「こんな夢を見た」から始まる小説

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こんな夢を見た。
「あたし、先輩が好きです。付き合ってください!」
目の前の彼女は頬を赤らめ、私に告白してきた。突然の告白に私はフリーズした。面識のない学年が一つ下の女子だ。
「…ええっと、その、初対面だよね?そういうのは…」
「初対面とか関係ありません!あたしは先輩に一目惚れしたんです!それで返事は」
勢いがすごい。
「無理。私は好きですって言われて、好きになるほど単純じゃないんだ」
諦めてもらえるようにキッパリと断ったつもりだった。
「先輩、男性なのに一人称が私なんですね。それに、恋愛に対しても真面目な態度!もっと好きになっちゃいました!大丈夫です、必ず先輩を好きにさせてみせますから!」
ますます、相手の気持ちを燃え上がらせてしまった。この日から彼女からの猛烈なアピールが始まった。挨拶やスキンシップ、登下校や遊びの誘いが増え、周りから冷やかされ煩わしい。クラスメイトにいつになったら付き合うのか、と何度も聞かれた。私は、彼女の気持ちに応える気はないのだ。告白される前日に、私は聞いていた。彼女とその友人たちが話しているのを。小テストで彼女が一番成績が悪く、罰ゲームをすることになったらしい。罰ゲームで、誰かに告白しろと。しかも、すぐにオーケーするタイプ以外の男に。それで、他の学年でも堅物と知られている私に白羽の矢が立ったわけだ。ゲームのつもりで告白されても困る。好きじゃないのに、告白するなんてありえない。相手の気持ちを弄んで楽しいのか。
「先輩!」
思い出して少し気分が悪くなっていると、お腹の辺りに軽い衝撃と彼女の声が聞こえた。見れば、彼女が私に抱きついてきたらしい。
「おはようございます!今日もかっこいいですね!」
「あ、おはよう…。毎朝、どうも…」
ニコニコする彼女に引きつった笑顔を向けると、彼女はきゃあと声を上げた。耳まで赤くなっている。端から見れば、微笑ましい恋する乙女だ。これを罰ゲームでやってると考えなければ。それにしても罰ゲームとは言え、どうして頑張れるのだろう。告白を断った相手が振り向いてくれるわけがないのに。私を口説き落とすまで粘るんだろうか。
「今日のお昼、一緒に食べましょうね!」
「ああ、うん。考えておくよ」
適当に返事をし、そそくさとその場を離れる私の背に彼女の声が刺さった。
「振り向いてくれなくても大好きですよ、先輩!」

3/26/2026, 3:40:40 AM