風のいたずら
風が私の髪を擽って行く
まるで私の髪を軽く引っ張って
私に「一緒に遊ぼうよ!」と言って居る
みたい
私は、そんな事を考えて 自然と口元に
笑みが零れた。
透明な涙
「うわあああ~ん」突然の大きな泣き声
空に向かって まるで何かを訴える様に泣く 彼女の瞳からは、真珠の様な大粒で
透明な涙が流れていた。
余りに潔ぎ良く涙を流す者だから
僕は、数瞬立ち止まり しばらく
見蕩れてしまっていた。
彼女の涙は、野生の動物が母親を求める
様な まだ あどけない綺麗な涙だったから 僕は、絵画の一場面を切り取って
描いたかの様な感動を思わず抱いて
しまったのだ.....
一頻り泣き終わると彼女は、体のパワーを
全部使い果たして満足した様な笑みを
浮かべ 僕に背を向けて歩いて行って
しまった。
僕は、彼女の後ろ姿を見てまた新たに
格好いいと言う感想を抱く
そうして 彼女の無垢な涙を僕は、
一生忘れないだろう....
無色透明な涙の事を....。
あなたのもとへ
厳かにしんしんと 並び立つ葬列
その列から 運び込まれる棺は、
静謐な静けさと 陰鬱な悲しみを湛えて
いた。
そうして棺の中に居る魂の器
そこにあるのは、身じろぎ一つしない
人形の様だった
ハンカチで目元を抑える者や 何かを
堪える為に唇を噛み締める者
悔し涙か悲しみの涙かやり切れ無い
雰囲気が漂う
そんな参列を見守る 泡の様に儚い
魂 それをなんの気なしに視線を上げて
幻の様に知覚した。
嗚呼やっと帰って来たんだね
ありがとう 早く見つけてあげられ無くて
ごめんね 大好きだったよ...
夢幻の様な 曖昧模糊とした
その煙の様な 幻の様なその現象は、
参列者達に 別れの挨拶をする様に
靄になって 雲の一部になって溶けて
行き 薄くゆっくりと存在感を消して
行ったのだった。....
そっと
ソファーで 静かに眠る 君の体をそっと
持ち上げる。
起こさない様に そーっと そーっと
ベットに運んだ 君の寝顔は、
規則的な寝息を立てて 安心した表情を
浮かべていた。
僕は、その顔を見て柔らかく 口元を
緩ませた。
まだ見ぬ景色
まだ見ぬ景色を求めて 旅に出よう!
行き先を決めず 行き当たりばったり旅行
鞄に トラベルグッズ カメラ
パスポート その国の紙幣などを詰めて
人の暖かみに 触れ その国 独特の
食べ物を食べ その国の建造物や
モニュメントを見上げ まだ見ぬ景色を
カメラに収めて 一つ 一つの写真を
アルバムに貼り付け まだ見ぬ景色の
ページが増えて行く にこにこの笑顔と
共に.....。