってネットや新聞で見たことがあるはずだ。
"女子高生がいじめで自殺"
人間はなんの罪もない者たちに力や言葉のナイフを平気で向ける。
怖くて気持ちが悪いのはどっちなんだ…?
それならば僕は時間や手間をかけてまで恐ろしい人間になろうとは思わない。
だから……
本当に人間じゃなくてよかった。
「もしかして醜い人間の世界に人喰いの化け物が生まれたのは神様の御告げだったりして…笑」
なんて冗談を言いながら僕は美味しい美味しい料理をを口へと運んだ。
初めてなんで温かい目で見てください!!!!
明日もし晴れたら花々が咲き誇る公園で手作りのお弁当を食べ、散歩をしたい。花々は美しく咲き私に希望を与えてくれる。その日ばかりは時間の経過があっという間で充実した一日となった。また季節の変わり目に公園に来て同じように過ごしたい
明日、もし晴れたら一緒に出かけよう
クーラーの効いた部屋で優雅に過ごすのもいいけど
せっかくの夏休みなんだ
少し遠出をして美味しいものを食べたり
お祭りに行って花火をみたり
やりたいことがたくさんあるんだ
うだるような暑さも君の笑顔が吹き飛ばしてくれる
君のおかげで夏が好きになれたんだ
『らいふいずふりーだむすかい』
明日、もし晴れたなら。
僕は、きっと空を飛ぶだろう。
あのタカみたいに。風になびく木の葉のように。
ふわりふわりとぽわぽわと。
ゆるりゆるりと絆される紐のように、
ゆっとり、しっとりと時間の粒と共に舞うのだろう。
今日、もし雨だったのなら。
僕は、きっと植物と会話するだろう。
燦燦と降る雨の中、
空には無いものを沢山探しにゆくのだ
かえるぴょこぴょこ、みずたまりぴちゃぴちゃ。
にじにじみえたら、いつかはハレハレ。
空も地も繋がっている。
君の空にはどんな風が流れているかな。
君の地にはどんな生命が咲いているのかな。
晴れなら快活に笑って、雨ならほわっと微笑んで。
どんな天気が君の心を芽吹かせるかな。
忘れないでね、人生は自由な空だってこと。
さあ、あなた色に染めちゃおっか。
お題『明日、もし晴れたら』
織川より。
お久しぶりです…!すみません更新頻度上がるとか言っといて全く上がってなくて…中々夏休み休みがなくて…書こうと思っても最近スランプで書けなくて…。
今月は後1個書けたらいい方ですかね…その日までまたねです。最近は暑いので熱中症対策なされて下さいね。
嫌な予感がした。
何かが明日起こって死んでしまうようなそんな予感がしてしまった。
妄想、空想、その他の類だと頭に言い聞かせても一向にその予感は消えずに根付いてしまった。なんの根拠もないのに、その恐怖に脅かされてしまった。
もちろん彼は、何も知らないから、何も分かってないから無邪気な顔でボクに向かって笑いかけてくるから、余計に嫌な予感は消えなくて。
「明日晴れたら、ピクニックをしようよ」
気づいたらそんな言葉を吐いていた。
「……この世界に雨なんてないだろ」
そう君は笑いながら言ったけれど、ボクにはあまり関係がなくて。
「…………それでも」
嫌な予感がそんな約束で無下にならないことを分かっていながらボクはそう言った。
明日もし晴れたら、きっと暑いだろう。
ワンピースがいいだろうか、Tシャツにしようか。
久しぶりに会う友達へも合わせてコーデを考える。
この時間が好きだ。もっともワクワクする。
けれど、未だ決まらない集合時間。
決まらずに寝る皆々様。自由だ。
私はと言うと、明日が楽しみで未だ寝れず明日のコーデに胸をふくらませている。
みんなの胸が同じだけ膨らんでいる訳では無いのはわかってるけど、せめて会いたい人と思われる人でありたい。
梅雨が明けたと言う割には、ぐずついた天気が続いている。
まるで今の私の心の中のよう。
「はぁ、だいぶ泣いたなぁ」
自分の体の中にこんなにも水分があるのかと、驚いてしまうほど泣いた。
泣いて泣いて泣き疲れて眠って、起きてまた泣いて。
そんなこんなを繰り返しているうちに、世間は梅雨明け宣言が出され早五日が経っていた。
でもほら、今日もどんより曇り空。
青空なんてこれっぽっちも見えない。
私の心も一緒だ、太陽の光なんて一筋も差し込まない、厚い雲に覆われている。
「会社辞めちゃったのになぁ」
『寿退社』という、一番後腐れのない方法で、先月末に22歳から15年務めた会社を退職した。
陰で御局様とか、行き遅れとか、ロボット先輩とか呼ばれていたのも知っている。
仕事において、手を抜くことができなくて、ついつい口煩くなってしまって。
まぁ、若い子達からしてみれば、細かいことに煩いオバさんでしか無いわよね。
それなりにお給料も良かったし、福利厚生もしっかりしていて、何より上司に恵まれていた、半年前までは。
入社当初は私の教育係で、厳しくもしっかりと指導してくれた上司が定年で会社を去り、代わりに来たのが役員と縁戚とか言う中途採用者。
どこかの大きな会社で働いていたそうで、仕事はそれなりにできる人だった。
ただ、私はどうにも嫌われていて、早い話がパワハラのターゲットになってしまっていた。
同じ課の若い女の子には凄く優しかったので、そういう事なんだろう。
頭にはきたけれど、仕事は手を抜きたくなかったから我慢した。
もちろん、泣き寝入りはしたくなかったので、ホットラインとか連絡したけれども、意味は無かった。
そんな時、幸人からプロポーズされた。
幸人は私より八歳も年下で、出会った当初はからかわれているのかと思ったけど、彼は真剣だった。
けれど、私は色々な理由をつけては、彼の申し出を断っていた。
だってもう私もいい歳だし、それに恥ずかしい話だけど『彼氏いない歴=年齢』でどうすればいいのかわからなかった。
そんな私に対して、幸人は根気強く、我慢強く付き合ってくれた。
友達から始めたお付き合いは、半年後には恋人のそれになった。
急ぐことなくゆっくりと、私のペースに合わせて一緒に歩いてくれる幸人は、とても素敵な恋人だった。
交際してもうすぐ二年という時に貰った婚約指輪。
息ができなくなるくらい、嬉しくて泣いてしまった。
夢だった自分の店を開くんだと言われたのもその時。
開業資金が少し足りないという彼に、私は迷うことなくお金を渡した。
お店の場所も決めて、二人で住む部屋も決めた。
会社に通える距離では無いので、今の会社は辞めることにした。
昨日の今日で会社は辞められないから、幸人が先に引っ越して、私は後から引っ越すことにした。
引越しの準備や仕事の引き継ぎで、幸人とは部屋の契約以降、なかなか会えなかった。
部屋、電気、ガス、水道等の契約は私名義で行った。
幸人に自分は店の契約をするから、その方が良いと言われたから。
会えない間も、連絡はとっていた。
数日ごとに届く幸人からのLINE。
お店の工事の様子が画像で送られてくる。
お店の図面、何も無い空間、運び込まれる資材、壁、天井、鏡に椅子にカウンター。
幸人の夢が徐々に形になって行くのが、自分の事のように嬉しかった。
会社を辞めて二週間後、引越しの荷物を業者にお願いして、部屋を引き払い、電車に乗り込む。
ここから電車と新幹線で三時間、向こうに着くのは夕方近く。
3ヶ月近く会っていない幸人と会えることが凄く楽しみで、新幹線の中から『もうすぐ会えるね』とLINEを送った。
けれど既読がつかない。
五分、十分、三十分、一時間。
今日は駅まで迎えに来てくれる予定で、新幹線の到着時刻も教えてある。
急用で手が離せないとか?
少しの不安はあったけれど、幸人を信じていた。
駅で待っていてくれると。
雨は止むことなく降り続ける。
しとしとピチャピチャと音を立て、アスファルトの上を滑り側溝に飲み込まれて行く。
幸人と連絡がつかなくて、駅で待つこと三時間。
このまま待っているわけにも行かず、取り敢えずタクシーに乗り部屋に向かう。
マンションの前でタクシーを降りて、部屋を見上げる。
電気が点いている様子はない。
エントランスで部屋を呼び出すも、応答はなく、仕方なしに自分の鍵で解錠する。
煩いくらいの心音が自分の鼓膜に響く。
ここに来るのは三度目、内見の時と、諸々の契約の時、そして今日。
エレベーターに乗って、ガラスの向こう側に通り過ぎるフロアを見送る。
ポーンと妙に明るい音が響いて、扉が開く。
右手に曲がった突き当たりの部屋。
最上階の角部屋が、私達の新生活の場となる部屋。
ほんの小さな希望を抱いてベルを鳴らすも反応はなく、手にした鍵で解錠した。
静かに扉を開き、体を滑り込ませる。
キャリーバッグを引き寄せて、静かにドアを閉めた。
「幸人?」
暗闇に向かって、名前を呼んでみても返事は無い。
手探りでライトのスイッチを入れて、暗闇に明かりを灯した。
「⋯⋯幸人?」
生活感の感じられない空間がそこにある。
近くのドアを開けて照明をつけ、ソコに目的の人がいないのを確認する。
それを部屋の数だけ繰り返して、私は床に座り込んだ。
照明は契約したその日に揃えた。
何をするにしても一番必要となるものだから。
家電に関しては、二人揃ってから買いに行こうと決めた。
それまでは、幸人が使っているものをそのまま使う約束で。
ベッドもソファもカーテンも全部、二人で揃えようって、言って⋯⋯。
何も無い、この部屋には何も無い。
家具も家電も幸人の気配も、何一つ存在しない。
次の日来た引越し業者は、さぞ驚いただろう。
目を真っ赤に晴らしたおばさんが、ボサボサ頭で顔を出したのだから。
運んで貰った荷物はさほど多くない。
布団に衣類と少しの食器類、父と母との思い出の品が少しに位牌と写真。
それから本がダンボールに二つ分、たったコレだけ。
37年生きた人間の持ち物としては少ない。
LINEを開いて、既読のつかないメッセージを見つめる。
事故にあったのかとも考えたけど、この部屋に何も無かった理由がない。
不動産屋に、お店の物件のことを確認したら、翌日にキャンセルされましたよね?と言われた。
つまりこれは、計画的なものだと言うこと。
幸人は私と暮らす気は初めからなかった、ということ。
郵便受けに鍵だけが入った封筒が入れられていて、乾いた笑いが口から漏れた。
そこから、泣いた。
本当に、だいぶ泣いた。
両親を亡くした時以上に、泣いた。
「はぁ、馬鹿だなぁ」
あの画像を見る限り、幸人の夢は叶ったのだろう。
自分の店を持って、たくさんの人を笑顔にしたいと言っていたから。
その夢を叶えるのに、私は少しお手伝いをしてあげた、そういう事だ。
いい歳をした恋愛初心者のオバさんと付き合ってくれた、オバさんに幸せな夢をみせてくれたお礼だと思えば安いものだ。
プロに頼んだら三百万では済まないはずだから。
うん、そういうことなんだ。
いつまでもウジウジしていられない。
とりあえずは仕事を探そう。
幸いにも、前の上司に勧められて取得した資格がそれなりにある。
きっと役に立つはずだ。
資格取得は彼女の趣味だった様にも思うが、まぁ、いいか。
あぁ、でもその前に。
明日、もし晴れたら髪を切りに行こう。
ずっと幸人がケアしていた背中まで伸びたこの髪を、幸人に出会う前と同じショートヘアに切ってしまおう。
だから⋯⋯。
「あーした、天気になぁれ」
家具のない部屋で、スリッパを飛ばす。
明日、晴れることを祈りながら。
━━━━━━━━━
(´-ι_-`) 国家資格がイイヨネ\( ´ω` )/
明日、もし晴れたら。
「雨音が響いているね」
突然、長い間交際している彼から言われた。
その時は空は雨が降った後で晴れていたから
意味が分からなかったから気にもとめなかった。
でもさ、後で気付いたなんて遅いよね。
何がダメだったの?言ってくれれば直したのに。
私達さ、将来について語ったよね?
あの浮かれた気持ちは私だけだったのかな?
貴方と一生懸命選んで買った家具達は私には
大きすぎるよ。リビングで独りは寂しいよ。
「雨が降ってきてほしかった」
でもね、寂しいと感じると同時に"思い出"を思い出すわ
貴方、好きよね。この様なロマンチックな隠語。
確か、貴方が隠語が好きと知ってから猛烈に暗記して
貴方にこう伝えたの、覚えてる?
「海が綺麗ですね」
って、伝えたの。そしたら、貴方は予想外な返事を
したわよね。私、本当にあの時倒れてしまいそう
だったのよ。それくらい貴方が好きだったの。
「僕は山の方が好きです。…ちょっとした冗談ですよ
一緒に泳ぎましょうか?」
それから私達はずっと話してたよね。
「暖かいですね。」
「えぇ、私もそう思っていましたよ」
でも、なんで言ってくれなかったのかなぁ…。
ずっと私達居たじゃない。そんなに信頼されて
なかったのかしら?私、二度も衝撃をくらって心も
壊れそうだったのよ。何度空に飛ぼうとしたか。
でも、何時も空の
「星が綺麗だった」
私は星を見る度に貴方の顔を思い出しては辞めていたわ
あぁ、本当に空は憎たらしい程綺麗だ。
明日、もし晴れたら、少し遠くまで行ってみよう。
そこに、人間がいるかもしれない。
居ないかもしれない…。
でも、誰かに会えたら良いなと思う。
なぜ、私は期待をしてしまうんだろう…。
アンドロイドなのに…。
明日、もし晴れたら
ねるねるねるねを買いに行こう。
雨の天気予報を見て決めた私は
卑怯者なのだ。
今日から梅雨明けだと聞いていたのに、まったく梅雨明けを感じさせない豪雨が、街を襲っていた。気温は寒く、傘を持つ人達は皆寒そうに腕を摩っている。
明日は学校の卒業式だというのに、こんな雨が明日も降るかと思うと嫌気がさす。ため息をついて傘を開く。傘を打つ雨音がイヤホンを通して耳に飛び込む。お陰で大好きな歌手の声は全く聞こえない。さっき買った花束は、雨音に誘われて傘の外へ出ていこうとする。雨粒が触れたところからまた色づき始めるように、花は更に綺麗さを増していく。それに反して、僕の心はどんどん憂鬱さが増していった。
家に帰ってすぐにシャワーを浴びる。自分一人しかいない無機質な空間と化したこの家も、もうすぐ引っ越すことになるだろう。カレンダーを見つめて、明日の日付に視線を合わせる。明日は彼女の誕生日だ。彼女は生粋の晴れ女で、彼女と出かけた時に雨が降ったことは今までに一度もない。僕の記憶の彼女は、いつも太陽の下で笑っていた。最近雨続きなのは、彼女に会えていないからかもしれない。
彼女は二年前、僕とのデート当日の快晴の日に交通事故に遭って亡くなった。あの頃の僕たちは高校三年生で、受験が終わるまで全く会えていなかった僕たちは、この日やっとデートの時間を作れたところだった。彼女は遅刻癖が無かったが、何かあったのかもと心配になりながら彼女を待っていた僕が、彼女の訃報を聞いたのはその日の夜だった。彼女の母親の震えた声から聞こえた知らせは、僕を悲しませるのに十分だった。
あの日以来、僕は恋人を作っていない。後にも先にも将来を誓えるのは彼女だけだと思う。それ程僕は彼女を愛していた。彼女が会いに来てくれた日は、またきっと快晴になる。僕の涙を拭きに会いに来てくれるはず、そう信じて晴れの日を待ち続けている。晴れたら、二人が出会ったクスノキの下で待ち合わせよう。そして、大きな花束と指輪をプレゼントしよう。明日はきっと、僕と彼女の結婚記念日になるだろう。
「明日、もし晴れたら」
〖明日、もし晴れたら〗
やわらかな光であってほしい。
あたたかくて、包み込まれるような。
それをめいっぱい浴びながら、大きく息を吸う。
腕を伸ばして、胸を大きく広げて。
それから、息を吐くのだ。
晴れ渡った、麗らかな日。
貴男とわたしは、結婚届けに署名し、結婚した。
わたしが貴男と結婚した理由は、家筋が良かったから。
そして、わたしの家の遠縁にあたる氏族だったから。
両家の家格の釣り合いのとれた、普通の結婚。
『女の幸せは、結婚すること。』
祖母や母から何度も聞かされてきた、
この言葉は、わたしの人生においては正しい。
正しく、その通りだった。
わたしは、貴男と結婚して『想う』という満ち足りる心を知った。
わたしは、貴男と結婚して『安心』という余裕ができた。
わたしは、貴男と結婚して『楽』という穏和な日々を得た。
しかし、全ての人々が求めるものでは無いとも感じた。
幸せとは、自分が求める時を過ごすこと。
その時とは、人の数だけ多様に存在するように思う。
だから、わたしはこの言葉を娘たちに掛けない。
幸せとは人の数だけ多様であり、自分で決めるものだと知って欲しいから。