早起きした日は小説本を片手に家を出た。小道のベンチに座り、本を開くのが楽しみで日課で。朝は木陰と涼風。昼は木漏れ日と蝉の声。夕方は帰り道が橙色。じっとりと汗をかいた額に冷たいペットボトルが当てられ仕事帰りの母の声はいつも笑っていた。「あんた、また朝から本の虫?」母はもう居ないけれど夏の思い出は…暑さと共に残る。
6/28/2023, 1:02:06 PM