『夏』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
夏なんて嫌いだよ
暑いしベタベタするし、日射しが強くて頭がクラクラするし、近頃はゲリラ雷雨なんてのもあるし
なんなら冬眠ならぬ夏眠したいくらいだよ
でも、でもさ
君がおうちデートしてくれるなら、夏も捨てたもんじゃないかな
ねえ、エアコンが効いた部屋で、アイス食べながら一緒に映画でも見ない?
早起きした日は小説本を片手に家を出た。
小道のベンチに座り、本を開くのが楽しみで日課で。
朝は木陰と涼風。
昼は木漏れ日と蝉の声。
夕方は帰り道が橙色。
じっとりと汗をかいた額に
冷たいペットボトルが当てられ
仕事帰りの母の声はいつも笑っていた。
「あんた、また朝から本の虫?」
母はもう居ないけれど
夏の思い出は…暑さと共に残る。
気温が高くなり本格的に夏が始まった。16回目の夏だ。もし自分が80年生きるとしたら、夏は80回しか来ないのか。多いようで少ない。時間は有限だ。今年の夏も全力で楽しもう。
お題『夏』
馬小屋前の菜園の一角に主様専用の畑があり、そこでは主様の食卓に並ぶ野菜を育てている。しかも主様ご自身の手で野菜を栽培していただいており、執事は必要最小限のお手伝いしかしないことになっている。主様に自然を学んでいただくのが目的だ。
どうしてこのようなことになったのかというと、話は3年前の夏まで遡る。
「主様、どうしたんっすか?」
主様が庭に出たいとおっしゃるのでご一緒に外へ出たところ、庭師の執事・アモンが花に水遣りをしていた。とある蔓草の前にしゃがみ込んでじっとしていた主様は、うーん? と首を傾げていらっしゃった。
「主様はもしかして、このアサガオに興味をお待ちっすか?」
こくんと頷くと俺とアモンを見上げて、
「きのうよりもせがのびてるきがする」
とおっしゃった。
「へへっ、主様。もしよかったら毎朝この子の成長を見にきませんか?」
「みにきていいの、アモン?」
「もちろんっすよ。ここの花は全部、主様に見ていただくために育てていますからね」
そしてその翌日から、スケッチブックを持って庭にしゃがみ込む主様を日傘でガードするのが俺の日課になった。
アサガオの観察日記をつけているうちに、他の植物にも興味を持たれるようになった主様だった。
どのような植物が気になりますかと伺った結果、翌年はひまわりを、さらにその翌年はトマトを育てることになり……。
そして今年は、主様の畑にはトウモロコシが植わっている。
「フェネス、フェネス!」
「はい。何でしょうか、主様」
スケッチブックから顔を上げると主様は眩いばかりの笑顔でこうおっしゃった。
「とうもろこしって二期作ができるって、この前本で読んだの。私もやってみたい!」
もしかしたら主様には農業にも才能がおありなのかもしれない。
「はい、分かりました。あとで二期作に関する本をお持ちしますね」
主様、十歳の夏はまだ始まったばかりだ。俺は俺にしかできない方法でお手伝いしていこうと心に誓うのだった。
夏
ワイヤレスイヤホンを耳に突っ込んで、家を飛び出す。
体内に直接流れてくるのは、大好きなシンガーソングライターの曲。まさに夏、といえるような明るく軽やかなメロディーに乗って、今日もあの電柱へと走る。
サビを聞き終わるまでに行かなきゃ、彼女に会えない。
何回も聞いた歌詞と一緒に、ただ、走っていく。今日は、ちゃんと伝えたいんだ。
『夏の空が 僕らをみてる』
サビの最後の一節が耳に届くのと同時に、僕は叫んだ。
「おはようっ!」
電柱の影にいた君が、ひょっこりと顔を出した。
「おはよう!」
イヤホンを外して、君の隣に立つ。
「…今日も暑いね」
何気ない世間話しか出てこない。
「本当に!ねぇ、そんな中走ってたよね?大丈夫?」
「大丈夫だよ」
「そっか!体力あるね〜」
君は機嫌がよさそうに歩いていく。
「あっ、そうだ!昨日のテレビで…」
君のバラエティー番組の話を、相づちを打ちながら聞く。
話すタイミングを見失ってしまった。
どうして、「待ち合わせしない?」の一言が言えないのだろう。いつまで偶然を装って、毎朝君に会いに行くのだろう。本当に、情けない。
ふいに、大好きな曲のサビが頭に響いた。『夏の空が 僕らをみてる』頑張る人たちの背中を、暖かく押してくれるような歌詞。
「あのさ…」
夏に背中を押されたような感覚に身を任せ、伝えたかった言葉を紡いだ。
【夏】
君の運命の人は僕じゃない。
僕は大好き。好きだった。
でも君とは釣り合えない。
でも、きっと共通点は何個かあったはず。
君も僕のことを好きだったはず。
僕の肩で寝る君を僕は、寝たふりで誤魔化して、
花火の音と共に飛び散った、僕と君の夏。
無謀と勇気の間
君と僕との距離は
夏になって近づいた
ただの偶然
きっかけなんてどうでも良い
グッバイ、イカロス
見せてやるぜ
※夏
【夏】
じいじいと五月蝿いアブラゼミの鳴き声が、照りつける日差しの暑さをさらに際立たせる。なんだって日本の夏はこんなにも蒸し暑いのか。公園の木陰にいるというのに、全身が溶け落ちてしまいそうだ。
真っ青な空と木々の緑のコントラストが目に痛くて、ベンチの背もたれに背中を預けて瞳を閉じた。そうしているとやがて、朗らかな君の声が耳朶を打つ。
「お待たせ!」
ゆっくりと目蓋を持ち上げれば、目の前にソフトクリームが突き出されていた。思わず目を瞬かせれば、眩しいくらいに明るい君の笑顔が僕へと向けられる。
「アイス、半分こにしよう!」
「良いの? 食べたくて買いに行ったんでしょ?」
行列をしているアイスワゴンに、わざわざ炎天下にその身を晒してまで並んだのに。と、君は少しだけ照れたように僕から視線をそらした。
「良いの。一緒に食べたくて、買いに行ったんだから」
その頬が赤いのは、夏の日差しのせいか。暑いだけのこの季節は好きじゃないけれど、だけどこんな可愛い君の姿を見られるなら悪いことばかりでもないかもしれない。
「ありがとう、いただきます」
君の手の中のソフトクリームへとかぶりつけば、濃厚なミルクの甘さが口の中を冷たく満たした。
変わらない温度、焼かれるような毎日は永遠のように思っていた。
けれど終われば、それは一瞬、刹那の夢。
ほんの二ヶ月の、幻。
あんなに長いと思っていたのに、終わってしまった。
あんなに変わらないと思っていたのに、もう気配さえ残らない。
たくさんの希望と、たくさんの物語と、たくさんの思い出の詰まった時節。
ああ、君が手を振っていたのを覚えている。
——
夏
辺りでは
蝉の鳴き声や部活動の人たちの声が聞こえる
全身が太陽に当たり、
内側から暑くなっていくような気がして
アイスでも食べたい気分になった。
晴れ渡る青い空
木々から光が差し込み、揺れる青い陰
光を反射して青い海
自分の気持ちには合わないくらい
清々しくて綺麗な青だ
あぁ、
思い出してしまう
ひまわりのように
明るくて無邪気で
綺麗なあの顔
顔が赤いのは暑さのせいだろうか
道路に一粒のしずくがこぼれた
夏
蒸し暑い夏 額を伝う汗 光り輝く
太陽 教室の中 カーテンが揺れる窓際
君は窓の縁に肘をかけ 空を見あげる
それは少女漫画などでよく見る
美しい光景 まるで少女漫画の世界に入ったかのように光り輝く君
太陽と共に輝いている。
君はふと僕の方に振り向く
いたのか という顔で僕を見つめる
よっ と手を挙げいつものように話始める 君はどんなときも眩しく
女子からも男子からも好かれていた
性格は 明るくて 優しくて 男女関係なく仲良くできる そんな理想的な性格をしている。そりゃぁみんなから好かれるわけだ まあ僕も君に恋をしている中の1人なんだけど。
こんな恋愛話を長ったらしく書いているがこれは
このアプリを入れタイトルにそって
文章を書いている私のたんなる妄想なのです。 終わり。
「夏」
雷鳴が轟き、昼の空は光を塞ぐ
豪雨が梅雨の淀みを洗い流す
雨上がりの少し冷ややかな風は
もうすぐやって来る日差しと熱気の通り道
「このアプリ、やっぱり投稿が集中する時間帯と、そうでもない時間帯ある気がするんよ」
夏といえば、肉にスイカにビール。某所在住物書きはコップの中の黄金色を、幸福に喉に通した。
「個人的な印象だが、19時のお題発表から日付変わった0時までが最初の山、正午頃にもう1回目の山、で、最後に4時6時付近で3回目。……まぁ、確証は無ぇし、完全になんとなくだけどさ」
だから、書いて自信無い話とか照れる話とかは、投稿多い熱気で賑わう19時とか正午とかに投げれば、他の投稿が自動的に埋めてくれるだろうな、なんて。
物書きはポツリ呟き、またコップを傾けて……
――――――
東京に、本格的な真夏が来た。
向こう10日間最高気温が30℃前後だ。なんなら明日は猛暑一歩手前の予報だ。
6月最後の週、既に熱帯夜がチラホラ予想されてて、
雪国の田舎出身らしい職場の先輩は相変わらず溶けてたけど、自前で仕込んで持ってきてる氷満載の冷茶で、なんとかギリギリSAN値は保ってるみたい。
そんな真夏、最高気温32度、熱帯夜が約束されてる東京の、某所某職場の昼休憩。
「見つけたの。今も都内で飛んでるホタル!」
最後にホタルを見たのが、年齢一桁の子供の頃って、もう一度見たいって、一昨日26日に言ってた先輩。
「結構近場だよ。稲荷神社のビオトープだって!」
「蚊に刺されたくない」って拒否ってたけど、先輩の目が、抑揚が、すごく寂しそうで、
本当はホタルを見たいけど、心の中の何かどこかが酷く痛くて、それを小さな、善良な嘘で一生懸命隠してるように感じた。
「行ってみようよ。神社のホタル。きっと綺麗だよ」
だから一度だけ誘ってみた。呟きアプリとヤホー駆使して、なるべく最新で近所の情報探して。
私の提案を聞く先輩は案の定、ちょっと嬉しそうで、すごく寂しそうだった。
「午後5時頃から8時付近まで雨予報だ。その中で行くつもりなのか」
「明日なら降水確率20パーらしいよ」
「蚊に刺されたくない、と言った筈だが」
「大丈夫。ムヒーもウーナも買ったから」
「刺される前提で話をされてもだな……?」
「かゆみ止めペンの方が良かった?」
「そうじゃない」
そうじゃなくてだな。先輩はポツリ呟いて、視線を下げて、うつむいてしまった。
「変だし、……おかしい、だろう?」
先輩が言った。
「こんなカタブツの、捻くれ者が、花1輪虫1匹で、騒いで。写真など撮って。……そんなやつと、一緒に歩きたくなど、ないだろう」
そこでようやく分かった。先輩の初恋のひとだ。
先輩の親友で隣部署勤務の、宇曽野主任が言ってた。先輩は初恋のひとに心をズッタズタのボロッボロに壊されて、えぐられて、その傷がまだ残ってるって。
「だから、ホタルは、お前ひとりで行くといい」
先輩は、綺麗な花とか空とかの写真を撮る。故郷の綺麗な自然を思い出すんだと思う。
それを、きっと初恋のひとにバチクソにディスられて、否定されて、その傷が心に残ってるんだと思う。
また私に「こいつホタルなんか撮ってる」ってディスられるんじゃないかって、怖いんだ。
「先輩。私、今日の9時頃行ってくる」
うつむく先輩の、目を見て、手に触れて、
「その頃なら、雨やむらしいから。先輩は明日、行ってくるといいよ」
私は先輩に、先輩は先輩のまま、好きなことして良いと思うって、それとなく伝えた。
先輩が神社に、行ったか行ってないかは知らない。
でも私が有言実行で9時に神社に行って、「ホタル綺麗だよ」って敢えて電話したときの、
「だろうな」って返事は、少し声を潜めてた感じがするし、なんとなく幸せそうでもあった、気がした。
じわじわと遠くで蝉が鳴く。
澄み切った空に、青々とした山。
ちりんちりんと涼しげに揺れる風鈴。
今年も帰ってきた。ぴったり8/13に。
繋ぐ手の 湿りが熱く
信号は 青が続いて 言い出せぬまま
#短歌 #書く習慣 20230628「夏」
正直、得意じゃない。
暑いし、ベタベタするし、チカチカ、ざわざわ。
とにかく不快で、鬱陶しいことこの上ない。
それなのに、キレイ、なんだよなぁ。
そんな”夏”を体験するのも、あと何回なんだろう?
夏
「夏」
朝には
暴力的に 高圧的に
私を急き立てる。
早く目を覚まさぬか
とっくに陽が昇っているというのに
昼には
煽情的に 焦燥的に
私に問いかける。
どうして出かけないの
海へ 山へ
恋人に出会えるやもしれぬというのに
夕べには
諦めと 憐れみをもって
私に問いかける。
想い出はいくつできたか
今日も何も手にしていないのか
一日が終わろうとしているというのに
夏というものは 常に
威圧的で 圧倒的で
一切の妥協も許さず
常に私のテンポを全否定する。
常に私のリズムをせせら笑う。
急がないと 逃してしまうという。
なにを逃すというのか と訊ねてみても
「とにかく いそがないと」と
言葉を濁して視線を外す。
そして夕陽に向かって走らせようとする。
そんな勝手な季節を このわたしが
好きになれるはずもない。
「夏」
夏。
夏が来る。
夕立やそのあとの夏っぽい空。
夏の雲。夏の色。夏の匂い。
夏の匂いがすれば、そろそろ台風がやって来る。
夏の色を見れば、幸せな楽しい青春が訪れる。
夏の雲を見れば、蒸し暑く感じる。
夏を感じる日はいつか来る。
人の心にはいつまでも夏の記憶は残る。
夏は、人々にとって、最高の季節らしい。
76テーマ【夏】
春。
人と出会い傷付き。
桜散り独りでいいと思い。
夏。
故郷に帰り、昔の恋の終わり。
強く生きようと誓う。
秋。
ちょっといいことあって
辞めるの辞めた。
冬。
忙しくて帰れないけど盆には帰ると、
人生ってそんなもんだけど、
そんくらいなもんだけど、
なんだかちょっと心が温かくなることがあってな、
そんくらいでちょうどいい。
夏は外
波打ち空に
声かけて
夜も暑くて
夏らしい
夏の海
鏡のように
光だし
空見上げても
あおかった
夏はとっても熱いの
だから私は夏が苦手
ゆっくりと夏が終わっていくから
のんびり待ってあげよう