『夜の海』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
夜の海
夜になると海に行きたくなるときがある
ふとした瞬間に消えたくなってしまうからだ
海の音を聞いて少しでも落ち着かせるのが私の日課
「夜の海」
夜の海の向こうには、
海面に映る街明かり。
陸の上には上下反転
横一直線の街明かり。
そして後ろに三角お山。
あれが雲仙普賢岳。
君と黙って浸かる温泉。
隠れる夕陽を見送る僕ら。
さよなら今日の陽。
微かに輝く星を見つめて。
「ねぇ、夜の海って素敵だと思わない?」
そういう少女の目は深い深い海のように暗くて
見つめていたら吸い込まれそうだと思った。
「……そう、だな」
俺は目を逸らしてそう返事すると
少女は、嬉しそうに微笑んでいた。
俺はなんで微笑んでるのか
わからなかった
でも、わからなくてもいいと思ったから
「────────--」
【2024-08-16 - 夜の海】
深海に暮らす人魚のトゥは、今の世界が海の底だとは夢にも思っていなかった。
上がどこまで続くのかを考えた事がないわけではないが、海という概念のない人魚たちに地上を認識することは難しい。
では何故このような話になったかといえば、偶然手にした禁書を読んだからだった。
嘘か真か、その本にはこの世界から飛び出していった人魚の話が綴られていた。
彼女は激しい恋をして、とある種族の雄を追って挙げ句に人魚であることさえ辞めてしまう。そして最期は泡となって消えてしまうのだ。
この世界が全てのトゥには衝撃的な内容だった。
自分の知らないことがこの上にある。そう思った途端、トゥは急に息苦しさを感じた。
外の外に行ってみたい
上の上に出てみたい
若く、冒険心に溢れる気持ちは日に日に強くなり、とうとうトゥは海面に出た。
ここが上の上。環境の違いと興奮から、トゥは呼吸もままならない。
水面から見上げれば、遠くには大量に光る砂が浮いている。
もちろん夜空を知らないトゥは、それが星空とはわからない。だが、まだ上があることはわかった。
若者の心に灯った小さな星
トゥの冒険は続いてゆく
『夜の海』
お題「夜の海」
子どもの頃、目を瞑ればそこは海だった。
家族におやすみを告げて、明るいリビングから電気の消えた自分の部屋へ。
床に散らばった玩具を踏まないようにおっかなびっくり歩き、部屋の中央に垂れ下がる紐を引っぱれば、薄暗いオレンジで部屋に陰影ができる。
オレンジの電球をつけて、目覚まし時計をセットしたら
黒が波立つ海に立っている。
ふわふわと海の中を漂っていれば、先ほど灯したオレンジの電球が丸に楕円に形を変えながら海の中を泳いでいるのが見えた。
「あなた本当に人魚なの?」
『本当だよ、何度言えば気が済むんだ』
「いいわ、埒が明かないからそういう事にしておいてあげる」
『それはどうも』
「……パールは人魚の涙って本当?」
『なんだそれは……ああ、確かに愛する人を想って流す悲恋の涙は、パールと似ているかもしれない』
「人魚を食べたら不老不死になれるって言うのは?本当なの?」
『!?』
「そんなに驚かないでよ、取って食ったりしないわ。こんな世の中で永遠に生き続けるなんてまっぴら御免よ。で、本当のところどうなの?」
『何度か仲間が人間に襲われたが、まさか食べる為だったとは…不老不死については本当に知らないな。襲われこそしたが、そもそも人魚族が人間に捕まった話を聞いた事がない』
「あら、そうなの。ところであなた、今普通にあぐらをかいているけれど、人魚ってそんなに簡単に人間の姿になれるものなの?」
『なれるさ』
「じゃあ人魚姫は人間になるために、綺麗な声を失う必要なんて無かったという事?お伽噺だと分かっていてもなんだか興醒めだわ」
『君、彼女のこと知っているの?』
「え?」
『今、人魚姫と言っただろう』
「ああ、人間の世界でも有名なお伽噺よ」
『違う』
「なにが?」
『彼女は私の友人だ』
「私の事からかってる?」
『からかってなどいない!15歳の誕生日に人間の王子に一目惚れした人魚の事だろう?彼女は確かに存在していた』
「……まあ、これも埒が明かないわね。そういう事にしておいてあげるわ」
『これまたどうも』
「でも人魚姫って200年近く前のお話よ。あなたいくつなの?」
『さあな。100までは数えていたんだが…。彼女、、人魚姫とは同じ年の生まれだということしか言えないな』
「わあ、人魚が長生きと言うのは本当なのね」
『そうだ、これを見せてやろう』
「なにこれ?パール?にしては少し青みがかっているような、透き通っているような…」
『彼女が最期、、泡になる直前に流した涙だ』
「!」
『本当に馬鹿なヤツだよ…さっき言った通り、人魚族は人間の姿になれるんだ。水に触れれば元の姿に戻ってしまうが、上手くやれば王子の一生を共に過ごせたのに』
「なぜそうしなかったの?」
『王子は人間だから、きっと彼女より先に死ぬだろう?その悲しみを何百年も背負って生きていくのが辛かったそうだ。それならば人間になると』
「……」
『……』
「あなた、彼女を愛していたのね」
『何を言う!そんなことはない…』
「嘘も大概にして頂戴。あなた、さっきからずうっと涙が出てるじゃない。それもパールみたいな」
『………。』
「そうよ!!あなた知らないわよね。良い事…か分からないけれど、私からも教えられることがあるわ」
『なんだい?』
「人間の世界に伝わる人魚姫のお話には続きがあってね。彼女、泡になってすぐに、風の精霊になるのよ」
『え…』
「風の精霊になってから300年もすれば、魂となって神様の所に行くんですって」
『彼女は生きているのか…』
「お話の通りならね」
『………』
「それは何?嬉し涙?」
『ああ...…良かった……本当に……』
「風が気持ちいいわね。彼女、今ここにいるのかしら」
『きっといるさ。夜風にしてはやけに穏やかだもの』
#夜の海
夜の海🌊
夜の海🌊でぱっと浮かぶのは
花火 波の音 月 夜空 星
優しい月と星のきれいな夜空を背景に
浜辺で波の音をBGMに
愛しい娘の笑顔と
今にも落ちそうな線香花火を眺めながら
幸せを感じる😭
日付が変わるか変わらないかという時刻
今、私は海にいる
月光が海に反射し、空では星が輝いている
澄んだ冷たい空気に当たりながら波打ち際を走る
自分しかいない海が、まるで自分のもののように感じて気分が高揚する
波の音と自分の呼吸の音だけが聞こえる静かな時間を過ごす
もう疲れてしまったので楽しいこの時間にも別れを告げて私はかえることにした
翌日
僕が住む街から少し離れた海で1人の水死体が見つかったらしい
恐ろしいこともあるものだな
2024/08/16 18:02:40
【夜の海】
月明かりだけが、僕を見守っていた。
寄せては返す波。
素足をさらして、砂浜を踏みしめる。
朝が来るまで、このままでいたい。
波と砂の感触だけを覚えていたい。
そう思いながらも、それが不可能なことは自分でも分かっていた。
なぜ僕だけがここに立っているんだろう。
君に会いたい。
会いたいのに。
君なら、幸せになってと、生きて欲しいと言うと分かっているから、僕はずっとここで立ちすくんだまま。
記憶の中の君が少しずつぼやけていく。
忘れてしまう。
君の香りも、姿も忘れて、声だけが僕の中に残る。
だからせめて、君を思い続ける。
どれだけ忘れてしまっても。
君への気持ちだけが、僕の道しるべとなる。
宇宙が視界いっぱいに広がっている。
大きさの違う星々が瞬いている。
口の端から星が漏れる。溢れる。零れる。
今、宇宙に溶けてゆく。
最期にこんな綺麗な景色が見れて、なんと幸福か。
自分を宇宙の星屑へと変えていく。
いつかこの身果てるまで、宇宙への想いを忘れずに。
月浮かぶ海中にて。
2024/08/16 #夜の海
月の無い夜
思慮に沈みて
底を無くす。
己の深海は何処までも暗く。
思い、重い、黒への怯えが
行き着く場所を求めては
酸素を忘れ落ちていく。
───こぽん。
いまは、どのあたり だろうか…。
ー 夜の海 ー
直視できないほどに眩しくて、
明るい音を出してる昼の海
だけど夜になるとあんなに眩しかった海が
全てを飲み込んでしまいそうな
深い藍色になる。
昼の雰囲気とまったく違う、
少し恐ろしさも感じる。
だけど、目を閉じれば優しく抱擁されているよう
優しいさざなみの音に
夜の匂いと混ざった磯の香り。
不安だった心も少しずつ海に溶けていく
私は夜の海が好き。
どこまでも揺れる漆黒の水面。
いつまでも眺めていたい。
気持ちが落ち着くまで。
『深海の世』。
黒く禍々しい深海でありながら、絵の中の藍はどこか海特有の爽やかさが描かれている。
どういうわけか、私はそれに強く惹き込まれた。
まるで「おいでよ」と言わんばかりに床に敷かれているそれを、私は無言で見つめていた。
「この作品、お気に召しているようですね?」
「うわっ」
私は小さく悲鳴をあげた。誰だかは知らないが、口ぶりと服装から見るにこの美術館の関係者のようだ。
「何故床に展示されていると思います?」
「知ってるんですか?」
「いえ、私は存じ上げません。"作者"にしか、それは分からないのでは」
「じゃあなんで聞いたんですか…」
「それは貴方が熱心に見つめ続けていたからです。貴方はこの作品をどう見ているのか、気になって」
「……深海だからじゃないですか?深い海だから展示の仕方は一番下、即ち床に置くようにした、とか。いや、典型的ですよね…」
「……なるほど。では、もし本当に深海へ引き摺り込まれたら、貴方はどうします?」
「え、引き摺り込まれるんですか?」
「確証はありませんね。飛び込もうとした人がいるなら話は別ですが」
「ええ……」
なんなんだこの人。
人の意見を聞きたいという興味は分かる。何故なら私もそういう好奇心は持ち合わせているからだ。
それでも『引き摺り込む」なんてことは無いだろう。明らかに "下" は見えないし、美術品なのだから。もし引き摺り込まれるなら、床に置かない方がいい。
「ですが10年程前……いえ、何でも御座いません。……悲しい事件ですから」
「そこで止めます?普通。はあ、なら私はこれで」
「申し訳ございません。…それではごゆっくり」
丁寧なお辞儀をされて私も頭を下げる。
変な人だったが、発想自体は面白かったな。
『ですが10年程前……いえ、何でも御座いません』
『悲しい事件ですから』
10年前。事件。この作者。
あの人の言った言葉が脳裏に浮かぶと同時にキーワードが頭の中をぐるぐると巡る。
作者は10年前にはもちろん生きていない。事件だって大きなものはなかったような気がする。
10年前の展覧会にも参加したが…その時か?
悲しい事件…本当にどういうことだ?何を言っているのか、私には理解不能だった。
「…あ」
子供が休憩室の方へ歩いていた。
あの先にある絵は、この展覧会で一番大きな作品。
その子供は他の絵には目も向けておらず、小さな絵を順に見ていた私の目に留まった。
そういえばさっきも見た気がする。私があの関係者に巻き込まれている間、深海の世を見ていたはずだ。
そして休憩室に入る直前、子供は目を閉じてこう言ったのだった。
「絵には魂が宿る」
#2024.8.15.「夜の海」
2012年の「Ib」っつーゲームですね。
汚水藻野もハマってます。実況系見てる。
とにかくイケメンなオネエがいます。
ちなみにこの話は『10年前』という単語やIbに「絵には魂が宿る」発言させてるのでリメイク版時空。
Ibちゃんにはリメイク前の記憶があるという設定です。リメイク版のワカメ様と最期の絵は別次元の話で、もちろんIbのことは覚えてないです初対面です。
リメイク前のエンドはワカメ様とIbだけが出られたエンド。ワカメ様が思い出してIbが「覚えてない」を選択したときにワカメ様からもらったキャンディが手に握られたイラストで終わるやつです。
あれ、「思い出した」を選択しちゃうと最期の絵の色と同じ飴が見られないんですよ…。
つまりリメイク版の今は「今度は最期の絵とも一緒に出たい」と意気込んでいるIbです。
多分このIbはサクサク進みすぎてワカメ様が逆にビビると思う。死と隣り合わせだって気づいて?
僕達の弱さも恋も全部、今だけは波の中に隠しておいて
■夜の海
えぇ、なんで夜の海が好きなのかって?
そんなん、カッコいいからじゃん。夜の海を歩いてる俺が。
夜の海
海自体にあんまりいい思い出はない。けっして、いやな思い出とか、トラウマがあるとかじゃなくて
「なんかよからぬモノが多いんだよね、海って」
「……オレ、つくづく見えなくてよかったって思ってる」
「うん。羨ましいぐらい。一生見えなくていいよ」
後輩は、私が全部視えてしまうことを知っている。全部とは即ち、この世ならざるモノを含めての全部だ。昔からそう。はっきり視えすぎて、独りだと誰が自分にしか視えないモノなのかが判断できないぐらいなんだ。
「そんなにいるの? その、ユウレイって」
「うん。特にあたしの場合、生きてる人間と同じぐらいの濃さで見えるから、キレイな形をしてるヤツほどわかりにくい」
「大変だね……」
どうやら私の実体験らしいんだけど。独りで空を見て話し込んでるなと訝しんだ瞬間に、幼い私は急に引きずられるような形で海に向かって歩いていったらしい。覚えてないんだよねー、これ。たぶん、幼心に怖すぎて封印しちゃったんじゃないだろうか。
これを教えてくれたのは弟なんだけど、彼としては「抜け駆けはずるい!」って叫んだらしい。そこで両親が異変に気づいて駆けつけてくれたから、私は無事だったわけなんだが。
「結局、海ってさ、事故だったり災難だったりで人間も文明の機器やらなにやらも全部呑み込んじゃうでしょ。だから、悪いモノも混じりやすいんだと思う」
「視えたらいいってもんでもないんだね」
「そりゃあね! 夏の思い出の代名詞たる海にいい思い出がないんだもん! 損してるでしょ」
「……夜釣りと夜の浜辺で花火しようって誘われてるんだけど、断ったほうがいい?」
「場所と時間によるけど、あたしだったらパス」
「わかった。満場一致で行かないことにした、って弟に言っておいて」
「よりによって誘ったの弟かよ」
(いつもの3人シリーズ)
(お盆期間に水辺は行くなってよく言うよね、ってお話)
【夜の海】
僕は、夜が嫌いだった。子供の頃から、暗くなると胸が締めつけられるような不安に襲われ、心がザラザラとした感覚に包まれるのだ。
ある日、会社帰りの夜道で、僕はふと足を止めた。ビルの隙間から見える小さな空に、一つだけ星が瞬いていた。それは、いつも見逃していたものだった。普段なら夜空なんて気にしない。でも、その日はなぜか目を奪われた。
「夜が来るから星が見えるんだよ。」
突然の声に驚いて振り向くと、そこには見知らぬ小柄の老人が立っていた。どこか飄々とした雰囲気を纏っていた。
「君は何か悩んでるんじゃないのかな?」老人はにこりと笑った。
「え?」僕は面食らったが、なぜかこの男には警戒心が湧かなかった。
「夜が怖いと思っているなら、それは君がまだ星を見ていないからだ。」彼は星を指さした。「暗くならなければ、星の輝きは見えないんだよ。」
僕は黙ってその星を見つめた。確かに、夜が来なければ、こんな小さな光さえも気づかない。でも、それが何だというのだろう?
「夜が来ると、不安になるものだよ。」老人は続けた。「でも、その不安の中に、君を導く光があるんだよ。星は、道しるべになるだろう?」
「道しるべ…?」
「僕たちはみんな、星を見つけるために夜を迎えるんだ。君が今感じているその不安も、実は君を本当の自分に導くためのものかもしれない。星を見つけたら、夜が少し怖くなくなる。そう思わないかい?」老人はそう言って、立ち去っていった。
ある夜、またあの星を見上げた時、僕ははっきりと気づいた。僕の不安は、何もない暗闇から生まれていたのではなく、自ら作り出す幻想だったのだ。もし僕がこの不安を乗り越え、星を見つけることができれば、もっと強くなれるのではないかと感じ始めた。
「夜が来るから、星が見える。」
老人の言葉が再び蘇る。夜を恐れるのではなく、夜が来るからこそ、見つけられるものがある。
暗闇の先にある星の光が、少しだけ僕の道を照らしてくれる。
静かな波の音を聞きながら、夜の海で、
降り注ぐ雨に空は万華鏡
彩られてゆく世界の色を見た
どうか忘れないで
冷たい君の指先が僕の心を熱くするから
流れ落ちる前に受け止めて
君の瞳に僕の色を映していたい
とつくにへ旅立つ僕に
約束はしないと送り出す冷たい君に
雨の降る頃花ひらく紫陽花の僕を贈る
どうか忘れないで
必ず君の下で再び咲き誇るから
流れ移ろうことなく
君の瞳に僕の色を留めたままでいて
あじさい(6/13お題)
テーマ 夜の海
僕は夜が好きだ。夜の暗さは全てを無くしてくれる。悲しみ。憎しみ。喜び。不安。綺麗なほどに見えないものになる。
「...鏡みたい」
夜の外にある海面の水面が真っ黒で、眠っている魚も、その海底も覆い隠していた。
「僕も隠してくれるかな」
赤い液体が付いたまま、僕は夜の海に飛び込んだ。
「次のニュースです。ーーーの海に人が沈んでいると119番通報がーーーー」
おわり