青く深く
コバルトブルー スカイブルー インディゴ
筆先を立てキャンバスに叫び何かを
訴える様に 耳元に微かに儚く囁く様に
青一色でこんなにもいろいろな感情を
伝えてくる
快晴の突き抜けるような青空の青
深海の底の様な暗く深い青
静まり返った暗闇になる前の夜の青
青は冷静で孤高で落ち着いていて波立った心を鎮めてくれる。
そんな青の世界が君が描いたキャンバスに
広がっている.....。
深く深く..... 青く青く.....。
君だけのメロディ
僕達の高校の吹奏楽部は、毎年全国大会で
上位に入選する それなりの上位者だった
そんな僕達だけど しかし全体練習を開始すると それぞれの個性が出るのかどうしても集団のオーケストラの体制になると
音を外してしまう人も出て来る
そう言う人は、個人練習になるのだが
中でも一際目立ち注意されるのが君だった
君は、規律だったメロディが嫌いで
楽譜通りに曲を奏でるのが苦手だった
いつもいつも部活の顧問の先生に目を付けられる君 そのたびに周りは、呆れた様な
ため息を吐いたり 迷惑そうな視線を
向けるのだ。
しかし 僕は、ある日見た 君が誰も来ない中庭の裏側で一人で自分の楽器である
バイオリンを弾いている姿を.....
その時の音を何と表現して良いか分からない 文字なんかでは、とても書き現せられない..... 君だけのメロディラインが
そこにあった.... まるで五線譜から音符が
飛び出して来て君の周りで踊っている
様だった....
楽しそうな君の音に僕は一瞬こっそり見て
いた事も忘れ 思わず手拍子をしそうに
なった。 慌てて自重したけど....その位
体が自然に動き出した。.....
その後 君は、吹奏楽部を辞めて
新しく僕達の高校にできた音楽系の部活
軽音部に転部して行った。
確かに君には、オーケストラより
バンドの方が合っている あの音を聞いて
僕は、そう思っていたので心の中で納得していた。
周りは、君を特に止めなかった。
寧ろやっぱりなあと言う感じであった。
しかしその年の文化祭で君の音を聞いた
吹奏楽部の人達は、君の作ったバンドに
最大級の拍手を送る事になるのだが
この時は、まだ誰も知らない未来の出来事の別のお話しである。
I love
I loveと声を出さずに口の中で唱えてみる
Iと愛でハートが二つ Iと愛とloveで
ハートが三つ 心の中で唱えるたび
ハートが次々と増えて行く
不思議な言葉 でも君への想いは
三つなんかじゃ足りないから
だから君に対してだけは毎日欠かさず
言うよ
Iと愛とloveを毎日更新して君へのハートを
増やし続けるよ I love.... et cetera...
水たまりに映る空
青い空 もくもくと浮かぶ入道雲
そして雨上がりの空に架かる虹色のアーチが水たまりに映って水面にも虹色が
揺蕩っていた。
恋か、愛か、それとも
此処に一冊の脚本がある。
内容は、主人公の青年が同性の親友に
並々ならぬ情を抱きそれが愛か恋か
はたまた友情かと葛藤する姿が描かれる
同性恋物語
内容的には、BLなのだが主人公が友情か
恋かと悩み最終的には、友情を選び
物語後半まで思い人の親友に想いを伝えず
にいるというもの
そこにいたるまでのもだもだが良いと言う
人もいればさっさと思いを伝えろとやきもきする人もいる
賛否両論あったが結局は、良と言う形で
この脚本の舞台化が決まった。
そうして稽古に入り 台詞読みの打ち合わせがあり通し稽古があり本番の舞台初日は
大盛況に終わった。
この脚本を書いた脚本家曰く
「こんな大盛況になるとは、書いてる当初は、思いも寄らなかった」との事
ちなみにその脚本家(男)には同棲中の
彼氏がいるとかいないとかの噂が
飛び交っているが真相は、定かでは無い...
もしかしてこの話は脚色では無く実話なのでは無いかと言う憶測も飛び交っているが
それに関しても信憑性が皆無な為第三者が
コメント出来る立場には無い
ちなみに本人に直接 噂について突っ込んでみた所....「事実は、小説より奇なり
でも奇跡なんて早々起きるもんじゃ無いよ!」となんとも的はずれなはたまた肯定か分からないコメントが返り取材陣を困惑させたと言う....
そうして真相は、闇の中と言う事にしといた方がきっと全員幸せだと言う結論に
落ち着いた。
とにもかくにも舞台は、大成功を収めたのである。!!(終わり)