七紫

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中学高校吹奏楽部の君の奏でる音は、
耳に優しくでも心に響き、
耳に残り何回も聞きたくなる。

大学でも君の奏でる音楽を
聞くことが出来たのは、
とても嬉しい事だった。

でも大学卒業したあと、
君は直ぐに音楽を辞めた。

『どうして辞めたの?』なんて、
聞く勇気は僕には無いし。
それに、音に詳しくない僕には、
聞く義理がない。

僕が聞いたとしても無視されるだけだろう。

でも、今年27歳。
大学卒業から5年は経つ。
今更かもしれないけど、
僕は急に聞きたくなった。

そしてメールで君にメッセージを送った。

『久しぶり。皆森翔葉(カイモリショウヨウ)です。
 君の音を聞きたくなったんだ。
 久しぶり聞けたりしないかな?
 無理かもしれないけれど、
 考えてみてくれたら嬉しいです。』と。

数時間待つと、メールが一通届いた。

「お久しぶりです。
 音楽はもう辞めたんだ。
 君のことだから、
 理由を教えてもらいたい、
 とかでも思っているんじゃないのかな。」
「でも、、楽器ももうないし、
 どうしようもないよ?
 会ってみるならできるけど。」

そう返ってきていた。
やっぱり君は僕の考えを見破るよね。
本当にすごいよ。
ありがとう、覚えててくれて。

でも…やっぱりあの音を聞けないとなると、
ショックなんだよね…。

『会えるなら、いつ頃がいいの?』
「今週か来週。かな。」
『僕今週金曜午後空いてるよ。そちらは?』
「すごい…私も空いてる。
 ◯◯駅近くの𝒻𝒾𝓇𝓈𝓉っていうお店で。」
『15時で大丈夫?』
「大丈夫だよ。15時にしよう。」
『それじゃあ、また、金曜日。』
「それじゃあね。」


会う約束ができた…。嬉しいことだ…!
聞かないようにしようかな、あのことは。



ほんっとうに楽しみです。




96テーマ【君の奏でる音楽】

8/13/2023, 6:58:52 AM