『寂しさ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
さみしいよ…
会えないからね…
夜更けの1人帰り道が切ない…
ホント切ない…
マジすぐにも会いたいよ…
でも強がる事しかできない…
今度は会えたら…
今度は言わないと…
この気持ちそのままね…
伝える…
会いたくて寂しかったよ
会えて嬉しい~って…
言わないと…
素直さが足りない俺なので…
きっと…
今度は…
今度こそは…
美佐子さんを…
抱きよせて…
ごめんね…
あいしてる…
……
潮風に…
頬を染めた君の…
髪が揺れてる…
その髪に触れたくて
その声が聞きたくて
…小田和正さん…
5つ見えるものを確かめて
4つ聞こえるものを確かめて
3つ触れられるものを確かめて
2つ匂える香りを確かめて
1つ何かの味を確かめて
全てを確かめて、ようやく私が今存在していると感じた。
そうして今生きていることを確かめないと寝られない夜が何度かあった。
変化が怖かった。
どこに向かうかわからない未来が怖かった。
何より、怖がることに疲れていた。
疲れて、確かめて、私は今どうしようもなく1人なのだと思い知った。
それがとてつもなく寂しかった。
-寂しさ-
【寂しさ】
あの人はこの人と仲良くってさ
この人はその人と親しくってさ
SNSだと余計に可視化される人間関係
私の居場所はどこにもない
寂しさを紛らわすために何かに没頭する
でも、ふとしたときに寂しさがこみあげてくる
どうしたらこの気持ちは消えるのだろう
あなたがいない寂しさは
あなたにしか埋められない
あなたがいないと寂しさで苦しくなる
でもこの寂しさが、
あなたを求める気持ちが、
愛なのだと思うとそれもまた愛しくなる
寂しさ
冬も 寒さが深まれば
人肌恋しい季節
心は誰かを求めて
孤独に震える
一人歩く家路は暗く
夜空を見上げても 星はない
無機質に飛ぶ飛行機の音が
聞こえるだけで
寂しさを感じるのは
人の温もりを
優しさを知っているから
一人じゃなかった証なのだろう
誰かといたいと思う気持ちは
大切なことを教えてくれる
寂しいな
と言う 言葉が
殺風景な部屋の
寒い空間に吸い込まれていく
いつのまにか扉があらわれて
おそるおそるドアノブをひねると
その向こうには金色の野原が広がっていた
一歩足を踏み入れる
もう元の世界には帰れないような気がした
すくむ
いいのかな でも 寂しいのなら
あちらはもしかしたら 暖かく
寂しくないのなら
えいや、と地面を蹴った
ああ さよなら 寂しく懐かしい世界よ
にぎやかな冒険がはじまるよ
キミに会えて本当に良かった たとえ
寂しさゆえに落ちた恋でも
#寂しさ
19
あの日、その瞳は
ただ一切を寄せ付けず
憎悪と殺意に揺らめく炎を宿していた
―――
「この辺りに来るのは久しぶりだな」
両手一杯に荷物を抱えながら東城翔(とうじょう かける)はそう言って俺に笑いかけた。
「ああ。こちら側は駅とは逆方向だからな。家からもそう近くは無いし」
俺はそう返しながら持っている荷物を持ち直す。
日曜日の夕方。
家から歩いて二十分程の場所にあるこの辺りへ今日赴いた理由はただ一つ、ここに居を構えているスーパーの一つが閉店セールをやっていたからである。
俺と翔は確かに互いに確りと働いてはいるが、それでも昨今の物価高が厳しい事には変わりない。
まして、翔が某テーマパークに行きたいとずっと言い続けているので、それに向けて我々は少しでも節約をし、資金を貯める必要があるのであった。
(翔がああいった場所に行きたいと言うのは少々珍しい気もするが―――)
実は俺自身はあまりああいった、人が大勢集まる場所は得意では無いのだが、俺に遠慮してか普段そういう場所に行きたいと言わない翔が今回初めて行きたいと言ってきたのである。という事は余程某夢のテーマパークへ憧れを抱いているのであろう。
そうなってくると俺としては奴の夢の国行きを何としてでも叶えてやらねば、と思う。
(―――そうだ。もっとこいつには楽しく、やりたい事を沢山やって生きていてもらいたい)
あの頃、あれほど暗く苦しい思いをしたのだから。
「―――お!良い眺めじゃねーか!」
住宅街の中の緩やかな坂道を抜け、目の前に広がる景色に翔は歓声を上げた。
それは確かに美しい綺麗な景色であった。
小高い場所に位置するこの場所からは街全体を眺める事が出来、夕陽がオレンジ色に全てを染め上げている。
遠くには駅や、電車が走る姿が見える。
まるで、小さなジオラマを見ているかのような不思議な感覚であった。
「―――確かに美しいな」
―――だが。
此処からの景色は"見えすぎる"。
「こんな場所があるなんて、ここに越してきてから初めて知ったぜ。」
そう言って目の前の景色を見下ろす翔はキョロキョロと様々な方向を見ていたが、その目線が再度正面に向いたところでピタリと止まった。
ちょうど駅の更に向こう側。
住宅街やビル群など、まさに今現在人が居る建物が立ち並ぶこちら側とは違い、古ぼけた廃ビルや工場跡が亡霊の如くそびえ立つ、まさに廃墟と化した一角。
「―――第捨八区」
翔がぽそり、と低くそう呟いた。
第拾八区。その呼称は一般人には馴染みが無い。
大体あの一角は『旧帝鐵工業団地』や『工業団地跡』などと呼ばれる場合が殆どである。
かつて、あの一角は帝鐵株式会社という、製鉄技術を一端に多方面分野に於いて様々な研究開発を行っていた会社の工場や研究所が多く立ち並ぶ場所であった。
そしてあの地は、帝鐵が影で行なっていたとある技術開発ひいては国の第一企業としての地位を巡る最後の争いが起こった場所である。
企業同士の争いが国をも巻き込み武力抗争までに発展した『火帝抗争』。あの地は、人々にとっては『歴史の爪痕』といったところであろう。
そして、第拾八区という呼称は主に、帝鐵と戦った国内最大の企業『火鋤神(かすくがみ)株式会社』内で使われていたものである。
そして、俺も翔も、かつて互いに知らぬ者同士であったが、その会社に籍を置いていた者同士であった。
けれど。
研究職であった俺と、実際に戦った翔とではあの抗争への記憶の思い出がまるで違う。
あの廃墟も、こうして見るとある種の美しさがあるのだが、俺にとっては嫌悪すべき対象でしかない。
何故なら。
「―――翔」
過去に思いを巡らせる時。
普段の翔とは全く違う表情を、眼をするから。
冷たく、どこか残酷な表情。眼はどこまでも闇深く、どこか此処とは別の、遠い遠い先を視ている。
ぞわり、と湧き上がる感情が全身を駆け巡った。
俺の知らない世界を視ないで。
俺の知らない表情で、俺の居ない、俺の知らない過去を思い出さないで。
俺の知らないところで一人で苦しまないで。
どうか俺を置いていかないで。
俺を残して何処かへ行ってしまわないで。
俺の知らないお前にならないで―――!!!
「………七星(ななせ)」
気付けば、俺は持っていた荷物を落とし、奴の腕にしがみついていた。
どこか驚いた様子の翔の顔は、強い夕陽の逆光で何も見えない。
「―――寂、しくて」
己でも何を言っているんだと呆れ果ててしまう程の薄っぺらい言葉である。
自分がこんな言葉を吐いている事にさえ驚く。
ここは冗談だと少し笑ってさりげなく腕を離すべきだろう。
けれど、俺は翔の腕を話すことがどうしても出来なかった。
「―――七星」
翔はもう一度そう俺の名を呼ぶと、荷物を置き、そのまま腕を引き俺を引き寄せ抱き締めた。
「本当にお前は良い香りだ。それに見た目も中身もこんなに綺麗で暖かくて愛おしくて―――ああ、俺は本当にお前を愛しているよ」
絶対に何処にも行かない―――そう言った翔の顔はこの体勢からでは見えず、抱き締められた胸の中で想像するしかない。
その暖かい胸の中で、俺は己から溢れ出た感情の粒が静かに流れ、頬を伝うのを感じた。
寂しさ
都会の寂寞の中で忘れてきたもの。
自分。
金と、肩書と、美貌と、人望を追い求めて、
果たして自分は何がしたいのか、どうなりたかったのか、わからなくなった。
みんなが欲しいものが私も欲しいと信じ込んで、その実手に入れたものは、骨一本折れればいくらでも代わりがいるような自分。
何にも自分は喜んでおらず、得た金でまた、自己投資という名の他人の依存を満たすために身を粉にする。くだらぬ身体の毛1本で、自己嫌悪する。この毛がなくなれば、肌がワントーン上がれば、首の角度があとひとつ変われば、私は幸せになれるのだろうか。
きっと、私が正気に戻ってしまったら、自分に耐えられないだろう。
心の弱さででた悪口や、劣等感が刺激して行った最低な行動。「余裕がなかった」という、それ以上でもそれ以下でもない事実から、自分の情けない一面を見つける。
宗教も道徳も全部嘘だ、善良、真面目、誠実なんて紙屑と同じだと主張してしまえば、
本当に心が枯渇しているとき、誰も私を助けてはくれないように感じた。
あの、昔話も童話さえも、悪事をおこなったものは罰があたっている。あの悪人が、救われるためにはどう生きたらいいのか。
「やったことが己に帰る」ということは、行い自体が魔法のように戻ってくるということではなく、
そのようなことをした罪深い自分自身が誰からも相手にされず、そのような人間を救う機会が世にないことが、「己に帰ってくる」のだろう。
私は時折、そのような恐怖心に襲われることがある。
寂しさの中で生きていくときに、出会ってしまう自分も紛れもない自分。誰からも好かれない自分を作り出しているのは紛れもない「私」なのだ。
ホルモンバランスの乱れが、病気か、それとも私の本心なのか。1本減らしてもまだ明るい街灯の下で、私はあの頃の自分に土下座している。
________________________________________________
関係あるようで関係ないような、以下実話の最近あったことです。
とある県に旅行に行きました。
美術館まで行くバスがどれか確認していたとき、すでに並んであった列にあるご夫婦が譲ってくれました。
ご婦人の方が、「あなたが先にいたのだから、あなたが先に並びなさい」と腕を引っ張ってくれ譲ってくれました。その後、バスが到着して、並んであった列とは関係なく乗車することになったのですが、その時ですら、そのご婦人は私の腕を引っ張って、先に座るように促してくれました。
私は、お礼を言って、前方の1人席へ少し小走りに座りました。ご夫婦が後ろの2人席に座った方がよいと思ったからです。
バスに揺られた道中わたしは、涙が出てきました。
席や、並んだ場所を譲っていただく、という優しさがその時は身に沁みました。私は、プライベートも仕事も全てがうまくいかず、イライラして、最低な自分自身に自己嫌悪に過ごす中で、そういった優しさを失っていました。日常で赤の他人に親切にすることのいかに難しいことか、そして、その優しさに心の底から感謝しました。私はいかに、人に対しての優しさをケチっていたのだろうと思いました。
私は、腕一つ引っ張られ、譲ってくれたその一言だけで、特別に心の底から嬉しく、幸せな気持ちにさあせてもらいました。私は、この方が、一言くれた気遣いのために、その方が譲って良かったと思っていただける行いをしたい、私もこのかたのようにそういった優しさを持ちたいと思いました。
先日、お礼として名前も知らぬそのご婦人に向けて、旅行先の新聞会社に投稿したところ、それが載りました。
私は本当に余裕がない時、最低な自分自身でした。でも、あの日席を譲っていただいた時に、人の優しさを感じて変わろうと思ったんです。その人は、私の内面なんて一切知らないけれど。
それが新聞の先のその方にお礼が届くと良いなと思います。そして、どこかの、寂しさでいっぱいで自己嫌悪でいっぱいで、最低な自分自身を抱えてる人に、私も些細な親切を届けられる人になりたいと心から思いました。
あの日バスに乗って込み上げてきた、溶かしてくれるような温かな気持ちは忘れません。
「寂しさ」
去年は、あなたと一緒に見ていたのにね。
今年は、1人だ。
「来年も、一緒に来ようね。」
そう、約束したのに結局来ることは無かった。
イルミネーションはあたたかい光なのに、私の心は冷たく凍っているようだ。
イルミネーションから背を向け、一人歩き出したところに、小さな公園を見つけた。
「なんだか、寂しいな。」
そう思うと、涙が出てきた。
去年の今は、幸せな時を過ごしていた。
ねぇ、あなたはどこに行ったの?
そんなに苦しかったの?
なんで、頼ってくれなかったの?
そう、私の友人は自ら命をたった。
あの日から、私の心の時間は止まったままだ。
明日も、明後日も、1年後もずっと一緒にいると思っていたのに。
そんなのは約束された未来じゃなくて、ただの私の願望である。
小さい頃から家が近くて、姉妹のようにずっと一緒だった私たち。だけど、今は私の隣にはいないあなた。
もし、あなたにもう一度だけ会えるなら、私はなんて声をかけるのだろう。
分からない。だけど、寂しくても歩いていかなければならない。
それが、私の使命。
穿たれた穴は君の居た証拠
思い出だけじゃ どうも埋めきれやしない
こんなにもくれるくせにさ
君は去ってゆく その瞬間に全部持ってった
あなたがいない今日も、この街は回り続ける。
あなたがいなくとも私の世界はさして変わりはしない。
でも、
あなたがいたからこそ私は強くなれた。
あなたがいなかったら今の私は存在しなかった。
私を染め上げてくれたのは紛れもないあなたで、
私の元からいちばんに離れたのも、あなた。
あなたがもし今の私を、空っぽの私をみたら
なんと言うのだろうか。
冬の寒さは身に染みるとはいうけれど、心にまで沁み入るとは思っていなかった。
ぽっかりと空いた穴が悲鳴をあげている。
あぁ、さむいなぁ。
ヒーターをつける力もなく布団に包まった。
...もうすぐあいつが来るだろう。
温かいココアなんかを片手に。
そうしたらきっとこの寒さはすぐに消える。
あいつの形に空いた穴も、きっとすぐに埋まってしまうんだろうな。
寂しさ
勢いよく包丁を突き刺し、力いっぱい引き抜いた。ザラザラした持ち手が汗で滑る。ありったけの力で刺した刃は抜くのにも相当の力を要して、思うようにいかない現実に焦りが募る。ぶるぶる震える指が煩わしい。暴れる男に恐怖して、刃先を再び突き立てた。早く、早く、早く。私は男が動かなくなってもその体を切りつけ続けた。
額の汗が眉間を伝い、目に染みる。視界が歪んで初めては、は、と肩で息をする音が自分から発せられていることに気がついた。体が重く、酷く息苦しい。
背中に張り付いたTシャツと、手にカピカピにこびりついた赤黒い塊と、急に効き始めた鼻を刺激する鉄の臭い。
ドクリ、ドクリ、耳元で心臓が早鐘を立てている。
血の気が引いて、目の前が真っ暗になったように錯覚した。
「あ、」
倒れた男は、まるで人形のように動かない。包丁が、血が。柄までベッタリと赤に濡れた刃物を、私が握っている。
「わ、わたし、わた、」
こんなはずじゃなかった。
男が、私を見ている男が、どれだけ叫んでも消えてくれない。ちがう。こんなのちがう。
いつもの夢だ。そうじゃないと、だって、だって。
真っ赤に染まった指で頭をぐちゃぐちゃに掻き乱す。
そんな私を、瞳孔が開ききった瞳が、私を、見て。
「あぁあ、ああああああ!!!!!」
目が覚めた。
冬の朝はしんと静まり返って、鳥の囀りすら聞こえない。
まだ早朝だが二度寝する気も起きない。ベッドから這い出て汗でぐっしょりと濡れた体を洗い流した。
リビングに戻れば、今日もテーブルには紙幣が折り目正しく置かれている。2つ折りにして鞄のポケットに押し込み、手早く服を着替えた。
習慣でキッチンに立ってみたものの、包丁を握る気が起きず日課のお弁当作りは諦めることにする。
普段より少し早い時間に支度を終えた。外出しようとするだけで震える指をそのままにドアノブを握り込む。動悸を抑えてドアの隙間に体を滑らせた。
「おはよう」
玄関扉の前には男が立っていた。口を噤んだままの私に「寂しかった」と縋り付いた男は、ぬいぐるみでも抱きしめるように私の体に手を回す。ギリギリと背骨が軋み、息を詰める。
「あ、今日は早いんだ。俺も今日は早めに来たんだ、偶然だよね。え、もしかして俺に会いたくて早く出てきてくれたとか、なんて、うわ、ちょっと臭いこと言ったな。自意識過剰だったら恥ずい、マジで。俺ってこういうとこあって、うん。よく変わってるって言われるし。あ、学校でも言われてるから多分知ってるだろうけど。まあそれでも一緒にいてくれたの結構嬉しかった、とか恥ずいけど。俺今日こういう日かも、変な事言う日。やめよう、うん。あ、その髪型俺めっちゃ好きなんだよね、似合ってるよ。あ、そうだ、お母さんは昨日も夜遅くに返ってたね。挨拶しようと思ったんだけど、あ、分かってるよ、そんな顔しなくても。挨拶は一緒の時がいいよね、分かってるよ俺だって」
光のない目に顔を覗き込まれる。男の顔の上で視線を彷徨わせて、白く膿んだおでこのニキビに固定した。
「行こうか」
体を離した男は私の手に指先を絡めると、満足気に瞳孔の開いた目をどろりと歪める。暖かい手に背筋がぞわりと粟立った。
私は曖昧に頷きながら、あのザラついた包丁の感触を思い出していた。あんなにも辛く苦しい夢なのに、目覚めるとこんなにも寂しい。この男に刃を突き立てた時、私はあの壮絶な絶望を感じるのだろうか。
私にも、できるだろうか。
『寂しさ』
スノードームにある
白い粉みたいな。
なんて言うんだろう。
雪みたいで
寒くて冷たくて
でも綺麗で、
大切にしたいって思う。
ああ、
寂しさ
それを言いたかった。
ぐちゃぐちゃに
適当に塗った絵の具が
全部計算されてたみたいに
綺麗な絵に変わっていく姿。
それは私にはできないことだった。
魔法みたいに
絵を綺麗に魅せることなんか。
想像は固くて
広い考えが思い浮かばない。
だからずっと
練習してた。
どう言えばいいのか、
どう想像すれば
硬い頭を破って
白い鳩が飛び散って
世界を超えていけるのか。
歩いて、歩いて
走って
立ち止まって
下を見て
空を見て
また歩き出して。
何か足りない私でも
それが私なんだって
言えるように。
でも
ねえ、私もう歩きたくない。
しゃがんで
歩こうとして
でも足が動かなくて
下を見て
もうここしかないのかもって
縋り付いた地面は冷たくて
寂しさみたいだった。
私には目の前にいる人が
なんで泣いてるのかわからないし、
理由を聞こうとしたら
周りにとめられる。
「やらない善よりやる偽善」なんて
私いつまで
偽善擬きなんだろうって。
善にも偽善にも入れなくて
中途半端で
でも足を引き止めてあげたくて。
どう言えばいいんだろう。
また絵の具の色を間違えたらどうしよう。
"Good Midnight!"
不安だらけの中で
1つでもいいから
想像で世界を変えて
アンテナみたいに
飲み込むんじゃなくて
テレパシーみたいに
言葉が無くてもいいから
もう一度
絵の具を塗り直そうと。
繁華街の夜
せわしい喫茶店
賑やかの中で
浮かんだ孤独に
私は沈んだ
孤独は隣に
孤独を求めた
からがら息をつくために
2024.12.20-寂しさ
寂しいって思うのは
寂しくない時があったから。
幸せな時間があったから。
だからきっと、
寂しいと思うこの感情も
誰かを恋しく想うこの恋情も
贅沢なものなんだろう。
「寂しさ」
この心の隙間が
寂しさだと知った。
いまさら、知ってしまったのだ。
┊︎寂しさ┊︎
→短編・夕方の橋の上で。
車の行き来が激しい車道の、オマケのように併設された細い歩道を歩く。車メインのそんな道を歩く人はあまりおらず、歩道には雑草が顔をのぞかせている。たまにクラゲっぽいビニールゴミが落ちている。
埃と排ガスの匂いが、常につきまとう。汚れのたまったガードレールに触れないように気をつける。
川をまたぐ橋に差し掛かり、橋の鉄鋲に浮く赤茶色の錆に目を向ける。
何となく橋の真ん中で足が止まった。惹きつけられるように川を見る。テラテラと川面を照らす夕日が眩しい。
背後を振り返ると、たまたま車の往来が途絶え、長く尾を引く自分の影が車道にひとり、ポツンとあった。
妙に物悲しくて、心の奥がシンと冷えた。
テーマ; 寂しさ