「一年前」
役職者ではないが役職待遇で定年まで後一年が終わり、ただの契約嘱託社員となった。
それが一年前の事。
待遇は別としてやる事はやろうと思ったが
何なんだ?この扱いは….。
役職者会議にはまだ出ろ?
いいよ。でもさ、そこ以外で共有している事は知らないんだけど?
面倒くさい事だけか?ん?覚えろよ!
フォローすればいいのか?
忙しいでしょうからいいです。自分でやります?
出来るならフォローされるなよ。
いなくてもいいって事だよね?
経験値が貴重?
ヤダヤダ。自分がイヤになる。
出来る事は?勝手にやっておくか。
見もしないだろうけど。
すれ違いを修正できない。
契約更新はしないって心の奥深くで決めたらしい。
「初恋の日」
毎日が初恋なの!
僕はあんぐりと口を開けた。
断るにしてももっと言い方あるだろう?
えっと、毎日、違う相手にって事かな?
365日違う相手にって単に移り気なだけで、
誰にも本気という事ではないわけだ。
貴重なデータサンプルだ。
これはサンプルとして観察しなくてはいけない。
僕はタブレットにインタビュー内容を入れていく。
このサンプル提供者は僕の顔を毎回見て答える。
どこがいいとか、そこが素敵とか…
僕が誤解するのを待っているのかな?
「明日世界が終わるなら……」
世界が終わる?
明日?午前零時に?
太陽が昇ったら?
明日の基準って?
起きている間は今日だって言い張ったら?
時差がある所は?
昨日の明日は今日だろう?
右往左往する人々は短絡的な行動に走る
大多数は意味を探す
終わるなら"……" だ
あなた方のせいですって言おうか?
どうしたいんだ?
「二人だけの秘密」
顔を見合わせた。
これは黙っておく事でいいなと無言でうなづきあう。
証拠を拭う。
まだついていないか
確かめ合う
大丈夫だ。
よし
部屋を出る
テーブルの上にある皿はそのままである事に
気がつかなかった。
翌日 秘密は破られた。
ケーキ盗み食いだけで良かったね。バレたの…
「優しさだけで、きっと」
信じてはダメ。
甘い言葉。
優しい言葉。
熱のこもった求められているような視線。
それは私が欲しくないのに
どうしてわからないの?
ダメね。
感覚が惑わされているんだわ
優しさだけで、きっと
恐怖が足りないの。
美味しくないのよ。