kokoro

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@天気の話なんてどうだっていいんだ、
              僕が話したいことは、


今日は委員会で仕事を押し付けられ、2人で居残り作業。
つい先ほど仕事が終わり、道の別れで解散した。
はずだった。
突然、ザーザーと大雨が降ってきたのだ。
君はへにゃりと笑い僕を見て言った。
「えへへ。降ってきちゃいましたね」
濡れた髪を軽く拭き取って、上目遣いで言ったんだ。
「通り雨だといいなぁ…あ、先輩雨の匂いってわかりますか?私、実は好きなんですよね。優しい気がして」
雨の音で他の音は聞こえない。
そんな中君の言葉だけが鮮明に聞こえる。
「…向こうの方、もう晴れてますね。
    通り雨でよかった。あ!虹出てる!」
天気に夢中な無邪気な君。
笑顔で話してくれるその姿は、
天気に向けられている笑顔であって、僕に向けられてる笑顔ではない。
ああ、少しでも僕に向けて笑ってくれないかな。

6/1/2023, 10:15:49 AM