しじま

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 熱波も過ぎ去り、ようやく人心地つく今日この頃。

寒暖の差が激しいのか、既に庭のブドウは赤紫色に色付いて、ほんのりと秋の匂いを醸し出している。

試しに採ってみたが、まだまだ甘みは薄く梅干しのように酸っぱい。

もう少し待てば良かった、と白い袋ごとザルに入れて流しの横に放置。誰かが食べるだろう。

 そのまま夕飯の支度をする。

今日は焼き魚だ、エラと内蔵を喜々としてえぐり出し、流水で丁寧に中を洗う。

鱗とゼイゴを取って、背と腹に包丁で薄く切れ目を入れてから、魚の表面にお酢を塗りたくってからグリルに並べる。

グリルのスイッチを押すとチチチと音がして、青い炎がボアっと奥から吹き出した。

 そのまま魚が焼けるのをグリルのガラス面越しに眺めていると火災報知器がけたたましく鳴る。

ぎゃあ、カボチャが黒焦げに!報知器煩い!臭いっ。

焼き上がりを知らせてくれるグリルの音が呑気にピーっと鳴った。

テーマ「君の奏でる音楽」

8/13/2023, 8:32:40 AM