『小さな命』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
嗚呼、今日は人生で1番ついてない日だ。
そう思った日がこれまでに何度あったことか。
別に、あとから考えればそこまで大したことないんだけど。でもその時はもう、オレって史上最低な奴だくらいに落ち込んで凹んで、絶望する。感情の起伏が激しいのも理由の1つかもしんない。
で。
そんな今日も、今まで生きてきてもう何度目かの“最低最悪の日”だと認定せざるをえない日だった。こんな落ち込んどいてきっと明日になればけろっとしているだろうに、今はどうしようもないほど落ち込んでいる自分がいた。もう次の授業はサボるしかない。屋上に出て地べたに座り込む。ふと、体育座りした足元に目をやると、コンクリートの僅かな割れ目から草が伸びていた。しかも小さくて白い花をつけている。多分、雑草の類いなんだと思うけど、こんなところでよくもまあ生きてられるもんだな。まさしく雑草魂ってやつだよな。でも、その姿はオレには格好良く映った。なんか、図太さというか執念深さというか。そんな、言葉にするとあんまり良くないイメージなんだけどこれがぴったりとはまるから良いな、って思ったんだ。こんな場所でも生きてる小さな命。すげえなあって素直に思える。思ってるうちにもう、さっきまで自分が何に絶望してたかなんて忘れてしまった。そういうもんなんだよな、オレの悩みって。こんな、ちっぽけな雑草に救われるなんて。いや、悩みに大小関係ないように、命にも大きい小さいの順列は不要か。
よし。
次の授業はちゃんと出よ。
題:小さな命
もしも足より大きな蟻がいたら
それを小さいと言えるだろうか
いやいや、きっと大きいと言う
たとえ自分の背丈より小さくても
それは確かに小さな命
蟻の背丈は人よりも
うんとうんと低いのだから
けれども大きなものがある
命の価値は大きなものである
どんなに小さな命でも
なくてはならぬ存在で
消えて構わぬ命など
一つたりともありはせぬ
虫はちょっぴり苦手だけれど
私の命と同じだけ
虫にも命の価値がある
身を守りたい時以外
潰さずそっと見守ろう
***
小5クイズで「足より大きな蟻」という妙に恐ろしい選択肢が出てきた。
こんなのに遭遇したら人生終わる存在として、他の選択肢よりもめちゃくちゃインパクトがあった。
もう一つの選択肢も良かったけど……恐ろしさだけ見たら、今回の小5クイズで最も強いインパクトを放つ存在だろう。
不思議なものだよね。
爪のサイズより大きな蟻すら、そんなに多くは見かけないってのに、恐ろしい存在という認識をしてしまう。
そんなに小さいんだから、指先でもプチッと出来てしまうのに。
その小さくて脆い命を前にして、怖いとか恐ろしいとか言っている。
でも命というものが持つ価値が人間一人と蟻一匹で等しいのなら、そりゃ恐ろしいと思って当然だ。
私が蟻を見かける時は、大抵一人でいる時だ。
そして蟻は複数匹歩いている。
命の価値をそれぞれ100とした場合、私は100で、蟻は合計すると軽く500を上回る。
そりゃあ、怖いと思うのも当たり前だ。
小さな命と言うけれど、価値に対して小さいと言っているのではなく、ただ単に生まれてからの日が浅い事を指しているのか、身体面が全体を見た時に平均より小さい事を指しているのかのどちらかだろう。
そう想定して書いた。
小さな命は心の中にある。
そして、それを育てて日々成長ゆく。
アイスの当たり棒でそっと小さな虫を殺めた
小さな命は普遍的な残酷だ
宇宙規模で考えた時
人間もまた小さな命だった
小さな命
小さな命
小さな器
私のそのなか特になにもない
ない? なにが? 中身!
空っぽ異議なし
命に大小ナイ? ソンナワケナイ
価値アル? 価値ナイ?
その議論中身ナシ
早めに棺桶探しとかなきゃ
足は切らない 切れるほど長さナイ
実績ナシ、成績ナシ、正社員ジャナイ
雇用保険ナシ、ナイナイナイづくしの私
その小ささダケハ測り知れナイ!
命の大きさは違えど価値は変わらない
【小さい命】
四、小さな命
ミアの勤め先であるこの屋敷には、屋敷の主人であるアルバートと、ハウスメイドとして住み込みで働くミアのたった二人しかいない。とは言ったものの、年中二人きりというわけでもなく、稀に客が訪れることもしばしばあるのだ。
「そんなところでしゃがみ込んで何してるんだ」
不意に頭上からアルバートの声が降ってきて、ミアはぱっと視線を上げた。
「花壇に水をやりにいくと出て行ってからいつまで経っても戻ってこないから探しにきた」
「あ……すみません。珍しいお客様がいらしていたので、どうしたものかと」
ミアはそう言うと再び視線を落とす。
客?と首を傾げたアルバートも同じようにミアの視線を辿れば、その先にいた正体に目を丸くした。
「……猫?」
まだ仔猫のようだった。毛並みに艶はなく、土汚れも酷い。それでいて目も当てられないほどにやせ細っている。
「花に水をあげようとしたら、花壇から鳴き声が聞こえてきて。探してみたら、この子を見つけました」
ミアはそっと仔猫を持ち上げて腕に抱える。羽根のような軽さにミアはただただ驚いた。
「親猫とはぐれてうちの屋敷に迷い込んだか」
「もうずっと鳴き止まなくて……」
ミアの言葉通り、仔猫はか細い声で必死にみゃあみゃあと鳴いている。
「腹を空かせているんじゃないか」
「お腹を……」
空腹でも何も口にすることができないあの過酷さを、ミアは誰よりもよく知っていた。湧き上がるのは名も知らぬ感情。ミアは僅かな力で仔猫を抱きしめると、意を決してアルバートを見上げる。
「あの、ご主人様」
何を感じ取ったのか、アルバートは己に注がれる真っ直ぐな視線から逃れるように思わず目を逸らした。
「……分かったから。そんな目で俺を見るなよ」
アルバートはたまらず息を吐く。
「いきなり固形物を与えるのはコイツの胃の負担を考えればあまり良くないだろ。ミルクでもあげてみたらいいんじゃないか」
「! そ、そうします……!」
アルバートの提案にミアはぱあっと表情を輝かせると、こくこくと頷く。仔猫を抱えて小走りで屋敷の中へ戻って行くミアの背を目で追いながら、アルバートは自分の頭を乱暴にかいた。
「……なんだあの顔。初めて見たぞ」
アルバートはひとりごちる。もちろんそれを聞く者など、誰一人としてここにいるはずもない。
屋敷の庭で仔猫を拾ってから早十日。
ミアは時間さえあれば仔猫の世話を焼いていた。餌を与え、体を洗い、丁寧にブラッシングを施し、玩具で構い、夜は寝床を共にした。そんなミアは今日も新しく仕入れた猫じゃらしを元の白さと柔らかな肉付きを取り戻した仔猫の前に楽しげにチラつかせている。
「……まるで猫同士の戯れだな」
そんなミアの様子を肘をつきながら傍目で眺めていたアルバートはぽつりと呟いた。
「ご主人様、今なにか仰いましたか?」
「別に何も。……というかお前、近頃そいつにばかり構いすぎじゃないか? お前の主人は誰だ?」
どこか刺々しく尋ねてくるアルバートに、ミアはぱちくりと目を瞬かせる。
「アルバート様です」
分かりきったミアの返答にもなお、アルバートは不満げに口をむっと尖らせる。
「分かっているなら、もっと……」
そこまで言いかけて口を噤んだ主人と、じゃれる仔猫を交互に見比べたミアは、立ち上がりアルバートの前まで歩くと、手に持っていた猫じゃらしを主人の顔の前でユラユラと揺らし始めた。
「……おい、何をしている」
「ご主人様も猫じゃらしで遊びたいのかな、と」
屈辱にも似た感情に顔を赤くしたアルバートは、ふざけるなと声を上げようとした次の瞬間、来客を知らせるベルの音が屋敷中に響いた。ミアとアルバートは目を見合わせる。
「私が出ます」
「頼む。応接間に通してくれ」
屋敷に訪れたのは五十代半ばのふくよかな女性だった。彼女は玄関先でミアの後をついて回る仔猫を目にするなり、その場でいきなり感嘆の声を上げた。
「まあ! やっぱりここにいたのね!」
その言葉を聞いて、ミアは仔猫との別れがいきなりやってきたことをすぐさま悟った。動揺していることがバレぬように、ひとまずアルバートが待つ応接間まで女性をお連れする。その間、ミアの心臓はいつも以上に大きく脈を打っていた。
「ああ、良かった……! 仔猫が居なくなってから親猫であるこの子を連れて連日外を探し回っていたんです。そうしたら今日、ここのお屋敷を前に一歩も動かなくなってしまって。もしかしてと思って訪ねてみたら、大当たりでしたわ」
夫人の足元には毛艶の良い真っ白で美しい猫がいた。屋敷の庭で拾った仔猫をそのまま大きくしたような、そんな猫だ。女性の話を聞くに、どうやら仔猫は彼女の飼い猫だったらしい。まるで再会を喜ぶように、親猫は仔猫の顔を執拗に何度も舐め、仔猫はそれに応えるように親猫に擦り寄っている。
「ごめんなさいね、迷惑をかけてしまって……。仔猫を保護してくれて本当にありがとう」
「いいえ、見つかって良かったです。保護のことなら当たり前のことをしただけですから、どうかお気になさらず」
深くお辞儀をする夫人を前に、アルバートはさらりと微笑む。
一介の使用人に過ぎないミアが、己の主人とその客のやり取りに口を挟むことなど到底許されるはずもなく、彼女に出来ることと言えば、アルバートの後ろでただ静かに控えていることくらいだった。
「帰り道、お気をつけて」
「ええ、ありがとう。このお礼は必ず」
夫人はそれだけ言い残すと、親猫と仔猫を連れ立って屋敷を後にした。
まともにお別れの挨拶をすることもままならず、仔猫はミアの元から去って行った。訪れる静寂。心にぽっかり穴が空いたような、何とも言えぬ喪失感に、ミアはどうしようもなく泣きたくなった。
「ミア」
ソファーから立ち上がったアルバートが、ミアの名を呼ぶ。
「おいで」
命令口調とは違う、あやすようなその声に、ミアは逆らうことなくゆっくりとアルバートに近付く。
次いで、アルバートの大きな手のひらが、ミアの前髪をまるで宝物を扱うかのように優しく撫でた。
「お前は確かに、消えかけていたひとつの小さな命を救ったんだ。それを誇れ。……お前はよく頑張ったよ」
アルバートの言葉に、ついぞミアの頬を一粒の涙が伝う。
「それに、だ」
アルバートの指がミアの涙を拭う。
「お前には仔猫じゃなく、俺の世話をするという本来の仕事があるだろ。俺はここ数日、お前がいつ俺の世話役を降りて仔猫を主人にすると言い出すのかと気が気じゃなかったぞ」
アルバートにじっとりと睨まれたミアは、ぽかんと口を開ける。
「……私のご主人様は、アルバート様だけです」
「言ったな。なら、ここ数日の穴を埋めるようにしばらくは充分に俺を構えよ。きちんと行動で示せ」
揶揄うような主人の口ぶりに、ミアは心が軽くなるのを確かに感じて、小さく頷いた。
「分かりました。すぐにでも新しい猫じゃらしを買って参ります」
「それは買うな」
今 光る この 切れ端は
長い 眠りを 破る
炎とは 違うもので できた
温かい 徴だ
長い 眠りを 破って
あなたへ 会いに来る
隔たりが なくなる 音階が 聞こえなくなって
絶え間なく 心臓に 流れていた
温かい 眠りを 突き破って
あなたの 顔を あなたの 両腕を
噛み切れない ほどの 言葉を
何度となく 静寂を 破った
雨の音も 今は
やがて あなたに 会えるなら
千年の 時を 超えてくる 今は 羽のように
空気を 舞うように
闇の中 あなたに 私は 何を
話し 繰り返し 帳の中で
やがては 形を 生むものの 造形を
音もなく 編んで 影を あたり一面に
放り投げて
それでも 月日は 巡り
あなたは 光を 見つけ
やがては 名前を 変えて
再び そこへ そこへ
水面の 鏡に 映る 正体を
知ることを 辞めないで
遠くへ 伸びる影を 背にしては
小さな鼓動 生まれる
小さな 命の 誕生に
光の 差した 午後に 光る
太陽を 浴びながら 素足を 浸す
キラキラ 光る 夜明けを 信じてる
朝一の重めの会議 上司の顔色
交通渋滞 降るかも分からぬ雨のための傘
世界じゃ誰もが仮面をつけて 踊ってる
そんなこと気にせず 10分の休み時間で
ボールを蹴飛ばしていた ぼくら
明日に何があろうと コントローラを手にし
家族と ただ目の前のレースを 楽しんでいた
もうそんなことは そんな安心は 存在しない
きっと
僕らがもらった小さな命
か細いけれども なんとか紡いできたわけで
効くかも分からない安めのドリンク飲み干して
朝日がまた来やがったと 思いながら
寝癖を整え 仮面をつけて 玄関をしめる
履き慣れてしまった革靴の踵は すり減っていた
私から見ればなんとも小さな命か
十にも満たない幼子は
小さいながらに必死に追いかけてきて
お世話をするのだと声を上げる
棚の上のものを代わりに取ってやれば
頭巾で窺い知れないその顔は不機嫌そうだ
火で火傷をしないか
包丁で手を切りやしないかと
その小さな背を時折盗み見る
風呂を沸かしたから入れと言う
その声が眠気を孕んでいた
しかしこの子は意地っ張りな性格のようで
言われた通りに先に風呂に入る
湯から出れば案の定その子は船を漕いでいた
起こさないようにそっと抱き上げ
布団へと運ぶ
起きたらきっと文句を言うのだろうか
それとも拗ねるのだろうか
どちらにしても
この子との明日が楽しみだ
腕の中の小さな命
2024/02/25_小さな命
〜小さな命〜
小さな命はそこらじゅうにある
植物や昆虫、動物など
手で叩けばなくなってしまうような命もある
そんななかそれぞれの人生を一生懸命生きている
自分の命の価値を誰かと比べ
自分の方が小さな命だそんなこと
思わないでほしい
だって命の価値に大も小もない
それぞれの存在に意味があるから
【小さな命】
俺は小学生の時に授業でモンシロチョウを
卵から育てたことがある。
友人のモンシロチョウは、幼虫の段階で
死んでしまっていた。幼虫は正直言って、
綺麗ではないし、見るのも苦手だ。
でも、そんな幼虫でも、1つの生き物で、
命がある。
俺はモンシロチョウを最後まで育てることができたが、自然にはなすとき、少し泣きそうになった。
最後までしっかり育てることができて
嬉しくて、喜んだが、友人の死んでしまった
モンシロチョウのことの方が何倍も記憶に
残っていたし、今でも残っている。
小さな命でも、大切にしなければならない
ことをその時に知ることができたような、
そんな、気がした。
Syuka
私は地獄に堕ちるらしい
何故?なんで私が地獄なんかに落ちなきゃいけないの?!
確かに私は、虫やら、ネズミやら、猫やら、沢山殺めたかもしれない!
けど、たかだか数センチ、数十センチの小さなことじゃない!
なんでそんな事で地獄に落ちなきゃいけないのよ!!
あんな小さな命の為に、私の大きな命を地獄に落とすなんて信じられない!?
なんで私が地獄に落ちなきゃいけないのよ!!
命に
大きさは 関係ない
大切なのは
その存在
そのものだから…
#小さな命
ある意味
生かすも殺すも
自由だとして
それならなおさら
大切に大切に
守らないといけないよね
お題《小さな生命》
小鳥 ミミズ 名も知らぬ小さな花の花房
ミジンコ クンショウモ 未発見の微細な存在のコロニー
黴の胞子 肌に常在する菌 永久凍土に凍てついていた太古のウィルス群との遭遇
… … …
ひさしぶりに帰ってきてみました。
ながく書くのはつかれるので、しばらくはこんなふうに、思いつく事柄をだらだらと箇条書きしてみたいとおもいますm(_ _)m
お題:小さな命
『地球飼育セット』
小学校の自由研究で地球を飼育することにした。
夏休みが始まってしばらく経っても研究テーマが決まらないので、パパが東急ハンズで地球を買ってきたのだ。
箱に仕舞われた地球は生まれたてで、海はまだ無く熱々の岩石の塊に見えた。
パパはバーベキュー用のトングでそっと地球を取り出し、耐熱用水槽の中に入れた。
「地球だって生き物なんだから、ちゃんと面倒をみるんだぞ」
パパはそう言って満足気に水槽の縁をなぞった。
僕は頷いたものの、あまり興味を持てなかった。
だって地球の世話なんて、ほとんどすることがないじゃないか。
せっかく買って来た地球も、数日後にはリビングの置物と化していた。
僕が世話をしなくても地球はすくすくと育った。
時間が大体1千億倍で進むので、気付いたら地球の表面は海になり大陸が出来ていた。
僕が興味を失った飼育セットを一番熱心に観察したのはママだった。
ママは飼育セットに付属されていた観察望遠鏡を毎朝覗き、生物の進化を眺めるのが日課になっているようだった。
勿論、僕の自由研究なので記録は自分でとらなければいけない。
パパは自分の役目を全うしたと思っているらしく口出ししてこなかったが、ママは違った。
こんなにも日々変化しているのだから、ちゃんと書きなさい。
今朝、魚類が両生類に進化したのに何故書き漏らしてるの、とかなんとか。
地球飼育セットには人工の太陽もセットで付いていた。
地球の発育には程よい陽の光が必要らしく、距離を間違えると氷河期になったり蒸し焼きになってしまったりする。
なので太陽もまた固定で、窓際のサボテンの横に置くことにした。
サボテンは暑さに強いらしく、太陽の横でも平気な様だった。
ある日、僕の友達が遊びに来た時のこと。
その友達は、最初こそ地球をまじまじと眺めていたがすぐに興味を失くしたらしくオセロをしようと僕を誘ってきた。
「これ、机の上にあるの邪魔じゃない?」
友達は地球の水槽を指さして言った。
「でも、パパがそれ動かすなって言ってたし」
「ちょっとぐらいなら大丈夫でしょ」
迷ったが、僕はカーテンの横に水槽を移動させた。
僕のクラスでは最近オセロが流行っていて、僕ら2人のオセロの強さは拮抗していた。
その日のオセロも白熱した戦いになった。
僕は集中力の切れた友達のミスに付けこみ、紙一重で勝つことが出来た。
それからテレビゲームをし、キャッチボールをした。
僕は移動させた地球のことを、すっかり忘れてしまっていた。
思い出したのはママがパートから帰ってきてからだった。
地球は熱を帯び、すっかり赤茶けていた。
ママは見るも無残な地球を見て、顔を真っ青にしていた。
怒られるに違いないと思って僕は身構えた。
なのにママは、僕には何も言わずポロポロと涙をこぼし始めたのだ。
直にパパが帰って来た。
パパの第一声は、ああやっちまったか、という呆れ笑いだった。
そして、泣いているママの背中をポンポンと叩いた。
夏休みはまだ長いし、また買ってこれば間に合うよ、と。
ママはその手を振り払い、パパを怒鳴りつけた。
「みんな、みんな死んでしまったのよ!もう彼らは戻って来ないのよ」
僕とパパは、悲しむママの前で俯き、立ち尽くすことしか出来なかった。
『小さな命』
今日は小さいお地蔵の帽子を新しい物に替えた。
子供がいないのでベビー用品を買うのはこの時
ぐらいだ。
義母がいた頃はお地蔵様の掃除とお参りが
2人の日課だった。
義母は中々子宝に恵まれない私の心中を察して
「大丈夫。こうしてお参りするとあなたにも
知らせが来るからね」と言った。
何となく聞けずにいたが、知らせって
何だったのだろう‥。
そんな事を思いながら今日も最後にお参りをする。
目を開けると何故か付けてもいないろうそくに
火が付いていた。
これは‥?もしかして‥?
もしかすると‥!
後日検査すると、私に小さな命が宿っていた。
命は儚い
だからこそ、そこにあるだけで尊い
儚いからこそ大切にしなければならない
こんな当たり前を全員が認識し他者をもう少し
思いやれる世界に変わっていってほしい。
行動を起こす最初のプレイヤーは私とあなたからです。
他者を大切にすることは自分を大切にすること
自分を大切にすることは他者を大切にすること
命なんてちっぽけなものだ。
簡単に奪われてしまうし、本人に本当にその気があるのなら自分自身でなくすこともできる。
本人の手によってなくせるかは置いておいて、それは人間に限ったことではない。
その他の動物、植物にだって命はある。
ひとつひとつの命は小さいものだけれど、その小さな命が沢山集まってこの世界は出来ている。
1日に沢山の小さな命が誕生し、沢山の小さな命が失われていく。
そうしてこの世界は回っている。
広い目で見ればその通りだった。
学者の私は、そんな自然の摂理を疑った事などなかった。
でも今日、始めてそのことに疑問を持った。
最愛の妻を失ったのだ。
もう動くことはない冷たくなった身体。
私は絶望した。
色あせていく世界。
全てもどうでもよくなった。
仕事なんてまともに出来ないし、食事や睡眠だってままならないのだ。
世界にとって小さな命でも、私にとって大きな命だった。
他の人でも同じなのだろう。
他人からみたら小さな命でも、本人の周りの人は大きな命と捉えるのだ。
だから、自分勝手な理由で奪ってはいけないし、日々を大事にしなければならない。
失ってからでは遅いという事を、私は失ってから知った。
小さな命の大きな存在を。
──────────────────────────
『小さな命』