目に見えない心というものを、何故か全ての人が信じている。
みんなどうして目に見えない、本当にあるかどうかも分からないものを信じられるんだろう?
心無い言葉、という表現がある。
「お前なんか嫌いだ」
「バーカ」
「うっざ」
「鈍くせえ」
こういう言葉を〝心無い言葉〟と言うけれど、そこにも確かに心はあって、相手を拒絶したい、相手を攻撃したい、という感情もある意味〝心〟なのだろう。
本当に心が無い、というのは相手が何をしようが何とも思わない、相手がどうなろうがどうでもいい、そういう事を言うのだと思う。
攻撃的な感情も、心だ。
感情と心は厳密には違うらしいけれど、目に見えないという共通点もある。
どちらも相手の〝本当のところ〟は分からなくて、「多分こうなんだろう」と思いながら互いに窺うようにして近付いたり離れたりしている。
心と心。
感情と感情。
近付いたり離れたり、ぶつかったり反発しあったり。
あれ? 何かに似てる。
あ、分かった。
磁石だ。
END
「心と心」
12/12/2024, 3:31:23 PM