Saco

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10/6/2025, 7:52:22 AM

moonlight

月明かりと一緒に街灯の明かりが揺れる。

星々も瞬いて、夜空のスポットライトの
様に道々に光を灯し導と差す。

それは、月の道 揺蕩う朧月夜

寝静まった夜に主張する様にゆっくりと
この街を柔らかく包んでいる。

優しい揺り籠の様に.....。

9/27/2025, 9:42:30 AM

コーヒーが冷めないうちに

「コーヒーが冷めないうちにどうぞ」
そう言って正面のソファーに座る
貴婦人にコーヒーカップに入っている
コーヒーを勧められる。

私は、そっとカップの取っ手を持つと
ゆっくりとコーヒーを啜る。

猫舌の私は、もう少し冷ましておきたかっが そんな事は、お首にもださず
なに食わぬ顔で貴婦人に穏やかな笑顔を
向け「ありがとうございますとっても
美味しいです」と辺り触りの無い感想を述べる。

そうして、暫くの沈黙が続き貴婦人が
ソーサーからカップを持ち上げコーヒーを
啜るとおもむろに切り出した。

「それで主人は、帰らないと貴方に仰っているのね?」
貴婦人のその尋ねに対し私は、正直に
「はい...」と顔に苦笑を浮かべながら
述べた。
それに対して貴婦人は、はぁと呆れた
様に溜息を吐いて眉間に皺を寄せ続ける。

「全くあの人は良い歳して夫婦喧嘩で
私に言い負かされた位でヘソを曲げて
貴方にも迷惑を掛けて信じられないわ!」
夫人は、片手を額に当てて呟いた。

それに対して私は、再び苦笑して
「先生も奥様を思ってした事ですので
そこら辺はご勘弁をお願いします」と私は、深く頭を下げた。


それに対して夫人は、顔を少し俯けて

「分かっています!私とあの人の結婚記念日ですもの....奮発してくれるのを嬉しく思わ無いわけないじゃありませんか....唯...」
夫人は、落とした視線を自身の左手の薬指に注ぐ....「それでも....この指輪を
アンティークショップに返そうなんて何の気なしに言う物だからつい語気を荒げてしまったの....」

夫人は、淋しそうに顔を歪める
「その指輪は、本物の指輪では、無いですよね...」私は、夫人の機嫌を損ね無い様に
確かめる様に言葉を発した。

「ええ....でも....あの時は、あの人もお金が無かったから....石も軽いイミテーションで
リングもプラスチック製のこのおもちゃの
指輪を安く買うのが精一杯だったの....
きっとあの人にとってあの頃の自分は
劣等感の塊できっとコンプレックスなの
でしょう....」夫人はそこで言葉を切り
また黙り込む

私は、コーヒーカップを持ち上げやっと
猫舌の私でも飲める温度になったコーヒーを今度は、口の中で味わう様に飲む
そうして私がコーヒーカップをソーサーに
置くと夫人は、また話し出した。

「それでも私は、嬉しかった 値段なんて
見てくれなんて関係ないあの人が私の為に
買ってくれて真心を込めて贈ってくれたのが限り無く嬉しかったのです....
それなのにあの人は、そんなおもちゃの指輪はやめて本物の指輪を嵌めて欲しいんだ
なんて言うからもちろんそれも嬉しかったですよ....だけど....」夫人は、左手の薬指の
指輪を右手の人差し指で弄りながら幼い
少女の様に唇を尖らせる。

そうして少し拗ねた様に「これを手放す
なんて出来ません」と夫人は、きっぱりと
断言する。

私は、そんな夫人の様子を見てやれやれと
肩を竦める。

そうしてコーヒーを飲むフリをしながら
廊下に続くドアに呼びかけた。

「だそうですよ先生 愛されてるじゃないですか」私がドアに向かってそう呼びかけると控えめにドアが開かれ話題に上がっていた本人が眉を下げてすまなそうに私の向かいの夫人を見た。


夫人も自分の主人のその姿に目を丸くする。

そこからは、もう説明は、不要だろう....

コーヒーが冷めないうちに片手間に済ます
事は出来なかったが温くなったコーヒーと
反比例するかの様に二人の温度は、沸騰したばかりのコーヒーの様に周りの体も暖かくなる様な出来たてのコーヒーの温度を
部屋中に維持し広い部屋に満たし続けていた。

9/21/2025, 10:45:44 AM

虹の架け橋🌈

架かる雲の上にまるでアーチの様に
虹が架かっている。

嗚呼あの虹の橋を渡るのは、きっと神様
だろう.....

嗚呼あの虹のアーチを潜るのは、きっと
一握りの人間だけだろう....

選ばれた者があそこに登れる。

私みたいな最下層の人間は、きっと一生
お目に掛かれない景色を見るのだろう....

羨ましい 妬ましい 狂おしい

妬み 嫉み 僻み それらがない交ぜに
なって私の心を焼き尽くす。

その炎で体が燃やし尽くされ天に
昇っても私は、上から見下ろして
七色のアーチに見蕩れながら
羨望の眼差しをいつまでも注ぎ続ける
だろう....。

8/20/2025, 4:23:36 AM

なぜ泣くの?と聞かれたから

「なぜ泣くの?」と疑問符を浮かべ聞かれて 私は、最初意味が分からなかった

そうして彼女の丸い瞳の中に自分の
泣き顔が映っている事に気が付いた。

自分でも自分が何故泣いているのか
分からなかった。

しかし気が付いたら私は、緊張の糸が
解れたみたいに泣いていた。
止めようと思っても涙が後から後から
流れて来て止まらなかった。

そうしてとうとう口から嗚咽が漏れ出した
時....唐突に私は、彼女の胸の中にいた。

彼女は、何も言わずただ黙って私の
背中を優しく摩る。

そうして私は、彼女の腕の中で大きな声を
上げて何十年分の想いを泣き声と涙に
変えて吐き出したのだった....。

8/16/2025, 7:48:13 AM

!マークじゃ足りない感情

それは、二重の驚き それは、二倍の嬉しさ どこまでも続く!マークに感情が
追い付かない.....

「お誕生日おめでとう!!!!!」

たくさんのブレゼントと山盛りに盛られた
ごちそうに巨大なケーキ
そしてたくさんの人の笑顔

私を喜ばせる為に皆何日も掛けて準備して
私に内緒で企画してくれたんだ

ありがとう ありがとう 驚きの数だけ
サプライズがある。

私は、この日のサプライズパーティーを
一生忘れないだろう

最後に私は、ケーキの上のろうそくを
思いっきり息を吸ってろうそくの火を
吹き消したのだった.....。

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