小さな命』の作文集

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小さな命』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

2/25/2024, 5:23:14 AM

小さな命

あたしの命なんてちっぽけなもの。
ちっぽけだから、無くなったところで誰も気にしない。
ちっぽけだから、大きな命には容易く踏み潰されてしまう。
ちっぽけだから、誰にも気付かれない。

2/25/2024, 5:20:14 AM

テーマ「小さな命」
とある家庭に赤ちゃんが産まれた。

それは、小さな命が生まれたと言う意味でもある。

親にはその小さな命を育てる義務がある。

その小さな命にどれだけ多くの愛情が注げるのか。

それは、親それぞれだ。

例えどんなに小さな命でも見捨てたりしては行けない。

それが「親」である第1の責務なのだから。

2/25/2024, 5:14:23 AM

「mother」




出生の秘密────なんて大袈裟なこと、知りたくなかった。
だから、母親のことなんて、名前すら知りたいとも思わない。


遺された子供の気持ちなど、まったく考えていない。
自分の命と引き換えに産むなんて、虫と同じだ。
二度と会えない男の子供を命懸けで産むなんて、正気の沙汰とは思えない。

俺はずっとそう思っていた。



だが、母のことを知る人物から語られる真実は、それを覆すことばかり。


俺にこの世界を見せたかった母。

最期の言葉は光を灯し、道標となっていく。









────小さな命

2/25/2024, 5:07:38 AM

31年前、私はこの手で小さな命の温かさとを受け取った。
それは、愛おしく喜びでしかなかった。手の中の重みは小さな命そのもの。
そして、2年8ヵ月後にまた同じ体験が出来た幸せ。感謝しかない。

2/25/2024, 5:02:22 AM

小さな命の小さな手に触れると、手の主はそっと握り返してきた。

自分は思わず微笑んでしまった。

自分の手を優しく包み込んでくれる小さな手。

温かくて優しいぬくもり。

今を精一杯に生きている小さな命。

その鼓動が自分の指に伝わる。

そして、その命に気づかされた。

自分も今を精一杯に生きている命だと。

その小さな命と自分の命はどちらも等しい命だと。

同じ命には変わりないのだと。

今日が夢幻ではないことを証明するために、今を精一杯に生きよう。

君を守るためにも生きよう。

そして君も今を精一杯に生きて欲しい。

君が君らしい人生を送れるように願っている。


■テーマ:小さな命

2/25/2024, 4:53:39 AM

母も父も誰もいない俺にとって、掛け替えのない子なんだ。
金は全部出す。
だから、産んでくれ。
勝手だって思ってくれ。
お前が要らない子だっていうなら、俺が一人で育てるから。
産んでしまえばお前に関わらせないこともできるから。
なあ頼む。
その子が居れば、俺は生きられるんだ。
命綱なんだ。
だから、
堕ろすとかはやめてくれ。
我が子を捨てたくないんだ。





#小さな命

2/25/2024, 4:51:46 AM

私の両手にあるのは光り輝く小さな命。育てろと言うの?この私が?むりむり。そんなのできない。だからって捨てるの?なんて目をして。ずるい。さてどうするかな。

2/25/2024, 4:40:01 AM

小さくて柔らかなあの温もりが。



私の手を握り返してくれる日は

この先もうずっとないという事に


打ちのめされて

音もないまま伝う一筋。

2/25/2024, 4:25:20 AM

─小さな命

 無垢な瞳と未熟な掌が、好奇心の赴くままに弄ぶ。列を為して、巣と向かう先の何かを往復するそれに、砂をかけ、山を作り、掌で塞ぎ邪魔をする。
 いつからそうして居たのだろう。色付き始めた空と、砂だらけの掌。
 その子の、小さな背中に声をかける女の子の姿。それを弄んでいた手を繋ぎ、小さな命も大切に、と叱る少し大きな女の子は、きっとあの子のお姉ちゃん。
 女の子の背負った綺麗なランドセルと、あの子の黄色い帽子は、然程年の差は無いのだろうと思わせる。
 隣の公園がよく見える少し高めの出窓から、尻尾を揺らし、見守る猫があくびを一つ。

2/25/2024, 4:04:17 AM

よく晴れた空の下、高校の屋上に設けられたベンチの上に寝そべり、音楽を聴いていた。

耳にイヤフォンをはめ、上着のポケットに仕舞っているウォークマンにまで、線が伸びている。

目を閉じて曲に耳を澄ませ、自分の心の機微を確かに感じ取りながら、優雅な昼のひと時を過ごしていた。

「あ、せんぱーい! やっぱりまーたここにいた」

次の曲に変わろうとしたタイミングで、俺を呼ぶ誰かの声がした。

片目を開き、出入口から歩み寄ってくる人物のほうを見る。

それが誰であるかを把握した俺は、再び瞼を下ろし、そのまま曲を聴くことにした。

「こっち見たのに無視するとか、せんぱいひどーい」

何か言っているようだが、音楽に集中しているため、それを拾うことはできない。

まだ曲の序盤だというのに、左耳からイヤフォンが抜き取られた。右耳のもすぐに引っこ抜かれる。

「おい、何してくれてんだ」

閉じていた目を開いて、俺の頭部側に来ていた女子に抗議する。可愛いらしい顔と豊満な胸が近いのは気になるが、それどころではない。

「だってせんぱい、私に気づいたのに無視したでしょ。だからおあいこ」

「どこがおあいこだ。俺はひとりの時間を満喫してたんだ。邪魔してきたのはそっちだろ」

「とかいって、ホントは嬉しいんでしょ~」

「なわけあるか。それより、顔と胸、どけてくれ。近くて起き上がれん」

「ちょ、それセクハラっ!」

顔を赤らめながらも、ひとつ年下の少女は大人しく言うことを聞いてくれる。

俺はベンチの右側に詰め、ひとり分のスペースを空けた。

「あ、ありがと……」

恥じらいを露わにしたまま、彼女は腰を下ろす。

「で、何か用があって来たんだろ?」

「別に用ってわけじゃ……せんぱい、今日は何の本読んでるのかなー、って思っただけ。ほら、いっつも違うの読んでるしさ。教室に行ってもいなかったから図書館覗いてみたんだけど、人が多いし、じゃあ屋上かな、って思ったんだよ」

「つまりストーカーってことだな。わかった、然るべき処置を取らせてもらう」

「もー、つまんない冗談やめてよー。せんぱい、私がせんぱいのこと好きって知ってるでしょ?」

「初耳だ」

「嘘ばっかりー。だって、こんなにせんぱいのところにくる女子なんて、私くらいだよ? 気づかないわけないよねー」

にやにや笑いながら、彼女は俺のほうを見てくる。

はあ……とため息をひとつ吐いて、俺は正直に言った。

「好意を向けられてるってのはさすがにわかる。けど俺には、付き合うってのがどういうことかよくわからん」

彼女は、まだ同じ表示を浮かべている。

「なんだよ」

「せんぱーい、私、好きとは言ったけど、付き合って、なんて言ってないよ? 」

「ぐっ……」

早とちりしていたみたいだ。てっきり、そういうことなのだとばかり思っていた。恥ずかしさで、自分の顔に熱が集中している。

「でも、せんぱいもそう思ってくれてたんだなーって、なんだか安心した」

「……え?」

「私、せんぱいとお付き合いしたいってずっと思ってた。だからせんぱい、ひとつだけワガママ言っていい?」

彼女が何を口にするのか、わかってしまった。けれど頷くだけにとどめ、静かに続きを待った。

「私、せんぱいの彼女になりたい」

嬉しさと恥ずかしさとが混ざりあって、しばらく、口を開くことができなかった。

二人とも、顔の火照りが最高潮に達している。

束の間の沈黙を破るように、なんとか、言葉を紡いだ。

「お、お前がそれでいいなら……」

喜びのあまりか、彼女は顔を両手で覆ったり、ぱたぱた扇いだりと忙しない。

紅潮した顔がお互いに平常に戻ったあと、彼女は、ひとつのお願いを口にした。

「ね、せんぱい。手、繋ぎながら、一緒に音楽聴きたい」

「い、いいけど……」

そう言って彼女にイヤフォンのR側を差し出し、彼女に合わせて、俺もイヤフォンを耳に装着する。ぎこちなさを伴いながらも、ぎゅっと、互いに互いの手を握りあった。

流しっぱなしにしていた音楽は、いつの間にかBUMP OF CHICKENの『ファイター』になっていた。

大切なものを守るための勇気をくれる、そんな曲。

この先どんなことがあっても、彼女を幸せにする。

小さかった俺の命に、確かな情熱が灯った。

2/25/2024, 3:35:08 AM

小さき命を手にすると、愛おしさとその小ささに心が押しつぶされそうになる。
この手からこぼれていきそうなほどに躍動し、生を謳歌しているその存在も、まぎれもない生き物なのだ。

2/25/2024, 3:30:43 AM

(なんだっけ、あれ)

古い雑居ビルとビルの間。
人がふたり入れるほどのスペースのその路地の前でイズミは足を止めた。その路地を奥まで進んだ左側に、さほど大きくないネオンの看板が薄暗い路地をほのかに明るく照らしていた。
イズミは目を凝らし看板を見つめた。
そのネオン看板はピンクのライトで丸を描き、中に黄色で ”鱼“ の文字が描かれている。

「さかな...?じゃないか」

というかなんの店だ、とイズミは呟いて少し考え、さしていたビニール傘を畳んだ。路地に入るには少々傘は邪魔だ。
朝から降り続いていた雨は昼過ぎには小降りになり今はもうほとんど止んでいた。路地に入ると先ほどまでの大通りの車の騒音が一切消えてしまったように感じ、イズミは思わず後ろを振り返った。車こそは見えないが、遠くで横断歩道の信号機が赤から青になったことを知らせる鳥の鳴き声がしている。
意を決して看板に向き直り一歩一歩と奥へと進んでいく。

看板の前まで来たが、やはりそこがなんの店なのかはわからなかった。
古びた木の扉があり、窓はない。外から中を覗くことはできない。
怪しい気配をひしひしと感じていたが、好奇心がそれを上回る。イズミは扉のドアハンドルに手をかけた。
ドアハンドルは冷たく重い材質で、先の雨で少し濡れていた。
ハンドルを下に引いて手前に引くと、扉はぎぃと音を立てて開いた。ドアベルが付いていたのだろう、小さくチリン、と音を立てた。
まずイズミの視界に入ったのは、水槽だった。それもひとつやふたつではなく、30以上はあるだろうか。狭い部屋だと思ったが意外と広さはあり、縦長に長い部屋のようだった。そこに水槽が並び、水槽の上にまた水槽が重ねられている。そして水槽の中ひとつひとつに、それぞれ小さな熱帯魚が泳いでいた。種類も様々なのだろう、色も形も違う魚たちが泡を立てて泳いでいた。イズミは、まるで水族館だなと思ったがすぐに思い直した。
まず水族館にしては部屋が薄暗く、湿度も高めで生ぬるい空気が漂っている。水槽こそ一つ一つライトアップされているがそこまで明るくないく、外観と同じく怪しさが漂っている。

(店...なのか?)

そうなるとやはり表の看板の “鱼” の文字は魚という意味だったのかとイズミは思い、所狭しと並ぶ水槽を見渡した。
ブーンと、水槽に取り付けられたエアーポンプの機械音が響いている。泡がぷくぷくと出ては消えてを繰り返している。
そんな様子に目を奪われていると、

「ドア、閉めてくれない?」

突然男の声がしてイズミは驚く。
店に入った時には気づかなかったが、イズミの左、部屋の左奥にカウンターがあり、カウンター越しに男がこちらを見ていた。
男は髪が長く後ろで一つに結んでいるようだった。前髪は右側が長く右目を隠していたが、左の切長の目がイズミを捉えていた。黒い七分袖のカッターシャツから覗く腕からは刺青が見えた。なんだろう、金魚だろうか。赤く長い尾のようだった。

「すみません」

イズミはそう言いながら後ろ手にドアハンドルを持ち「もう出ますから」とそう言った。

「いらっしゃい。まぁそう焦らないで、見ていきなよ」

男はニコリと目を細めた。

「はぁ...」

気の抜けた返事をし、あぁ、逃げられないなとなんとなく悟ったイズミはドアを閉め、水槽に向き直る。

「あの、ここって...」

そうイズミが問うと、

「あぁ、魚、売ってるの。小さいの専門ね」

と男は言った。
やはりそうだったかとイズミは思った。それにしても怪しすぎる。お客さんなんて滅多にこないんじゃないか?と巡らしていると、

「あ、今、怪しいって思ったでしょ?」

男は目を細めクツクツと笑った。

「学生さん?制服」

男は指をさしそう言った。

「はい」イズミが返事をすると、へぇ〜いいね、羨ましい、と、男が言う。なんとなく建前を並べられた気がし、イズミは怪訝な顔を男に向けた。

イズミは部屋の中ほどまであゆみを進め、そこに泳ぐ小さな魚を見つめた。水槽にそっと手を当てると、ほのかに暖かい。

「狭くない?」

イズミは思わず魚たちに小さく呟いた。

「こいつら、ここが居心地いいんだってさ」

ふと背後から声がしてイズミは肩を震わせ驚く。
後ろを向くと男がイズミと同じ目線に腰を屈ませ、水槽をのぞいていた。住めば都って言うでしょ、と目線を魚に這わせながらそう言った。男からは、ふわりとスパイスがきいた木のような匂いがした。

「なんでわかるんですか?」

「んー、そう言ってたからね」

「魚がですか?」

「そ、魚が」

男がそう言い、あぁなんだ茶化されてるのかとイズミは不服そうにした。


「僕だったら、こんなとこ出て行きたい」


思わず口から出た言葉にしまったとイズミは思った。

「帰ります」

イズミは屈んでいた足を伸ばし、そそくさとそう言った。

「またおいでよ、イズミくん」

ドアに向かう足を止めて思わず振り向く。

「俺、タチバナ。また寄ってよ」

タチバナはそう言うと、イズミに手を振った。
イズミはドアを開け、外に出る。雨はもう止んでいた。



夜、自室にて眠りにつく前、イズミはあの魚屋のことを考えていた。
魚たちは今もあの狭い水槽で泳いでいるのだろうか。夜の闇の中、シンとしたあの生暖かい空気の店の中でキラキラと泡を反射させながら。

(そういえば、なんで名前...)

眠りに落ちる寸前、そんなことを一瞬頭をよぎったが、考える暇もなく、泡沫となって闇の中で弾けて消えた。

2/25/2024, 3:28:13 AM

小さな命

小さな命より重いものなんて
この世には存在しない

2/25/2024, 3:25:30 AM

人間は自然の1部であるという考えがあったと聞いた。
小さな虫や建物、風にも命が宿ると信じられてきた。
もちろん今は科学が進み、んなわけ笑と思ってる人も多い

でも、何に対しても命があり、大切にしたいという想いはその人の感性で素敵な生き方だと思う

自分自身も地球や宇宙から見たら小さな命である。

人や物も大事にしつつ自分も大切にしたいものです

テーマ『小さな命』

2/25/2024, 3:21:31 AM

小さな命、今私が手を閉じたら握りつぶせるほど小さな命。貴方はそれくらい神様が気にしていないような存在なのになんでそんなにも美しく足掻くの?
小さな命、可愛くて綺麗な小さな命。どれだけもがいても叫んでも誰にも助けて貰えない生きることが苦手で下手くそな小さな命。

2/25/2024, 3:01:22 AM

キミは大きくなる前の今は小さな命、これから手を広げて大きく育つのだろう。人生には色々と試練もあるから信頼できるものをつくりなさい。信頼関係を高めるには褒め言葉より感謝の言葉を、そうするとお互いの心が育つからより大きな命になるだろう。

2/25/2024, 2:59:09 AM

「小さな命」


いつからか
どれかが優れて劣っている

そんな秤に乗らないで
そんな秤を信じないで

確かなことは
地面に沈んだ足跡分だけ

2/25/2024, 2:58:31 AM

命の火が小さくなっていると感じる。毎日、毎日少しずつ前に進めるようにもがいているけれど、その度に火が消えそうになる。どうにか消えないように持ちこたえるけれど、次の日になればまた新しい風や水にさらされ、消えてしまいそうだ。

辛い気持ちを、友達にも家族にもうまく話せないときがあるし、話しても理解してもらえない時もある。
この世だって、私がいなくても綺麗に回る。
こんな命、自分で消してやるなんて、意気込んでしまうときもある。

そういうときは布団にこもって大事に大事にその小さな火を守る。

「疲れたね、泣いてもいいよ」

消えそうな小さな命。それでも私の命。

2/25/2024, 2:39:22 AM

「『命が燃え尽きるまで』と『心の灯火』なら9月に書いた。双方完全にリアル路線から外れたネタで」
前回が「愛」で今回は「命」か。小さな命とはよく聞くけど、あんまり大きな命は聞かねぇな。
某所在住物書きはぼっち用の小さな鍋で、激安豚バラ軟骨をコトコト煮込みながら、それの味付けをどうしようと思案していた。
換気口のあたりからは、チーチー、お題どおりに「小さな命」の鳴き声が、時折羽音をたててダイレクトに聞こえてくる。暖をとりに来ているのだろう。
スズメかシジュウカラか、ツバメか。鳥類にうとい物書きには、その種類までは分からなかった。

「『小さな』が抽象的だから、下は微生物から上はヘタすりゃ人間まで、何でも書けらぁな」
ところで。物書きはふと天井を見上げる。
「ウイルスって、……『命』?」
ネット情報では、どうも意見が割れているらしい。

――――――

今日も今日とて、どうやら各地、そこそこの寒さが続いている様子。西多摩や奥多摩のあたりは、一応予報上では、雪など降っている様子。
そんな冬の終わりごろ、物書きがこんなおはなしをご用意しました。

都内某所、某アパートの一室、昼。
部屋の主を藤森といいまして、3連休の最後の今日、月末の帰省に向けて荷造りをしておりました。
往復の新幹線のチケットよし、実家に行くので着替えは無し、向こうで使うためのクレジットもQRコード決済用の残高も十分。
東京からのお土産も、美味しいものを選びました。
ただ藤森の故郷は雪国の、現金オンリーが少し残る、昔ながらの田舎町。しっかり現ナマも約10枚、

「……あいつ、ちゃんと現金用意してくるかな」
ふと藤森、一緒に雪国観光する予定の、ネイティブ都民な職場の後輩を思い出します。
ひょっとしたら、キャッシュレスオンリーの現ナマゼロで、「QR使えないの?」かもしれません。
万が一のため、あとで後輩に確認のメッセージを送っておくことにしました。

未だフクジュソウも咲かない、早咲きの桜すら顔を見せない藤森の故郷。春は遅く、暖冬の今年でさえ、道に雪が残っています。
今年こそ一緒に連れてってと、函館のカニとか奥日光の湯葉まんじゅうとか、観光地としての雪国しか知らぬ後輩が言いました。
去年の11月頃、後輩にバチクソ大きい借りを作ってしまった藤森は、ぶっちゃけその借りのおかげで、過去のドチャクソな恋愛トラブルが解決しました。お礼のためにも、今年は少sh

「わぁー!広い広い!ここまでいらっしゃい!」
「狐だってそれくらい、ジャンプできるやい!」
「ねぇホントにボーオンボーシン?ホントにかけっこしてダイジョウブ?ねぇダイジョウブ?」
「うるさいわねぇ。私このふかふかベッドで昼寝したいの。ちょっと黙って」

雰囲気急転。お題回収。細かいことは気にしない。
防音防振設備完備なアパートの一室に、つまり帰省の荷造り中の藤森の部屋に、
雑貨屋の猫又子猫と、稲荷神社の子狐と、薬局の子カマイタチと、惣菜屋の化け子猫が、すなわち東京に住まう不思議で小さな命ぃズたちが、
室内で全力疾走するわ、それを追いかけるわ、
なんなら藤森のベッドを占領してゴロゴロ毛づくろいだのヘソ天だのしてるわ。
それはそれは、もう、それは。マイペースにゴーイングマイウェイしておるのでした。

「……おかしい」
藤森、目の前を駆け抜ける2本尻尾の子猫をチベットスナギツネの視線でジト目して、ため息をひとつ。
「帰省中の鉢植えの世話を、茶屋の店主に依頼しただけ、の筈なんだが」
なぁ。何がどうなってると思う?藤森、キンポウゲ科の小さな芽を出し始めた鉢植えに呟きました。

「そのお茶屋さんの店主さんが、稲荷神社のお住まいで、あの子狐のお母さんなんです」
小さな命ぃズの中で一番真面目そうで、大人しそうな、和菓子屋の化け子狸が、ポテポテポテ、藤森の目の前にやって来ました。
「月末の鉢植えは、僕たちでお世話します」
ひとまずお茶どうぞ。おまんじゅうどうぞ。
ポンポコ子狸、漆塗りの小盆を差し出します。
彼等が鉢植えをひっくり返したりしないだろうかと、藤森は内心、ちょっとだけ不安なのでした……

「……まんじゅう、美味いな」
「僕作りました」
「そうか」
「僕、鉢植えのお世話、責任持ってやります」
「多分、お前だけが頼りだ。よろしくな……」

2/25/2024, 2:36:49 AM

小さな命

「ミャア~」ダンボール箱に小さな子猫が 
うずくまって鳴いていた。
微かに震えている。

私はタオルで子猫を包み何も考えずに
連れて帰った。

しかし家は、ペット不可のマンションだった。

両親に見つかり「元の場所に帰して来なさい!」と言われて 私は泣きながら
子猫を抱き抱えて家を出た。

私は、元のダンボール箱に子猫を戻した。
せめてもと私はダンボール箱にタオルを
敷き小皿にミルクを入れて置いた。

冷たい風や雨が降った時に当たらない様に
ダンボール箱の蓋をそっと閉じた。


私は後ろ髪を引かれる様にその場を
離れた。

あれから15年私は、大人になった。

当時の私は、知らなかったが
捨て猫などを保護する団体などが今の世の中には、たくさんあるらしい....

あの時私がそう言う団体を知っていれば
両親に進言する事が出来ていただろうか....

幼かった私は、唯 可愛い 可哀相と言う
気持ちだけで子猫を安易に自宅に
連れ帰った。

両親に見つかり 「戻して来なさい」と
言われ 駄々をこねて反抗しても
抗う事も出来ず
両親の言う通りにしか出来なかった私は
小さな命を弄んだと言えるのだろうか....
あの子猫が結局どうなったのか私は
知らない。

誰か優しい人に拾われて幸せになっている
事を願うが....

私の行動は結局は自己満足にしか
ならなかったのだろうか.....

大人になった今もあの時の事が深く棘の様に胸に刺さったまま残り続けて居る。

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