心と心』の作文集

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心と心』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

12/12/2024, 3:31:23 PM

目に見えない心というものを、何故か全ての人が信じている。
みんなどうして目に見えない、本当にあるかどうかも分からないものを信じられるんだろう?

心無い言葉、という表現がある。
「お前なんか嫌いだ」
「バーカ」
「うっざ」
「鈍くせえ」
こういう言葉を〝心無い言葉〟と言うけれど、そこにも確かに心はあって、相手を拒絶したい、相手を攻撃したい、という感情もある意味〝心〟なのだろう。
本当に心が無い、というのは相手が何をしようが何とも思わない、相手がどうなろうがどうでもいい、そういう事を言うのだと思う。

攻撃的な感情も、心だ。
感情と心は厳密には違うらしいけれど、目に見えないという共通点もある。
どちらも相手の〝本当のところ〟は分からなくて、「多分こうなんだろう」と思いながら互いに窺うようにして近付いたり離れたりしている。

心と心。
感情と感情。
近付いたり離れたり、ぶつかったり反発しあったり。

あれ? 何かに似てる。

あ、分かった。





磁石だ。


END


「心と心」

12/12/2024, 3:23:05 PM

心と心
あなたと繋がってたい…あなたと過ごす時間は、増えたけれど、そう、何か足りないと思う…
腕を組んだり、キスしたり、スキンシップは増えたけれど、時々見えない、あなたの心…信じていないわけではないけれど、そんな時には、不安で一杯になってしまう…
せめて、一緒にいる時だけでも、あなたの心に繋がっていたい…

12/12/2024, 3:19:54 PM

今日は友人の誕生日

祝われるとむしろ困る、と言う友人
誕生日だって何も変わらない、ふつうに過ごしても、いい感じだから、と


なんて承認欲求のなさ
凄いわ


友人の気持ちも、わからなくはなくて
本人が望まないなら、と、最初は祝うのをやめたけど

今は

むしろ困っちゃえ、と思う
祝うこっちは幸せになれるから

誕生日は、本人よりも周りにとって、
特別なものかもしれないよ?

本人がお祝いしてほしいかどうかは別として
私にとっては、お祝いできたことが、
凄く凄く、嬉しかった


そう告げたら友人は
素直に嬉しいよ、と言ってくれた

12/12/2024, 3:18:05 PM

今夜は居酒屋で部署の忘年会。
若手の俺は幹事を任され、雑用に動き回っている。
ノンアルを飲み続ける1人の女を視界に入れながら。

今なら一息つけそうだと、自分の席であり、視界に入れ続けていた先輩の隣に座った。

「お疲れさま」
「幹事って大変ですね」
「ね。うちの部署は飲める人が多いからね」
「先輩は飲まないんですか?」
「そっか。注文取ってる人には飲んでないのバレてるか。内緒にしておいて」
先輩はシーっと指先を当てて笑った。

26歳だっけ。そして人妻。
こんなに可愛いなんて反則だ。
新卒で入って、既婚者なんて知らなくてすぐに好きになった。
その後は…自分の気持ちなんて言えるわけない。
好きになる前に何で気づかなかったのか。
いつだって、先輩の指にはプラチナのエンゲージリングがキラリと光る。
埋め込まれた小さなダイヤモンドが恨めしい。

「飲むとどうなるんですか?」
見てみたいなあ、先輩の酔ったところ。
「んー、戻す」
「1杯でも?」
「1杯ならいけるんだけどね。でも、もし何かあってもね。ノンアルで十分だよ」

先輩がグラスをカチンと合わせた。

「旦那さんはいつ帰って来るんですか?」
先輩の旦那さんは単身赴任で、長期の休みしか帰って来ない。
先輩はときどき寂しそうな顔をする。
慰めたいんだけど、でも、どうやって?
付き合った人数が少な過ぎて、俺にはハードルが高すぎる。

「今月末。お盆ぶり。
旦那が帰って来たら大変なんだよね。
自分のペースで過ごせなくなるし、よく食べる人だから食事もたくさん作らなきゃいけなくなるし。しかも、品数を欲しがるんだよね。あれ絶対お姑さんのせい」

先輩が饒舌になる。
さっきまで、ポツリポツリと喋っていたのに。
うんうん、と相槌を打ってはあげるけど、でも、正直辛いなぁ。

「それって、文句を言いつつ旦那さんの希望を聞いてあげてるってことですよね?
結局先輩は、旦那さんが帰ってくるのを楽しみにしてるんですよ。旦那さんだって、先輩に色々言えるってことは、心を許してるんだと思うし」

先輩の頬が赤くなる。
結婚して何年も経っているのに、未だに照れるってことは、結局仲良しだってことじゃん。

「お盆ぶりですか。
夜、燃えますね。あ、もしかして朝までとか」

んんっ!
急にぶっ込んだ爆弾発言に、先輩が思いっきり咽せた。
何だなんだと注目されたのに気づいたけど、素知らぬふりして「大丈夫ですか?」と背中を軽く叩く。
先輩も「大丈夫」と咳をしながら言ってくれる。
納得していない様子も、社員たちは会話に戻っていった。

「ちょ、飲み過ぎじゃないの?」
「別に。俺がずっと動いてたの知ってるじゃないですか。
飲み会なんですから、これくらい普通ですよね」
「…………」
わざとらしくため息を吐かれた。

「帰って来るのを楽しみにしてる人がいるって良いですよね。憧れます」
ノンアルを飲もうとしていた先輩の手が止まる。

「愛している人に愛されて身体を繋げる。俺にはできないから、羨ましいですよ」

何かを言おうとして言うことが見つからない。
そんなことを思っていそうな視線を感じる。

「俺は、片想い中だから」
「……そっか。……そっかぁ」

俺が持ち歩いていたタブレットを自分の方へ寄せて操作して、先輩はノンアルを注文した。俺が今飲んでいるハイボールも。
「そこはノンアルで譲れないんですね」
「だって戻したら幹事さんに迷惑かけちゃうし」
「俺、先輩に迷惑かけられるくらい、何とも思わないですよ?」
「私が気になる!」

真剣に言われて噴き出すと、先輩も噴き出した。

笑い合って楽しい時間だなと思いながら、切なくなる。
今、この瞬間に一緒に笑うことはできるけれど、一日中、笑い合える日は絶対に来ない。


先輩が心と心を繋いだのは、旦那さんだから。





心と心

12/12/2024, 3:17:00 PM

30XX年6月30日
天気:くもりのち雨
温度:21°

今日は退院祝いにドーム街に行った。
人が多いところは嫌いだけど、車椅子だとみんな避けてくれるから楽だ。
露店がたくさん出ていたから何かのお祭りがあるのかと母親に聞いたら、ロボット革命記念日の前日だからと教えてくれた。

人間とほとんど同じ機能を持ったロボットのおかげで人間の生活はとても豊かになった。かつて蒸気機関が発明されて産業が活発化したことになぞらえて、ロボット革命と呼ぶらしい。
人間とほとんど同じと言っても人間のために生まれたロボットは人権を持たない。

人間のために生き、人間のために死ぬのか。
そう思うと、ちょっと心臓が痛くなった気がした。

僕の心臓はロボットから移植されたものだ。
人間のドナーになれるようロボットは特殊な心臓を持っている。生まれた頃から病院で暮らしていた僕は人間ドナーではなくロボットドナーを選んだ。
人間の心臓よりもロボットの心臓の方が安いからだ。

車椅子が縁石に乗り上げてしまったとき、1体のロボットが助けてくれた。ぼくと同じくらいの背丈で見た目も小学生くらいに見える。おそらくどこかの夫婦の愛玩ロボットだろう。
お礼を言うと、僕の目をじっとみつめてこう言った。

「人間は楽しい?」

僕に言ったのだろうか、
それとも僕に移植された“心臓”に言ったのだろうか。
まるで大人に憧れる小学生のように純粋な言い方だった。
そもそもこんな言葉、愛玩ロボットが学習しているはずがない。
薄ら寒さを覚えて、心臓がドクンドクンと飛び跳ねる。

「いいなあ」

そういうと彼はどこかへ消えてしまった。
ショーウィンドウに映る自分を見る。

ロボットと人間はほぼ同じ外見をしている。
僕の心臓はロボットの心臓だ。
ロボットにももし心があるなら、果たして僕は人間なのだろうか。

12/12/2024, 3:14:49 PM

素晴らしい音楽に出会ったときとは、作曲家の心が自身の心に溶け込むときかもしれないと最近になって思います。特にロマン派以降の交響曲なんかはそれが顕著で、多くの人に受けやすい。

12/12/2024, 3:13:47 PM

「泣きたい夜なので失礼します」

「えっ…?」

そう一言呟いて、電話を切った

部屋に広がった静寂にまた涙が出てくる

落ち込む事があった

他の人には何気ないことでも私には大きなことだった

電話する前に散々泣いたのにまだまだ涙は出てくる

こんなに彼女が泣いてたら楽しい気持ちになれないでしょって思って今日会いに来てくれるはずだった彼の訪問を断った

本当は会いたかった、泣いてる理由話して、また大泣きして、頭撫でてもらって

温かい想像をしたけど、仕事で疲れてる彼にも申し訳ないし、きっと今日は会わない方が良い

良いって思うのに

1人は寂しくてやっぱり会いたくてまたぼろぼろぼろぼろ泣いてしまう

…会いたいな





寒い!家まで来たから早く鍵開けてって連絡が来たのをスマホが知らせた瞬間、玄関に走っていた

ドアを開けたらモコモコの彼、首周りが特に暖かそうだ

「え、来てくれたの…?」

「来てほしいんだろうなって思ったから」

えー…なんでわかるの…

なんだかびっくりしたのと嬉しさで更に泣きたくなって、しゃがみ込んで膝に顔を埋めた私の頭が大きな手で撫でられる

「私泣きたい夜だって言ったのに…」

「1人で…って言ってなかったし、会いたいから電話で断って来たんでしょ、メッセージだって良かったのに、会いたいんならそりゃ行くでしょ」

「ごめん…なんか余計な電話したかも」

「電話じゃなくても気づいたと思うから大丈夫だよ」

「気づくのか…」

「気づきたいって思ってるからね」

そっか…

言葉の一つ一つが温かくて優しくて泣けてくる

なんて涙腺の緩い夜でしょう

もう今日は大泣きしてたっぷり話聞いてもらって、明日には忘れよう

「ねぇ、とにかく家だからってそんな寒そうな格好してないで温かくして、膝掛けでもかけて、温かい飲み物でも飲みな。全部用意してあげるから。用意できたら準備万端で全力で泣きな」

そう言って親指を立てられて

いやいや…

「逆に泣きづらいでしょ!」

思わず噴き出した私を見てる彼の顔があからさまにほっとしてて、ああ…ダメだ…って今日はダメなんだってって…またまた泣き出した私に彼は慌てて温かいものを準備してくれて

グズグズ言う私をソファに座らせて、たくさん話を聞いて、たくさん頭を撫でてくれた

12/12/2024, 3:12:48 PM

心と心

心と心
それは
繋がっていてなかなかきれないもの
切ろうとしてもうまく切れない
つながらせようとしても難しい

心と心
それは
とても大切な気持ちを芽生えさせてくれる
友人が悲しんだら友情が芽生えて
友人を元気にさせる
誰かが喜んだら尊敬が芽生えて
その人を嬉しくさせる

心と心
それは
大切な何かで繋がっていて見えないもの
見えないけれど
確かにあって
それは人の感情を豊かにしてくれる
喜んだり
悲しんだり
楽しんだり
怒ったり
色々な感情が
「心」というものに詰まってる

12/12/2024, 3:10:47 PM

心と心というのは

 「集団の中でこそ孤独になれる」とある映画の台詞であったが、人が心を意識するのは、他人の存在がある時が多い。一人の時はあまり意識しない。ただ、一人の時でも、実過去の記憶や誰かにどう思われているかとか、これは誰かにどう思われるかなど、人との関係を気にしている時間は割と多い。
 なので、数多くの心の定義の中では、個人的には「ヒトとヒトの間に立ち生まれるもの」というのが一番しっくりくる。そして、良くも悪くも、それは変わっていく。
 
 だから、関わりの中で生まれる心が変わっていくのは当然のこと。変わるのが当たり前で、変わらないことが珍しい。
 逆にいうと、心と心が通じ合わないのがデフォルトなので、通じ合うというのは、とても貴重。
 そういった多くの誤解の中で、運よく通じたものがとても心地よい。もしかすると、人はその瞬間を求めて冗長性なコミュニケーションをし続けるのかなと思う時がある。言い方を変えると、それは心を作り上げる時間ともいえるかもしれない。まあ、言えるかもしれないけど、でもそれだけでもない気はするので、それ以外の事はまた別の機会に。

12/12/2024, 3:05:08 PM

殻を見たって中のひよこは見えない

それと同じようにいくら人の外側を見たって
中身は全く分からない
中身とは人間で言う心である
それをお互いが認識したときはじめて
心と心の糸が結ばれる

その瞬間、私達は貴方を知るだろう

まだ見えぬ貴方に大きな期待を背負いながら
貴方の中の私が貴方と繋がれていますようにと願う

12/12/2024, 3:04:55 PM

『心と心』というテーマについて…
人は心は1つだね。でもいくつ持っても大丈夫だね…
心は不思議だね。人をよくするものを持っているね…
色々な心があるね。感情…イライラの心…泣きたい心…笑いたい心…人を笑顔にする心…びっくりする心…喜んだり嬉しかったりする心…こんなにいっぱいあるね…
私たちはこの心に生かされてるね…
感謝を伝えるのだって心だね…心こめて『ありがとう』っていう心…言える心…
心が疲れていると…体も疲れてしまうね…
体の疲れと同じで心の疲れもとってあげないとね…
休むことが必要だね…
常に笑顔でいられるように…
人間の心=心臓やハートだね…心臓がバクバクするってよく聞くね…緊張したときだね…あげればあげるほど沢山の心があるね…私も心を大事にしないとなってわかったよ。
自分が思う『心と心』っていうテーマかもね。

12/12/2024, 3:01:50 PM

こんなに生きてきても、本当に心と心が通じ合う人に出会えた気がしない。
そもそも、そんな人がいるのかさえ疑わしい。
意気投合できる人はいるけど、深く知り合うと違いが見えてくる。
時には、突然「え!なんで?」と思わされることもある。
そのくらい人は十人十色。だから面白い。

だけど、心のどこかでは、自分とまったく同じ心を持った人に出会いたいと願っている気がする。
何をしても理解され、何を話してもぶつかることなく、延々と思いの共有ができて…改めて書いてみると、楽しいのか、これ。
自分の中だけでやってりゃいいような気もするな。
何しろ、実際に出会ったことがないから、ホントのところは分からない。

ただ、よく思うのは、心の機微っていうか、繊細な部分を持っているかいないかの違いがあって、そのどちらが幸せなのかなってこと。
ちょっとしたことで心が動いて、嬉しくなったり悲しくなったりする自分と、よほどのことがない限り動じない余裕のある人。
ぶっちゃけ、敏感さんと鈍感さんだ。
敏感さんは感受性豊か。鈍感さんは…物事に流されない。
…どっちがいい?

願わくば、切り替えて使い分けたい。
いつもと変わらない夕焼けを見て、感動する心を失いたくはない。
でも、職場であった些細な出来事を、いつまでも引きずるようなガラスのハートは邪魔くさい。
心と心。これは自分の心の二面性だ。
あって欲しい一面と変えていきたい一面。
でも、私の心は唯一無二で、ここにひとつしかない。

どちらかを失えば、もう片方も消えてゆくし、思い通りにはいかないんだろうな。
これが自分だ、と胸を張ろう。それしかない。
敏感さんも鈍感さんも良し悪しだよな。
きっとバランスが取れてる。
こんな自分に生まれてきたことで、きっと世界の均衡が保たれてるんだ…と思い込もう。
それも、心のなせるワザだから。

12/12/2024, 3:00:45 PM

泣き笑い怒り…また泣く。そうやって感情は巡っていく。ただ、その感情の中には"僕"ではない「女の子」が居る。僕は可愛いものが好きだ、ワンピースだったりピンク色の小物であったり。心はみんなが言う男の子では無かった。

ぼくは女の子。可愛いものが好きな女の子。

でも、なんでそう怒るの?
なんでそう、僕のことで泣くの?



ぼくには笑ってくれはしないの?


ああ、男の子でいたら良かったんだ。普通に笑って過ごすあの男の子に。






心と心が葛藤する、自身を押し殺して。

そして午前0:00が回った頃
だれも必要としなくなった"ぼく"に終止符を告げた

「ぼくだって笑いたいよ…」

12/12/2024, 3:00:39 PM

通じ合えてる、って

信じたいだけだったのかもね


…否定してよ




_心と心

12/12/2024, 2:59:42 PM

心と心



ゲホゲホゲホ


咳が止まらない。
ヒュウヒュウと息をするたびに喉が鳴る。
困ったな。


古いアパートで天井を眺めながら
途方に暮れる。

はとこは昨日来たばかりだから、
あと2、3日は来ないだろう。


自分がこんな状態になってからどれくらい経つだろうか。
それって熱のこと?別のこと?
重い頭では浮かんだ疑問に答えることもできない。

代わりに昔の辛い記憶が蘇る。


この程度できる奴はどこにでもいる。
お前なんてここを辞めたらどこも雇わない。
お前、飯食う権利があると思ってんのか。
体調不良?その程度で休む気か!
お前が仕事しない損失を補填しろ。
あー、使えねえ。
給料泥棒。


どんどんどんどん蘇る。



咳き込むと頭に響く。

違う声が痛みに響くように湧いてくる。



あなたが生きてて喜ぶ人はいない。
みんなあなたを疎ましく思ってる。
周りから何言われてるのか知ってる?
ご両親も恥ずかしい思いしてるよ?
女が勉強なんてするからこうなるのよ。
いい気味、スカッとする〜。



これはどこまで実際に言われたことで、
どこまでがSNSでランダムに流れてきた言葉だろうか。
わからない、わからないまま時間が過ぎる。


ただの偶然だとわかっていても、ネットの罵倒が
自分に向けられた言葉のように感じてしまい、
でも目を離せなくてどんどん消耗してしまう。



体が動かない、頭も動かない、ただ寝てるだけの生活が
どのくらい過ぎたろう。
わからないしみっともない。
動けないのならそのまま何も口にしなければ
死んでいけるのに、水を飲んでる。
すぐに食べられる栄養補助食品を通販で頼んでいる。


生きる価値がないのに生きようとするなんて
浅ましいという自己嫌悪が後から後から湧いてくる。


涙を拭おうとして爪の先がピンク色になっている事に
気がついた。


天井ばっか見てるとしんどいよー。
少しでもかわいいもの見てよ。

はとこが昨日塗ってくれた。
塗った上にキラキラするラメやパールを付けてくれた。


ああ、そうだ。


親ですらここに置き去りにしたのに、
あの子は来てくれた。今も来てくれる。
まだ高校生なのに。
遊びも勉強もやりたい事沢山あって、
自分のことだけ考えていれば良い年頃なのに。


あの子が来るのは現実。自分で塗ったわけじゃない。
だって自分は不器用だ。
こんなに綺麗に爪を塗る事は出来ない。
塗った後にさらにラメやパールつけるなんて思いつかない。

私を思ってくれる人がいる。
心と心を通わそうとする人がいる。
忘れちゃ駄目だ。


布団の中で四つん這いになる。
周りを見る。
昨日はとこがゴミを捨ててくれたから
部屋の中は綺麗なものだ。

ガンガンする頭のまま部屋を這いずり
台所まで行き水を飲む。
風邪薬はない。
お腹に優しい食料もない。


まず、できることをしよう。

回らない頭で考える。
冷蔵庫には野菜ジュースが、入ってる。
それを持っていき布団に戻ろう。


冷蔵庫に目を向けた時、コンコン、とドアをノックする音がした。


続いてガサガサと何かをドアノブに引っ掛ける音と、
遠ざかり階段を降りる音。


なんだろう、とドアを開く。

掛けてあったビニル袋の中には
風邪薬とのど飴、それに数個のゼリー飲料とポカリ、
数個のみかん。そしてメモ帳の切れ端が入っていた。


隣の部屋の人間です。
仕事に行かなきゃ行けないので、
走り書きですみません、お大事に。



隣?隣って誰が住んでいたかしら?

全く知らない。


時計を見ると夕方だ。
この時間から仕事で出かけるということは
夜勤なのだろうか。

何かを考えると頭が痛い。
小さくビニール袋に頭を下げ、布団に戻る。


なんとなく、みかんを手に取った。


みかん。ずいぶん久しぶりに見た。
表面はひんやりしていて、少しざらざらしている。



お前に贅沢品を食べる資格なんてないよなあ?



誰かが頭の奥で怒鳴る。怖い。


みかんを畳の上に置き、風邪薬をポカリで流し込む。
本当は水の方が良いと思うが、
もう一度台所に行く気力がない。

飲んだところで気力が尽きた。


仰向けに布団に転がる。


チラリと爪が目に入る。


はとこの顔とメモ帳の切れ端が頭に浮かぶ。



ありがとう。



小さく呟き目を閉じた。




罵倒の声もない、何かから逃げることもない
深い眠りについたのは久しぶりのことだった。

12/12/2024, 2:57:50 PM

お題『心と心』

 私達は二人一組の魔法少女だ。今、わけあって絶賛喧嘩中。
 おともの妖精がちいさな体を揺らしながら「はやく仲直りしなよー」って慌てている。妖精が慌てるのも無理はない。私達は、手をつながないと変身することができないのだから。
 今までも喧嘩はそこそこしたけど、うまくやってきたつもりだ。だけど、相方が一人敵から情報を得るためにこちらを騙すような真似をしていた。
 理由は分かっている。でも私はそれがなんだか許せなくて裏切られた気持ちになってお互いに喧嘩してしまった。
 もともと性格は正反対だ。学校で所属しているグループもまったく違う。
(もう、今回ばかりは仲直りは無理かぁ)
 そう思ってベッドにうつぶせになりながら横になっていた矢先、突如として轟音が響いた。
 敵襲だ。急いで向かわないと! おともの妖精を連れて急いで家を出る。

 現場に着いた頃、私は目を疑う光景を目にした。
 相棒がぼろぼろの姿になりながら敵に立ち向かっているのだ。敵に蹴り飛ばされては地面を転がり、それでも立ち上がって突進する。
 だが、私が知ってる限り彼女の運動能力は高くない。頭が無駄にいいだけのネクラ女だ。
 仲直りは無理とか言ってる場合じゃない!

 また彼女が敵に弾き飛ばされた時、私はそれを受け止める。意外と衝撃が強く、尻をすりむいた。
 割れたメガネ越しに相棒が私を睨む。そのくせ口許はすこしだけつり上がってる。
「あんたとは一緒にやっていけない、じゃなかったの?」
 その冷たい言い方、相変わらずムカつく。だけど
「そんなこと言ってる場合? あんたすっかりボロボロじゃん」
「なに泣いてんの」
「はぁ? 泣いてないし!」
 と言いながら私は涙をぬぐう。やっぱり仲間が一人で戦ってるのを見過ごせないし、それに、このままなのは嫌だ。相棒がため息をつく。
「感情的なの本当にメンドクサイ」
「あんたは相変わらず冷たいよね」
 それからしばらく顔を見合わせて私が「ごめん」と言うと、「私こそ……その、ごめん」と相棒が返す。
 たった一言。私たちの間にわだかまりはもうない。敵が大きな口を開けて電磁波をお見舞いしようとしている。
 私達は手をつなぐと、二人心を通わせ、すぐさま戦うために姿を変えた。

12/12/2024, 2:55:04 PM

心と心

目に見えないもので繋がっていたい。
例えるならなんだろう。絆とか?
でも絆って案外脆そうですぐに崩れちゃいそう。
もっと、もっと、体の深いところで繋がろう。
誰の目にも映らないそんなところがいいな。
そこにふたりで辿り着いて。その場所の鍵を交換して。
また巡り逢えたら一緒に開けようね。
私たちだけの秘密の場所を。

12/12/2024, 2:54:25 PM

『心と心』

つまらない音楽とゆっくり歩く

あなたの歩幅となら踊りたくなったのに


あの文字を読み上げてみる

甘えるのと依存の違いってなんだろう


追い抜かす救急車と強い風

私は今どんな顔をしたらいいのだろう

12/12/2024, 2:53:20 PM

作品No.256【2024/12/12 テーマ:心と心】


くっつきすぎれば鬱陶しく
離れすぎれば寂しくて

だから
あなたの心を求めてみたり
私の心を渡してみたり
するのだろうか

12/12/2024, 2:40:36 PM

私とあなたは繋がれるかな。
いや、だめだよね。

心と心 𓈒𓂂𓂃◌𓈒𓐍

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