シオン

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 嫌な予感がした。
 何かが明日起こって死んでしまうようなそんな予感がしてしまった。
 妄想、空想、その他の類だと頭に言い聞かせても一向にその予感は消えずに根付いてしまった。なんの根拠もないのに、その恐怖に脅かされてしまった。
 もちろん彼は、何も知らないから、何も分かってないから無邪気な顔でボクに向かって笑いかけてくるから、余計に嫌な予感は消えなくて。
「明日晴れたら、ピクニックをしようよ」
 気づいたらそんな言葉を吐いていた。
「……この世界に雨なんてないだろ」 
 そう君は笑いながら言ったけれど、ボクにはあまり関係がなくて。
「…………それでも」
 嫌な予感がそんな約束で無下にならないことを分かっていながらボクはそう言った。

8/1/2024, 4:24:34 PM