『好きじゃないのに』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
—影の救い—
好きな人にフラれた。
学生時代から、ずっと想っていた人だった。
最近偶然再会できたから、もしかしたらこれは『運命』なのかな、なんて期待したけれど、舞い上がっていたのは私だけだった。
「なんでよ……」
彼の元から逃げるようにしてここまできた。
ここは、私のお気に入りの場所。
何か辛いことがあった時は、いつもここで気を落ち着かせる。
「失恋したのか」
男が近づいてきた。私の幼馴染だった。
「うるさい……!」
「だからあいつはやめとけって言ったんだ」
彼はどんどん近づいてくる。
「来ないで……」
私はそう言っているのに、彼は止まらない。
「姉上が昔に言っていたんだ。女性は弱った時が攻めどきだって」
彼は、私の目の前でしゃがみこんだ。
「この時をずっと待ってた。俺は性格が悪いんだ。君は知らなかっただろうけど」
ハンカチをすっと差し出してきた。
「俺は、十年以上も隠してたんだ。今だけは許してくれ」
私はぐしゃぐしゃになった顔を上げた。
彼の穏やかな笑みが、涙で滲んでみえる。
私はそれを受け取って、溢れ出てくる涙を拭った。
彼のことなんて好きじゃないのに、安心してしまう自分がいた。
お題:好きじゃないのに
これ、吹奏楽部で横行してるんだけど、あそこでは好きな楽器があっても、編成の都合から別の楽器パートに回されるらしい。
人気のある楽器といえば、トランペットとかフルートとかサクソフォンとかだけど、このあたりはメロディーラインも担当する吹部の主力なので、たいがいは小学校や中学校からの経験者が優先される。そして一度決まっちゃうと、担当楽器が変わることはもうない。
ひょっとしたら、最近は京アニの功績でいきなりユーフォニウム希望の入部者とかもいるのかな。
でも軽音の方がそういうしがらみもないし、気楽だよな。
好きじゃないのに
ゴーヤは好きじゃないのに。
ピーマンは好きじゃないのに。
「ところで」
「ところで?」
「ツンデレ?」
「それはあなたじゃ?」
「そんなにツンデレぽい?」
「微妙に」
「微妙なのか」
「多分。それか微M」
「え、それはない。と思うけど」
「ふーん」
「それはさておき、世間の出来事からネタを拾うには厳しそうな感じがあるね」
「あー、下手に手を出すと火傷しそう」
「火だるまになる炎上芸もあるけどね」
「実際に燃えたらそんなにおもしろくないかなー」
お題『好きじゃないのに』
私は紅茶が好きだ。香りも佇まいも紅茶により連想する全てのものが好きだ。だが、紅茶の香りを嗅ぐと気分が悪くなる。もちろん飲んでもだ。きっと私は紅茶自体は苦手なのだろう。しかし、好きだ紅茶が、なのに私の体は受け入れないのだ。私は紅茶は好きではないのかもしれない。ただ、紅茶という概念、世間一般の紅茶というイメージが好きなだけなのかもしれない。例えるなら、雨だ。濡れないように傘をさしたり、家から出ないようにしたりすることと同じだ。雨という概念が好きなように、紅茶という概念が好きなだけで、紅茶は嫌いなのかもしれない。
貴方のことも、本も、現実も、夢も、世界も『好きじゃない』
でもなんでこのことを忘れる事が出来ないの?
貴方は?
あの仕事も、この仕事も、好きじゃない。
全然好きじゃない。
でもやらないと。
お金がないから。
あれ?
どうせお金がないなら…
好きなことで働こうっと。
苦いだけ呼ばわりで冷めていくあなたの両手の中のカップに咲きかけの花のいろ、次の休みとか、桜、散っちゃうかな、木目の梁、シマウマの写真。光の差す手元で眩いフォーク、ねえ傾いたケーキばかり食べていないで
『好きじゃないのに』
好きじゃないのに
好きじゃないのに
どうして胸の奥が
ひと呼吸ぶんだけ
痛むのだろう
触れたくないのに
指先は あなたの名を
空気の上でなぞってしまう
忘れたいのに
夜の静けさは
あなたの影ばかり
丁寧に拾い集める
好きじゃない
そう言い聞かせるたび
言葉の端が震えて
嘘だけがやわらかく積もっていく
好きじゃないのに
どうして
こんなにも
あなたで満ちてしまうのだろう
眞白あげは
好きじゃないのに
今日も誤魔化すように短編m(__)m
#特別な存在
これで兄視点書いたので、弟視点も書いてみました。
あと名前を変えたので兄の話そこだけ直しました。
いつから、こんなに差がついたのだろう。
アラームの音がうるさい。
瞼をうすく開く。まだ暗い。
手を伸ばして、ベッド横のテーブルから点滅するスマホを持ち、アラームを止めた。
部屋が静かになる。
二度寝してしまいたい気持ちを押し殺して、布団に馴染んだ体を起こす。
洗面所で顔を洗い、タオルで拭いて鏡を見た。
眼鏡を外すと、今更ながら兄によく似ている。
見た目だけは。
眼鏡をかけ直し、台所に向かった。
冷蔵庫から、昨日の夜に残ったおかずを取り出す。
なるべく見栄えよく、二人分の弁当箱に詰めていく。
作っておいた味噌汁をジャーに入れる。
蓋をする前に写真を撮り、実家に帰省している母に送った。
焼いた食パンと、コーヒーを飲みながら時計を見る。
左凪(さな)を起こそうか迷ったが、夜遅くまで起きていた気配があったので、ぎりぎりまで寝かせることにした。
「なっちゃんそこ」
「こう?」
「ナイス」
小さい頃、左凪(さな)とよくゲームをして遊んだ。
作戦を考えて、協力して相手プレイヤーを倒すのが楽しかった。
母がつれて行ってくれたイベントで、eスポーツというものがあるのを知った。
いつからか真似事で、その様子を配信するようになった。
名前が知られるくらい強くなって、しばらくして、言われだす。
「弟のほう、いらなくね?」
それから配信は、一人でやることが増えた。
洗い物を済ませて、兄の部屋へ向かった。
ノックをしても返事が無いので勝手に入る。
「起きて」
放っておく選択肢を、最初から持っていなかった。
(後書き。)
あるあるコンプレックス書きたかっただけなのに、未知領域のeスポーツちょっと調べた^^;
兄、左凪(さな)→左利き脳
弟、凪右(なぎ)→右利き脳
みたいなイメージです。
好きじゃないのに
丁寧にしてしまう
優しくしてしまう
なのに好きな人には、辺に慎重になってしまう
辺にアピールしてしまう
だから好きな人が離れていってしまう
こんな夢を見た。
「あたし、先輩が好きです。付き合ってください!」
目の前の彼女は頬を赤らめ、私に告白してきた。突然の告白に私はフリーズした。面識のない学年が一つ下の女子だ。
「…ええっと、その、初対面だよね?そういうのは…」
「初対面とか関係ありません!あたしは先輩に一目惚れしたんです!それで返事は」
勢いがすごい。
「無理。私は好きですって言われて、好きになるほど単純じゃないんだ」
諦めてもらえるようにキッパリと断ったつもりだった。
「先輩、男性なのに一人称が私なんですね。それに、恋愛に対しても真面目な態度!もっと好きになっちゃいました!大丈夫です、必ず先輩を好きにさせてみせますから!」
ますます、相手の気持ちを燃え上がらせてしまった。この日から彼女からの猛烈なアピールが始まった。挨拶やスキンシップ、登下校や遊びの誘いが増え、周りから冷やかされ煩わしい。クラスメイトにいつになったら付き合うのか、と何度も聞かれた。私は、彼女の気持ちに応える気はないのだ。告白される前日に、私は聞いていた。彼女とその友人たちが話しているのを。小テストで彼女が一番成績が悪く、罰ゲームをすることになったらしい。罰ゲームで、誰かに告白しろと。しかも、すぐにオーケーするタイプ以外の男に。それで、他の学年でも堅物と知られている私に白羽の矢が立ったわけだ。ゲームのつもりで告白されても困る。好きじゃないのに、告白するなんてありえない。相手の気持ちを弄んで楽しいのか。
「先輩!」
思い出して少し気分が悪くなっていると、お腹の辺りに軽い衝撃と彼女の声が聞こえた。見れば、彼女が私に抱きついてきたらしい。
「おはようございます!今日もかっこいいですね!」
「あ、おはよう…。毎朝、どうも…」
ニコニコする彼女に引きつった笑顔を向けると、彼女はきゃあと声を上げた。耳まで赤くなっている。端から見れば、微笑ましい恋する乙女だ。これを罰ゲームでやってると考えなければ。それにしても罰ゲームとは言え、どうして頑張れるのだろう。告白を断った相手が振り向いてくれるわけがないのに。私を口説き落とすまで粘るんだろうか。
「今日のお昼、一緒に食べましょうね!」
「ああ、うん。考えておくよ」
適当に返事をし、そそくさとその場を離れる私の背に彼女の声が刺さった。
「振り向いてくれなくても大好きですよ、先輩!」
『好きじゃないのに』
好きじゃないのに、嫌いになれない。
……ピーマンの事だ。
○○○
今、私の目の前にはピーマンの乗った皿がある。
今、私はめちゃくちゃ顔を顰めているだろう。
「ほら、食えよピーマン。好きだろ」
「馬鹿を言うなよ。この世で一番ピーマンを食べたくない人間が私だぞ」
私が人を殺せそうな目付きで唸りながら、ピーマンを出してきた友人を睨みつける。
すると、友人が不思議そうな顔で小首を傾げた。
「へぇ。俺はお前がピーマン好きだと思ってたよ、じゃあお前はピーマンが嫌いなのか?」
「……嫌いになれたら良かった」
「なんだそりゃ」
ふいっと視線を逸らす私に対して、ケラケラと友人は笑い出す。そして、いともたやすく私の目の前に置いてあったピーマンを口にした。
「う~ん。やっぱり、お前が作ったピーマンが一番美味いな。なんで、ピーマン好きじゃないのに、ピーマンの世話なんてしてんだ? 俺はピーマンが好きだから、美味いピーマンが食えて嬉しいけどよ」
「……それは」
「それは?」
ジッと見つめられ、私はお手上げだと言うように、ぼそりと本心を口にした。
「私が、この世で一番好きな人間がピーマン好きだからだよ」
そう言った私の視線は、きょとんとした顔の目の前の男に向いていた。
……本当、嫌いになれならどれだけ楽だったろうか。
おわり
好きじゃないのに
好きじゃないのに気になる人っていますよね?
「愛情の反対は無関心」とか過ぎってくると、「え。好きなのかな?」みたいな変な沼に落ちます。
「いやいや待て待て、好きではない。確実に」って沼から這上がってくると理由が謎です。
そこらへん深掘りせずに過ごしていると大抵は忘れちゃったり、「あれはなんだったんだ」みたいに過去のことになります。
暇だったのか深掘りしてみると、自分のコンプレックスとか投影とか魑魅魍魎跋扈界に入ります。
丸腰で入ると危険です。
でも武装してたらあまり意味がない。
なんでしょう、防具ナシ、得物は太めの枝がばさっと切れる手斧一丁あたりでどうでしょう。
見たことのない異形のものと出会っても間違って切り掛かってはいけません。
異形と思いきや紛れもない自分です。
ベストフレンドになれる逸材です。
大変怒っておられる場合もありますが、どうどうと宥めて話を聞いてみましょう。
たいてい悲しみを抱えていますから、川べりに移動して石切でもやりましょう。
石に載せた悲しみが川面を跳ねていく姿を眺めるうちに仲良くなれます。
あちらから攻撃された場合は応戦しましょう。
世界から戦争がなくならないんだから、個人の中で起きても「致し方ない!」と受けとめましょう。
愛や善や良では片付かないフェーズもあります。
すべての業には時がある。ですね。
「好きじゃないのに」
好きじゃないのに気になってしまう
好きじゃないのについ見てしまう
好きじゃないのに嫉妬する
好きじゃないのに
好きじゃないのに…
好きになりたいとおもうけど…
確かに好きではない
確かにキミが言うとおりだよ
僕はキミが好きてないよ
ぜんぜん好きじゃない
どうしてかって…?
そりゃ…
大酒飲みだし…
ヘビースモーカーだし…
たくましいし…
誰にでもケンカ売るし…
何時も慌ててるし…
直ぐに脚を攣るし…
誰よりも可愛いし…
可愛いから好きでないし…
離れてると気になって…
何も出来ない…
だからぜんぜん好きじゃないから…
【好きじゃないのに】*BL *グロテスクな表現があります
甘いお菓子が好き。それもとびっきり可愛く飾りつけられたやつ。
ホイップクリームで丁寧に飾りつけられたデコレーションたっぷりのショートケーキ。苺がナパージュされてつやつやで、スポンジもふっくらしているのがいい。フォークを入れたらさっくり切れて、口の中で生クリームと苺がほどけるような。
オペラも大好き。つやつやのチョコレートの表面を見ているだけで心が躍る。ビターなクリームと甘味控えめのスポンジ、金粉やショコラリーフを乗せて、粉砂糖で飾り付け。コーヒーに併せて鼻を通り抜ける香りを楽しむのがいい。
チェリーパイも素敵。チェリーフィリングをたっぷり乗せたパイ生地の上に、網目のパイ生地が乗ってると見た目も最高。底はパイ生地厚め、フィリングはちょっとアルコールの香りがするくらいでいい。甘酸っぱいジャム状のそれを敷き詰めた上に、果実の形が残ったのを乗せてあるとテンションが上がる。咀嚼で皮が弾ける食感は最高だ。
「……まぁ、わかったよ、だからそんなに落ち込むなよ」
目の前にあるのは全く最高ではない景色だ。
飛び散る血潮や内臓はグロテスクの一言に尽きるし、砕けた骨や破れた皮膚には洒落たところなんて一つもない。最悪なことに、それをやったのは自分自身であり、今はそれを口に運ぶ手が止まらない。本当に一番最悪なのは、その肉がとろける食感が素晴らしく、血潮の臭いが酩酊を引き起こしそうなくらい悦いということだ。一欠片も美しくない、どこをとっても甘くない、自分とよく似た生き物の死体を貪っている。
「だぁって〜……全然オシャレじゃないよこれ〜……」
べそでもかきそうな鼻声でぼやきながら、咀嚼は止まらない。
人の社会の中に溶け込みながら、人の子供として育てられて、成人するころに本性としての食性が顕在化する生き物。それが彼らだった。そんなこと知らずに育った伊黒はすっかりしょげて大きな耳を後ろに倒し、前に伸びた顎でゴリゴリと骨を齧っている。一方、隣でそれを見ている紫堂はそれを眺めているだけだ。飛び散った血飛沫を気にした様子もなく、じっと伊黒の食事を眺めている。
「ちゃんと食い終わったら、お前の言ってたケーキ買ってきてやるから」
「ホント? ホントのホント? 約束してよ」
子供っぽくはしゃいで見せるが、人の頭を一掴みできそうなほど大きな手の中には、引きちぎられた脹脛が、まるで遊園地の食べ歩きフードのように握られている。
「ホントホント。残さず食いな」
「うぇ〜……はぁ〜あ……こんな可愛くない食べ物、好きじゃないのになぁ……」
ごり、むしゃ、と骨ごと肉をしゃぶっている口元を見て、紫堂はぶるっと身震いした。彼の、この定期的に行われる食事が紫堂にとっては堪らない。元より消したい人間をどうにかする仕事をしていたことも相まって、一石二鳥だ。
「いいから。ちゃんと食べたら二ヶ月くらいもつだろ」
「……だね、シドちゃんに毎回ご遺体とか食べていいの、手配してもらってるし、我慢期間延ばさないと」
デザイナーとしてそれなりの腕を持つ伊黒が、飢えのあまり正気を失い、本当にたまたま紫堂のターゲットを食ってしまったのがもう二年前。自身の体質を知らなかった伊黒を捕らえ、それが実しやかに囁かれる、都市伝説的な存在だと知って、利用するつもりで関係を持った。それから紫堂は自分に回ってくる仕事の死体を伊黒に回している。普段はどうみても普通の人間なのに、飢えてくると……普通の食事で満たせなくなってくると、異形の獣と化した。それが人を、文字通り食っているところを見るのが、紫堂には何にも代え難い娯楽なのだ。
「伊黒」
顔を上げる。獣じみた顔になっても、ぱっちりとした目元は変わらない。
「ちゃんと可愛いよ」
「ん〜……ふふふふふ〜!」
木曜日の深夜0時。壁に掛けた時計の針がてっぺんを回ったとき、テレビのチャンネルが自動で切り替わり、録画が始まった。
きっかけは単なる予定外の夜更かしだった。普段、見てもいないテレビをつけっぱなしにする習性がある私は、その日もいつもと同じように、とあるチャンネルを映していた。
深夜0時を回って、明るいジングルとともにそのアイドル番組は始まった。
特にファンというわけでもないし、推しがいるわけでもない。CDがリリースされたという広告を何度か見たことがあるぐらい。有名なプロデューサーがプロデュースしている、というだけの認識だった。
内容はよくあるアイドル番組と同じで、好きなものやハマっているものの紹介、ライブで遠征したところでの観光の様子だったり、そのアイドルグループが好きな人にとっては見応えのあるものなのだろうと思っていた。
それからしばらくその番組をリアルタイムで見るようになった。理由は特にない。たまたま夜更かししたときにつけていたチャンネルがそこだったり、なんとなく見続けていたら見ないと落ち着かなくなってしまっていた。
しばらく経って就職活動が始まってからは夜更かしも、その番組の存在も忘れていた。
ふと思いだして、そのアイドルグループを調べてみたら、センターの娘が卒業していた。
特に好きでも無かったが、なんとなく寂しさというか、ストンと何かが落ちたような、そんな気持ちになった。
お題:好きじゃないのに
昔の思い出
会社の飲み会
お酒好きじゃないのに…
盛り上げるため調子に乗って
同僚とショットガン飲みくらべ
テキーラと炭酸水1対1で割って入れた
グラスをテーブルに叩きつける
シュワシュワと泡立つ酒を
煽り飲む。お互いに…
何杯目かのショットガン
ぐるぐるぐるぐる
あー天井ってほんとに回るんだー
そこから先の記憶はなくなってた笑
「私以外の女の話をしないで」
「私をおいて元カノのところになんて行かないで」
そんなこと言える関係じゃないのに、言っちゃだめなのに。
頭の中が、君でいっぱいになる。
「好きじゃないのに」