『君の奏でる音楽』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
君の奏でる音楽が
僕を励まし
僕を潤し
僕を少し切なくさせるんだ
君の奏でる音楽
なんか
ロマンチックな
題名
中学生の頃
好きな女子がいた
彼女と普通に
おしゃべりしてるときは
楽しかったけど
彼女が
何か歌を歌うとき
声が違う感じして
ドキッとした
とてもきれいで
高い声で聞こえていた
ますます
好きなった
ずっと片思いだったけどね
彼女は早くに
結婚して
子だくさんって
風の便り聞いた
私も結婚して
長いけど
今じゃ
かみさんの小さな
イビキが
奏でる音楽(笑)
健康で生きてる
小さなイビキ
君の奏でる音楽は僕の心の一部となってともに成長する
絶対に離れないし絶対に忘れられない
『君の奏でる音楽』
今まで吹奏楽に費やしてきた長い長い時間を、たった十二分間で表現する。それが吹奏楽コンクールだ。恐らく、全国の吹奏楽部員はこの十二分を短いと感じたことがあるのではないだろうか。僕は今まさにそう感じている。
今日はコンクールの県大会本番。三分程度の「課題曲」は大きな失敗もなく終わり、次は各団体が自分たちの持ち味を考慮して選ぶ「自由曲」だ。僕たち○○吹奏楽部の武器、それはなんといってもソプラノサックスの彼だ。彼は音大志望でプロを目指している未来の音楽家であり、僕らのリーダー的存在である。
思えば僕らが県大会まで進むことが出来たのは彼のお陰だと言っても過言ではない。彼はいつだって一人一人の苦手を分析し、適切な練習内容を考えてここまで一緒に頑張ってくれた。彼と共に吹部人生最後のコンクールに臨めることがとても誇らしい。
トランペット、トロンボーンのファンファーレで自由曲が始まった。その華々しさを受け継いだクラリネットの繊細なメロディーがホールに響き、スネアは軽快なリズムを刻む。と、ここで全体が急に静かになり、場面の雰囲気が一変する。低音楽器とアルトサックスが不気味な不協和音を重ねてゆく中でいよいよソプラノサックスのソロだ。
彼が大きく息を吸い、そのままそれを音にしてゆく。最初は周囲に溶け込むような細い音だが、徐々に存在感を増してゆき、ソプラノサックスが彼という人間の色をホール全体に響かせる。最早、誰一人として顧問の指揮など見ていない。吹いている僕らも、観客も、審査員も、ここにいる全ての人は彼の音を追っていた。繊細で美しく、何処か寂しさも感じさせる彼の音色。練習で何度も聴いたソロだが、この本番という環境で、彼の音楽はまた更なる高みへと進化する。
演奏中だというのに、僕は自分の涙腺が緩んでいくのを感じた。慌てて自分の楽譜に集中する。曲もいよいよ終盤に差し掛かっていた。各々の音が勢いを増し、十人十色な音色が生み出されるが、それでも僕らの音は確実に一ヵ所に集まっていく。彼のソプラノサックスが今、全ての音を受け止めて僕らを繋いでいた。
最期のフェルマータ(程よく伸ばすという意味の記号)が顧問の指揮と共に収められた。胸が苦しい。この苦しさはきっと、今僕の心の中にある色々な感情がぐちゃぐちゃに混ざって生まれたものだ。この感情は、僕と、彼と、皆が作り出した音楽に似ていた。
#君の奏でる音楽
イヤホンからピアノの音色が聞こえる。
昔、録音した、ピアノの音。
もう何年も前のことなのに、
君のピアノを聞かずにはいられない。
ねぇ、今どこにいるの?
お題:君の奏でる音楽
『同じ音』
君はとても口笛が上手
でも僕は上手く吹けなくて
同じ音が出せないと泣く僕に
君は笑って言った
「同じ音ならあるじゃない」
その意味を理解出来なかったけれど
僕はその言葉に救われた
君の奏でる音楽はとても綺麗で
僕はとても不格好
それでも隣にいられた日々は
いつもとても暖かかった
君はとても物知りで
クイズを出すのが好きな人
君がいなくなった日々を
生きれるかなんて不安で仕方なかったけれど
最後にあなたが出したクイズの答えを
僕はずっと抱えて生きていくだろう
君と過ごした思い出と共に
あの日のクイズを皆さんにも
「同じ音を奏でる、みんながひとつ持っているものってなーんだ?」
どこからか君の口笛が聞こえた気がした
お盆なので大切な人を大切に出来るようにこの詩を。
元気の出る音楽というのは、誰にだってあるだろう。
僕にとってのそれは、君の奏でる音楽だ。
そう聞くと、さぞ素敵な音を出すのだと思われるかもしれない。
高い演奏力か、表現力か、はたまた人を惹きつける才能か……要因は沢山あるだろう。でも、それはあくまで一般論であり、君の奏でる音楽の説明にはなっていない。
そうだと思わないか?
「……はぁ。ちょっと何言ってるかわかんない」
「なんでわかんないんだよ」
夕方の音楽室。
壁に寄りかかりながら座る君に僕の熱弁が全く伝わっていなくて悲しくなってくる。
「とりあえず、その富澤ムーブで返事するの辞めようか」
「いやいや、今のはまじで何言ってるかわかんなかったやつだからね?いつでもサンドを挟んでくると思うなよ」
「いつもまずそれで返事するだろうが…」
″サンド″というのはコイツの好きな芸人の名前。好き過ぎてやたらとネタを挟んで来るので、俺もいつしかツッコミが当たり前になってしまった。
「大体なんなんだよ。『君の奏でる音楽〜』とか、「僕は〜』とか。お前そんなキャラじゃ無いだろ」
「雰囲気あって良いだろ?夕暮れが綺麗な音楽室に親友が2人…。好きな音楽について語り合う構図は画になるからな。こかは、君と僕を使う事で優し気な雰囲気を醸しているわけで…」
続ける俺の説明など興味が無いようで、窓の外を見ながら大あくびをしている。聞く気がないなら最初から尋ねないで貰いたいものだ。
「文芸部員の考え方はロマンチック過ぎてようわからん」
「うるせ。お前こそ軽音部の練習は良いのかよ」
「言っただろー。今活動休止中。メンバー揉めてんだよ、文化祭もあんのにどうする気なんだか」
「他人事だな。お前もメンバーだろ?」
そう尋ねると心底面倒そうな顔をしてこちらを振り向いた。
「お前にはわからねぇよ。あいつら毎日のようにケンカしてるんだぜ?解散すんにもメンバー足りないからバンドが組めなくなるし、毎日毎日俺は蚊帳の外であいつらのケンカ眺めてるだけって…頭痛くなるわ」
「それは…ご愁傷様な事で」
天を仰ぎ大きなため息を吐いているコイツが少し可哀想にも思えるが、コイツの場合他人に興味が無いので本当は揉めていようがどうでも良いんだろう。ただ、純粋に音楽が好きで音楽さえ出来ればきっとそれで満足なのだ。
メンバーが揉めようと、ライブが出来れば良いのだろうが、それは果たして良い音楽なのだろうか。
「仲直りさせてやれば?お前蚊帳の外なら仲取り持ってやれば良いじゃん」
そう提案する俺に対しコイツは、心底嫌という事がわかる程に表情が歪む。普段無表情な癖してこういう時だけは豊かに変わるから面白い。
「えぇーーーやだよ。絶対に嫌。俺無理そういうの。つか実際どうだって良いし。俺はライブさえ出来ればそれで満足なんだよ」
思った通り。コイツは自分の音楽さえ出来れば良いのだ。
前に『バンドマンなんてのは自己中の集まりだ』などと言っていた。そして『うちのメンバーはそれが顕著に現れているから纏まりが無いんだよ。オレは違うけど』などと言っていたが、コイツも大概である。
結局自分が良ければそれでいいのだ。自分のやりたい音楽が出来るなら、それで満足。だから深く干渉する事もせず、ただ外から傍観するだけ。
「でも今のままじゃライブ出来ないんじゃねーの?」
「まぁな。でも、いっなんだかんだライブまでには仲直りするからどうにかなるだろ」
「そう言って、この前のライブは全然纏まってなくて悲惨だったろ」
「オレは上手かったから良い」
「お前が上手くたって、バンドとして悲惨だったら意味ないだろ…。バンドなんだから、ソロじゃ無いんだぞ」
その言葉が癪に障ったのか、いきなり立ち上がって大声を出した。
「んな事わかってるよ!」
思わず出てしまった声量に、本人すらもびっくりしてる。しかし勢いは止まらず、とめどなく言葉が溢れてきた。
「オレだって良い演奏がしたいさ!バンドとして!個人じゃない。メンバーで一つの良い物を作りたいよ…。作りてぇよ。だってバンドなんだぜ?5人で一つの音楽を作らないと何の意味もねぇなんて、お前に言われなくたってわかってんだよ!」
はぁ、はぁ、はぁ。
肩で息をしながら滲み出る涙を目に溜めている。
何て声を掛けようかと迷っていると、音楽室の扉が開いた。
*
「あれ?1人?大きな声が聞こえたから、てっきり誰かと話してるのかと思ったんだけど…」
扉を開け様子を見に来たらしいクラスメイトが音楽室の中見回す。
ジャージを着ている所を見ると、こいつも部活で学校に来ていたのだろう。
「あ、あぁ。悪い。電話してた」
オレは慌てて窓際に置いていたスマホを手に取り見せた。
「なんだ、そうだったの。また1人で何か喋ってるのかと…声、廊下まで響いてたから」
「大丈夫だって、もう1人で喋るなんてしないから。悪いな、気をつけるよ」
「…ま、何かあったら言ってよ」
「ん。ありがと」
扉が閉まり去った事を確認して、オレはまた椅子に座ってため息をついた。
お前はオレの顔を心配そうに見つめている。
「…悪い。言い過ぎた」
「俺の方こそ何も考えずに…言ってごめん」
「お前は悪くない。悪いのはオレだ。お前に八つ当たりしたんだ。バンド内での揉め事もオレが間に入れば良いのは本当だ。蚊帳の外なんて言って、本当は諦めていただけなんだよ。オレは…オレだけが、まだあの日から立ち直れて無いんだ」
オレの言葉にお前は申し訳無さそうな表情を浮かべた。
「お前のせいじゃ無い。お前は何にも悪くねぇよ。オレがまだ向き合えてないだけなんだ」
お前の手を握ろうとした手は空を掴む。やっぱり触れないみたいだ。先程乾いたはずの涙が、また溢れてきそうだった。
「ごめん…。俺があの時ちゃんと周りを見ていたらこんな事には…」
「別にお前のせいじゃないだろ。悪いのは全部、あの時飲酒運転してたおっさんだ。オレはアイツだけは絶対に許さねぇ…」
つい語尾に力が籠る。今でもあの日の映像が脳裏から離れない。
オレと別れた直後だった。横断歩道を渡るお前を見送り手を振っている所に、飲酒運転の車が突っ込んできた。
運転手は無事。しかしコイツは打ち所が悪く、その後病院で息を引き取った。
お盆は、地獄の釜が開いて死者の魂が帰ってくる日らしい。お前はオレを心配して、地獄からオレの所に来てくれたんだな。自分の家にも帰れた筈なのに、真っ先にオレの所に来てくれた。
それが嬉しくて、情け無くて、オレは死して尚お前に心配を掛けているのだと思うと自分に腹が立つ。
オレは変わりたかった。向き合いたかった。お前の居ない事実にずっと目を瞑って居たが、それももう今日で終わりにしよう。
「なぁ、聴いてくれるか?」
「いいよ」
お前は「何が?」と訊く事もなく、いつも即答してくれるな。どんな時でもオレの話を聞いてくれた。ただ側で頷くだけのその時間が、オレは好きだった。
オレを親友だと言ってくれた。オレも親友だと思っていたさ。いつも恥ずかしくて、照れ臭くて言えなかった事沢山あったんだ。居なくなって気づくなんて遅いと思われるだろうが、オレはには沢山あったんだ。明日も、明後日も、当たり前にお前に会って話が出来ると思っていたから伝えられない日が来ないと思って無かったから。
オレはケースを開けてギターを取り出す。アンプに繋ぎストラップを掛け、弾く準備をしてお前の方に向き直った。
「オレはこういうの苦手だから。自分の感情とか伝えるの苦手で曲にしたんだ。歌詞はいつもお前に書いて貰ってたし、自分で一から書くのは始めてで上手く伝わるかわかんねぇけど…。お前が居なくなって、どう向き合えば良いかわからなくて…でもオレにはこれしか無かったから」
「うん…わかってる…」
「オレは、もうお前に心配掛けたく無い。お前が安心して帰れるように、聴いて欲しい」
深呼吸をして、ギターを奏でる。ベースもドラムの音も無い。ギターの音だけじゃ寂しいけど、今はこれが精一杯だ。だけどお前に伝えるのはオレの音だけで良い。
オレはお前の書く詩が好きだった。お前の詩に曲を付けるのが楽しかった。お前とバカやって、笑って、ケンカした日々すらも愛おしいんだ。
先に死にやがって、バカやろう。まだあのマンガ返して無いんだぞ。大好きなバンドのライブ、また一緒に行こうって約束しただろ。お前の好きなアイスの新作出てたんだぜ、オレはやっぱり好きじゃ無かったわ。お前の味覚がわかんねぇよ。
オレはお前と修学旅行行きたかった。大学同じ所行こうって言ったじゃねぇか。社会人になったらどうするって、とんでもない未来予想図描いてたのに、お前が居なくなってしまったら何にもならねぇだろ。
あぁ、居なくなってしまったんだな。隣に居たお前の姿毎日探しているよ。
教室の机が、とうとう無くなってしまったんだ。名簿からお前の名前は消えたし、お前の居た証が少しずつ消えていくのが堪らなく嫌だった。
だから、今こうして目の前に居るお前だって本当はオレにだけ見えて居る幻覚なんじゃ無いかと思ってんだぜ。
幽霊なんて信じてなかったけどよ、今は、今だけはその存在に賭けたいんだ。
幻覚なんかじゃ無い。お前が目の前に居るって事実を。
曲は最後のサビを終え、アウトロに差し掛かる。
いつの間にか溢れ出ていた涙が頬をつたり、手元にまで落ちてくる。視界がボヤける。気のせいかお前の存在までボヤけてるみたいだ。
オレは拭えない涙で視界が曇らないよう、精一杯目を開く。
足先から消えかかるお前の姿に、まだ行かないでくれという気持ちと、安心して帰って欲しいという気持ちがせめぎ合っている。
夕陽が沈み掛けて居る。もう時期夜だ。そこかしこで焚かれた煙の匂いが風に乗って教室に漂う。
迎えが来たのだ。時間なのだ。もう少し、もう少しだけで良い。最後にお前に…。
最後のギターを掻き鳴らした時には、もう見えなくなっていた。
ボヤける視界で最後に見たのは、大粒の涙を流しながら笑うお前の顔だった。
逝ってしまったのだろうか。最後まで音は届いただろうか。オレの気持ちは、想いは届いただろうか。
「ありがとう、親友」
耳元で囁かれた言葉に思わず振り返る。しかしそこには誰も居なかった。
気のせいか、それとも…。
「ありがとよ、親友。お前の事は一生忘れねぇよ」
窓の外、落ちた夕陽の気配が残る青黒い空に呟いた。
そよ風がカーテンを捲る。お前の笑い声が聞こえたような気がした。
#親友へ 【君の奏でる音楽】
君の奏でる音楽
どこからともなく聞こえるヴァイオリンの音色。音楽に詳しくない俺は、曲名も知らないし誰が弾いているのかもわからない。古くて汚い校舎の隅で鞄を背負いながら考える。惹き込まれそうな音色に、体が離れたくないと嘆いていた。窓から差し込む光は茜色に染まっていて、5時を告げる放送が帰りを急かさせる。ふんわり香る夏の匂いに胸がきゅぅっと締め付けられるような気がした。綺麗事を許してはくれない世界を、弱音を罵倒する様な世間を、無視して駆け出して行けたらどれだけ楽だろうか。何も力になれない自分が嫌になって、逃げ出しても怒る人はいないだろうか。迫りくる明日にサヨナラを告げても、許されるだろうか。俺を何処かに連れ出してくれる人がいたら、なんて心のなかで叫んでも、何も変わりはしない。薄っすら黄ばんで踵の部分は潰れている上履きを眺めながら、オトノナルホウヘと歩き出す。階段を登って、屋上に繋がる扉を思い切り引く。ばっ、と顔を上げると相手もそうだったようで目を丸くしてこちらの様子を伺っていた。同じ制服を着た背の高い男。ヴァイオリンと弓を手にしていて、色白の肌が楽器の茶色に映えていてきれいだった。
「あなたの心と、人生の一部、ちょっとちょーだい。」
ねぇ、覚えてる?
昔ボクが虐められて泣きながら音楽室に逃げ込んだ時にさ、君がピアノを弾いてたよね。泣いている僕を見て、何故か君も泣いていた。
あの時ボクね、すごくびっくりしたんだよ。
誰かのために泣けるなんて……って思った笑
あれからさ、昼休みになると毎日逃げ込むように音楽室に行って、必ず君が居てとても安心したなぁ。
ピアノ、まだ猫踏んじゃったしか弾けないけど君のおかげで少し弾けるようになったのが嬉しいよ。
大人になったらまた会おうねって約束して、今逢いに来たんだよ。
そしたら君、いないじゃないか。
小学校に久々に来たから先生たちは驚いてたよ。でも僕はもっと驚いた。
だって君が来ているか聞いたら「そいつはお前が入学するかなり前に虐められて自殺しているんだぞ。」って。
助けに来てくれたんだって、思わず泣いちゃった。また会えたらさ、一緒に猫踏んじゃったを弾こうよ。
ボクを救ってくれたピアノで、君と一緒に。
君のいろんな笑い声がハーモニーを奏で、
僕の心を癒やしてくれた。
「君の奏でる音楽」
君の奏でる音楽
台所に立つ君の奏でる音楽は、、、
春、ガサガサ♩ガサガサ🎵トントントントン🎵トントントントン♩パラパラ🎵パラパラ♩
外では盛りのついた猫がニャー、ニャーーーー!!!
猫の憧れ、新玉ねぎの鰹節和え
夏、トントン🎵トントン♩パカ〜ン♩クチャクチャクチャ🎵
外では蝉がミーンミーン
蝉も長生き、生卵とオクラの栄養たっぷり素麺
秋、ザクザク🎵ザッザッザッザッ♩パチパチ♩パチパチ♩
外では鈴虫がリーンリーン
鈴虫が煙に追いやられ、秋刀魚の大根おろし添え
冬、グツグツ♩グツグツ♩フーフー🎵フーフー♩アッチ!
外では猿が温泉でキャッキャキャ
猿が入りたい温泉、おでん
あなたが奏でる美味しい音楽。
母さん、いつもありがとう。
ジャーの奏でるアマリリス
ポットの奏でるメヌエット
レンジの奏でるなんだっけ
いつも途中で止めるから、最後まで聴いてみるか。
それは、突然だった。
携帯電話の緊急アラームがけたたましくなり、
脳みそや内臓が全てカクテルされそうな
振動を体全身で感じた。
僕は、布団の中からやっと、首を出し、
まだ、冷たさが残る、部屋を夢心地に
みていた。
ドスドスというブルドーザーに今にも家ごと壊されるそんな響きとともに襖は揺れる。
しばらくして、ジーンという耳鳴りが聞こえる
ようになる頃に、ようやく、僕は、立ち上がる
ことを思い出した。
家の中は、本棚の本、雑貨たちが、乱痴気騒ぎのあとの雑魚寝するようにバタバタと倒れていた。
そのなかの1つに丸い大きな掛け時計が埋もれているのに気がついた。その時計は14時46分で
止っていた。
これが僕の3.11 との出会いだった。
そして、この時僕は、昔の関東大震災のことを考えていた。
その後、かろうじて生き延びたテレビのおかげで、
ことの真相を少しずつではあったが、知ることができた。
地震、津波、福島原発。
実際、日本で起こっているとは、思えなかった。
時の首相たちが東電のコスプレをして、
必死で票集めに邁進している。
そう思いたかった。
加えて、あの津波がまるで映画のCGと思ってしまう自分の想像力のなさ。
「ここでは、想像力のないものから死ぬ。」
どこで、知ったかは、忘れてしまった。
しかし、実際、あの場所にいたら、もう、僕は
この世のものではなかっただろう。
それでも、生きていた僕‥。
なにかの衝動にかられるように、家の外に出た。北がどっちかすら、分からず空をみた。
しかし、そこには、目の前に巨大な赤い月がいた。ほんの小さな僕らを巨人が覗きこんでいるようだった。
僕は身震いした。
明日、この空、一面、雲で覆っていてほしい。
口からなにかの呪文を唱えながら、願った。
もし、そうでないとしたら、また‥
その時以来、僕はなにか嫌な出来事があるたびに、あの赤い月が僕らを覗き混んでいやしないかと探すようになった。
君の奏でる音楽
君の唇が言葉を紡ぐ
そのひとつひとつが
音楽のようになめらかに
僕の耳に届いてくる
赤らんだ頬と
くるくる回る瞳
心地よくて目を瞑る
ああ、もっと話して欲しい
君の心の欠片を
たくさんちょうだい
一瞬の休符
君が怒ったように僕を揺する
ごめん、と一音
もっと聞かせて、の一小節
君の幸せな言葉のリズム
君の奏でる音楽
今、高崎 奏の演奏が始まったはずなのに、僕は森の中を歩いている。木は深みのある青い葉を茂らせていて川に反射している。少し森をぬけたところには、一人の美しい少女と動物達が歌っていた……
そう、これは高崎 奏の奏でる音楽の世界なのだ。 高崎の演奏は、必ずこの美しい少女がでてくる。少女が歌い踊り、皆をこの不思議な世界に引きずり込もうとする。
パチパチパチ(拍手)
拍手が鳴り出すと同時に僕は目が覚めた。それと同時に緊張感が漂ってくる。次は僕の番だ。
続く
あの日見た景色を
まだ鮮明に描ける
心はいつも歌が流れている
花火は、ドーン、パッと瞬き
真上に落ちて消える
一瞬に永遠を願うような
気持ちになる
優しい声で
君の奏でる
嘘と
偽りと
誤魔化しの
見事な三重奏
心の耳を塞いで
私は
優しく頷き
受け止め続けて行く
もうすぐ来る
さよならの日まで
「君の奏でる音楽」
君の奏でる音楽
私は、あなたが奏でるその優しい音楽を聴きたい
君の奏でる音楽
たまたま、聞きにきた音楽会。
ソロのパートがあった。
そこで君の音色に心奪われた。
もっと君の音楽を聞きたいと人生で初めて感じた。
#君の奏でる音
その鼻歌
君の奏でる音
少し外れた音程だけど妙に心地よくて
陽気なリズムにどこか寂しさがあり
今でも耳に残って離れない