命が燃え尽きるまで
じっと炎を見つめていた。その姿は虚ろで何か遠くにいるように感じる。声をかけてもいいものかためらっていると視線を向けられた。
何か用か?
落ち着いた声だが自分に興味はなさそうだ。
あ、あの自分が後任になるように言われたので仕事を知りたくて来ました。ご迷惑でしょうか。
後任?あぁ、そうだな。もう俺の番か…早いな。
ボソリと呟く。こっちへ来いと手招きをする。
で、何やったんだ?更生プログラムはいれてもらえなかつたのか。相当だな。
あきれたように言う。
いえ、あの政策は間違っていると言っただけです。
何故、生贄のような事を続けるのだろうかと。
政治犯か…。それでか。では、解放は難しいだろうな。
え?あなたは解放なのでは?
勘違いしているみたいだな。この炎はな、地球よりも尊いと言われた人の炎だ。命のな。ここの守り人になると言う事は次の炎になるって事だ。ここにいる間は若さは保たれるし、研究もできる。のびのびとな。だから孤独を感じなければうってつけだ。何か疑問や悩みを抱えたら交代だ。俺の場合は研究が完成したから炎になるんだよ。生きている限り。どちらにしろ解放はない。
燃え続けないとこの星は終わる。ここに住み始めた頃の約束だそうだ。星に寿命がある事を認めなかった事の報いだ。引際を炎になれば教えてやれるからな。説得要員だ。なかなか上手くいかないがな。
ポンと肩に手を置かれた。
頑張ってみるさ。有限だから出来る事もあるからな。
9/15/2024, 4:16:48 AM