君の奏でる音楽』の作文集

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君の奏でる音楽』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

8/13/2023, 9:35:26 AM

【君の奏でる音楽】


私の通う高校にはいわゆる七不思議がある。
誰かを探す屋上の幽霊とか、夏休みに起こる神隠しとか。
長年勤める先生なら正体を知っているものもあるらしい。
中でも一番新しいのは、旧校舎のひとりでに鳴るピアノ。

下校時間を過ぎたあと、誰もいない場所から音がする。
埃っぽい旧校舎で、その音楽室だけはきれいな状態。
怪しんだ教員が近寄ると、鍵盤が勝手に動いていた。
おぼろげな記憶だけど内容はこんな感じだったはず。

真実を確かめようにも下校時間以降は残れない。
生活指導の先生が見回りを実施していると聞く。
しかし、長期休暇の部活動だけは例外となる。
書類を提出し、許可を取れば遅くまで活動できる。

つまり、普段は帰宅部同然の創作部でも残れるのだ。
ゆるい部活で、部長の私は変わり種を書いている。
それは楽譜。会誌にも自作のものをたまに掲載している。
怪奇はどうせ人間の仕業だけど、その動機は何だろう。

八月中旬、理由をでっちあげて一週間の許可を取った。
旧校舎への立ち入り自体は禁止されていない。
不気味がって誰も近寄らない音楽室を目指して歩く。
校舎に入った瞬間から、例のピアノの音は響いている。

扉に手をかけて引けば、なるほど、確かにきれいだ。
ここまで、いかにも壊し待ちみたいな雰囲気だったのに。
下校時間後、旧校舎の音楽室、――鍵盤に手を置く、人。
見慣れない制服姿の君は知らない曲を演奏する。

「曲名も楽譜もない。弾きたければ勝手に耳で覚えて」
残念ながら、君に会えたのは初めの四日間だけだった。
七不思議と違い、君のいない日にピアノは鳴らない。
だけど、私は忘れないようにあの曲を弾き続けている。

少しは上手くなったかな。君は、どう思う?

8/13/2023, 9:33:09 AM

年下の君が好きだと言っていたオルゴール。
 僕は嫌いだった。
 寂しくて心細い音。
 その音色が好きになったとき僕は、
 君に近づけたような気がした。
 だから、僕はもっと聞いてればよかった。
 君の好きな音色を。
 君の奏でる音色を。
 年上の僕はいつも子供で
 年下の君はいつも大人に見えた。

8/13/2023, 9:23:13 AM

君の奏でる音楽

「先輩って、楽器とか出来そうですよね」
 部室で詰将棋を持ち出して遊んでいると先輩に乱入されて、普通の将棋になってしまった。パチパチと駒を置く音を響かせながら、俺は先輩の細い指先を眺める。
「急だね。どうかしたの?」
「なんとなく?」
 こうして夏休みにほぼ毎日顔を合わせているというのに、相手のことを全く知らない事に気がついた。俺の知っている先輩の事といえば、名前と学年、好きな食べ物と嫌いな食べ物、事件に巻き込まれやすい事、好奇心が旺盛すぎるところぐらいだ。
「楽器は一通り触らせられてるけど、得意なのはそんなにないよ」
「そうなんですか?」
「うん。学園の七不思議を調べる時にピアノをちゃんとしておいたら、楽しいかなって思って練習してるけどね。強いて言えば、僕の得意楽器はピアノかな」
 白い指先で鍵盤を叩く先輩を想像してみる。うーん、似合いそう。先輩は胸を張って、俺に笑いかける。
「君が聞きたいって言うなら、第三音楽室を予約してきてあげてもいいよ? 一年生はまだ教室の予約出来ないでしょ」
「あ、普通に聞かせてくれるんですね。俺はてっきり、僕のピアノが聞きたいなら夜中に忍び込んで七不思議を確認ついでに聞かせてあげるよ! とか言われるのかと」
「すごい声真似上手いな……。流石に僕もそんな非常識な事は言わないよ?」
「ああ、先輩にもその辺りの常識が残って」
「七不思議の確認をするなら、しっかり準備しなくちゃいけないだろ! こんな突発的に計画したら危ないじゃないか」
「ちょっとズレてるけど、先輩らしくって少しだけ安心しました」
 先輩が不満げな顔をする。話しを微妙に逸らそうか。
「……学園の七不思議って前に調べたって言ってませんでした?」
「うん。そうだよ」
「それなのにまた調べたいんですか?」
 言ってなかったっけ、と首を傾げながら言う先輩が言葉を続ける。
「うちの七不思議は定期的に変わるんだよ。僕が調べた時と全然違うのになっちゃったから、また調べなきゃ」
「……この学園、なんか変じゃないですか?」
「とても変だよ。だから、入学したんだ」
 嬉しそうな先輩に王手、と言うと途端に絶望の表情になるので面白い。
 感情がくるくる変わる先輩のピアノの音も面白い音がするのだろうか。聞かせてもらうのが、楽しみだった。

8/13/2023, 9:21:02 AM

タクトを手に今奏でる君だけのメロディを

どんな時でも規則正しい心音
ぎゅっとつめられた想いは口から紡がれる君だけの言葉
べつべつになっても支え続ける足は歩みをとめず
きっとチャンスは平等に... 両手いっぱいにつかまえよう
ぼくにであって音と音がぶつかって、交じって

さぁ、これからおもしろおかしく
きみの…
僕たちの音楽を




#君の奏でる音楽

8/13/2023, 9:20:21 AM

今日も君と会う。
君とはもう10年の付き合いだね。そうつぶやく。
だが返事は帰って来ない。
君と僕の奏でる音楽は最高なんだ。ほら、前はニュースにもなったよね。
僕たちに才能がないんじゃない、世間が僕たちのことを分かって無いだけなんだ。
だから、、、諦めたくないよ、、、君との夢を、、、
帰ってきてよ、、、



あの日、ステージ上でセットが崩れ、僕の相棒は居なくなった。
その時の思いを歌に綴ると、瞬く間にヒットした。
世の中は非情だよ。君がいなかったら何もかも意味がないのに。
ヒットするという夢は叶えたけど、心は埋まらない。



僕はなぜ生き残ってしまったんだろう。


1「君の奏でる音楽」

8/13/2023, 9:12:16 AM

君の奏でる音楽

君の声は、私の心を良くも悪くも動かすもの。
君の声は、とっても優しいけど
聞いていると、胸が締め付けられてしまうんだ。

君のことがずっと好きな、彼女の私の独り言。

8/13/2023, 8:54:58 AM

放課後の音楽室。
 わたしとあなた。
 二人きりだけの世界。
 そこで緩やかに奏でられるピアノ曲。
 今のあなたの唯一のオリジナルらしいけど。
 わたしとあなた。
 知っているのは二人だけ。

 いつかこの音楽は。
 誰もが知るようなものになるかもしれない。

 そうなったらすごいことだけど。
 どことなく寂しくも思う。

 君の奏でる音楽はあまりにも素晴らしくて。
 独り占めしたいだなんて。

 そんなワガママ。
 絶対に言わない代わりに。
 今だけはわたしだけのために弾いて欲しい。

 と、そう願う。



【君の奏でる音楽】

8/13/2023, 8:54:55 AM

私の世界に、音楽はない。
美しい音楽も、悲しい音楽も、私は持っていない。
ただ、胸が張り裂けるようなこの想いを音楽にしたら、どんな音が奏でられるのだろうか。
君が奏でる音楽を聴くことが出来たら、
私の心は動かされるのだろうか。

8/13/2023, 8:34:51 AM

やはりアメリカは車がないと不便なので、免許と車を持ってる子にお願いしてみんな夜な夜な運転の練習をするようになった。その夜も男の子たち数人で運転の練習をした後、うちに寄る予定だったから、ずっーと待ってたんだけど、朝になっても来なくて。もう外が明るくなった頃やっと来たんだけど、みんな憔悴しきってた。サカイの説明では、住宅街で運転の練習をしていたところを住民に通報されてしまったらしい。複数の警察車両に包囲され、しかもライフルを向けられホールドアップ。後ろ手に手錠をかけられ、ひとりずつ車に乗せられたのだと。まだ英語で十分にコミュニケーションが取れなかったため、日本語の分かる刑事を呼んでもらい説明して解放してもらったのだと。
手首には手錠の後が赤く残ってた。
あの時は本当に怖い思いしたね。

8/13/2023, 8:32:40 AM

熱波も過ぎ去り、ようやく人心地つく今日この頃。

寒暖の差が激しいのか、既に庭のブドウは赤紫色に色付いて、ほんのりと秋の匂いを醸し出している。

試しに採ってみたが、まだまだ甘みは薄く梅干しのように酸っぱい。

もう少し待てば良かった、と白い袋ごとザルに入れて流しの横に放置。誰かが食べるだろう。

 そのまま夕飯の支度をする。

今日は焼き魚だ、エラと内蔵を喜々としてえぐり出し、流水で丁寧に中を洗う。

鱗とゼイゴを取って、背と腹に包丁で薄く切れ目を入れてから、魚の表面にお酢を塗りたくってからグリルに並べる。

グリルのスイッチを押すとチチチと音がして、青い炎がボアっと奥から吹き出した。

 そのまま魚が焼けるのをグリルのガラス面越しに眺めていると火災報知器がけたたましく鳴る。

ぎゃあ、カボチャが黒焦げに!報知器煩い!臭いっ。

焼き上がりを知らせてくれるグリルの音が呑気にピーっと鳴った。

テーマ「君の奏でる音楽」

8/13/2023, 8:24:19 AM

君の奏でる音楽で私は救われた。

救われたなんて馬鹿馬鹿しく思うかもしれない。

でも私はそう思った。

私も君と同じ何かを作り出す人間になりたい。

今度は私が誰かを救う立場になりたい。

8/13/2023, 8:14:17 AM

小さな赤いピアノ。いわゆる"おもちゃのピアノ"。
30年前、私が生まれた日に父が買ってきたらしい。
「気が早いのよ、昔っから。赤ちゃんが弾ける訳ないのに、ねえ」と母が苦笑いしながら教えてくれた。
鍵盤に触れてみる。チンとズレた音がする。
幼稚園から小学校低学年くらいまではよく弾いていたように思う。しかし他に夢中になることが増えると、すっかり見向きもしなくなっていた。
弾かなくなってからは、納戸にずっとしまい込んでいたのに、最近父が引っ張り出してきたらしい。
「昔を懐かしんでいるのかしらね」と母が言うから、しみじみ感傷に浸っていたら、玄関が開く音がした。
一緒に出かけていた父と夫が帰って来たようだ。

「ただいま!」とリビングに入って来た2人。夫の手には大きな箱。いそいそと箱を開け始める夫とその横でニコニコしている父。箱から中から出てきたのは小さなグランドピアノ…。
「これは?」驚きながら聞く私に、夫は満面の笑みで「もうすぐ生まれてくる我が子に!」と答えた。
母を見ると「お父さんより気が早いわね」と苦笑いしている。父を見ると「いやー、彼に我が娘への初めてのプレゼントの話をしたらな…」と意気揚々と語り出した。

私は大きくなったお腹を撫でながら、困ったパパとジイジね…と我が子に心の中で語りかけた。


―――贈り物



                #40【君が奏でる音楽】

8/13/2023, 7:58:22 AM

微かに繊細で綺麗な歌声が聞こえてくる。
耳が痛くなるほどの高音ではないが、脆くてすぐ壊れそうな歌声だ。
俺はその声で目を覚ます、どうやら俺は、彼女の膝の上で寝ていたようだ。
歌声を奏でていた彼女は、少し申し訳なさそうにしつつ、でもふにゃっとした顔で
「あ、起きちゃったかぁ…ごめんね、寝てたのに私の歌声で起こしちゃって。」
と言った。
俺は彼女の肩にかかる髪を撫でながら少し顔を上げて
「ううん、大丈夫。歌上手いから聞いてて心地よかったよ」
と囁いたら彼女は頬と耳を紅く染めて「えへへ」と笑った。
俺はこんな顔で笑う彼女のこの可憐な歌声、彼女の奏でる音楽は彼女の美しい感情が出ていると思う。
君の奏でる音楽

8/13/2023, 7:37:27 AM

放課後。

蝉が鳴く真夏。

今となっては使われていない音楽室で、

君はピアノを演奏する。

曲名は無名。

そう、勝手に僕は名付けている。

聞いたことが無い旋律が、僕の耳に届く。

腰くらいまである、長い黒色の髪を揺らして、

君は激しく、かつ、美しく音色を奏でる。

話したことなんて一度もない、そもそも違うクラスだし。

でも、彼女の音楽はとても好きだ。

なんだか、音が生きているような気がするから。

〜君の奏でる音楽〜

8/13/2023, 7:31:25 AM

「君の奏でる音楽はつまらない」

僕の心は奈落へと落ちた。

8/13/2023, 7:01:28 AM

君の奏でる音楽のように、この世の世界も自分のこころも綺麗だったらいいのにな

8/13/2023, 6:58:52 AM

中学高校吹奏楽部の君の奏でる音は、
耳に優しくでも心に響き、
耳に残り何回も聞きたくなる。

大学でも君の奏でる音楽を
聞くことが出来たのは、
とても嬉しい事だった。

でも大学卒業したあと、
君は直ぐに音楽を辞めた。

『どうして辞めたの?』なんて、
聞く勇気は僕には無いし。
それに、音に詳しくない僕には、
聞く義理がない。

僕が聞いたとしても無視されるだけだろう。

でも、今年27歳。
大学卒業から5年は経つ。
今更かもしれないけど、
僕は急に聞きたくなった。

そしてメールで君にメッセージを送った。

『久しぶり。皆森翔葉(カイモリショウヨウ)です。
 君の音を聞きたくなったんだ。
 久しぶり聞けたりしないかな?
 無理かもしれないけれど、
 考えてみてくれたら嬉しいです。』と。

数時間待つと、メールが一通届いた。

「お久しぶりです。
 音楽はもう辞めたんだ。
 君のことだから、
 理由を教えてもらいたい、
 とかでも思っているんじゃないのかな。」
「でも、、楽器ももうないし、
 どうしようもないよ?
 会ってみるならできるけど。」

そう返ってきていた。
やっぱり君は僕の考えを見破るよね。
本当にすごいよ。
ありがとう、覚えててくれて。

でも…やっぱりあの音を聞けないとなると、
ショックなんだよね…。

『会えるなら、いつ頃がいいの?』
「今週か来週。かな。」
『僕今週金曜午後空いてるよ。そちらは?』
「すごい…私も空いてる。
 ◯◯駅近くの𝒻𝒾𝓇𝓈𝓉っていうお店で。」
『15時で大丈夫?』
「大丈夫だよ。15時にしよう。」
『それじゃあ、また、金曜日。』
「それじゃあね。」


会う約束ができた…。嬉しいことだ…!
聞かないようにしようかな、あのことは。



ほんっとうに楽しみです。




96テーマ【君の奏でる音楽】

8/13/2023, 6:50:20 AM

私の奏でる音楽だけが部屋に響く。
音楽が終わったのと同時に、
1人の拍手が聞こえて、
私は静かに微笑んだ。

あぁ、本当に凄い!
君の奏でる音楽は命が宿ってる!
音の一つ一つが生きているみたいだ!
絵を描くことが得意な親友はそう言った。

部屋には僕の絵が飾られていた。
僕はその絵を見ている親友を見て、微笑んだ。

やっぱりいつ見ても凄いや!
君の描く絵には魂がこもってる!
線の一つ一つ、色の濃淡が生きているみたいだ!
音楽を奏でることが得意な親友はそう言った。


やっぱり、音楽も絵も似ている。
君はいつもそれを否定するけど、
僕は似ていると思う。
…ははっ納得いってなさそうだね。
確かに創り出す工程は全く違う。
でも、結局は
「思いを伝える」
ことが大事なんだと思う。
…何を言ってるんだって?
まぁ、簡単に言えば
耳に伝えるか
目に伝えるか
の違いだろう?
だからきっと、僕らは仲良くなったんだよ。

8/13/2023, 6:49:57 AM

ロックであり、ワルツ。
未熟な魂を奮い立たせ、歓喜と笑顔で意欲に満たす。
その後、ワルツで安定した生活のリズムを作り出し、押し出す。

俺は満足して、ひとりラブソングを歌う。
叶わぬ思いを込めて、君の幸せを願う。

このバラードは、俺を癒し、君の未来を照らす。

思いは細かな粒子となり、遠く君の元へと届く。
君は同時に俺を思い出す。

楽しかったこと、辛かったこと、分かり合えなかった思い出。

未来へ進むために、リセットして新たな道へ進んだあなた。
そんなあなたの心の支えの一つに。

まだ見ぬ未来。ぼんやりと見据え、一歩を進める。

8/13/2023, 6:46:09 AM

雨が降る東海道。新幹線の窓は、その凄まじい勢いで水滴が小さな蛇のように走り抜けていっていた。私はぼーっと無数の蛇が生まれ続けるのを見つめた。低気圧のせいで私は頭が重かったのだ。新幹線内の気圧変化により、イヤホンを耳に挿し込み音楽を聴くのも億劫である。
 先程まで私は友人のエンディングダイアリーを読んでいた。彼女は先月、死んでしまったのだ。若いのに、癌であったのだ。三カ月前に彼女を見て、痩せたとは思っていたが、彼女はダイエットよと言って笑っていた。
 彼女の葬儀が終わり、彼女の夫が私に貸してくれたエンディングダイアリー。読んでわかったことだが、彼女は日常の中でぷつんと死にたかったらしいのだ。張った糸がハサミで切られるように。彼女は死の準備を密かに進めながらも、愛しい日常の陽だまりにできるだけ長く浸っていたかったのだ。 
 私はエンディングダイアリーの半分を過ぎた辺りで、彼女が隠していたどうしようもない苦しみに耐えかね、それを閉じた。自分は凄まじい苦しさに犯され解放されるのは臨終の時。夫には献身的に支えられつつ生きることを望まれた。

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