『命が燃え尽きるまで』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
命が燃え尽きるまで
お母さんが居なくなってからほんとにたくさん頑張ってきた。
もう10年。
限界なんてとっくにオーバーして、耐えてきたこともたくさんある。
その辛さも誰にも話すことが出来ずに
自分が想う人は離れていき
信頼は無くなり、いじめは増え
何も出来なくなったこともある
生まれてしまった以上逃げることは出来ないから
命燃え尽きるまで耐えて耐えて生きるしかない
その時、命燃え尽きるまで私の隣にいてくれる人が現れたらいいな。
もしかしたらもういるのかもしれない
ね、きみ。
私と出会ってくれて 私を好いてくれて
私を選んでくれて 私と笑ってくれて
ほんとうにありがとう
ねぇ、君。自分の事、見てるかい?
うん、君だよ。君は君自身のこと、ちゃんと見てる?
自分のことは自分が一番分かってる?
それは君自身の言葉かい?
君は何か決断するとき、なにを基準に考えてる?
なんでもいい、授業中にトイレが行きたくなった時とかでもいい。
君はどうする?
それはなにを基準に決断したんだろう。
誰かからの評価?評判?
それって誰?
先生?それとも友達?それとも別に仲が良いわけでもない同級生?
それともそんなの何も気にしてない?
それって誰かからそんなの気にする必要ないって言われたからじゃない?
それは誰だっただろう。
親?それともそれ以外の大人?それともアニメとかのキャラクター?
誰かが思い浮かんだ?
きっと君が何かを決めるときってのはきっと誰かから渡されたコンパスで決めてる。
でも色んな事を思い出して。好きなもの、嫌いなもの、夢中になったもの、理由はないけどやりたくなかったこと。
そしたら誰かが思い浮かばない事がある。
君自身はそこにいるよ。そこにいる君を大切にしてあげて。
悪いことなら背中はちょっと押せないけどね。
きっとあるよ。君が忘れてた素敵な君自身。
命が燃え尽きるまで、他の誰でもない私を推したい。
好きなことをして、怪我も病気もせず、いつまでも一緒にいよう。
美味しいものを食べて、大切な人と幸せに過ごして、周囲の人を笑顔にする。そんな毎日を願ってる。
楽しい時間が続けばいいけど、泣いてしまう時もあるよね。
前を向けるまでずっと待つし、何度だって背中を押すよ。
今この瞬間を鮮明にするのは、いつだって君だから。
愛だのなんだの、そんなものくだらない
誰かと共に生きたいわけじゃない
ひとりだって構わない
結婚しないのかと聞いてくる連中にはもううんざり
今の暮らしに満足してるわけじゃない
でも、なら結婚すれば?みたいな方向にしかいかないのは
ハッキリ言って馬鹿なのか?とも思う
誰かと共に過ごす未来は想像できそうにない
放っておいてくれないか
死ぬまで己の命は己の好きに使うのさ
#命が燃え尽きるまで
命が燃え尽きるまで
そもそもあれなんだよな。命が燃えたことがないというか、そこまで熱中できることが人生でなかった。俺は惰性で生きている。
最近は小説を書きたい。完成させてネットにあげたいという気持ちはあるけどこの気持ちも食欲とか睡眠欲に負ける程度の気持ちでしかない。
今や食っては寝てバイトの繰り返し。あれほどあった創作意欲がなくなってしまった。
まだ書きたいという気持ちこそ残っているけど最近は全然書けていない。なまじ書くことに慣れたからいろいろ気になって書けなくなった。
それと単純に書くことがない。なにを書けばいいのかわからなくなった。
昔はただ書きたいものを書いていたはずなのに今はいろいろと考えてしまってなにも書けていない。
なんとかこの状態を脱したい。でもなにをしてどうすればいいのか。
人生は暗闇や真っ暗なトンネルに例えられることがあるけど正にそんな感じだ。暗闇の中でただもがいている。
命が燃え尽きるまで
私はあなたを愛し続けます
そして また出会えた時
命が燃え尽きるまで
あなたのそばに居たいのです
命が燃え尽きるまで
(本稿を下書きとして保管)
2024.9.14 藍
『我が命が燃え尽きるまで!!
姫様の命を御守りします!!』
我の目の前で、片膝を立て真っ直ぐな瞳で見つめ
真っ直ぐな言葉を述べた彼。
そう……。これから戦が始まるのだ。
戦が起きる原因…それは我、
(竹田宮家 竹田宮重春の次女 ハル)が
関係している。事の始まりは、
《信田家 信田虎之助の嫡男 正典》
との婚約破棄。
竹田宮家が、治める国は小さいながらも
山や田畑で採れる作物は、どれも立派な物だった。
それは、我の父上、重春が民を大切に想う人だからだ。
父上は、民と城を遮る大門を見つめこう言い放った。
「大門を開けろ!!」
門番の人、父上に従う者達は目を見開き
父上を止めようとした。
<何をおっしゃいますか!?そんな事をしたら、殿や姫様の身が危のうございます!>
<民たちが、命を狙うかもしれませぬぞ!!>
皆が、父上を取り囲いながら皆口々にこう答えた。
そんな中、父上は一際大声で言い放った。
「無礼者!!これでは民の声が聞けぬ!
門が閉じられていては!民が助けて欲しい時に
手を貸せぬ!民を守る事も出来ぬ!!
儂は、そんな情けない事は死んでもせぬぞ!」
その一言に、シン…と周りは鎮まった。
国を治める主が起こした、この言動は民達にも広がり
皆が、驚いていた。殿様が…??と。
大門が開かれた時。この門は本当に開かれるのか?
疑っていた、大勢の民たちは大門の前に集まっていた。
父上も我も、大門の反対側にいる事は知らない民たちは
我らの姿を見た瞬間、跪いた。
「民たちよ…顔を上げなさい。
この門は、いつでも開いておる。助けてほしいときには
力を貸そう。儂と話がしたいのなら話そう。
先代は、門を閉じ民たちの声を聞こうともしなかった。力も貸そうとはせず、年貢を取れるだけ全部
取っていった。そして…苦しんだだろう?
……儂は、そんな事は死んでもせぬ。
民も、丹精込めて作った物を腹いっぱい食べたかろう?
だから、全部は奪わん。半分は民たちへ半分は我らに
納めること。
それから…必要なものがあれば、此処へ来なさい。」
父上の言葉に、民たちは泣いていた。
この、話が隣接する信田家の耳にも風の噂で入ってきた
風変わりな殿様が居るらしいと…
信田家は、海に近いから魚が多く穫れる。しかし
山もなく辺りは平坦な地形、そして海風が強く当たる
場所なため作物も枯れることが多かった。
その分、乾物は良く乾き作れることができた。
米が作れぬ……野菜も作れぬ…年貢も納められていない
民の身体は、痩せ細っていく。儂が治める国は、どうして先代からこうなんだ?どうにか出来ぬのか?
頭を抱えていた信田家の
殿、虎之助がある事を思いつく。
『確か…。重春殿の次女ハル様は…
未だに、婚儀をあげてぬなぁ………』
ニヤリと怪しい笑みを浮かべた虎之助は、近くの使用人へ正典を連れてこい。と告げた。しばらくし
❲父上…お呼びですか?❳と、正典が部屋に入って来て。
ドカッと、儂の前で胡座をかいた。
ニコニコと、笑みを浮かべながらワシは言った。
『お前…重春殿の娘に婚儀の申し入れをしろ。
儂が、文を重春殿に送る。』
❲……はっ?…今、何と??❳
『重春殿の次女ハル様と、婚儀をすれば
国の拡大と、米、山の物、野菜が採れる
ワシらにも手が出しやすい。反対に、彼等には海の幸が
手に入る。魚の乾物に塩が与えられる。
良い考えだろう?』
❲しかし…私には許嫁のシンがおります。❳
正典には、すでに嫁にすると約束した相手がいた。
武家の娘 藤原家 藤原新左衛門の長女 シンだ。
正典も変わった考えの持ち主で、信田家を去り藤原家へ婿入りをすると心に決めてから、祝言の日取りも必要な物も用意をしようと考えている最中だった。
『あぁ…あれな。破棄にしたわ』
シンとの祝言に元から反対していたワシは
何だ…つまらぬ話か。と、真顔でアッサリと答えた。
❲……!?…父上!!❳
あまりの事に、驚きと怒り、憎しみが正典の中で
渦を巻いた。
❲何故!このような…❳
『何故?武家の家に婿と入る事自体、ワシの恥だ。
それに、年貢も納められん民たちの下で暮らしたら
のタレ死ぬのが、目に浮かぶわい。ハル様と婚儀をあげたら、何もかもが手に入る。
何もかも……な。……そうそう…ホレ』
懐に隠していた文の束を、ボンッと雑に正典の方に
投げ捨てた。その弾みで文は散らばった。
正典は、文を拾い集めた。其処には、〘信田正典殿〙
と書かれていた。封を後ろに返すと、そこには
〘シン〙と書かれていた。
『話は終いだ。さて…と。』
ワシは、スッと立ち上がると計画に移ろうと動き始めた
正典は、封を見つめたまま動けないでいた。
どのくらいの時間、そのままでいたろうか?辺りは、
日も傾いて来ていた。正典は、腹を括り封を切った
中から、文を取り出すと…一呼吸置いてから
文を広げ始めた。
文の内容は、こうだった。
会いたい。そなたを想う気持ちが綴られていた。
2通目も、同じように封を切ってみた。
内容は、見合いを申し込まれたが約束した相手が居ると
見合いを断った事。
3通目、4通目も同じように封を切った。
内容は、いつもは、返ってくる返事を何故寄越さないのか?きっと、忙しいのだろうな…。と、寂しい気持ちを文に綴られていた。
5通目の封を切って、文を広げた時だった。
内容は、隣の国の姫君との祝言の事が書いてあった。
民たちの間で噂になっていると、それは事実か?と
それから…使いのものが来て多額の金を持ってきた事
父母は、多額の金を喜んで受け取り、祝言を破棄された事。反対したが聞き入って貰えなかった事。
元から、父母は正典殿との婚儀に反対だった事。立場も地位も違うだろう。と、言われた事。
何もかも失った私は、何を希望とすれば良いのだろう?
私は……。
……そこで終わっていた。
正典は、最後の封に手を伸ばした。
そこで違和感を覚えた…何だ?
それが、分からないまま封を切った。
文を広げた瞬間に、違和感の正体が判明した。
文の文字が、シンの字では無いのだ。
シンの妹、すゞからであった。
父母と大喧嘩した事。
姉は……家を出て行った事。夜になっても帰ってこない
朝になっても帰ってこない。
そして、姉は沼地で見つかったと。
2度と目を覚まさない。息もしない姿で。
姉は、死んだ。姉を返せ!怒りと憎しみの内容だった
正典は、静かに涙を流した。
殿が憎い……隣の国の姫君が憎い…。
その瞳は、憎しみがこもっていた。
信田家での出来事から5日後の事であった。
大門を開けたその日から、大勢の民たちは城へ行き来していた。壊れた橋を直すのを手伝って欲しい。とか
家で採れた野菜を食べて欲しい。農具が壊れてしまって困っている…などが数多く。
父上が、職務で会えぬ時は我が話を聞いてあげた。
壊れた橋を直す時は、人手が空いている者や力がある者に声をかけた。
家で採れた野菜を持ってきた者には、料理をし民や城の者で分け合い食べた。
農具が壊れてしまって困っている者には、手先が器用な者や知識がある者、鍛冶屋に壊れた所を直してもらう為
の金銭面の援助をも行った。
そんな毎日を過ごしている中で、例の文が届いた。
父上は、文の内容を読みとても驚いていた。
「ハル…信田家が…見合いをせぬか?との話だ」
[見合い…ですか?しかし…]
「……?しかし何だ??」
[…いいえ。]
我は、口を濁した。その理由は…想い人がいるのだ。
これは、誰にも知られてはいけない。
そして言えぬのだ。
父上は、不思議そうな顔をしたが、それは一瞬だけだった。すぐに、文を見つけ呟いた。
「しかし…何故、こんな急な話になったのだろうか?
何か、理由でもあるのか??」
実は、信田家の良くない話は、職務で出向いた時に南の国の城でも、北の国の城でも噂を聞いたことがあるのだ。民が痩せ細り流行り病にかかり大勢が死んでいる話
海風のせいで、作物が枯れて育たない話
虎之助殿が、金遣いの荒いと噂が多数。
確かに、竹田宮家が治める国は作物が豊富に採れる。
山もあり、海風は入ってこない。しかし、海が無いため海の物は捕れぬから隣の国まで、山の物を売りに行く時に買い付ける不便さは有る。夫婦になれば両方が穫れる
かもしれぬが……うーん。
「……よし。誰か!朝霧を呼んでくれ!!
あやつの考えが聞きたい!」
父上は、大声で使用人に声をかけた。
朝霧…。その名を聞いた時に我の心臓はドクンッと
一際大きく脈を打った。
しばらくすると、庭からバタバタと足音が聴こえてきて
使用人と共に男がやって来た。
男は、殿と我の前で片膝を立て、顔を伏せた状態で
こう云った。
『朝霧蔵之進の助 鬼丸 只今此処に。』
「うむ。朝霧、顔をお上げ」
はっ。と、返事をした後に顔を上げた朝霧。
髷を結っていない美しい色の黒髪と瞳
左目の下には小さいホクロが1つ
そして、細身なのに引き締まっている身体
戦が起きた時に先陣に向かい嵐の如く蹴散らす
ついた異名は、(竹田宮の守護神)や(鬼神)
我は、鬼丸を見つめ
相変わらず美しい人だな…。と思っていた。
幼い時から、我らの身を護ってくれて民の命も
護ってくれているこの人は、…我の想い人だ。
そんな事を知らずに父上は、文の話を説明していた。
文を見せてほしいと、彼は頼むと
父上は、それに応え文を手渡した。
「お前の意見が聞きたい。どう思う…?」
『……。殿
この話は、無かったことにしたほうが良いかと存じます。実は、先の戦で妙な話を耳にしました。一人の娘が沼地で命を絶ったと、気にはしなかったのですが、その話には続きがあって、城から多額の金を受け取った。と、酒に酔いつぶれていた男が騒いでおりました。なので、その男に尋ねたのです。何故、城から金を受け取ったのか?そしたら、うちの娘と城の正典様が祝言をあげるのを取りやめるためだー!金に困っていたから、この話に乗ったんだ……と。』
「その話は、いつ…?」
『確か…大門を開けた日です。』
父上も、我も…一瞬、息をするのを止めた。
大門を開け、民と共に地位も関係なく豊かに過ごすことを願って行動を起こした父上。
自分の私利使用の為に、娘の命を奪い祝言の約束を破棄し憎しみしか生まれなかった…そして…
竹田宮家が治める国までも、民までも我までも奪おうとするもう一人の父上。
「……お前の意見を聞いて良かった。
罪もない娘の命が奪われたんだ。やはり、悪い噂は本当だったんだな。礼を云うをぞ朝霧。
文を用意してくれ!返事を書く決心がついた。
朝霧…仮に戦になったらハルを命を懸けて護れ
護れなかったら…儂がお前を殺す。
それを忘れるな。良いな!!」
※そして、話は冒頭へと繋がる※
余命1年、なんて。マンガやアニメ上の話だと思ってたのに...
自分が、だったらまだ良かったかもしれない。心の準備ができるし、お別れだって、ちゃんとできる。君にだって、僕の全てを残して去れる。
...一番は、君よりも僕がなった方がマシだってことだけど
君は、言った。
「余命が、一年だって...医者に...もう、なおらないって...っ」
震える声で、申し訳なさそうに...
それから、君と僕はずっと泣いたよね。一緒に泣いてやれることが、一番大事だって思った。
しばらくして、僕はいった。
「君と僕が入れ替われたら良いのに」
君は
「ごめんね。こんなことになっちゃって」
また、申し訳なさそうな表情をした。
「ごめん、責めるつもりはなかったんだ。ただ...やっぱ、寂しいなって。余命宣告されたのが僕だったら、まだ君は生きれたのにって...思っちゃって」
「......」
沈黙が流れる。一番辛いのは君なのに、なんで僕はこういうことしか考えられないんだろう。
長い沈黙の末、君が切り出した
「命がなくなっちゃうまで、...燃え尽きるまでは、全力で生きるよ」
目頭が熱くなった。こんな時でも君は、僕の気持ちに配慮してくれる。...だから
「僕も...全力で応援する。いろんな所に行こう。たくさん思い出を作ろう。今までの人生以上の楽しい時間を、一緒に作ろう。わがままを、言ってよ。どんな馬鹿げたお願いも、聞くからさ。笑わないし、本気で叶えるからさ。君が、『僕とすごして良かった』って思えるくらい、楽しい一年にしよう」
「.........うんっ」
君は泣いた。でも、今までで一番嬉しそうに笑った。
#命が燃え尽きるまで
そこに山があるから、みたいなことなんでしょうね。
なにか理由でもつけないとやってられない質なんでしょう。
目の前に転がってる肉を食べるのにも一々理由をつけたがる。
勝手に食えばいいじゃないですか、面倒くさい。
そこにあるから食う、腹が満たされたから寝る、それじゃあ獣と変わりないって嫌がる。
どんだけ取り繕ったところで獣に変わりないというのにね。
哀れなもんですよ、人間ってのは。
テーマ「命が燃え尽きるまで」
お腹の奥底が熱い。
全身が震えて足に力が入らない。
あぁ、生きているのだなと実感するのは命が惜しいからだろうか。
いざ直面するとこんなにも恐ろしいのかと、
こんなものに立ち向かっていたのかと心を挫かれそうになる。
世界平和だとか、誰かを守る為だとか、
そんな大義名分はいらない。
自分が生きていた証を残すためだけの自己顕示欲。
今足を動かす理由は
ただ、それだけだ。
【命が燃え尽きるまで】2024/09/15
お題:命が燃え尽きるまで
※このお話はフィクションです。実在する個人、団体とは一切関係ありません。
【注意】
作者が天体観測の知識ゼロなので、自分の中でのふんわりとした印象のまま特に調べもせずに書いています。おかしな所があるかもしれませんがご容赦ください。
◇ ◇ ◇
命が燃え尽きるまで、あと二十五分。比喩なんかじゃなく、本当のことだ。
僕の───否、“僕達の”命はあと二十五分で尽きると想定されている。
突然すぎる話だけれど、僕達が今住んでいる惑星、“地球”には巨大な隕石が向かってきているらしい。そして、ついさっき隕石が地球に衝突するまであと三十分だと発表され、人々は混乱に陥っていた。
日が傾き始め、街には橙が差している。きっと、人々はこのまま夜を迎えることなく、誰もが黄昏時に永遠の眠りにつくのだろう。それは僕も例外ではなく、本来ならもっと焦るべきなのだろうが、自分でもおかしいと思う程に冷静だった。
そんな僕は今、自分の母校である中学校の屋上に侵入し、人生最後の夕焼けをじっと眺め、目に焼き付けていた。
今日は高校で同じ天文学部に入っている、中学時代からの同級生と天体観測をする予定だったのだが、おそらく彼女は来ない。この地球はあとほんの数十分で終わるのだ。だから、別に今ドタキャンをされようと困ることは無いし、何ならドタキャンと言えるのかどうかも分からなかった。
スマホのデジタル時計は、隕石が衝突すると発表された時間から五分進んでいて、僕達が自由に生きられる時間は段々と減っている。
そういえば、と観たい映画があったことを今思い出した。週末に観るつもりだったのだが、こうなってしまえば観ることはできない。それだけは少々心残りかもしれない。
なんて考えていると、立ち入り禁止の屋上の扉が開いた。扉の方向を振り向くと、そこには天体観測をしようと約束していた友達が居た。肩で息をしているので、大急ぎでここに来たことが伺える。
「ごめん……待ったよね」
別に待っていない。夜が来る前に僕達は死ぬから、天体観測をするということはもう出来ないから、約束も無かったことになる。それに、彼女には病弱な妹が居たはずだ。僕は、彼女はずっとその妹の看病をしながら一生を終わらせるつもりなんだろうと思っていたのだが、違ったようだ。
「妹は? 妹が病弱なんじゃなかったっけ」
僕がそう問いかけると、彼女は首を縦に振った。じゃあどうして、と聞く前に彼女からここに来た理由が話された。
「最後まで姉として居るのが何だか嫌で抜け出してきちゃった」
「……あと、最期は私が一番好きなことをしながら終わりたいと思ってさ」
そう話していた彼女をよく見てみると、天体観測に必要な道具を一式持ってきているようで、本当に天体観測をするつもりのようだった。
「今日の日の入りの予報が今から約二十分後なの。予報通りなら、少しくらい見えると思って」
彼女はそう話しながら荷物を下ろして天体観測の準備を進めていた。しかし、僕はもう天体観測は出来ないし彼女もここに来ないものだと思っていたから、天体観測に必要な道具はひとつも持ってきていなかった。
僕がそのことを話すと、彼女は笑いながら「そうだと思った」と言い、続いて「それでもいいよ」と言った。だから、僕は天体観測の準備をしている彼女の隣にそっと座り、夕焼けを眺めた。
◇ ◇ ◇
隕石衝突まで、あと五分。
僕達二人は、立ち入り禁止な中学校の屋上にこっそり忍び込み、人生最後の天体観測をしようとしている。さっきまでは、日が沈むのを待ちながら、彼女の持ってきていた菓子を時々つまんで雑談をしていた。
そして、今日は予報通りに日の入りしたらしく、どこかの日の入りの瞬間をライブカメラで見ていたらしい彼女は徐に立ち上がった。そこで、僕が密かに抱いていた疑問を彼女に問いかけた。
「日の入りした直後にすぐ天体観測って出来るものなんだっけ?」
僕がそう言うと、彼女は硬直した。おそらくそこまで把握していなかったのだろう。そんなことあるのか、なんて思いながら僕は立ち上がって空を眺めた。
「まあ、今くらいの時間帯の空も綺麗だよね」
フォローするような僕の言葉に、彼女は必死に頷いた。あまりにも必死で僕は少し笑ってしまったのだけれど。
結局、天体観測は出来そうにないなということで、僕達は菓子をつまんで雑談をし、空を見ながら終わるということになった。ちなみに、彼女が言うにはこれも立派な天体観測らしい。
スマホで表示しているデジタル時計の時刻が少しずつ進む。それと一緒に僕達の時間も少しずつ減っていて、終わりの時間も少しずつ迫ってきている。
ついに、あと一分になって、空も先程と比べると随分暗くなっていた。
その時、隣に居た彼女が声を上げながら空を指さした。その方向を僕が見ると、そこにはひとつの星が空に浮かび上がっていた。それが彼女にはとても嬉しかったようで、興奮気味に僕に話しかけてくる。
「うん」
僕は頷いて、空に浮かび上がっている一つの星を見つめながら、これが人生最後に見る星なんだな、と考えていた。
すると、突然空が明るくなり、星は見えなくなってしまった。おそらく、隕石がやって来たのだろう。終わるのは案外早いな、と思いながら、僕は屋上の冷たい床に横たわった。命が尽きる前に自分から眠ろうと思ったからだ。彼女が僕のことを心配そうに見つめているのを視界の端で捉えたけれど、おそらくもう目覚めることは無いので心配する必要も無いだろう。
◇ ◇ ◇
全てが終わった世界。人々が最後に見上げた、日が沈んだばかりの空には、一点の星が浮かんでいたんだとか。
──終──
命が燃え尽きるまで
お父さん! 昔は無口で頑固で誰も逆らえなかったお父さん…
今は「頼むなー ちょっと来てくれないかー」とすっかり小さくなって…私に怒られてるね。
「長生きなんかするもんじゃないなー」って言うけど…
やっぱり長生きして欲しいんだよ…命が燃え尽きるまで
「命が燃え尽きるまで」
俺たちの終わりなんか検討もつかないしどんな風なのかも分からない。どっちが先にいなくなるかも。だからこそお前をお前だけをただ愛して大切にして俺がいた証を記憶に刻みこもうと思うんだ。俺がいなくなるその時まで。
“命が燃え尽きるまで”
ずーっと彼の隣に居たい。永遠に彼のことを考えていて、「彼も私のことで頭をいっぱい」にしてくれる。こんな幸福、他にあっただろうか?今の関係では、そんな関係になるなど夢のまた夢だとしても、夢を、見せ続けて欲しい。
仮に今、「彼が私のことで頭がいっぱい」になるときがあるとしたら、どんなときだろう…?私の成績が急激に下がった時や、彼の担当教科の単位を落とした時だろうか。それとも、先日提出した作文の内容が、先生に対するセクハラだと察せられた時だろうか…。実はこれが、一番濃厚なのだ。夏休みが明けて、やっと彼に会えたのが嬉しかった私は、うっかり先生への恋心を少しだけ、ほんの少しだけチラつかせてしまったのだ。それも、作文という彼の授業を理由にして。これも口頭で説明したわけではなく文章で綴ってしまったので、恐ろしいことに、原文が残ってしまっている。
恐らく「先生に対するセクハラ」ではなく「生徒が教師に恋をしてしまっているのでは無いか?」という不安だろうけれど、これがバレてしまっては今までの関係も(特に関係性はなく教師と生徒以外0に限りなく近いが)崩れてしまう。この恋心を必死に隠しながら彼のことを好きで居続け、今なら彼にお近付きになれる…!というタイミングが私を招くまで、すなわち、“命が燃え尽きるまで”彼のことで頭をいっぱいにしておかなければならないという、私の、私だけの使命なのだ。
「命が燃え尽きるまで」
明るく激しく燃え上がることもなく
ずっとくすぶったままでいいかもしれない。
ふとした時の赤々としたきらめき。
そのぬくもりを感じることができたら
それだけで十分だ。
「命が燃え尽きるまで」
長生きよりも後悔しない生き方がしたい
なぜなら
命が終わる時に
「いい人生だった」と言いたいからだ
人生を振り返ってみると
自分の人生を
時に分かれ道に迷いながら
もがきながら進んできたはずだが
満足していない自分がいる
でも
だから今
自分に投資して挑戦している
明日生きている保証なんてない
だからこそ
長生きよりも後悔しない生き方がしたいと思うのだ
命が燃え尽きるまで
50代
この歳になると、大切な友人などとお別れすることもある
自分もいつか、お別れする時まで、いつなのか分からないけど、
いつまでも春に桜を見れるわけでも、
夏の暑さに、うんざりしたり、
秋の食欲に負けて、太ったり、
冬の寒さに凍える
訳もなく、いつか終わる
分かってる
命が燃え尽きるまで、
一生懸命生きてみようと、日々の生活を反省することもあるけれど
この、だらしない私自身のスタイルを貫いていくのかな?
燃え尽きる間際に、何を思うのか?
楽しみだ。
#命が燃え尽きるまで
夜中にアレが出た。
(苦手な方は読まないでね)
びっくりするくらい大きくて真っ黒で、つやつやしたのが壁にいる。
大嫌いでずっと気をつけて対策しているのに、どこからやって来たの。
半泣きで闘ったが、殺虫スプレーが弱くていつまでも仕留められない。
アレは部屋中逃げて暴れ、やったと思ってもまだ動く。
ごめんねごめんね…とスプレーを吹き付けながら、やっと終わった時にはへとへとになってしまった。
命の炎はすごい。
あんな小さい虫でも最後の最後まで抗って中々消えないのに、まして人間ならそんなに楽に死ねるわけないわ…としみじみ思った。
命が燃え尽きるまで
歌うたいは唄うよ
こんなに素敵な言葉がある
短いけど 聞いておくれ
愛してる