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「届かぬ想い」

左手の薬指に嵌められた銀色に輝くそれは.僕の心に深く突き刺さった。前まではなかったハズなのに。

「先輩、もしかして結婚するんですか?」
「昔からお付き合いしていた人とね。とても良い人よ」

研究室に差し込む陽光に照らされ乙女の顔で幸せそうに目を細める先輩は、とてもきれいで天女のようであった。
貴女の想う先に僕はいない。

4/16/2024, 3:13:16 PM