『天気の話なんてどうだっていいんだ。僕が話したいことは、』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
#天気の話なんてどうだっていいんだ、僕がいいたいことは、
あたりさわりのない天気の話
本当にいいたいことが、なかなか言えない
あなたにとっては、何のこともないことなのに
その一言が、なかなか言えない
照れてるのだろうな
でも、伝えなきゃいつまで経っても
分かり合えない。
頭の中で、何重にも同じことを繰り返して
本当、バカだ。
@天気の話なんてどうだっていいんだ、
僕が話したいことは、
今日は委員会で仕事を押し付けられ、2人で居残り作業。
つい先ほど仕事が終わり、道の別れで解散した。
はずだった。
突然、ザーザーと大雨が降ってきたのだ。
君はへにゃりと笑い僕を見て言った。
「えへへ。降ってきちゃいましたね」
濡れた髪を軽く拭き取って、上目遣いで言ったんだ。
「通り雨だといいなぁ…あ、先輩雨の匂いってわかりますか?私、実は好きなんですよね。優しい気がして」
雨の音で他の音は聞こえない。
そんな中君の言葉だけが鮮明に聞こえる。
「…向こうの方、もう晴れてますね。
通り雨でよかった。あ!虹出てる!」
天気に夢中な無邪気な君。
笑顔で話してくれるその姿は、
天気に向けられている笑顔であって、僕に向けられてる笑顔ではない。
ああ、少しでも僕に向けて笑ってくれないかな。
天気の話なんてどうだっていいんだ。僕が話したいことは、
「あー、えっと、本日はお日柄も良く...?」
「生憎、そんなありふれた前置きのスピーチを聞きに来たわけではございませんの。用件はなあに? 手紙に書かれていた通り、従者のひとりもつけずに来てあげたのだから感謝していただきたいわ」
「え。たしかに従者は連れてきていないみたいだけどさ、僕の視界には君の腕の中から僕を睨みつけている猫が見えるんだけど」
「ええ、それが何か? 貴方はここに私1人で来てほしいと書いていらっしゃったのだから、その通りにしたまでのことですわ」
「えっと、いやいやそうはならないでしょ!? 1人、即ち君ひとりでってことだったんだけど。え、普通伝わるよね...?」
「歳若くて形式的な手紙のひとつもまともに書いたことのない貴方へ忠告してさしあげますが、自分が伝えようとしたことが漏れなく自分の意図した通りに他者に伝わるとは思わないことね」
「君も同い年だろ、同じクラスなんだから」
「私はひとりでここに参りましたわ。猫と共にいるからといって、ふたりで来たとは言わないでしょう」
「まあたしかに、君と猫が一緒にいるんならそれは『ふたり』じゃなくて『ひとりと1匹』だろうけどさ...」
「では貴方の懸念も解決したところで、改めて用件を仰ってくださらない? 昼休みが終わってしまいますわ」
「さっきから思ってたんだけどその喋り方どうしたの?」
「あら、私の話し方がお気に召しませんの?」
「いや4時間目までは普通だったのに、突然異世界ものの貴族令嬢みたいな話し方されたら誰だって驚くでしょ」
「マイブームですわ」
「唐突だなあ」
「先程の古典の授業で姫君というものに興味を抱いたので、まあ手っ取り早く姫君に成りきってみていますわ」
「国とか時代とか違くない? 絶対こてせんの前でやらない方がいいよ」
「我が校の国語科が誇る敬語警察の前でやるわけありませんわ、こんな適当な話し方。痴れ者め」
「急に武士みたいな語彙で貶された...」
「用件がそれだけならば教室に帰らせていただきますわね。というか呼び出すなら放課後とかにして下さらない? 貴方が昼休み開始時間に呼び出すものだから、ランチがまだですの」
「それはごめん、いやこんな会話をしたいわけじゃなくて」
「なあに? それとも本当に『本日はお日柄も良く...』から始まるスピーチで私を感動させて下さるの? まあ土砂降りですけれどその挨拶は天気のことではないからこういうときも使えると聞いておりますが。この間募集があったスピーチコンテストは英語限定ですわ、お間違えではありません?」
「それも違くて、...いや、君とこんなにお喋りできるってだけで僕には嬉しいことなんだけど、あの...伝えたいことがあって!」
「だからそれをさっさと言えって言ってるんですわ愚か者めが。これ以上引き延ばすなら貴方にこれの読み方を聞いてお終いということにさせますわよ。でははい、『子子子子子子子子子子子子』」
「猫繋がりがこんなところに!? というか今君が言っちゃってるじゃん!」
「あら、ごめんあそばせ。では読み方もわかったところで今日の逢瀬はタイムアップですわ。ではまた」
「え、逢瀬って、あの、え?
......ま、待って! もう引き延ばさないから! 今すぐ言うから! 言わせて下さいお願いします!」
君が努力して培った知識だから。
君に聞けば確実だってみんなが言うから。
この内容なら、君に話しかけても不自然じゃないから。
いつもいつも、君に「今日の天気は?」って聞いて、ちょっとでも話す時間を作って、ちょっとでも仲良くなりたかったんだ。
「また?お天気好きだねぇ」
と笑う君の笑顔がまぶしくて、つい本音が出てしまいそうになる。
天気の話なんてどうだっていいんだ、僕が話したいのは―
君のことをもっと聞きたいけど、それはもう少し仲良くなれたらにするね。
『天気の話』
明日から 台風で風 が強いよ
と君の言葉 揺れる髪と
晴れと雨 どちらが好きか 聞かれても
どちらでもなく 君なんだけど
あ、社長、どうも、いつもお世話になっております〜。
すいません、お時間いただきまして。
えぇ、本日はよろしくお願いします。
いや〜暑なってきましたねぇ。
昨日まで寒かったのにね。
梅雨入りするんですか?あ、したんですか。
へぇ〜ジメジメしていやですねぇ。
という話で15分。
早く仕事の話をして面談を終わらせたい気持ちを
両者ともに抱いているのにである。
【天気の話なんてどうだっていいんだ。僕が話したいことは、】
空模様が怪しいと君は言うが、僕にとっては、天気の話なんてどうでもいいことだった。
僕が話したいことは、これから自分がどう生きるか、誰と生きるかなんだ。
天気は人間の力で僕の力でどうにかできることではない。でもこれからの人生は自分の力で変えられるかもしれないから…
なのに君は空を気にする。
そうなのか!
ふと気がついた。
君が空を気にするのは僕のことには興味がなくて、僕とのことなど頭になくて、ましてや2人の人生なんてあり得ないと思っているから、空を話題にしてるのか!
鈍感な僕はそうしていつも気づかずにいるから、今も1人、もしかしたらこれからも1人なのかもしれない。
今夜は中島みゆきの「しあわせ芝居」を聴きながら休むことにしよう。
#18
天気の話なんてどうだっていいんだ。僕が話したいことは、そうやって、別の話題を出して話さなきゃいけないことから逃げないで。ってこと。
確かにキミにとっては、話したくない、聞きたくない、できれば逃げ出したいことなのかもしれない。けどね、そうやって逃げてばかりで向き合わないでいると、いつか後悔するよ。
なんて、僕が言わなくてもキミはわかってるよね。
一人で立ち向かうのが怖いなら、一緒にいて手を繋いでいてあげる。涙が止まらないくらい心が傷ついたなら、泣き止むまでギュッと抱きしめてあげる。
だから、イヤなことから逃げないで。
そして、いつでも忘れないで。
キミには僕がいるってことを。
「明日の天気ってなに?」
知るかよ。
そんなに大事なことか?それ。
中学時代にケンカしてて、それ以来。
今でも許してない。
そんなお前が俺に天気のこと聞いてくるか?普通。
「明日は晴れだといいね。君の誕生日だし。」
覚えてたのかよ。
そんなこと言われてもどうも思わないけどな。
「そうだ!明日君の好きなケーキ買ってくるよ。」
……そんなの…そんなのどうでもいい。
俺はお前と仲直りしたいんだよ。
大人になってもこんな意地張ってて気持ちよくない。
頼むから話を聞いてくれ。
「俺さ。君の声が聞きたくてきたんだ。」
「こんな話よりもさ、俺と仲直りしてよ。今すぐ俺の目の前に現れてよ…。なんでよ。なんで死んじゃうんだよ。馬鹿。」
声が出なかった。
いじられてんのかと思った。
でも違うくて。
あいつはいたって真面目で。
そうだよな。ごめんなぁ。
話もなしに死んじまって。
「ありがと。明日楽しみにしてる。」
「?!………あぁ。明日もまた行くよ。」
美琴から茶会に誘われたのは、昨日の午後のことだった。澪子がいつものように学舎の庭で土いじりをしていると、美琴がやってきた。
護衛はいるが、舎内で侍らせているいつもの取り巻きがいない。花壇の囲いの前で立ち止まった美琴は、日傘を畳んだ。
「あなた、明後日の午後の予定は?」
取り巻きがいようといまいが、その居丈高な態度は通常運転だった。
「明後日ですか?明後日は1日、特に何もないですよ」
だから本邸の庭に手を加えようと園芸店で購入した、とまで言いかけた澪子は口をつぐんだ。日差しが眩しいのか目を細めた美琴は、後でお茶会の招待状を送るわとだけ言い、日傘を差し直して去ってしまった。
有言実行。
その日学舎から帰るや否や、本当に招待状が届いた。ふわりと鼻をくすぐる薔薇の香りを漂わせ、いかにも格調高そうな高級紙に手習の手本のような整った字。金色の文字で書かれた鳳翔澪子王女殿下に頬を引き攣らせた義兄は、とうとう美琴を怒らせたのかと青ざめながらも、家令に手土産を用意させ、澪子に茶会での振る舞いを叩き込み、女中頭に訪問着を選ばせ、当日澪子に付いていく護衛や目付け役に対して美琴の逆鱗に触れる前にフォローできるよう一挙手一投足何もしでかさないように見張ってくれと念押ししていた。
「わざわざ友達……友達?知り合い?の家に行くだけなのに、美琴ちゃんも兄様も大げさよ」
「澪子、くれぐれも美琴ちゃんなどとちゃん付けで呼ぶんじゃないよ」
立場ある者が口頭ではなく敢えて招待状という紙に残すことを選ぶ意義を説いた義兄は、かなり不安げな様子で澪子一行を見送った。
しかし、こんな仰々しい訪問に美琴は特段動じることなく、茶の間に案内した。
「あなた、鳳翔のお屋敷で畑なんて耕すほど農業に精通しているけれど、学舎では庭師とよく一緒にいるわね。それならお花にも詳しいのかしら」
美琴がテーブルに出してきたのは、植物の写真がたくさん載ったアルバムだった。今度豊楽家が経営に携わっている植物園で
【天気の話なんてどうだっていいんだ。僕が話したいことは、】
「今日は、晴れてるね」と窓を見ながら呟く。
「そうだね。いい天気」と相手が返事をする。
それだけで終わる会話。沈黙だけが続くだけの空間。
まるで決まり文句となった天気の話。
とりあえず何か話題があれば、会話が続くだろうと思うのだけれど、コミュニケーションが苦手な者同士だと、うまくはいかない。
でも、せっかく顔見知りになれたから、次はもっと
お互いのことを知りたいし、知って欲しい。
「天気の話なんてどうでもいい。ただ僕は、君と一日でも長く居たい…」涙を流しながら彼女に言った。
僕は幼い頃から身体が弱かった。一時的に良くなかったときもあったが、今は生死をさまよっている。
今の僕は歩けもしない。ただ、病院のベッドで寝るだけの生活を過ごしていた。
だが、そんな時「彼女」がきた。彼女の第一印象はとても美しい女性だった。だが、そんな彼女は実は不治の病にかかっている。彼女がちょうど十八才になったとき不治の病にかかってしまったらしい…。
彼女はよく僕と話してくれて、相談に乗って貰っている。彼女はとても優しく、頭が良かった。
そんなある日僕に異変があった。
僕は後三日で死ぬらしい…。
そんなある日だった。彼女が天気の話をしてきた。「私ね、もうすぐ死ぬんだって。私の死ぬ日は晴れるんだって!私はね死ぬのが本当は怖かったの。まぁ、そんなの当たり前だよって思うかも知れないけどね、私前は死にたいって思ってたの。だけどね!君に会って世界が変わったの!君と過ごした日々一日一日がとても楽しくて、死にたくないって思ったの。でも、今日担当医の先生に聞いたら、私三日後に死ぬんだって…。だけど、その日晴れるんだって!だから私少しだけ嬉しいんだ!晴れるってなんか気分が晴れるでしょ?だから、少し嫌じゃなくなったの。君に会えて良かった!」
~三日後~
二人は最後まで来るしまずに亡くなった。
突然の大雨に鞄から出そうとした折り畳み傘をしまった。
昇降口で雨宿りしている君を見つけたから。
「すごい雨だね」
「ね。傘持ってくれば良かった」
何気ない会話なのに大きく響く鼓動。
雨の音がそれをかき消してくれる。
「通り雨かな」
「この感じだときっとそうだよね」
本当は天気の話なんてどうだっていいんだ。
僕が話したいことは、ずっと前からひとつだけ。
「今日の小テストどうだった?」
「全然だめ」
「おれも」
臆病な僕とふふっと柔らかく笑う君。
その笑顔は雲間から差し込んだ光みたいだ。
「雨、早く止むといいね」
気持ちとは裏腹な言葉を吐くと、君は首を横に振った。
「……私はまだ止んでほしくないかも」
そう言って照れた笑顔を見せた君に、さっきと同じように「おれも」と返事するだけで精一杯だった。
▷ 天気の話なんてどうだっていいんだ。僕が話したいことは、
燦々と日の照りつけるコンクリートの上に、水滴がぽたりと落ちて小さな染みを作る。少年は右手の指で掴んだアイスバーの棒を日陰に寄せて、木の椅子の上に座り日に焼けた脚をぶらぶらとばたつかせた。まだ夏ではないらしい。日除けの下から緑と青の景色を臨むと、喧しい蝉の代わりに、粒のような虫の声がか細く空に飽和する。熱に溺れ、溶けかけたアイスバーを勢いよく頬張ると、少年は日陰からコンクリートの道のど真ん中へと飛び出して行った。
虫たちの音の群れを凌いで、からんと乾いた音が鳴る。錆びた屑籠の中で、無地の木の棒が弧を描くように踊った。
「やあ、少年。今日もイタズラか?」
少々草臥れた店の前。少年が店の中を覗くと、後ろで黒髪を一つに纏めた少女が顔を出す。少年を揶揄うように、にししと笑う少女の瞳の中には、年相応の茶目っ気が見て取れた。
「ちげーよ。ばーちゃんの手伝いだっての。ほら、いつものミカン。さっさとしろよ」
「まー、随分と口が悪くなったもんだねぇ。お姉ちゃんは悲しいよ」
「三つしか変わんねぇだろ。いい加減その話し方やめろよ」
「もう、可愛くないったらありゃしない。はい、これミカン。おばあちゃんによろしく言っといて。あ、振り回して持って行っちゃダメだからねー」
少年と軽口を叩きながらも、少女は小慣れた手つきでミカンを袋に詰めていく。袋から取り出したお金をバラバラとトレーの上に乗せた少年の前に、ミカンの入った袋を突きつけて、少女はにこりと笑った。
「んなことするわけねーだろ」
「石を投げて障子を破ったやつがよく言うねぇ」
「……あれはわざとじゃねーし」
少女の言葉に、少年は少々言い淀みながら言葉を返す。
あれは、言うなれば事故だ。ばーちゃんの家に草履を盗みにやって来たイタズラ猫を追い払うために、思いっきり投げた石。それが、偶然障子を貫いてしまったのである。あの後散々怒られた少年にとって、この出来事は早々に忘れたいものであった。
「ま、早いとこおばあちゃんのとこに帰ってあげな。あと、これはお姉ちゃんからのプレゼント」
少女は透明な瓶の中から一つ飴を掴み出し、少年の手に握らせた。少年の掌の上でころんと転がるそれは、ビニールの包装に包まれた、檸檬味の飴であった。
さー帰った帰ったと少女に背を押され、少年は帰途に着いていた。まだ落ちない日の光を全身に浴びて、少年は歩を進める。むんむんと身体に纏わりつく熱気は、左手にかかったミカンの重みも加わって、夏をより気怠いものへと昇華させていた。アイスバーの冷たさが恋しくなって、少年は右ポケットへと手を突っ込む。取り出したのは、先程貰った飴。ミカンの入った袋を抱え直すと、少年は器用に包装を剥いて水分を欲する口内に、黄色の飴を放り込んだ。
甘い檸檬の味が、初夏の空に広がった。
《天気の話なんてどうだっていいんだ。僕が話したいことは、》
太陽のような笑顔で談笑しながら歩く君との帰り道。僕はその時間がいつも大好きだった。家が近づくにつれてこの時間がもっと続いて欲しい、もっと君と話していたい、そんな気持ちが強くなる。もっと君のそばにいたい ───。
今日の君は朝から様子がおかしかった。暗い顔をしている。幼なじみなんだから些細な態度の変化でも気づく。
「今日の部活も疲れた〜。でもわたし頑張った!」
いつもと同じ帰り道、君はいつもと同じように呟いている。
僕は「そうなんだ、それよりさ」とそれに返答した上で話題を変えた。「さいきんなにかあった…」
言い終わらないうちに君は言った。
「そうそう!そういえばさ今日の部活で!」はぐらかしているのだろうか。聞こえていなかったのかもともう一度言おうとするが間髪をいれずにひとりでただひたすらに君は喋っている。
苦しそう。
とても苦しそうだ。
なにか絶対に悩んでいる。
心配を書けないようにしている。
「今日は雨だね。お気に入りの傘もってきたんだ!」
君がそう言ったとき僕は我慢ができなくなって言った。「天気の話なんてどうだっていいんだ。僕が話したいことは───。」
その後、晴天の中で泣き笑いする少女とそれに優しく受け答えする少年の姿があった。
#1 僕と君
天気の話なんてどうだっていいんだ。
僕が話したいことは、
いつからだろう。嫌いだった雨が好きになったのは。
嗚呼あの頃からだ。雨にならないと会えない貴方に出
会ってから。いつだって雨の日にしか会えなくて、喋
れなくて、話したいことはいくらでもあるのに。出て
くる話は天気の話ばかり。もっと話したいのに。たく
さんの思い出を。貴方が見ていない今までを。話した
いのに、いざ目の前にするとなにも出てこない。だか
ら、俺は天気の話をすることしかできない。貴方が好
きだった晴れの日の話をすることしか。こんなに大き
くなったんです。貴方がいなくても、俺はここまで大
きくなれました。でも、その過程を見ていて欲しかっ
た。そろそろ貴方の2人目の孫が生まれます。クソ親父
も元気にやってます。貴方が愛してやまないクソ親父
は孫ができてピンピンしてます。貴方が亡くなって3
年。33回目の命日を迎え、雨になっても貴方は見えな
くなりました。次来るときは、貴方の孫、連れてきま
す。クソ親父も。だから、ちゃんと、俺らのこと見守
っててください。
#天気の話なんてどうだっていいんだ。僕が話したいことは、
雨の中、コンビニの前で佇む君を見つけた。
真っ黒な髪を風に靡かせている彼女はとても綺麗だ。
「おはよ。雨宿り?」
「ええ。雨が降るなんて思ってなかったわ。傘を買えるお金もないし。」
そして僕は自分の傘を閉じて彼女の横に立つ。
『雨が止まないねぇ』
「ええ。本当に」
そうじゃないんだけどなぁ。
1人で苦笑したのは言うまでも無い。
ひと粒の雨に君を描いたり
風と風邪をかけて君を心配したり
週末のお天気を調べてそれに合う予定を立てたり
気温一つで
湿度一つで
日差し一つで
PM2.5つで
お母さんはそらもう大変なんだよ
いやいや
お天気の話、ね?
天気の話はどうだっていいんだ
僕が話したいことは
台風が近づいて来てるのは
事実
対策はちゃんとしてるのか
スマホの充電
ラジオの準備
電池はある?
避難場所の確保やルート
飛びそうな物など
片付けたか?
ん?
これも天気の話なる?
42天気の話なんてどうだっていいんだ。僕が話したいことは
婚活をはじめたら初対面から政治と野球と宗教の話をする、年収自慢の男ばかり紹介されました。私は意地になって、ひたすらに天気の話をしました。天気の話なんて無難すぎると思いますか?いえ。私は気象予報士です。だいたいみんな、私の知識量に圧倒されて黙ります。もちろんお相手がまともなら、そんなことはしませんが。お見合いって不毛なものですね。でも負けません。今日は50人目と会うんです。相手が語りマンである限りは、これからもガンガン応戦しますよ。素敵な伴侶に出会えるまで、私は天気の話を続けます。