宝物』の作文集

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宝物』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

11/21/2023, 7:28:25 AM

宝物

誰にも壊せない、盗られない宝物
想い出。

私だけが切り取った記憶の結晶。
今も育っている
私がいなくなったらどうなるのだろう。
ネット空間に放置されたブログのように
宇宙を漂うのだろうか。

11/21/2023, 7:27:51 AM

「今日、デパコス見に行かない?」

 化粧直し中の同僚――歩美から声をかけられた。歩美とは同期入社で、会った時から気が合って、プライベートでも時々遊ぶ仲である。
 私はポーチから高級ブランドのロゴのついた口紅を取り出し、塗りながら返事をした。

「いいね。そろそろクリスマスコフレ出揃ってるよね。今日の会議、早く終われそう?」

「舞は本当、クリスマスコフレ好きだよね~。会議は余裕!ちゃんと偉い方々に根回ししてあるので、大丈夫でーす」

「さすが。じゃ、午後もがんばろ!」

 ティッシュを咥えて余分な口紅を落とし、鏡に映る自分を見る。
 よし、完璧。

 女子トイレを出て、歩美が手を振り離れていく。
 歩美はフワフワした雰囲気によらず、賢くて強かな女である。
 きっと私にも見せない本心があって、打算で付き合ってくれているのだろうと思う時もある。
 けれど、不器用な私と違う、そんな彼女が好きだったし、憧れもあった。

 終業後、会社の更衣室前で待ち合わせをし、百貨店に向かう。
 目的の百貨店は自宅から反対方向、会社から地下鉄で2駅のところにある。

「舞、今日は晩ごはんどうする?」

「うん、雅も会社の人と食べてくるって言ってたから、一緒に食べよう」

 私には婚約中の彼氏がいる。
 もうすぐ同棲して1年経つが、いつ結婚するのかは決めていない。仕事が忙しいようで、休日も出勤することが多いため、式場探しもできていない。
 
 百貨店に到着し、お気に入りのブランドの、顔馴染みの美容部員からクリスマスコフレを購入する。
 この時期になると各ブランドからクリスマスコフレが販売される。童話をモチーフにしたり、宝石をイメージしたりした、特別なパッケージが用意されており、全てのブランドを買い揃えたいくらい可愛らしいと思う。買う時も、『使う用』と『飾る用』と2つ買いたいと思ったことがある。
 歩美に言わせると、私はクリスマスコフレコレクターなんだとか。
 一応、毎年3個までと決めて購入しているので、実際にコレクションはしていないつもりだ。もちろん、使い切れる量ではないので、年々増えてはいる。使うたび、見るたびに癒される、私の大切なものだ。

「あっちも気になるんだけど、見ていっていい?」

「うん、いいよー」

 パッケージが気になっているクリスマスコフレがあったが、アイシャドウの色が私似合わない。以前、雅に指摘されたことがある。
 
「残念だけど、やめておこうかな…」

「じゃあ私、これ買います!」

 歩美が横から返事をする。
 これ、歩美の趣味だっけ?と少し疑問に思ったが、本人が買いたいならいいか、と気に留めないことにした。

 買い物が終わり、百貨店近くのイタリアンレストランへ向かう。
 道中、他愛もない話をしていたが、突然、歩美が立ち止まり、表情が険しくなる。
 いつもニコニコしているので、突然のことに戸惑った。
 
「どうしたの?」

「……舞、雅さんって今日どこにいるの?」

「え、何で…?今日は、会社の人と食事って…」

 歩美の視線の先には、雅によく似た男性と、少し若い女の子が食事をしている姿があった。

「舞、あれ不倫だよ」

 歩美が確信を持って宣言する。
 
 あれは、本当に雅?どうしよう?どうしたらいい?何をするべき?
 
 頭と耳が遠くなる感覚に陥る。何か言われているのに、全然頭に入ってこない。
 何度か歩美に同じ説明をしてもらったと思う。
 どうやら歩美は過去にもこの現場を見ているとのこと。跡をつけてホテルに入っていく姿も見たのだとか。
 こういう場合って、しばらく泳がせて証拠を集めるのがいいんだっけ。結婚してなくても、慰謝料とかもらえるんだっけ?私ってもう29歳なんだけど、別れて次を見つけられるのかな?

「…今日帰ったら、聞いてみるよ」

「だめ。今から行こう。私が付いてくから」

「でも、何言っていいか分からないし、シラを切られるかも…証拠だってないし……」

 歩美が少しため息を吐いた後、いつになく柔らかい笑顔を浮かべ、言った。

「証拠なら、私のスマホにあるよ。写真撮ってあるから」

 さすが。

「でも、突然知ったことだから、別れる決心がつかなくてて…」

「……分かったよ。舞の気持ちが落ち着くまで待とう」

 食欲もなくなったため、イタリアンレストランはやめて、近くのカフェに入る。
 温かいコーヒーを飲んで、気持ちが少し落ち着いてきた。

 歩美は今年の四月に初めて目撃したようで、ずっと私に言えずに悩んでいたようだ。休日にも見かけたことがあり、怪しいと思って跡をつけたら、黒だったとのこと。その後も何度か目撃しているとか。
 今日も、もしかしたらと思って、私を誘ったらしい。今まで隠していたこと、楽しい気分を壊すような教え方になって、申し訳ないと、謝罪された。

 ――雅とはそろそろ、潮時だったのかもしれない。婚約して長いのに、結婚の話も進まない。私の両親には挨拶は済ませているため、いつになるか聞かれるが、雅に伝えるとはぐらかされる。
 やっぱり、別れよう。

「歩美、お願い。今日、ちゃんと雅と話そうと思う。写真、もらってもいい?……本当は不安だから、付いてきてもらいたいくらいなんだけどさ…」

「うん、任せて。今日一緒に舞の家で待とうか?明日は土曜日だし、遅くなっても大丈夫だよ」

「ありがとう」


 そうして、舞の自宅に帰り、雅の帰りを待つ。日付が変わる頃に雅は帰ってきた。

「ただいま。あれ、誰か来てるの?」

「お帰り。歩美が来てるの。私、雅に聞きたいことがあるんだけど」

 雅の表情が強張るのが分かった。

「明日も仕事なんだけど、明日帰ってきてからにしてよ。歩美ちゃんも、そろそろ帰った方がいいよ」

 微笑みを浮かべた歩美が、雅に尋ねる。

「明日の仕事は、不倫相手とですか?私、写真もありますよ?」

 歩美がスマホの写真を見せつける。
 じろりと雅に睨まれた。
 私も負けじと雅を睨み返す。

「私、不倫する人とは結婚できない。別れよう」

 雅は、諦めたようなため息を吐いた。
  
「俺も、もうお前に愛想尽きてるんだよな。大体、化粧濃いし、金遣い荒いし、似たような化粧品ばっかり買って、もう付き合いきれねーよ」

 そういって毒を吐き、歩美を一瞥して、友達も友達だよな、と呟く。

 その時、歩美の手が、雅の頬を叩いた。

「舞を馬鹿にしないで。後日、弁護士通して連絡するので、早く出ていって下さい」

 雅は、分かってるよ、と怒鳴り、財布とスマホを持って出ていった。

 激しくドアが閉まる音の後、静寂が流れる。


「……歩美、ありがとう。まさか、叩くなんて思わなかったよ」

 私がくすりと笑いながら言う。

「ふふ。もー我慢できなくて。叩いて清々した」

 歩美も笑いながら答える。

「舞は、私の憧れなの。いつも堂々としてて格好いいってゆうか…。好きなものを貫き通す所とか…。だから許せなくて……。」

 そう伝えた後、これ、と言って歩美が買ったクリスマスコフレを差し出してくる。

「少し早いけど、クリスマスプレゼント。今日のお詫びに…。舞、こういうの好きじゃなかったっけ?」

 目頭が熱くなった。
 雅と暮らし始めて、好きなものを素直に好きだと言えない自分になっていた。結婚って、そういうことなのかな、と諦めていた。
 だけど、私が本当に大切にしなきゃいけないのは自分自身で、それを好いてくれる家族や友人なんだと、気付いた。

「……ありがとう。大切にするね」



# 宝物

11/21/2023, 7:25:18 AM

誰かにとっては
他愛のないものでも、
誰かにとっては
かけがえのないもの。

それは古ぼけたおもちゃだったり、
目に見えないものだったり、
誰かの想いだったりする。

気がついた時にはもう既に持っていて、
振り返る時にしか分からない。

その輝きが、温もりが、優しさがあれば
大丈夫、きっと明日も乗り越えられる。

宝物って、
そういうもの。

11/21/2023, 7:04:46 AM

別に、ない。
まず、宝物って何よ。
そんなの、人の価値観によって変わるでしょ?
自分の価値観でものを言ったら、堅物者がありえないって笑ってくるじゃない。だから私、そういうの嫌い。
そういう、人によって答えが変わって、曖昧で、その人にしか分からない思いのこもってる答えを、よく知りもしない人が薄っぺらい御託並べて貶すような。そんなの、言わない方がマシよ。
私の宝物は、私だけの宝物なの。

#宝物

11/21/2023, 7:04:08 AM

目を覚ますと、灰黒色の壁が見える。床は、油と泥で汚れており、彼はそこに横たわっている。
床に手をつき、体を起こす。体がひどく重たい。いくら力のない幼い腕だとしても、たかだか120センチの体を起こすのにこんなにも力を入れなければならないものなのか。
やっとのことで、体を起こし、目に入る壁とは反対の壁に背中を預ける。汚れたお尻を浮かすのとは出来ず、その場にうなだれる。
目前にはシャツの上からでもわかる酷くやせ細った自分の体。
彼は少し息を整えてから、シャツの下から中をまさぐり、透明な袋を取り出した。袋の中には、所々に黒い斑点のついたパンのかけらが入っている。
まだ食べれそうなことに少し安堵し、中身を取り出す。掴んだ袋を手から離し、洋袴(ズボン)の衣嚢(いのう)をまさぐる。
中からその小さな手に収まるほどの石のようなものを取り出した。石の底は平で、楕円の表面には細かな彫り細工が施されている。泥と油でその光沢を失っているが、磨けば今にも輝きそうだ。
彼は石の表面を少し擦って、横の突起物をを親指で押す。カチと音を出しながら楕円の表面が内扉のように開いた。中からは男女とその男女に抱えられた幼い子供が顔を出した。三人は、屈託のない笑顔でこちらを見ている。
彼はパンをかじりながら、三人を眺めて悲しそうに笑う。
ビルの隙間から金属と地面の擦れる音が木霊した。

11/21/2023, 7:02:12 AM

『宝物』




今日、私は決意した。


今まで集めてきたこの同人誌と単行本に別れを告げる事を。


「あかつき先生の…いや、でも、捨てるしかないんだ!」


高校生の頃からファンのあかつき先生の同人誌を涙しながら平積みし、ビニール紐でしばる。



中学生の頃に友達にBL漫画を読ませてもらってハマってしまった沼。


以降、イベントで同人誌を購入したり、本屋で好みの商業誌を物色したり、少しずつ集めてきた。

どの本も大切な一冊であり、宝物だ。


部屋の3分の2を支配するBL漫画達…至福…。


でもこのままじゃダメなのだ。

一般的にこの趣味は受け入れられ難い事は知っている。

だから社会人になってから一般女性の姿形を模倣し、腐女子を隠しつつ会社の中でも過ごしてきた。


このままこっそりひっそり、BL漫画と共に歳を重ねていけばいいと考えていた。


でも出会ってしまったのだ…。


「あ、こんにちは!佐々さん。」

まずは第一弾としばった本を両手に持ち近所のゴミ収集場所へ向かっていると声をかけられた。

「ひ、平岩さん!」

私がBL漫画達とお別れすることを決意した理由の男性。

「佐々さん、この辺りに住まわれているんですね。」

1年前、転職してウチの会社にやってきた平岩さん。

いつも人当たりがよく、物事にもよく気づく彼は仕事も出来て、あっという間に会社に馴染んだ。

会社で一人になりがちな私にも声をかけてくれる。

そんな彼に好意を持つのに時間はかからなかった。

そしてなぜか全く疑問で仕方がないのだけれど、平岩さんに「付き合ってもらえませんか?」と数ヶ月前に言われたばかり。

嬉しくて発狂ものだったが、付き合い始めて1か月後、「今度お家にお邪魔してもいいですか?」の言葉に心臓が凍りつきそうになった。

ウチには私にとっては宝物だが、一般的には受けが悪いであろう漫画たちがいる。

家へお招きする為に、そしてやましい気持ちなく彼とお付き合いする為に私は決意した訳だ。


「佐々さん、その本って…。」

ヤバい!バレる!!

平岩さんに手元の本を指さされて、私は慌てて自分の背後に本を隠す。

「こ、これはですね、処分しようと思って。」

「捨てちゃうんですか、僕の描いた本…。」



「……。」

一瞬何を言われているのか理解が出来なかった。


「それ、僕の描いた漫画です。正確には姉が原作で、絵を描かされていて…。」



「えっ!?ひ、ひら、平岩さん、あか、あかつき先生…えっ?えっと…エエッ!?」

平岩さんと手に持っているしばられた本たちを交互に見ながら私は叫ぶ。

「イベントブースには姉が出ていて、僕は時々客側として、こっそり売れ行き見に行ってたりしてたんですけど…転職した会社で新刊出す度に購入してくれていた人がいて驚きました。」

「し、知ってらっしゃった!?」

黒歴史を抹消しようと試みていたのに、すでに知られていたとは…。

「一度、姉に『あかつき先生の漫画は私の宝物です!』って言ってる佐々さんを見たことがあって、すごく嬉しくて…。」

照れた様に笑う平岩さんを呆然と見つめる。

「でも本…捨てちゃうって事はもう宝物じゃなくなりました?」

眉を下げ、少し悲しそうな表情で平岩さんが聞いてくる。

「ち、違うんです!これは一般市民の平岩さんに知られてはいけないと思ってっ!捨てません!ずっとずっと私の宝物です!!」

「一般市民って…。」

クツクツと笑いながら平岩さんが私の言葉に反応する。

「大丈夫です。姉のおかげで一般市民より知識と理解はあると思います。佐々さんのその趣味含めて僕が好きになった佐々さんです。」

平岩さんがニコリと微笑んで言った。



その後、私の部屋には刷り上がったばかりのあかつき先生の同人誌が並べられるようになった。

11/21/2023, 6:48:14 AM

#39『宝物』

 うんと地下には恐竜だとか
 ロマンが眠っていて
 海に飛び込めば色とりどりの
 魚たちが泳いでる
 山から見下ろす景色は
 これまた絶景で
 どこに行っても
 何をしても
 隣には君がいてくれるから
 あまりの愛おしさに
 この星ごと抱きしめたい

11/21/2023, 5:59:48 AM

ようやく辿り着いた。トレジャーハンターの彼等三人組がずっと探し求めていた地へ。長い旅路を経て、今、夢のような光景が目の前に広がっている。

「すげぇ……」

 思わず息を呑んだ。
 洞窟の最深部、まさしく宝の山がそこにあった。
 長い年月を感じさせる錆び付いた大量の金貨やくすんだ宝石、装飾品が、天井から漏れる日の光に照らされきらきらと輝いている。
 一人の男が駆け出して宝の山にダイブした。
 とうとう見つけた。手に入れたんだ。夢にまで見たお宝を。
 それを、仲間の女は驚いた様子で、もう一人の仲間の男は「こいつは全く仕方ないな」と言った表情で見ていた。

「でもさ」

 宝の山に埋もれたまま、男が呟く。

「本当の宝物は、ここまで一緒に冒険に付き合ってくれたお前らだって、俺は思ってるよ」

 その言葉を聞いた仲間も、言った本人も、照れくさそうに笑った。
 宝の感触をしばらく堪能してから起き上がり、よくよく辺りを見渡してみると、宝の山の向こう側に台座のような物があった。その上には、宝箱が置かれている。
 まるで引き寄せられるのように台座のへと向かい、正面に立つと宝箱をよく見た。細かい装飾が施された美しい宝箱だ。
 ふと視線を落とした。
 その瞬間だった。
 背中から胸を貫き、衝撃が走る。真っ赤な血が吹き出ている。
 振り返ると、仲間達が彼を見ていた。真っ赤に染まった仲間愛用のダガーを手にして。
 何故かと問う間もなく、彼は倒れた。

「俺達が宝だって言うならさ、ここの宝は俺らに譲ってくれよ」
「鬱陶しかったのよ。トレジャーハンターのくせに、あなたのその博愛精神や正義感が」

 何かを言おうとしても、口からごぼごぼと血が溢れ、言葉にならない。
 仲間の男が宝箱に手を伸ばした。

 ……やめろ……――危ない、それは罠だ!

 次の瞬間、大きな音を立て、地面が割れた。驚いて足下を見る。視線の先には、人を今にも飲み込もうと待ち構える、巨大なワニがうじゃうじゃといた。

「うわああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「キャ――――――――ッッ!」

 三人仲良く床下へ落ちていく。
 男は体から血を流しながらも最期の力を振り絞り、二人を抱き抱えると急いで鉤縄を宙に向かって投げた。

「…………後……は、頼っ……」

 そう言い残し、仲間が縄を掴んだことを確認すると、安心した表情で落ちていった。
 そしてようやく、仲間達は本当の宝物がどんなものなのか気付いたのだった。


『宝物』

11/21/2023, 5:35:10 AM

「ここら辺じゃない?」「たしかそうだよ。」「ここに埋めたよね。」僕は今、小学校からの友人男女二人と夜の山奥に来ている。
理由は.....。

「じゃあタイムカプセル探そっかー」そうタイムカプセルだ。小学校の頃の宝物を入れてある。未来の僕らが見つけることを願って。
昨日、その話になってわざわざ今日の朝から、ど田舎の母校のある裏山に何時間もかけてやってきたのだ。

「あったー!」友人の一人が埋めた場所を掘り起こすと、そこにはタイムカプセルが。
僕たちは大はしゃぎで中を開ける。

「何が入ってるんだろうね」「楽しみだね。」ワクワクしながら開ける。
中には手紙や写真、そして.....。

「これってもしかして.......」それは一冊の本だった。
誰かが書いた小説らしい。

「すごいね、これ。」「ねえ、読もうよ」友人たちは本を手に取った瞬間から読み始めてしまったのだ。

「え.......なんで......」
本を読んだ僕らは驚きを隠せなかった。
それは誰も当時、タイムカプセルにいれていないはずのものだったのだ。
物語の中で描かれているのは、僕らの内の誰かが元々いた友達を殺した犯人であるというストーリーだった。
僕らは元々四人だったのだ。
彼らは真っ青になっていた。

「これって...君が書いたの?」友人の一人が疑い深く尋ねた。
僕は当然のように首を横に振る。

「いや、まさか自分が書いた覚えないし。でも、内容が...不気味だよね。」

友人たちは一瞬沈黙し、不穏な雰囲気がただよった。

「でも、これってただのでたらめでしょ?」もう一人が笑いながら言ったが、笑顔には微妙な緊張感が漂っていた。

「でも、もしこれが現実だったら...」僕は震える声で言った。

「怖いね。」そして僕らは皆、顔を見合わせて固まってしまった。

「ねえ、もしかして.......」「まさか......」友人二人はタイムカプセルを埋めた場所に誰かが来てこれを埋めたこと、そしてそれをする可能性が高いのはタイムカプセルの話を昨日始めた人に限られることに気がついたのだ。
そしてその言葉が友人二人の最期の言葉となった。

「翔太。やっと終わったよ。」僕は今は亡き親友の名を呟いた。
そして月を見上げて涙を流した。

11/21/2023, 5:12:31 AM

【宝物】#87

君が僕に好きだと言ってくれたのは
あの晩だった。
君が僕に対して言った言葉は
僕の宝物だ。
次に会った時の君の姿は
そりゃあ美しかったさ。
本当だよ。
あぁ、そうだ。
鮮やかな君を神は嫌ったんじゃない。
羨ましいと心から思ったから、
僕より先に君の心を奪いたかったから、
僕は負けてしまったんだな〜。
参ったよ。
またいつか会おう。
それまで僕を思い続けてほしい。
愛してる。

11/21/2023, 5:05:28 AM

散歩の途中で拾った枝や鳥の羽根、謎の木の実。

水をかけると青緑に透ける石、友達の誰かに貰った異国のコイン。

子供の頃に集めていたカード、飼っていたネコのヒゲ。

銀のエンゼル、へそくりが挟んである古い手帳。

若い頃の両親の写真。

ただのガラクタと笑うだろう。

だが、私にとっては大切な鍵だ。

テーマ「宝物」

11/21/2023, 4:45:36 AM

宝物は、大切にしなさい。
そうしないと、壊れてしまうから…。

小さい頃、そう言われたけれど私にはピンと来なかった。

何故か?

……私には、宝物と呼べるものがその時は無かったから。

♠♠✕✕✕♠♠♠♠✕✕✕✕✕✕✕♠♠✕✕✕✕

「紗雪〜、朝ごはん出来た」

「は〜い。今行く〜!」

「………今日もバタバタしてるね」

「そう思うのなら、起こしてよっ!」

「ごめん。寝顔が可愛かったから」

「思ってもないこと言わないで!どうせ面倒くさいとおもったんでしょ?!」

「…………本音なのにな〜」

私には今、付き合っている人がいる。
彼は在宅の仕事をしている為、家事は殆どを任せてしまっている。
そんな、彼は家事がとっても上手。
……それに比べ、私は今日も起きるが遅かった。

「………昔ね。お母さんが言ったの」

私は朝ご飯を食べながら彼に昔母にされた話をする。

「宝物は、大切にしなさいって」
「うん。よく言うよね」

「……でもね、私、その当時はよく分からなくて。宝物と呼べるものなんてなかったからさ」

「ぬいぐるみとか、お人形とか、そういうおもちゃなかったの?」

「あったけど、それが宝物かって言われたら、違ったの」

「ふ〜ん。」

「………でもね。今は出来たんだよ。宝物」

「……どんな宝物ですか?」

「それは、目の前にいらっしゃいますよっ」

「……………。俺?」

「そう。俺っ!俺の事宝物だから、大事にしないとな〜」

「………(笑)その割には当たりが強くないですか?」

「あたりの強さは、甘えの裏返しです」

そういうと、彼は笑顔で困ったな〜と言った

大人になった私には、宝物がある。
彼が大切で、大事な宝物。

小さい頃の私、その時に分からなくても大丈夫。

今ならちゃんと、お母さんの言ってた事がわかってるから…。

11/21/2023, 4:39:03 AM

「前付き合ってた人がくれた海で拾ったシーグラス」
「シーグラス?ってなに?」
「もとはゴミだけど海でもまれてなんかキレイになったっぽいやつ」
「ふーん。ごみが宝物」
「なんかきれーじゃん」
「なんかきれーならいいの? ゴミでも?」
「いいよ、なんかきれーなら」
「ふーん。うーん」
食べ散らかしたあとの机の上を見渡してる。さすがにないよ、なんかきれーなものなんて。
やっぱり見つからなかったらしくて、今度は自分のポケットを探り始めた。ないでしょ。つかなんで探してんのさ。
「あ」
ポケットから出した握りこぶしを目の前に突き出される。なんとなく手で受ける準備をする。ぽとりと落ちたのはさっき噛んでたガムを包んでた銀の紙。
「なんかきれーじゃね?」
「さすがにない」
でもここで一つ、意地悪を思いつく。
「でもあんたが一生懸命探した『宝物』ってことね。もらっとく」
「え」
「どうしても宝物を渡したくなって探したんだよね。大事にするね」
「なんかちげーんだけど。どこまでゴミを大事にするか見たかっただけなんだけど」
「ありがとう」
めったに見ない顔してる。今日はこっちの勝ち。

2023/11/20 宝物

11/21/2023, 4:33:35 AM

自分の宝物は自分で決めるし大切にしたい。
他の誰かに決められたり否定されたくない。

11/21/2023, 4:27:47 AM

先週、出張のおみやげにと、夫から六花亭のお菓子をたくさん貰った。
北海道移動中、運良く本店に行けたと言う。
素朴な草花で彩られた小袋はチョコレート、
「こっちは、パケ買いの缶」
同柄の小さな丸い缶には、ボンボンとあった。
缶を開けると、小さな砂糖菓子が6色。直径10ミリほどの、酒入りボンボンである。
可愛らしく、行儀良く、まるでジュエリーのような顔。
しかし、その味わいこそが、筆舌に尽くし難い宝だと思った。

【宝物】

11/21/2023, 4:17:38 AM

「今日のリアルタイムネタに絡めたハナシをすりゃ、もう、『宝物』は昔プレイしたゲームの思い出に決まってるだろ……」
信じられるか、昔々の初代「かみつく」はノーマル技で、今日25周年迎えた第2世代からやっと幽霊に当たるタイプに変更されたんだぜ。
某所在住物書きは携帯機の電源を入れ、ダウンロード済みのゲームを呼び出した。

音源とドット絵の圧倒的レトロに、25年前を思い出す。コンビニ予約であった。初代からずっと初見プレイの相棒は水タイプだった。
理論も数値稼ぎも知らず純粋に戦って勝って捕まえていた頃の、なんと、懐かしい。
「で、4種類だけじゃなくなったボール、実は数種類、説明通りの性能じゃなかったっつーね」
執筆活動そっちのけで、物書きは画面を見つめ……

――――――

今日は朝から、昔々のゲームソフトとか、ハードの名前とかが、大量にトレンドに上がってくる日だ。
私が生まれる前のやつとか、やっと物心ついたかなって頃のゲームとか、ギリギリ知ってるけどプレイしたことないタイトルもあった。

私と同年代だと思ってたフォロワーさんが「初恋は今日25周年のオカリナだった」って。
「今でも当時のソフトは宝物」って。
ん?(年齢誤認の可能性)
……んん?(実年齢が迷子)

そんなどこぞのゲームの日の、昼休憩。

「先日、11月5日頃に、まだ緑一色だったイチョウの木の画像を見せただろう」
休憩室の、いつものテーブルに座って、いつもどおりお弁当広げて、いつもどおりに職場の先輩とふたりしてランチ食べてたら、
先輩のスマホが、ピロン、DM着信の音を鳴らした。
「アレの続報だとさ。いい具合に色づいたそうだ」
送信元は、先輩の実家のご両親。どこか知らないけど、雪国の田舎だって言ってた。
故郷の隣の隣の隣の、なんかその隣あたりの町に、「昔イタズラで悪さをした狐が化けたもの」って昔話のあるイチョウの大木があって、
どうやら、良い具合に黄色くなったからって、東京に住んでる先輩に画像を送ってきたらしい。

「今頃黄色くなるんだね」
「他のイチョウやモミジは、もうだいぶ、葉を落としているんだがな。このイチョウ、『イタズラ狐の大銀杏』だけ、色づきがとても遅いんだ」
仕組みは分からないが、不思議なものさ。
本当に狐が化けているのかもな。
先輩は呟いて、スマホの画面を見せてくれた。
「わぁ。ヤバい。綺麗」

表示されてたのは、地面スレスレに垂れてるたくさんの枝と、光加減でいろんな黄色をして輝いてるイチョウの葉っぱ、
その枝のひとつを気取って掴む、多分先輩のお母さんと、足元いっぱいに広がる黄色と薄黄緑。
よく見かける並木とは違う、大きい大きい1本のイチョウの本気を、見たような気がした。

「ずっと守られ続けてきた宝物だ」
スマホをスワイプして、別の画像を見せながら、先輩が言った。
「ただ、この町の観光資源、経済効果のある宝物、『千年の大銀杏』は、イタズラ狐より大きくてな」
大木のそばの祠とか、大きなイチョウを撮る小さな観光客の図とか、
スワイプしてスワイプして、ピタリ。
「それも、見るか?」
休憩室の壁時計を見ながら、先輩が聞いてきた。

見る。 条件反射で言いかけたけど、
先輩につられて時計を見たら、昼休憩終了まで残り3分くらいになってた。
「ヤバ!お昼ごはん食べ終わってない!」
「では、見なくて別に構わないな」
「見る!でも食べる!……やっぱ見な……る!」
「どうぞ。どちらでも、お好きな方を」

11/21/2023, 3:58:21 AM

『宝物』

小さな頃は、宝物がたくさんありました。
いつから、それらがガラクタになったのか…
あんなに素敵に輝いて見えた物が、すっかり輝きを失ってしまい、ゴミにしか見えなくなりました。

今では、宝物を『宝物』と思える心が宝物だと思います。

11/21/2023, 3:22:36 AM

失って初めて気づく、僕にとっての宝物。
それはまるで空気のように軽やかで、無くなる時はするりと手からこぼれ落ちていく。
そっから後悔しても遅いから、今ある宝物をちゃんと認識して大切にしていこう。

11/21/2023, 2:58:10 AM

失ってようやく気づくモノ。
でも失ったらもう遅い。
だから、一瞬一瞬を大事に生きよう。
そうしたら、いつか、その宝物に触れられるかな。

11/21/2023, 2:55:36 AM

宝物

失って初めてわかる
それは違うんじゃないかな

失って初めて気づくなんて
大事だったかも知れないけど
きっとそれは宝物ではなかったんだよ

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