小さな命
「ミャア~」ダンボール箱に小さな子猫が
うずくまって鳴いていた。
微かに震えている。
私はタオルで子猫を包み何も考えずに
連れて帰った。
しかし家は、ペット不可のマンションだった。
両親に見つかり「元の場所に帰して来なさい!」と言われて 私は泣きながら
子猫を抱き抱えて家を出た。
私は、元のダンボール箱に子猫を戻した。
せめてもと私はダンボール箱にタオルを
敷き小皿にミルクを入れて置いた。
冷たい風や雨が降った時に当たらない様に
ダンボール箱の蓋をそっと閉じた。
私は後ろ髪を引かれる様にその場を
離れた。
あれから15年私は、大人になった。
当時の私は、知らなかったが
捨て猫などを保護する団体などが今の世の中には、たくさんあるらしい....
あの時私がそう言う団体を知っていれば
両親に進言する事が出来ていただろうか....
幼かった私は、唯 可愛い 可哀相と言う
気持ちだけで子猫を安易に自宅に
連れ帰った。
両親に見つかり 「戻して来なさい」と
言われ 駄々をこねて反抗しても
抗う事も出来ず
両親の言う通りにしか出来なかった私は
小さな命を弄んだと言えるのだろうか....
あの子猫が結局どうなったのか私は
知らない。
誰か優しい人に拾われて幸せになっている
事を願うが....
私の行動は結局は自己満足にしか
ならなかったのだろうか.....
大人になった今もあの時の事が深く棘の様に胸に刺さったまま残り続けて居る。
2/25/2024, 2:36:49 AM