『命が燃え尽きるまで』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
命が燃え尽きるまで、生きなくちゃいけない。自分から消えてはいけない。だから、私は今変わらなきゃいけない。これからの人生の方が長い。まだまだ何があるかわからない。楽しいこと沢山あるかもしれないよ!どうせいつか、命は燃え尽きるのだから。それまで、頑張ろう。楽しもう。せっかくの命、感謝して生きていこう。恥かいても、どうせみんないつか居なくなる。私のことなんて忘れる。だもん、細かいことは気にせず、気楽にいこう。辛いときこそ、鼻歌歌おう。嫌なときこそ、楽しもう。
命が燃え尽きるまで愛してあげてるのに、命が燃え尽きるまで愛されることがないだなんて酷いじゃない。
命が燃え尽きるまで
じっと炎を見つめていた。その姿は虚ろで何か遠くにいるように感じる。声をかけてもいいものかためらっていると視線を向けられた。
何か用か?
落ち着いた声だが自分に興味はなさそうだ。
あ、あの自分が後任になるように言われたので仕事を知りたくて来ました。ご迷惑でしょうか。
後任?あぁ、そうだな。もう俺の番か…早いな。
ボソリと呟く。こっちへ来いと手招きをする。
で、何やったんだ?更生プログラムはいれてもらえなかつたのか。相当だな。
あきれたように言う。
いえ、あの政策は間違っていると言っただけです。
何故、生贄のような事を続けるのだろうかと。
政治犯か…。それでか。では、解放は難しいだろうな。
え?あなたは解放なのでは?
勘違いしているみたいだな。この炎はな、地球よりも尊いと言われた人の炎だ。命のな。ここの守り人になると言う事は次の炎になるって事だ。ここにいる間は若さは保たれるし、研究もできる。のびのびとな。だから孤独を感じなければうってつけだ。何か疑問や悩みを抱えたら交代だ。俺の場合は研究が完成したから炎になるんだよ。生きている限り。どちらにしろ解放はない。
燃え続けないとこの星は終わる。ここに住み始めた頃の約束だそうだ。星に寿命がある事を認めなかった事の報いだ。引際を炎になれば教えてやれるからな。説得要員だ。なかなか上手くいかないがな。
ポンと肩に手を置かれた。
頑張ってみるさ。有限だから出来る事もあるからな。
︰命が燃え尽きるまで
楽しかった日の夜景は一段ときれいに思えるし、きっと今日の思い出は近い将来寂しい出来事として記憶されるんだろうし、そう思うと今の楽しいって気持ちも少しだけ愛おしいと思える。
体をじんわりと痺れさせる穏やかな痛み。幸せの痛みってものだと思う。世の中何でも等価交換だから、幸せを味わうと痛く悲しくなるものなのだ。
締め上げて食い込んだところから「楽しい」とか「嬉しい」とか「幸せ」が滲み出てくる。痛めつけて傷つかないと自覚できない。認められない。幸せも凶器みたいなもの。刺して血が出てきてから痛いと自覚できるようなもの。いたんでからでなければ幸せかどうか気にもしない。
ネガティブな感情が良くないことでポジティブな感情が良いことなんてのはイメージで、どちらの感情も良いもんじゃないし、素敵なものだと思う。どっちでも痛いんだから。
破裂するまで締め上げて、バチンと弾けさせて、全部ぶちまけてしまった方が楽だろうか。全部溶かしてしまった方が楽だろうか。
心が足りない。命がきっと足りない。
感情を消費して命を燃やしているなら、感情によって命が消耗していくなら、足りない。
命が燃え尽きる瞬間まで感じ続けなければならない。いくらあったってずっと痛い。
痛い。どんな感情でも痛い。幸せな感情のほうがずっとずっと鋭利で痛い。心が足りない。
いっそ早く素敵な思い出に変わってしまいますように。痛みも葛藤も苦しさも忘れて単なる「思い出」としてふんわりとした「寂しい」に美化されてしまいますように。たかが過去の一つになってしまいますように。
命が燃え尽きるまで
私はこの子をこの命が燃えつきるまで見守り続けると誓った。
この廃れた世界で唯一生き残った私。私が生まれたのは100年前、 世界の技術が天にたどり着いた時初めに生まれた第一号機。しかし世界は天にたどり着いてしまったことで高次元の存在からの罰が下った。そして世界に生命が居なくなった。そう、思っていた。私がいつもの日課で世界を散歩しているとどこからか聞こえるはずもない人の鳴き声がした。声の方に導かれるように歩いていくと、そこにはカプセルに入れられた赤子がいた。
私は一時停止していたが瞬時に意識が戻り、カプセルを開けた。どうやら赤子は冷凍保存されていたようだ。
するとその赤子は私に向かって手を差し出してきた。
私は戸惑いながらも抱き上げてみることにした。
抱き上げる時、その冷凍保存されていた体は氷のように冷たかった。そのまま抱きしめると赤子は笑った。その鈴の音のような笑い声に私の心臓が暖かくなったような気がした。私には心臓は無いのに。赤子の笑顔を見ているとどうにも心が暖かくなる。
唯一生き残った私と奇跡的に生き残ったこの赤子.
私はこの赤子とともに生きることを決めた。
必ず守り育てると。
(1回投稿してたけどミスです)
生まれて、灯された、宿ったこの光
ゆらゆら揺れる火の様に
生きて、生きて
いつかこの火が燃え尽きるまで
私は私として
嬉しいも、悲しいも
楽しいも、辛いも
全部、全部最後まで
全うして
いつかこの日が消え、終わるまで
私は私であり続けたいな
『ひといのち』
**「滅びの剣に宿る正義」**
ある時代、世界には絶対的な正義を誓った騎士がいた。その名はシリウス。彼は若き頃から誓いを立て、民を守り、悪を討つため剣を取った。その心は純粋で、何よりも正義を信じ、そのために生きてきた。だが、彼の旅路はやがて予想もしなかった闇の中に引き込まれていくことになる。
ある日、彼は奇妙な村にたどり着いた。その村は、貧しさと苦しみが支配する場所だったが、村人たちは笑顔を絶やさず、穏やかに暮らしていた。不思議に思ったシリウスは、村の背後に潜む邪悪な存在を探し出し、打ち倒そうと決意する。
村を調査するうちに、彼は気づく。この村の平和は、村長が邪悪な儀式を用いて得たものであり、その代償として罪もなき者たちが犠牲となっていた。正義の騎士として、シリウスはこの村の平和を崩し、悪を断ち切らねばならないと確信した。
だが、その行動は村全体を破滅に追いやった。村の住人は、シリウスが自分たちの平和を奪ったと憎しみ、彼を悪魔のように罵った。彼は自らの行動が正しかったと信じ続けたが、その後、悪の本質を倒そうとするたびに、周囲の無実の人々が次々と犠牲になっていった。
シリウスは苦しんだ。正義のために悪を討つはずが、彼自身が破壊者となり、犠牲を強いる存在になっていた。しかし、彼は後戻りできなかった。自らの誓いを曲げず、正義の名のもとに悪を追い続けた結果、命が燃え尽きるまで破滅的な道を歩み続けた。
やがてシリウスは「悪しき正義の騎士」として恐れられ、伝説の中では悪そのものとして語り継がれることになる。彼の心にあった正義の炎は、悪の闇と共に消え去り、誰もその純粋な信念を知ることはなかった。
シリウスの最後の言葉は、ただ一言、「正義とは何か?」だった。
「命が燃え尽きるまで、オタクでありたい」
高校の頃、俺の友人はそんなことを言っていた。
当時オタクだった俺も当然のように同意したんだが……今の俺はオタクから完全に足を洗ってしまっている。
理由はシンプルで——そこまでの情熱を持ち続けられなかった。この一言に尽きる。
漫画やアニメは今だって好きだ。それは間違いない。が、歳を重ねるにつれ、それらを追い続ける体力がなくなっていったんだ。
家族や仕事といった大切なものが増えていったことも理由にはなるだろうが、情熱を失ったことに比べれば(言葉は悪いが)些細なことだろう。
高校生だったあの頃「いい年こいてオタクとかw」と、心のどこかで見下していた高齢オタクたちの熱量や体力を羨む日が来るなんて、想像だにしていなかった。
今も、生涯オタク宣言をした友人はオタクとしての活動に勤しんでいる。
彼がいつまでオタクであり続けるかは分からない。それこそ生涯かもしれない。が、もし彼がオタクを辞める日が来たなら、その時はお疲れ様会でも開いてやりたいと思う。野郎二人だけの、むさ苦しいお疲れ様会を……。
今はただ
生きるだけだ
生きるんだ
命が燃え尽きるまで
生きて 生きて
お前の時間を
駆け抜けろ!
命がちゃんと燃え尽きないうちに
やりたいこととかしたいこととか
できないひともいるから
だからこそ、
わたしはちゃんと、
いましたいこととかするべきことを
後悔ないようにしておいて
いつ燃え尽きても良いようにしたいと思う。
『命が燃え尽きるまで』
ふとした時に、考える。
私っていつまで、小説書いてるんだろうとか、
いつまで絵描いてるんだろうとか。
大人にならないうちに、死んじゃうかもしれないし。
今日の帰り道に事故に遭うかも。
旅行先の夜道で刺されるかも。
ご飯が喉に詰まるかも。
眠れない夜に、死んだらどんな感じなんだろうって、考える。
何も感じなくなって、
意識がなくなって、
自分が死んだことにも気づかない。
そう思うと、目の前が真っ暗になって、息が苦しくなる。
だって、必ずその時が来るんだから。
誰かじゃない、自分自身に。
だからこそ私は、この命が燃え尽きる瞬間まで、
絵が描きたい。小説が書きたい。
好きな服を身にまとって、好きなメイクをして。
そうやって死にたい。
まあ、まだ何十年も先の話だけど、お題に合ってるかなー
と思って書いた。
命を燃え尽きるまで
夢中になれることを見つけたい
それを別に仕事にしなくてもいい
燃え尽きるときに後悔だけはしたくないのだ
✦命が燃え尽きるまで✦
ふーん
僕らは命が燃え尽きるまで生きろと。
そうですか。
そんな名言お腹いっぱいなほど見たが
実際どーなんだよ。
言ってる奴らは生きて欲しいって思ってんのかよ。
実際あったら死んだらって
思うかもしれない相手もいるんだよ。
そんな奴らに適当で無責任な言葉
なげんじゃねーよ。
命を授かった分死にたい奴らは
必死に燃え尽きるまで耐えてんだよ。
そこに追い打ちかけんな。
まあこう言ってるのも同じなんだけどな。
命が燃え尽きるまで
たった数ヶ月だが私にとっては長い長い時間だった…
やっと彼と元結婚相手の縁が切れた
つい最近知ったのだが、
世の中には、
離婚しても永遠に妻気取りの頭のオカシイ女が一定数いるらしい…
彼の元結婚相手がそれのようだ
そう言う考えの人たちは、
相手が再婚しようがあくまで自分が正妻である考えが抜けなく
再婚相手にはあくまであなたは二番手、勘違いするんじゃないと言う事を平気で思っている人だ
なんなら今の彼を作ったのは自分で、感謝されてもいいくらいだと本気で思っている
……。
一夫多妻制なら正妻や第一夫人と言う言い方も理解するが
そうではない日本では、夫婦は離婚すればただの赤の他人だろう
子どもは血縁関係にあるので、他人になるのは難しいと思う
私からすれば他人が人の既婚男性にちょっかい出す頭のオカシイ女、である
そこまでして正妻に拘るのなら、離婚なんてしなきゃ良かったものの
後勘違いされているのが、今の彼を作ったのは自分だと思っている所
確かに今の彼を多くを作ってるのは元結婚相手だろう
ハッキリ言ってろくでもない男に仕上げてくれたなと思う
彼は結婚前の方が遥かにいい男だった
そりゃそうだ
私が作ったんだから
だから元結婚相手も結婚したんだろうと思う
それをろくでもない男にしか育てる事しかできなくて、
こんなはずじゃなかったと離婚
離婚後も一緒に住んだ家は何年も結婚当時のそのままで
結婚写真も捨てたくない彼
毎週会わなければならない関係
彼の車の助手席にも乗るし
犬の病院はいつも一緒に行く
彼に変わった様子はないが何かが違う
何年も犬以外の会話がなく、聞く事もできない
ずっとこんな関係、
お互いいい人が現れなければヨリを戻すかも知れない
彼には自分がやっぱり特別な女だと思うし…
とでも思っていたかも知れないが、
現実は自分以外の女と一緒に住み始めていた
しかもその女のせいで連絡まで絶たれた
私の方がいい女なのに!
と今頃わなわな震えているかも知れない
自分が助手席に座っていたのに、
でも私の方がダイヤの大きい婚約指輪だったわ!
と私と会った時は粗を探していたと思う
私はわざと違うものを選んだだけだ
他の女と同じ指輪なんて興味がない
ダイヤが大きい小さい関わらずデザインが一緒なのも気に入らない
でもカラットでは同じだったりする
私は見栄の指輪ではなく自分に似合うものを選んだ
結婚写真も今では処分した
一枚も残っていない
とりあえずかろうじて残っている昔の彼がいるから、
私は彼とこう言う関係になったのだ
何一つ残ってなければ今はない
何一つ残っていなければ彼の言う通り、彼は1人で生きていっていただろう
彼と付き合っていくのは、正直しんどいと思う
元結婚相手に言われて傷ついた心はまだ癒えていないし
ずっと頭にこびりついている
それごとひっくるめて、私は彼といようと思う
それが離婚経験者と結婚する事だと思うし
前の結婚生活のように家に帰りたくない、
居心地が悪いなんてないようにしよう
命が燃え尽きるまで、
彼と笑い合い理解し合って生きていこうと思う
犬の会話以外なかった2人が犬がいなくなった今、連絡を取る必要は全くない
新たな関係が生まれるとも思わない
頭のオカシイ女は今後も何して来るか分からないが、
妻である私が何とかする
ちなみに彼は私がよく笑うから好きだと言う
実際元結婚相手は…そう言うタイプではないと心底思った
良いお手本として、あぁ言う表情はせずき生きていこうと思う
親孝行は先立たぬ事だけ でももう
先立ったって不思議ぢゃない歳
#命が燃え尽きるまで
お題『命が燃え尽きるまで』
「命燃え尽きるまで、がんばろー!」
運動会のクラス対抗応援合戦の前、クラス全員で円陣を組み、クラスの目立つ女子が声を張り上げた。皆もそれについていくように「おー!」と歓声をあげる。
だが、私は『運動会ごときで命を燃やし尽くすな』とつっこまずにはいられなかった。私一人だけそれに参加してないことがバレないように口パクだけで合わせた。
クラスの目立つ男女がてづくりのきらびやかな衣装を着ているうしろで、その他大勢の私達がポンポン持って踊る。正直、やる気はないし、クラスの結果がどうなろうと私にとっては知ったことではない。クラスの目立つ奴から私がなんとなくバカにされていることが分かるからなおさら協力する気なんてない。
「めんどくせぇ」
とこぼす私の横から「だよな」と声が聞こえる。私と同じようにやる気ない奴がいたんだと思う。そいつは、顔がいいだけで目立つグループにいたが、最近なんかあったのか一緒にあいつらとつるまなくなったクラスメイトだった。
「あいつら、自分達が目立ちたいだけなんだよ」
「そう、そうなんだよ!」
私は思わず小声で同意した。この男、こんなに陰気だったかと思うと同時に親近感がわく。
「あいつらのことだから、自分たちだけで気持ちよくなってるだけだわ、マジできしょい」
「へぇ、君ってそんなこと言うんだ」
「言う言う、だってあいつらウザイし」
そうこう言っているうちにパフォーマンス開始を告げるホイッスルが鳴る。私達はさすがにクラスの和を乱す勇気がないので、テキトーにちゃんとやってますよ風を装った。
だから、余計なことを考える暇があるんだろう。
『こいつともっと話がしたいなぁ』
気のせいかちょっと視線を感じる。こいつも同じ考えだと嬉しいなと思ってしまった。
この命燃え尽きるまで
あなたに尽くします
愛しています
だから、そんな目をしないでください
私はまだやれます
そんな心の底から蔑んだ目を、私に向けないでください
炎がバチバチ上がっている
飲み込まれそう
ろうそくの火が揺ら揺らする
吸い込まれそう
炭が赤く光ってだんだん灰になる
吸い込んでしまいそう
命が燃え尽きるまで
誰かに影響し続ける
「絶対エモネタ書かせるお題、8月以来だな……」
日常ネタ風の連載形式を続けてきた某所在住物書きは、天井を見上げ、長く深いため息を吐いた。
前回の8月は「君の奏でる音楽」だった。
今回は命を火、炎、灯とし、燃やし尽くすらしい。
例として「今の社会は一部、あるいは大半で、雇い主が、労働者の命を使い捨てろうそくの如く使い潰してるんだぜ」と、世の不条理を嘆くことは可能だが、
それはそれで、筆が乗らぬ気分であった。
「じゃあ何書くって?」
物書きは再度、今度は羞恥とともに息を吐く。
「先月の『君の奏でる音楽』同様、バチクソ不得意なエモとファンタジーに極振りすんのよ」
前回それをした8月13日投稿分は、未だに自分で読み返すことができぬ。エモが酷く不得意なのだ。
――――――
薄暗闇の室内。外に向けられた窓は無く、中央にひとり、黒い制服の男が倒れ伏し、
は は と弱々しく、浅い呼吸を繰り返している。
力無く動かぬ指の、約30センチ先には、闇によって色の判別がつかない手提げランタンがひとつ。
ゆらり、ゆらり。ゆらり、ゆらり。
灯火を内包し、周囲を僅かだけ照らしている。
「世界線管理局収蔵、癒やしのランタン:レプリカ」
その室内に、嬉々とした嗜虐を投じる者がある。
「便利な拷問器具だよな。ぇえ?半径1メートル以内の生物から、命を吸い上げて、それを燃料に灯火を燃やすってのは?」
放置しとけばそれこそ、命が「燃え尽きる」まで。
毒も薬も残らねぇから完全犯罪が可能ってワケだ。
嘲笑と嗜虐の主は唇の両端を吊り上げる。
先月まで同僚であった筈の男が、明確に衰弱していくのを、離れた場所から見下ろすのは最大の優越。
「これはそんな道具じゃない」
息絶えだえの男が反論した。
正式名称「癒魂灯:レプリカ」。
どの世界線から流れ着いたとも、誰の手による品とも知れぬオリジナルを、それでも何処ぞの何者かが己の手で再現しようとした「まがい物」。
揺れる灯火は本来、ストレスや病によって生じた「心の傷」、魂の表層の炎症や膿だけ吸い上げるための、名前通り、癒やしの器具。
表層どころか深層の奥底まで燃やし尽くす使用法は完全に想定外であった。
「コレが最後だ、ツバメ。いい加減質問に答えろ」
カキリ。小首を鳴らし、しゃがみ込んで問う嗜虐を、
「ツバメ」と呼ばれた男が、精一杯、睨みつける。
「テメェの上司、ルリビタキ部長は今どこにいる。どこで何をしている?」
「……ご本人に聞け」
部長なら今、管理局を裏切ったお前と、お前を引っこ抜いた連中を叩きに、ココへ向かってる最中さ。
遠のく意識を懸命に繋ぎ止め、ツバメは笑った。
…………………………
「――なるほどね。たしかにこれは、難しい……」
都内某所、某アパート。 かつて物書き乙女であった社会人が、某ポイポイ創作物投稿サービスに投稿された物語を、スマホで楽しんでいる。
乙女が読むのは「書きかけ」のタグが付けられ、キャプションで「兎→燕→瑠璃鶲は確実だけど、兎×燕なのか瑠璃×燕なのかと聞かれると難しい書き散らし」と弁明されている二次創作。
投稿作を先に読んだ別の同志からは、某呟きックスアプリにて、「曲解して兎×瑠璃の可能性が微粒子」と感想を投稿されていた。
上記にて最初に倒れていたのが燕(ツバメ)、
後から出てきたのが兎(ウサギ)、
最後名前だけの登場が瑠璃鶲(ルリビタキ)である。
すなわち過去作8月13日投稿分の、まさかまさかの第2弾だが、詳細は割愛する。
要するにこの乙女の心の滋養であり、妙薬である。
「……続き、はよ、はよ……」
ぽん、ぽん、ぽん。
投稿者に感想のスタンプを連打する物書き乙女。
完結編への渇望と、結末予測の衝動をそのままに、書きかけ作品の2周目、3周目、4周目を続ける。
推しに参拝し、推し登場作品を巡礼し、尊みで乙女の命が燃え尽きるまで。
いつなん時、なにゆえ、何のために
どう尽きるかも解らない命に、
この世は支配されて動いている
どんなに偉い人だって
どんなにお金持ちな人だって
どんなに悪い人だって
どんなに気に食わない人だって
燃え尽きたら皆同じ屍
揃って物質となるだけ
なのにどうして
皆に平等な命が
恐くて憎くて目障りなのだろう
まだここに居たいと思ったり
このままひっそり灰と化したいと願ったり
何度悩ませば、
命というのは気が済むのだろう