未明

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この思いは、きっともう届くことはない。

あの日、世界で一番綺麗に散った君へ。

うだるような暑い日
君は、海に溶けて消えてしまった。

柔らかな黒髪をなびかせながら
心底、幸せそうに
それでいて、どこか物惜しそうに

まるで花びらのように
落ちていく君の姿が、脳裏に焼き付いた。

その瞬間恋をした、一目惚れだった。

君は僕に恋をしていた。

そして、僕もまた君に恋をした。

たった四秒間の逢瀬。

本当に悲しかった、ただそれ以上に
美しい、と思ってしまった。

僕の中で、悲しみと感動とが交差して
なんとも形容しがたい気持ちでいっぱいだった。

今までの中で、これ程までに美しいものを
見たことがあっただろうか。

散りゆく命は美しい、だなんて
国語の授業でしか習わないが
僕の頭の中はそれで埋め尽くされていた。

今では、寝ても醒めても、学校であろうと
君の事しか考えられなくなってしまった。

つまり僕は
もう居ない君に恋焦がれている。

もう手遅れで
きっとこの思いが届くことも無いけど。

僕は一生、君の事を想い続ける。

4/16/2024, 10:48:04 AM