私から見ればなんとも小さな命か
十にも満たない幼子は
小さいながらに必死に追いかけてきて
お世話をするのだと声を上げる
棚の上のものを代わりに取ってやれば
頭巾で窺い知れないその顔は不機嫌そうだ
火で火傷をしないか
包丁で手を切りやしないかと
その小さな背を時折盗み見る
風呂を沸かしたから入れと言う
その声が眠気を孕んでいた
しかしこの子は意地っ張りな性格のようで
言われた通りに先に風呂に入る
湯から出れば案の定その子は船を漕いでいた
起こさないようにそっと抱き上げ
布団へと運ぶ
起きたらきっと文句を言うのだろうか
それとも拗ねるのだろうか
どちらにしても
この子との明日が楽しみだ
腕の中の小さな命
2024/02/25_小さな命
2/25/2024, 8:12:29 AM