@目が覚めるまでに
なぜ人は我慢をするのだろうか。
ボクは相手の顔色を見て簡単に頭を下げる奴が嫌いだ。
「本心じゃないくせに…」と悔しく思う。
だからボクは正直に生きてきた。
どれだけ嫌な顔をされようが、反対されようが、
自分の信じた道を進む。
目が覚めるまでにボクは何人の人を苦しめるんだろう。
@病室
廊下から聞こえてくる足音。
コツコツと迫ってるように聞こえる。
窓の外から聞こえるどんちゃん騒ぎ。
遠くに見える色とりどりの大きな花。
「行ってみたい」
自分の思いに身を任せ一歩。
動かない体を引っ張って一歩。
扉に手をかけて深呼吸。
扉が開く。
足音の正体と対面。
その瞬間、体が軽くなった気がした。
@世界の終わりに君と
何万年も昔に世界は滅んだ。
世界が滅んでから、記憶が曖昧になる程時間がたった。
「今日も暇だな。」
植物の生えない大地を歩き、死の海を越える。
世界を何度も回ったって景色は変わらない。
「退屈だな。」
今日もお気に入りの場所で1日を過ごすのだ。
いつまでも変わらない僕の時間。
「今日も同じ景色。」
何年、何十年、何百年、何千年。
何も起こらず、世界は回ってる。
「いや、今日こそ面白い日になるはずだ。」
日常は一生続くものじゃない。
いつか崩れてしまう。
「こんなところに洞窟なんてあったかな。」
それが今日だっただけ。
僕の規則的な時間がズレ始めただけ。
「生きてる人がいる。」
自分以外の人に会うなんて、何万年ぶりだろう。
しばらくは退屈せずに過ごせるだろう。
「今日は面白い日になりそうだ」
これだから世界は終わらない。
@「ごめんね」
横たわる私を囲んで涙を流す人がいる。
「ごめんなさい」
謝罪の言葉が飛んでくる。
「弱い体に生んでしまって…」
自虐の言葉が聞こえてくる。
「もっと遊びたかった」
後悔を口にする人がいる
今の私には、ただの騒音に過ぎない言葉が
溢れては消えてゆく。
ああ、早く寝てしまいたいのに。
楽になりたいのに。
私はまだ、生きていたいんだ。
みんなにこんな思いをさせて悔しいんだ。
生きたいよ。
悔しいよ。
笑顔が見たいよ。
私は逃げるように瞼を閉じた。
@君と出会って
君になんか会わなければよかった。
好きになんかならなければよかった。
想いなんか伝えなければよかった。
君のせいで僕の心は不安定になった。
君に会わなければ、こんな気持ちにならなかった。
全部君が悪い。
今日も君は僕の心を乱していく。
僕は君が嫌い。