夜景
今は宇宙ステーションにいる。地球の夜はギラギラしている所と光もない漆黒の場所がであるから面白いぞ。と、言われていたが全てが闇の中にあるみたいだ。
あぁ、あの丘に寝転んで夜空の星を数えて、星座の話しをして、帰る為に街を見た時、家の明かりが星座みたいだなと兄が笑いながら言ったな。今なら、きれいにみえるかな。ここじゃ無理か。
またここにいたのか。
一緒に志願した兄が地球を見て俺の肩をポンと叩く。
明日は出発だな。
兄さん。また、きれいな夜景見られるかな。
戻って来る事は出来ないだろうな。俺たちは。孫の孫ぐらいなら見られるかもな。あ!お前はモテないから、無理か。
兄はニヤリとすると俺の頭をわしゃわしゃと撫で回した。優しく言った。
帰ってこような。俺達だけの夜景のために。あの丘に。
うなづくしか出来なかった。
戦争と自然災害が重なり地上は人が住めない。地下生活は長く、疲弊し始めた頃、宇宙への移住先探しと資源の確保を目的としたプロジェクトが公布された。
口減しとも言われたがとちらも逼迫していた。
一眠りしたら夢の中であの丘から見た街がきれいな星座みたいに見えたらいいな。
コールドスリーブ装置の並ぶ区画に入る。兄とグータッチする。扉が閉めたと同時に真っ暗になり眠りに落ちた。
9/18/2024, 10:16:43 PM