届かぬ想い』の作文集

Open App

届かぬ想い』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

4/16/2026, 6:09:18 PM

「式貴《しき》」

躊躇いがちに差し出されたカードを見て、式貴は首を傾げた。

「郵便受けに入っていました。よくない気配は感じません」
「そっか。ありがとう」

礼を言いながら、カードを受け取る。
飾り気のない白いカード。そこに書かれているのはどこかの住所と病院の名前以外には何も書かれてはいない。
覚えのないそれに、無意識に式貴は眉を寄せた。
この病院に行けという指示だろうか。ここに行くことで一体何があるというのか。そもそも差出人不明のカードの指示に従うのは、果たして危険はないだろうか。

「麗《うらら》」

呼びかければ麗は戸惑うように瞳を揺らし、ややあっておずおずと口を開いた。

「危険な気配は感じません。だから、きっと……行った方がいい、と思います」
「そっか……」

カードに視線を落とし、式貴は考える。
そして麗へと視線を向け、微笑みながら手を差し出した。

「麗。一緒に行ってくれる?」
「――はい」

そっと手を重ね、繋ぐ。
小さく頷いて、麗はふわりと微笑みを浮かべた。



その病院は人里から離れた山間に、まるで身を潜めるようにして建っていた。
その小さな佇まいは、病院というよりも療養所を思わせる。病的なまでに白い外観に式貴は気後れしながらも、麗の手を握りゆっくりと足を踏み入れた。

「あの、すみません……」
「繩手《なわて》式貴様ですね。お待ちしておりました」

看護師らしき女性が式貴の姿を認め、頭を下げる。
こちらへ、と何かを聞くよりも先に促されて、式貴は戸惑いながらも看護師に案内されるままに病院の奥へと歩き出した。

「ここはどこなのでしょうか?」
「ここは人ならざるモノに関わり、傷ついた方々を治療する場でございます」
「人ならざるモノ……」

式貴は寄り添い歩く麗を横目で見た。
麗もまた式貴を見つめ、緩く頭を振り笑う。

「私は式貴と一緒がいい、です。このままで十分」

式貴と一緒にいられぬのならば、人に戻る意味はない。
そう願われて、式貴は答える代わりに繋いだ手に力を込めた。

不意に、先を行く看護師の足が止まった。
病室だろうか。番号も、名札もない部屋の扉には窓はなく、中を伺い知ることはできない。

「ここは……?」

看護師は何も答えない。ただ扉の脇に立ち、式貴が開けるのを待っている。
ごくりと、式貴は唾を飲み込んだ。一度麗と目を合わせてから、ゆっくりと扉に手をかける。
扉の向こう側にいるのは誰なのか。込み上げる不安や恐怖を誤魔化しながら、静かに開いていく。

「な、何で……?」

扉を開け中にいる人々を見て、式貴は目を見開き声を詰まらせた。
じわりと視界が滲む。呼吸が乱れ、上手く息が吸えなくなってくる。

「父さん……母さん……っ」

ベッドに横たわりながらこちらを見つめる両親の元へ、式貴は一歩足を踏み出した。ふらつく足でまた一歩、前に進み、転がるような勢いで部屋に入り込む。
そっと麗は手を離した。両親に抱き着く式貴を、目を細めて見つめた。

「なんで……どうして……?」

式貴が混乱するのも無理はない。今までずっと両親は亡くなったものだと教えられてきたからだ。
泣きながらどうしてと繰り返す式貴の背を、痩せた母の手が撫でる。看護師に支えられながら起き上がった父が、それを穏やかな目をして見守っていた。



あれから事情を説明された式貴は、両親とたくさん話をした。
家のこと。仕事のこと。一人で過ごしてきた日々のあれこれを。

「あの、さ……麗のことなんだけど」

途端に険しい顔をする母に、式貴は困ったように笑う。
無理もない。両親は堕ちてしまった麗から式貴の身を守るために、自身の魂を用いて封を行ったのだから。
式貴が繩手の屋敷から解放されるまでの時間稼ぎとして。
解放された瞬間に封は完全に解かれ、両親はこうして再び目覚めることができたのだ。

「式貴」
「ごめん、母さん。でも俺は麗が好きなんだ」

首を振り、式貴は母の目を見つめはっきりと口にする。
繩手の屋敷からだけでなく、憑き物の麗からの解放を望んでいた母の想いを否定した。

「最初に封が解けかけた理由は、俺が付き合っていた彼女に振られたからなんだ」

ほんの数か月前のことを思い出す。全てを忘れていたために恐ろしかっただけの日々が、今では愛おしくてたまらないと、式貴は微笑む。

「俺の悲しみに気づいて、守ろうとして、麗は無理矢理封をこじ開けた。そんな優しい彼女のことが、俺は好きなんだ」

それに、と、式貴は少し離れた場所でこちらを見守る麗を見つめながら続ける。原因となった当時付き合っていた女性との別れの理由を思い、恥ずかしさに少しだけ頬を染めた。

「そもそも振られた原因は、彼女に麗を見ていたからなんだ」

何気ない仕草や、言葉。行動に至るまでをどこかで麗と重ねていた。全てを思い出した今、随分と酷いことをしていたと思う。
けれどもそれだけ式貴の中で麗の存在は大きかった。大切で失えないものだった。
そっと胸に手を当てる。表情を改め、式貴は両親へと向き直った。

「記憶にはなくても、俺の中から麗が消えることはなかった……だから、ごめん」

頭を下げる。両親の式貴への想いを無駄にしてしまうと理解しながらも、麗と離れることだけではできないと告げた。

「――大丈夫だよ」

頭を下げ続ける式貴に、父は目を細め微笑んだ。

「僕も彼女も分かっている。ずっと式貴の中で見てきたからね。だからもう、謝らなくていいんだよ」

優しい声に、式貴は恐る恐る頭を上げた。
微笑む父と、目を逸らす母。対照的ではあるものの、どちらの表情にも険しさはない。

「そろそろ行きなさい。僕たちのことは心配しなくていい」
「けど……」

式貴の目が戸惑いに揺れる。このまま二度と会えなくなるのではないかと、そんな不安が彼を動けなくさせていた。

「数年間寝たきりだったからね。少なくとも自分で歩けるようになるまではここでお世話になるよ。だからまた会いに来てくれたら嬉しい」
「父さん……分かった。また必ず来るよ」

父の言葉に式貴も表情を和らげ、頭を下げてから麗の元へと歩み寄る。もう一度頭を下げてから、二人は寄り添いながら部屋を出て行った。


「分かっていたことだろう?」

二人がいなくなってから、父は母へ声をかける。
母は父からも目を逸らしたまま。その表情はどこか子供が子供が拗ねている様を思い起こさせた。

「私の想いは届かなかったのね」
「子供とは親の思った通りには育たないものさ。君が家を出たように、式貴も自分の意志があるんだから」

そう言われてしまえば、否定はできないのだろう。母は一瞬だけ表情を曇らせ、目を閉じた。

「時間稼ぎなんて、酷い嘘ね」
「嘘ではないさ。式貴が自分の気持ちに向き合うための時間稼ぎになっただろう?」

最後の不満も笑って否定され、母は父に背を向け丸くなる。
解放ではなく、向き合うための時間稼ぎ。理解はしても、まだ納得はできてはいない。
式貴はまた、見舞いに来てくれるだろう。そしてその隣には麗がいることだろう。
親が望む最良が、子供最良ではない。式貴が自身で選び取ったその結果をとても喜ばしいと思いながら、けれどもほんの少しだけ浮かぶ寂しさに、溜息が溢れ落ちる。
まだ当分は、素直に受け入れられそうになかった。




20260415 『届かぬ想い』

4/16/2026, 10:04:52 AM

欲しても欲しても手に入らないから余計に欲しくなるのか。
もしかしたら望んでるこの状況が、1番輝いて見える状態なのか。
手を伸ばしても届かない。
喉から手が出るほど欲しい。
手にしてしまえばそれは…。

それでもおれは君の隣りに居たいと思うんだ。


                 (届かぬ想い)

4/16/2026, 10:00:01 AM

届かぬ想い


その少女、百合は、たった十五年しか生きてないけど、自分ではあまり良い人生と言えるものではなかったと思うなと、ぎこちなく笑いながら言った。

戦争で苦労を強いられた祖父母に、豊かになった時代で大事に大事に甘やかされて育った苦労知らずの両親が出会って結婚して百合を産んだのは、この先も続くと思われた豊かな時代が年号と共に終わりを迎え、先が見えない不況の時代へ突入した年のことだった。

今まで当たり前だった生活が不況と慣れない子育てで送れなくなり、想像していた理想の家庭とは程遠い現実に両親、特に結婚するまで実家で悠々自適なお嬢様生活をしていた母親が疲れ果てて癇癪を起こすようになり、両親の仲は百合の成長と共に険悪になっていった。

百合の小学生最後の夏休みの事だった。古びた団地の狭いリビングでお昼のワイドショーを見ていた母親が、隣で麦茶を飲んでいた百合に言った。

「母さんね、あんたがまだ赤ちゃんで夜泣きがうるさいって理由で父さんに家を追い出されてた時にね、知らない若い女に襲われた時があったの。偶々通りかかった別の若い女に助けられて無事だったけど、あの時もし助けられずに死んでたら、こんな苦労せずに楽になれたのかしらね」

さっきまでうるさく聞こえていたアブラゼミの鳴き声が、窓際に吊るされた風鈴の音が、悲惨な事件を元刑事の解説を交えて放送していたテレビの音がピタリと止まり、母親の小さな声がはっきりと大きく聞こえたのを百合は今でも鮮明に覚えている。

夏休みが終わり、冬休みが終わり、卒業シーズンを迎え放課後の卒業式のリハーサルを終えた百合が家に帰るとリビングに両親が揃っていた。

何年も狭い団地の中で器用に母親を避け続けた父親が母親と向かい合っているのを、百合が珍しい事もあるものだと眺めていると母親が「大切な話があるからこっちへ来なさい」と自分の隣に座るように言った。

「大切な話って何?」

「母さんたちね、離婚するの。百合は中学生から母さんの苗字に分かって、母さんと二人で暮らすのよ」

百合の目の前に記入済みの離婚届が置かれた。

「……そっか」

苗字が変わる以外何も変わらないだろとか、娘の一生に一度のお祝いに親の離婚届はどうかと思うとか、とにかく言いたい事は山ほどあるが、とりあえず何言っても無駄だろうと百合は黙っておく事にした。

その日から卒業式までの記憶を百合は朧げにしか覚えていない。まあ、思い出す事はないので別に困る事はないのだが。

百合が通う中学校の生徒は地元の二つの小学校の卒業生が大半を占めていた。

この中途半端に見知った人がいる環境が良くなかった。

別の小学校から入学した生徒が百合の色素が薄い髪を指摘し、それを聞いた同じ小学校から入学した生徒が百合の髪だけではなく苗字と家庭環境の事までも言いふらし、それを聞いた一部の生徒が揶揄い出し、それを見た生徒が百合を遊びや憂さ晴らしで虐めのターゲットにするという最悪の悪循環が出来上がってしまったのだ。

何処へ逃げても視線と囁き声が追いかけてくる恐怖に、自分の知らない場所で知らない人間に個人情報が根も葉もない噂と共に知られていく恐怖に、とうとう百合が耐えきれなくなったのは中学三年の事だった。

中学生最後の春。桜がちらほらと咲き始めた卒業式の日。

百合が最後に聞いた声は体育館から聞こえる歌声。最後に見た景色は雲一つない青空だった。

何事もなく終わるはずの卒業式は何かが地面に叩きつけられたのような大きな音で中断された。

音の正体を知った生徒が様々な反応をする中、他校の制服を来た一人の少年が校門の向こう側から見つめていた。

「俺言ったじゃん。呼べよって」

少年は小学校の卒業式間近で百合とした会話を思い出す。

「俺は違う中学に行くけどさ、何かあったらすぐ連絡しろよ?必ず駆けつけるから」

「うん。分かったよ」

「絶対だぞ」

「うん」

4/16/2026, 9:58:04 AM

『届かぬ思い』

懇切丁寧に、一年かけて綴ったラブレター。
しかし、それが君に届くことはなかった。

手元に残ったのは、一枚の紙切れ。

『そんな住所は存在しません』

……気持ちの大きさだけじゃなく、住所の宛先が間違っていないか確認する、そんな一呼吸置く落ち着きも、恋愛には大切なのかもしれない。


おわり

4/16/2026, 9:56:15 AM

簡素なベッドに横たえている私の身体。
その身体に伸びている多くの管、その先に映し出された画面には真っ直ぐ左端から右端へと平行線が伸び、窓の外には先ほどまで枯れ葉が繋がっていた木が静かに佇んでいる。
白衣を着た男性が暗い表情で何かを私の家族に告げると部屋を出ていった。
家族は私の手を握り、泣きながら何度も同じ言葉を口にしている。

……ずっと喧嘩ばかりだったのに、こういう時になって

背中をさすろうとするが、触れずに背中を手が通り抜け
てしまう。
私もちゃんと伝えたい。
言葉にしようとするが声が出ない。

背中からそっと抱きしめるように腕を回す。
わたしも……貴方を愛しています。
決して家族には届かない。
けれど何よりも大きな想いが2つ、確かにその空間を満たした。

               〜届かぬ想い〜

4/16/2026, 9:53:59 AM

あの才能さえあれば
僕はきっと天才になれたんだ
きっと苦しく居れたんだ
だのに、才能がないお陰で―――

いやあ、そうかな。
そんなに才能が欲しいのかい?
誰もが屈するような才能。
そんなものあったって何もならないよ。

大抵、だ!
努力する才能をみんな持ってる
いや初めに渡されるものなんだよ
他は優劣あるかもしれないけど

じゃあ、君はそれをどこかに落としたのかな。
それとも捨てた?もしかして奪われた?

あー、そうそう
神様に奪われてしまったなあ!
支配もされず、強制もなく、
ただ肩に手を置かれただけだった ―――

…才能ってのは怖いね
人をこうも浪漫に溺れさせるんだから
僕は無神論者だけど願わずにはいられないな
君はその神のお気に入りらしい
早く飽きて捨ててくれないかなあ

4/16/2026, 9:51:43 AM

棒付きアイスを買ったのは子どもの頃以来だった。並んで同じものを食べてても、必ず口を近づけてきた。
もう二度と誰にもひと口もあげない。
もう二度とアイスなんか食べない。

ずるいよなあ。
私の視界に勝手に入っておいて。
なかったことにしちゃうんだもん。

ずるいよなあ。
私の世界をぜんぶ奪っておいて。
届かない場所に消えちゃうなんて。


『届かぬ想い』

4/16/2026, 9:44:43 AM

届かぬ想い

『今日も仕事で遅くなる💦
ご飯は何か買って食べるから。いつもごめんね』

母からのLINEを確認しながら階段をおりた。
今日は母さんの好きなシチューの予定だったのにな、
そんなことを思いながらスリッパを靴箱にいれる。

こんなことは日常茶飯事だ。
父が早くに亡くなったため、
母は女手一つで僕を育ててくれていた。

母のことはもちろん尊敬している。
それでも少しの寂しさが、食卓を襲う。

帰り道で買ったコンビニ弁当。
母さんがいる時しか作る気にならないから、
一人の時は基本これだ。
そんな僕ひとりの食卓を母は知らない。
自分で作って食べていると思っている。

母さんがいるから美味しいのに。
母さんと一緒に食べたいからつくるのに。

そんな考えも冷えたお米とともに飲み込んだ。

4/16/2026, 9:41:41 AM

ラノベのタイトル案:

「『届かぬ想い』と諦めていた魔法騎士様を侯爵のパパが買って来ちゃいましたが返品できません!(いろんな意味で)」

ー➖ ー➖ ー

「タイトルだけで、ラノベ一本書いた気になった!」
「あーそうね、なんか一本読んだ気に…いや、なるかなー?」

4/16/2026, 9:40:28 AM

結婚して15年後に、またあの人に再会するなんて

微塵も後悔なんてしてないけど

私やっぱりこの人のこと好きだったなぁって思う

変わってないねっていってくれるあなたも

かわってないじゃん

でも夢叶えたんだね

立派に昇進もして

どんな15年を歩んできたの?私はね…

ねぇねぇせっかくだしLINE交換しない?

そんな言葉たち

飲み込んで

微笑んで挨拶交わすだけの私は

すごい大人になったなぁって思う

4/16/2026, 9:37:43 AM

題名:届かぬ想い

消えちゃったんだよ、あなたは
消えちゃったんだよ、どこかで。

視界がブラックアウトしてさ。
何もかもが空白だらけ。

消えちゃったんだよ、あなたは
消えちゃったんだよ、あの日に。

混沌した雑音聞いてさ。
何もかもが歪んで見える。

どうせ届かないんだよ、その想い
どうせ届かないんだよ、あなたの事は。

ごめんねって軽く謝ってさ。
あなたのメモ帳眺めていたんだ。

4/16/2026, 9:31:17 AM

「しんじゃった、おとうさんにもみてほしかったな。」
ヨウくんは、誰にも聞こえないように、呟きました。




ヨウくんは、絵を描くのが大好きです。
今日も朝からずっと部屋に閉じこもって、ひたすら絵を描いていました。


気が済むまで絵を描くと、一緒に住むおじいちゃんやおばあちゃん、お母さん、お姉ちゃんに絵をみせてまわります。


今日の絵は、お父さんが生きていたころに、家族で行った海の絵でした。海辺でみんな笑顔で砂のお城をつくっているところで、ヨウくんの大切な思い出です。




ヨウくんのお父さんは、1年前に病気で亡くなりました。ヨウくんは悲しくて悲しくて仕方なかったけれど、お父さんは天国にいるんだ、と自分に言い聞かせて寂しさを紛らわせていました。

でも、今みたいにお父さんを思い出して、胸がきゅっとなることがあります。もう会えないのは分かったけど、やっぱりまた会いたいのです。




ヨウくんは気づきません。
本当は、ヨウくんのことをお父さんはずっと見ていることを。
ずっと側で和やかにヨウくんを見守ってくれていることを。





お父さんの想いはヨウくんにはハッキリとは伝わりません。
まだ幼いヨウくんにはうまく届かぬ想いかもしれませんが、ヨウくんが優しく包まれ、ほっとできる感覚のとき、それはお父さんからの想いなのです。

4/16/2026, 9:29:34 AM

届かぬ想い

 風が有栖の周りで舞った。
 さっきつけた線香の煙が、あたりに漂う。
 有栖は目を開け、合わせていた手を下ろす。その瞳には後悔と寂寥が混ざっていた。
「また、来ます」
 有栖は墓の主にそう告げると、立ち上がった。
「もう、貴方に届くことはないのは分かっていますが」
 伝えたかった。でも伝えることは出来なかった。
「貴方のこと」
 有栖は口には出したが、風がそれを消し去っていった。

4/16/2026, 9:20:07 AM

届かぬ思い。

「ごめんなさい。あなたとは付き合えないわ」
僕沙彩さんに呆気なく振られてしまった、僕。
畜生!なんでダメなんだよ!
スタートラインにすら立たせて貰えなかった。
学歴はないし、低収入じゃこの結果も仕方ないよね。
よし、仕事を一所懸命頑張ろう!
だが、結果を出しても派遣社員では地位も賃金も据え置かれたままだ。
いつしか、恋も愛も諦めた。
1人なら生活に困らない。
たった一度の人生、気楽に生きよう!
僕はYouTubeを視聴する事にした。
「人が500回素振りしたら俺は1000回やる。俺だけ練習した奴はいない。バット1回でも多く振った者の勝ちなんだよ!」
三冠王、落合博満。
「来世に頑張るってそんなんないで、自分に負けず真面目にコツコツ練習奴が天下を取んねん!」
カリスマボクサー、辰吉丈一郎。
「遊びたい、飲みたい、そんなんで優勝できるわけない。WBCは優勝以外失敗!」
二刀流メジャーリーガー、大谷翔平。
お前はそれでいいのか?
悔しくないのか?
馬鹿にした奴らを見返したくはないのか?
何事も成さずにただ死んでいくのか?
時間はまだまだあるじゃないか。
人生これから。

4/16/2026, 9:07:02 AM

「届かぬ想い」 書く習慣51

みぞおちのあたり
何かが詰まっているような
何かが欠如しているような
その感じ

言葉にしなければ
言わなければ
伝えなければ
届かない

聞こえなければ
分からなければ
染み込まなければ
届かない

空に向かって
ひとりきり
内側から
声が 持ち上がる

祈りとも願いとも
叫びともつかない

鳥よ 遠くの国へ
虫よ 多くの花へ
風よ あなたの下へ

どうか届けてください

そんな声かもしれない


#書く習慣アプリ #書く習慣 #詩のようなもの #詩

4/16/2026, 8:59:10 AM

君が今日のうちに遠くにいってしまったら、明日初めて鳴く虫と君との声を聞き分けることができるだろうか。

鳴く蝉よりも鳴かぬ蛍が身を焦がすというが、君は鳴け。私の過保護を全て焼いて捨てるから、君に面倒なことは何一つ言わないから、どうか、どこにいても君の存在が分かるように発信して。君が誰にも気づかれない瞬間がたったの一秒もないように、大きい声で鳴いてくれ。他の誰にも、感情のまま話して足を引っ張るようなことはさせないから。

『届かぬ想い』

4/16/2026, 8:57:49 AM

ぐにゃりと脱力した彼が地面に落ちている。
鼓膜をつんざくほどの周囲の音が、遥か遠くに聞こえた。

ここが、大地が剥き出しの、寒々とした荒野だったのは、もう前のこと。
かつて何百万人の血を吸った大地であった面影はすっかり消え、今や背の低い緑の芝や、鳥が運んだものか、美しい花をつける背の高い草が自由気ままに生えそろっている。

かつての戦場の爪痕を、その地中に抱えているために、人を寄せ付けないこの場所は、むしろ人が開発してきた街々の大地に比べたら、すっかり健全の、美しい自然を取り戻しているように見える。

私がここに勤めるようになったのはなんでことはない。
人間の身勝手な開発と、少子高齢化は国家の秩序を揺るがすということで、子を産むことをどの国も推奨した結果に起こった爆発的な人口増加に対する埋め合わせをするため、戦争の末に放り出されたこの大地を、農地として使えるようにする必要が出てきた、そのために雇われた、というだけだった。

当時の私は、オブラートに口触りの良い言葉で包まれたそんな社会の言い分を、まるで正義であるかのように信奉し、掲げ、人類を救うのは自分だ、という若さゆえの傲慢な一心で、この地を浄化する職についた。

来てすぐに後悔した。
現場の誰も、この仕事に希望など抱いていなかった。
大地が人類の戦争とまぐわい孕んだ、地雷、という過去の遺児を探し出して除去するというこの仕事は、どっちを向いても危険と理不尽しかないような、そんな仕事場だった。
過去の人類の愚かな行為のツケ、そして過去現在の人間社会が犯したの失態のツケを、一身に背負わされ、命を賭けて償わさせられている。

地雷撤去とはそういう仕事だった。

そんな危険と理不尽に塗れた職場では、心理的に余裕のある人間などいなかった。
みな、平和なはずのこの世界の片隅で、怯え、恐れながら一日を過ごし、人間に絶望し、世界を恨みながら、なけなしの正義心や善心を捨てられず、それゆえに明日も仕事に出向く。
すっかり恐怖と卑屈に濁った瞳に、なけなしの光を湛えながら生きていく。
私たちはそういう人間だった。

しかし、彼はその中でも、珍しく鮮やかな光を湛えた瞳をしていた。
彼はかなりの時間をここで過ごしていたはずだった。
にもかかわらず、彼は人間に絶望していなかった。
そして、世界にも絶望していなかった。
彼は、私たちの中で唯一、政府から来た者の仕事も、地元民の仕事も、私たちの仕事も、公平に信頼していて、一つの疑念もなく、私たちの報告を受け、優しく指導し、従った。

彼は人の善良性を信じていた。
彼は人に絶望していなかった。
彼は人の倫理観を信じていた。

私はそうはなれなかった。
世間の平和から弾き出され、普通の人たちが見たくないもののように目を瞑る、そんな私たちの状態で、いったいどの境地にいればそうなれたというのだろう。
しかし、彼はそうだった。
彼は、人間の愚かさを背負わせられながら、それでも、人間に夢を見ていた。

眩しかった。
愚かだと思った。
バカだと思った。
ふざけるな、と思ったし、何度か彼に、そんな言葉をぶつけた。

しかし、それ以上に、私は彼が眩しかった。
人を信じているがゆえのその誠実な笑顔が羨ましかった。
人を信じているがゆえのその優しい眼差しが、美しいと思った。

私は。
私は彼を慕っていた。
愚かだ、バカだ、おめでたい頭だ。
そう思いながら、同時に、私は彼に惹かれていた、きっと。

今日、彼は私の目の前に倒れている。
それは外部から来たとある職員の、小さなミスだった。
しかし、ここではそれは、裏切り同然だった。

愚かなことに、人を信じず、恨みと懐疑心を持つことで、生き抜いてきた私は、この裏切りに最後まで気づかなかった。
しかし、皮肉なことに、人を信じきっていた彼が、気づいた。
彼は、私がその裏切りを踏み抜く直前でそれに気づき、そして、
気がつけば、彼は、私の代わりに、彼の半身を吹き飛ばされていた。

私は彼を慕っていた。
散々、彼は愚かだと態度に表し、憤慨し、蔑み、憎み、眩しいがために鬱陶しいと口では言いながら。
私は彼を慕っていた。
その証拠に、あの一瞬、あの、彼が私を迷うことなく助けてくれたあの瞬間に、私の胸は大きく、ひとつ、弾んだ。

この想いはもう二度と彼に届くことはない。
ぐにゃり、と、物質に変わり果てた彼の身体と、私に刻まれた今までの経験は、私に確信させる。

この想いは、もう届かない。
今、私が抱えているこの想いは、この何とも言えない気持ちは、もう彼には届かない。

もう、届かない。
私の、私の初恋は、自覚したこの瞬間に、届かぬ想いに成り果てた。

私は彼を見つめる。
慕っていた、もう体温を持つことのない彼を。

ぐにゃり、と脱力した彼が落ちている。
鮮やかな緑に包まれて、平和なような顔をした戦場に。

4/16/2026, 8:39:30 AM

ずっと昔、2人で剣を預けあった親友がいた。
騎士養成学校時代、成績は常にワンツーで、その差も常に極わずか。抜いて、抜かれて、また追い抜く。そんな学生時代だった。
太陽と月、白虎と黒獅子、光と影。
俺達は常に表裏一体で、互いを良き戦友として、好敵手として認めていた。
そんな関係が変わったのは、数年前、王国と帝国の間で大規模な戦争が起きた年だった。
2人ともよく似た成績で、他の誰より優秀。
そんな俺達は、二つある騎士団のエースとしてそれぞれ据えられた。
彼は、戦場に先攻して場を開く第二騎士団に。
俺は、彼等の開いた道を進み、支配を着実なものにする第一騎士団に。
俺はこの配置を、当時は何一つ疑わなかった。
彼は俺より僅かに上背があったし、その僅かな違いだって戦場では大差になり得るから、彼がより戦闘の激しい第二部隊に送られたのだと信じていた。
けれど、俺と彼では、たった一つだけ大差のついたものがあった。
それが、身分だ。
俺はそこそこの貴族の出で、彼は元々平民、更に血を辿れば奴隷だった時代すらある。
彼は俺の代わりに、捨て駒のように第二部隊に送られたのだ。
そう気付いた瞬間、俺は初めてこの国に対する明確な怒りを抱いた。
その日の晩、俺は仲間の制止を全て力でもって振り切り、夜中に戦場へ駆けた。1秒でも早く、彼と代わりたかった。彼の背を護りたかった。
けれど、そこに待っていたのは地獄の一言に尽きる光景。
顔馴染みの同期が、いつか労ってくれた先輩が、自分の後ろをついて回っていた後輩が、屍となって塵のようにそこらに転がっている。
こみ上げる胃酸を無理矢理飲み下し、俺は見慣れた黒髪を探した。
彼さえ生きていてくれれば、まだ救われた。
同期も、先輩も、後輩も、彼さえいてくれればその死を乗り越えられた。
それなのに。
雨の降りしきる戦場の中央で、第二騎士団のものである黒い鎧に身を包んだ彼の、首から上だけを腕に抱いていた。
真横に転がった彼の身体と愛馬は、もうとっくの昔に温度を失っている。
まだ、何も伝えられていないのに。
かつては清く、美しく澄んでいた筈の淡い淡い慕情の念が、急速に濁って、汚れて、穢れにも近いような悍ましい何かに変貌するのを、腕の中の濁った瞳だけが知っていた。

テーマ:届かぬ想い

4/16/2026, 8:38:28 AM

誰よりも、ずっと 春爛漫 言葉にできない 遠くの空へ 快晴 神様へ 届かぬ想い です

誰よりも、ずっと

誰よりも、ずっとキミが好きなのに
どうしてキミはつれないの?
優しく撫でても、ギュッと抱きしめても
キミはイヤそうな顔をする。
僕が1番可愛がっているのに、僕の愛情は何故伝わらないんだろう。
猫は気まぐれ。というくらいだし、僕が好かれないのはそのせいだ。
と信じて、イヤがられても、ムシされても、いつかキミの1番になれる日を夢見て、今日も僕はキミを撫でるのだった。


春爛漫

「すごいキレイ」
「まさに、春爛漫って感じだな」
フラワーロード。というだけあって、色とりどりの花が咲き誇っている。
「でも…ねえ」
「…そうだな」
はぁ。と2人同時にため息を吐く。
僕たちが花を見ているのは車の中から。
2人とも花粉症だから、外でゆっくりは見られないのだ。
「ん、でも、春を感じられたから良しとしよう」
「…そうだね」
車の中からではあるものの、春を満喫できたドライブになったのでした。


言葉にできない

「大好きだよ」
優しく微笑まれると、胸がいっぱいになって言葉にできない。
できない代わりに、俺はキミを抱きしめた。
なかなか上手く言葉にできないキミへの想い。
キミに伝わるといいなと思った。


遠くの空へ

遠くの空へ、キミがいる場所へ想いを馳せる。
元気でいるのか、頑張っているのか。
あなたの声を聞いたら、帰りたくなっちゃう。だから、夢を叶えるまで連絡は取らない。
キミの固い意志を尊重し、淋しさを隠して、僕は空を見上げるのだった。


快晴

どこまでも晴れ渡る快晴の空。
快適な気温に心地良い風。
まさに、最高の天気。と言っても過言ではないはずなのに、僕の心は土砂降りだった。
心が空っぽだから何も感じないし、何もしてなくても涙が流れる。
そんな僕でも手を伸ばせば届くだろうか?
キラキラ輝く、眩しい空に。

神様へ

神様へ。
願ってはいけないことだとわかっているけど
願っても良いでしょうか?
自分の心を苦しめている奴らの不幸を。
もっと言えば、奴ら全員、存在を闇に落としてほしい。
けど、それはできないとわかっているから、どうか神様。
闇に沈んでいる自分の心を、太陽の光であたためてください。


届かぬ想い

どんなにキミを想っていても、届かぬ想いだとわかっている。
だってキミの隣には、キミを笑顔にしてくれる彼がいるのだから。
でもそれでも、芽生えた想いは消えなくて。
だからずっと彼の隣で笑ってて。
僕の想いが
「キミの隣にいるのが僕じゃなくて悔しいけれど、好きだから、キミの幸せを願う」
に変わるまで。

4/16/2026, 8:28:27 AM

『倒す覚悟』


あの組織は更に力をつけた。組織の記憶を消した奴らまでも組織の一員として戻し、新たな戦力としている。
そして、あの子もますます新しい力を手に入れている。……それを組織に利用されていることも知らずに。
俺の声はもう届かないだろう。"敵"として認識されてしまった俺の声は。
それでもあの組織を放っておくことは出来ない。このままでは世界が壊されてしまう。
だから……

「俺がやるしかないのか…」

手の中にある黒い銃が鈍く光った。



【届かぬ想い】

Next