『君に会いたくて』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
君に会いたくて
(お題更新のため本稿を下書きとして保管)
2024.1.21 藍
「君に会いたくて」
僕は 早起きした
僕は お小遣い貯めた
僕は 胸がシクシクジンジン
僕は 涙はらはらポロポロ
僕は 下手なギターで作曲した
僕は 髪型を変えてみた
僕は 渡すあてのない手紙を書いた
僕は 空を飛んでみた
なのにある日突然、君は黙ってどこかに消えてしまった。
なぜなんだ?ホワイ?
~あなたに逢いたくて~
ある一言をきっかけに、あなたは私の前から姿を消した。
どうしても謝りたくて、もう一度だけあなたに逢いたくて、何度も何度も連絡をしたが返信は帰ってこない。
後悔してもしきれない、私にとって人生最大の誤ち。
失ってから気づいた。失う前は気づきもしなかった。あなたが私にとってどんな存在だったか、あなたがどんなに素敵な人だったか、あなたがどれだけ︎︎ ︎︎ ︎“大切な人”だったか。
もう二度と会えない運命だったとしても私はいつまででも待っている。
もう一度、「一緒に生きよう」と言える日まで
《君に会いたくて》
——勇者が捕まった。
その報せを聞いたのは数分前だ。
執務室で仕事を捌いているどころではなくなり、制止する兵たちをものともせず地下牢へと駆け下りた。
階段を降りた先にあるのは一本の廊下だ。その両脇に牢獄が並んでいるが、その怨嗟の声すら少しも届いていないだろう。
「おい、何しに来たんだこの馬鹿野郎!!」
見張りの兵を押し退け、リヒトは怒号と共に地下牢の最奥へ辿り着いた。
薄暗いこの場所ですら、金髪碧眼で整った顔立ちといういかにも人気が出そうなその容姿がわかる。
「……お、元気にしてた? 九日ぶりだな、リヒト」
身動きが取れないにも関わらず屈託もなく笑うのは、捕縛された勇者——カレットだ。
いつもと変わらぬ飄々とした態度で牢獄に繋がれている彼には、魔力を封じる手錠が掛けてあった。
勇者を殺すというのは、言葉ほど簡単ではない。だから、捕縛という措置を取ったのだろう。
「……それで、どうしてお前がここにいるんだ」
「いや、だから魔王軍に捕まっちゃったんだって。見ての通りだろ? リヒト」
「それがおかしいから聞いてるんだよ!」
そう、カレットが魔王軍如きに捕まる訳がないのだ。なぜなら彼は、単純に強いから。
つい九日前にも、魔王軍幹部の攻撃を去なしながら茶番を繰り広げた男だ。メンタルも強い。
「いや、リヒトが急にいなくなるから……心配してたんだ。それで、倒した魔物から話を聞いて捕まることにしたんだよ」
「したんだよ、じゃねぇ!! 普通に考えて来るか!? ここ、敵地だし敵の本軍だぞ!」
魔王と勇者なんぞ、どの物語でも対峙する運命にありそうなものを。
その敵陣に、武器も奪われ捕縛された状態でのこのこと現れる大馬鹿者がいてたまるか、とリヒトは大きな溜息を吐く。
「いや、だからこそ捕まったんだって。わかるだろ? これが最も速くて堅実な、君に会う為の方法なんだ。勇者が捕まった、なんて重大な報せを全体に伝えない訳ないし、そう聞けば君は確実に会いに来るだろうから」
少し納得する部分もあるが、それでも勇者の取るべき行動ではなかったと思う。
だが、もう何を言っても意味がない。
今カレットのいる牢獄は最凶の罪人の為の牢獄で、この地下牢の中で最も頑丈で抜け出しにくい位置にあるのだ。
「それで、どうやってここから逃げるつもりなんだ? 知ってるだろうが手錠の鍵なんてないし、ここから地上に出るのも一苦労だぞ」
「何言ってるんだ? 助けてくれるんだろ、リヒト」
この男正気か、とリヒトは呆れた目を向けるが、必ず助けてくれると確信しているようだった。
だが実際、そうしない理由もない。
「わかった。手錠は外してやる。牢獄から出られるようにはしてやる。けど、そっからは自分で何とかしろよ。俺はもう知らないからな」
「連れないこと言うなよ〜。というか、僕から頼んだものの手錠に鍵穴すらないのにどうやって、」
カレットが言い終わらない内に手錠が木っ端微塵に弾けた。
当然、リヒトが魔法で壊したのである。
「……今の、なに」
「え? ……ああ、簡単な魔法だ。手錠は魔力を遮断する特別な金属でできてただろ? 特別とはいえ金属は金属だから、風化させれば塵も同然になる訳だ」
「……リヒトってさ、やっぱり凄いよね」
「あ? 急に褒めて何だよ……怖ぇよ」
「そんなことより、早く行こうか。気付かれたみたいだしね」
その言葉に振り返ると、たしかに、見張りの兵がいなくなっている。
上司にでも伝えに行ったのだろう。
裏切った筈の賢者が勇者の脱獄を助けた、と。
「一本道しかねぇぞ、ここ。どうやって出て行くんだ? 全部斬るか……って武器持ってないよな」
「まぁ見てなよ、リヒト。体は動かさないで、必要に応じて魔法で援護よろしく」
「は?」
リヒトの返事も待たずにカレットは、彼を抱き上げた。俗に言う、お姫様抱っこである。
状況の理解に必死なリヒトをさておき、カレットは廊下を駆け抜ける。見張りの兵も何もかもを無視して、突っ切って行く。
「まず僕から逃げないでよ、リヒトー。言ったろ、僕みたいな勇者の隣に立とうって思ってくれるのは君だけだって。……僕は君以外に背中を任せられる相棒がいないんだから」
文句を垂れながら階段を駆け上がり、追われるままに走った。
「……え、俺何でお前に運ばれてんの?」
「今更そこなんだね。僕より足遅いでしょ、君」
「逃げる為にはこれが手っ取り早いってことか、なるほどな……って良くねぇけどな!? 全然!!」
納得は行かないものの、今この状態で下ろされてもリヒトは困る。
何気なく辺りを見ていると、見覚えのある廊下を走っていることに気が付いた。
「おい待て! この先にはッ——」
リヒトの制止も聞かず、廊下の最奥まで駆け抜けたカレットは扉を蹴破った。
辿り着いたのは、大広間。
シャンデリアが不気味に部屋を照らす中、カレットの足は止まらない。
「……勇者か。よく来たな」
威厳のある声が響く。
この部屋の主——魔王の声だ。
だが、カレットはそれを聞いてもなお止まらず、聞こえていないかのように更に加速する。
「……勇者か。よく来たな」
「魔王が無視されてる!? カレット、おい、辞めてやれよ! 魔王だってプライドがあるだろ!!」
「わかった。今それどころじゃないんだ、また今度にしてくれ」
あんま変わんねぇよ、と叫びかけたリヒトだが、口にする間もなくカレットが大きく跳躍した。
そのまま魔王の手にあった剣を奪い、後ろのガラス窓に衝突。
ガッシャァアアン、と素敵な音を立ててリヒトの六倍はあろうかという高さの窓が砕け散った。
「可哀想だと思わんのかお前はー! つか何しに来たんだよ本気で!! 魔王城来といて魔王無視って、それでも勇者かよ!?」
高所にいる恐怖と混乱が合わさったリヒトの悲鳴は良く響いた。
「耳元で叫ばないでよ。あのね、僕は別に魔王を倒しに来たんじゃないから」
カレットは困ったように笑って、
「君に会いたくて来たんだよ? 家出されちゃったからね」
空中で聞くには、小さな声だった。
だが、リヒトにはしっかりと届いた。
「うるっせぇ、ばーか!」
耳を赤くしたリヒトは、暫くカレットの胸に顔を埋めたまま動かなかった。
君はまだ怒っているのだろうか。
君は地震のように静かに長く、時に熾烈さを極めて怒るから、私はまだ少し、会うのが怖い。
怒り方は人それぞれだと思う。そして人は違うものを理解できない。
私はむしろ台風のように、最大瞬間風速ばかり大きくて長く続かないから、君が、私に笑顔を見せていた時でも心を震わせていたなんて知らなかったし、知りたくなかった。
言ってくれればよかったのに。きっとこう思ってるうちは君を理解できない。
大切な友人だった。何も言わずに突然縁を切られるなんて思ってなかった。君もそうだと思っていた。
まだ、ふとしたときに会いたいと思うのが君だなんて
きっと私だけがいつまでも現実を見れていない。
君に会いたくて ただ会いたくて
形振り構わず走りだせば
人目も気にせず追い掛ければ
それで良かったのに ぼくは…
君に会いたくて
僕は彼女がいる。可愛くて綺麗な彼女が好きだ。君に会いたくて急いで彼女との待ち合わせ場所に向かう。「おーい!」彼女がこちらに気づいたようだ。(;´Д`)ハァハァ遅れてごめんね。
え? 僕は車に引かれた。なんで引かれたかはわからない。彼女が僕になにか言っているようだけどなにも聞こえない。ここはどこ?あれ?なんでみんな泣いてるの?もしかして僕死んじゃったの?
なんでだよ!僕には大切な彼女に友達や家族が居るのにどうして..みんな葬式で泣いてたな。みんな僕のことを思ってくれてたのかな。嬉しいなぁ でももうみんなに会えないんだよね
彼女ちゃん 大好きだよ 君に会いたくて頑張ってたのに死んじゃった ごめんね
2024/01/20(土)No2.『君に会いたくて』
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君は計算もできないし時計をよむことも難しい。
でも優しい、笑顔が太陽のように明るい。
君は音楽に夢中で、ギターでも歌声でも誰もの心を強く惹きつけた。
私はそんな君が小さい頃から好きだった。
君に少しでも近付きたくて、私は歌を歌うようになった。合唱やピアノ、洋楽や流行歌、他にもいろいろな音楽に興味を持つようになった。
音楽は、私が辛い時も悲しい時も生きる理由に
なってくれた…
―…私は大人になっても合唱を続けた…―
歌は私が生きるための世界を見させてくれた。
君に会いたくて始めた音楽が私を支えてくれた。
今の君は私にとって、恩人であり、憧れであり、特別な人で最高の推しである
滅多に会えない君に会いたくて、
大人しめなファッションで、
普段はしないメイクをして、
いつもと違うあたしを見せたくて。
キレイになった、あたしを見せたくて。
君がずっと眠っているあの丘へ、
小さな花束を持って、
歩いていく。
〜君に会いたくて〜
時計を見ると終業時間の10分前だった。
急ぎの仕事も無いから、今日も定時で帰れるな。
仕事道具の後片付けをしていると、後ろに誰かが立つ気配がした。
「来ちゃった」
そう言われて後ろから抱き着かれる。
振り向くといたのは、なんと家で待っているはずの妻だった。
「なんで、ここに」
「あなたに会いたくて……
あなたがいないと寂しくてだめなの」
「ゴメン。君にそんな思いをさせていたなんて……」
「いいのよ。今こうしてあなたと会えたんだもの」
「香織さん」
「健司さん」
僕は彼女を抱きしめるべく、両手を広げる。
彼女の目を見ながら抱きしめようとするが、寸でのところで腕が止まる。
「でも駄目だよ、香織さん。まだ仕事が終わってない」
それを聞いた彼女は悲しそうな顔をする。
自分の心がチクリと痛む。
「分かったわ、健司さん。
いつもの所で待ってるわね」
「ああ」
後ろ髪をひかれる思いで、彼女から目を離す。
自分だけ、楽をすることはできない。
その決意を胸に片づけを再開しようとすると、頬に柔らかい感触があった。
「お仕事をする姿、カッコよかったわ」
そう言って彼女は離れていった。
片づけをする手が止まり、彼女に視線が向く。
立ち去っていく後ろ姿に思わず見惚れてしまう。
彼女はいつだって綺麗だ。
と、ボーっとしている場合ではなかった。
就業まで五分を切ってしまった。
一秒でも残業するつもりはない。
残業した分だけ、彼女と離れる時間が長くなる。
○ △ □
「アレ、なんでみんな何も言わないんすか?」
「うん?ああ、お前今日初日だったな。教えてやるよ」
俺が聞くと、ベテランの厳さんは蓄えた髭をさすりながら遠い目をした。
「あの二人が結婚してから毎日アレでな。
まあ最初は新婚って言うことで多めに見ていたんだが、一か月たってもやめなかった。
結構キツイ言葉で言ったこともあるんだが、毎日懲りずにやってきてな。
それでも本人は責任感があってキチンと仕事をしてくれるから、それをヨシとしてみんな諦めたんだ」
「なるほど……」
俺は厳さんの言葉を聞いて、仕事を終えて抱き合っている二人を見る。
「あの、二人はお年を召されているようですが、結婚してから何年目すか?」
「あーもう三十年経つかな」
「三十年……」
俺は思わず言葉を繰り返す。
「だが悪い事ばかりじゃない。
二人のおかげで、ここの労働環境よくなったんだよ。
女性が来るなら職場は綺麗にしないといけないし、待ってもらうスペースも作ったんだ」
「それで休憩スペースが豪華なんすね。お菓子とかも」
「男女差別と言われそうだが、お客さんにずっと立ってもらうわけにはいかないからな。
あと残業なんかした日には圧がすごいぞ。
気が散って仕方ないから、みんなで帰った。
それ以来残業しないよう調整してる」
「へえー」
もう一度二人のほうを見ると、仲良く手を繋いで帰るところだった。
「はあ、あの年でも仲が良いってのはいいっすね」
「彼女いるのか?」
「いるけど、絶賛喧嘩中で別居中」
俺の答えに厳さんはガハハと笑い、俺の背中を叩く。
「じゃあ、二人を見習って仲直りすればいい」
「『見習って』って、どうするんすか?」
「そりゃ、彼女に会いに行くんだよ」
「何しに来たって言われるだけっすよ」
厳さんはニヤッと笑う。
「そん時は『君に会いたくて』って言えば仲直りさ」
雪だの雨だの関係なしに君に会いたくて車を走らせたあの頃が懐かしい。
今はそんなことしなくても君に会える。
一緒に住めるってこんなにも嬉しいんだな。
__________
「僕と一生を添い遂げてくれませんか?」
「もちろん!」
240119 君に会いたくて
やった!合格した
私は心理士に無事になることが出来た
これでやっと先生に会える
中学の卒業式前日に交わしたあの約束を覚えているか不安だけど手紙にも書いたんだ!覚えてるはず
約束の内容は
私がスクールカウンセラーになれたら先生と一緒にご飯を食べることだった。
憧れと同時に初恋の人でもある、元気にしているか不安だな
早速LINEしようって思ったけどまだ帰ってないかなぁっともいご飯を食べ終わったぐらいにしようと思った
ご飯後にLINEをしたらすぐに既読がついて
[お久しぶりです
合格おめでとうございます。これで念願のカウンセラーに慣れたんだね、まだ夢の途中かな?ご飯ぜひ行きましょう!]とメッセージが来た
先生に会いたくて頑張ってきたもちろんそれだけの気持ちだけじゃないけど
これから再開できるように頑張ろう!
お題[君に会いたくて]
No.69
この街に住み続けてどのくらい経っただろうか。
私だけがまだこの街に囚われている。
君の影が残るこの場所に。
もう会えはしない君。
そんな君に会いたくて
私は後どれくらいこの場所に囚われるのだろう。
ー君に会いたくてー
〝君に会いたくて〟
君に会いたくて、行く宛もなく街を走った。
だけど、何処に行っても君の姿は見えなくて、
涙を流しながらまた走った。
やっと君に会えた時、君は驚いた顔をしながら、
そっと涙を拭いてくれた。
些細なことで喧嘩してごめん。
手を繋いで、また一緒に帰ってくれる?
君に会いたくて
何度も君は
私のもとにやって来て
誘惑し
踊り
微笑みを絶やさなかった
きっと人前で踊るのが好きなんだろう
だからよく見かけるのだろう
しかし君の姿は薄くなり、
目を凝らさなければ見えない程
弱々しくなった
私はその姿を見た時
君がずっと私に
助けを求め続けていたのだと知った
踊ることで見つけてもらい
手を差しのべて欲しかったのだと
私は視野が狭かった
事象の原因を推し量ることを
本能で拒んでしまった
後悔の先に残ったのは、
私の影だけだった
不器用だが真っ直ぐに生きた君に
どうか幸運を
あの日傷付けてしまってごめん
あの時の君のびっくりしたような
悲しそうな顔が
どうしても忘れられない
あれからもう何年も経ったのに
走り去る君の姿が
時々浮かんできて
胸が苦しくなる
いま何してるんだろう
いまどこにいるんだろう
幸せだろうか
元気だろうか
もし時を戻せるなら
あの日に戻って
君に会いたい
あなたがいなくなって1年以上が経ちました。
お元気ですか?
私はなんとか元気にやっております。
あなたに似たのかお酒が好きで、毎日とは言わないまでもふと気が向いた時に飲んでいます。でもまだまだ子供であなたのようにビールをたくさん飲む!なんて飲み方は出来ません。いつかビールが好きだった、あなたの気持ちがわかるのでしょうか。
一緒にお酒を飲もうと約束したのに、その約束は守られませんでした。こんなことを言ったらきっとあなたは悲しむけど、連れて行って欲しかった。
こんなに時間が経ったのに、今でもたまに無性にあなたが恋しくてどうしようもない気持ちになります。だから、あなたの使っていた帽子をかぶってあなたがそばにいてくれていると信じて、日々を過ごしています。
そちらでもどうかお元気で。お酒の飲みすぎはダメだよ?私もいつかはそっちに行くから。
あなたに会いたいな。
/君に会いたくて
ヴィクトリアに根を下ろした姉は、静かに機会を狙っていた。方舟を呼び込んだ彼女は、再び騎士の手を取った。
テラの大地を駆け回る妹は、行く先で細くも多くの縁を紡いだ。煌めきを放つ糸は小指に絡み、剣は彼女のために振るわれる。
カジミエーシュで名を轟かせた雹の騎士は、愛する者のために姿を消した。
離れてもなお、白に染まった心は気高く咲いている。
Why you joined Rhodes Island?
めんどくさくても朝は起きるよ
えらいからご飯もちゃんと食べる
洋服は君がほめてくれたもの選びがち
ショーウィンドウ見て猫背も直す
嫌なことも頑張ってみようと思う午前
嫌なことが好きになってたりする午後
傘を忘れた日に雨に降られても
傘を買ったとたん雨がやんでも
めげずに歩いているよ
ときどき花でも買って飾ってみよう
君の好きな花を
君の好きだった花を
―――…
お風呂に入ってご飯を食べてしっかり歯磨きをしてねむる。部屋にひとり。
君と待ち合わせをする夢を見る。待っても君は来ない。夢なんだから少しくらい顔を見せてもいいのに。起きても君はいない。
すぐにでも会いに行こうかなんて思った夜はいくつもあった。けど、そんなことしたら君はすごく怒るだろうから。
できるだけ長く歩いてみるよ。明日だってちゃんと起きる。
だから、
いつか本当に起きれなくなったら、
いつか最後の暗いトンネルを抜けたら、
今度こそ待ち合わせ。
花束みたいな笑顔で会いに来てね。
勝手にとりつけた約束を胸に起きあがる。
めんどくさくても今日を生きるよ。
「君に会いたくて」
君に会いたくて
日々が憂鬱で暇さえあれば、どこか別の
世界にでもスリップしてしまいたいなどと空想している僕。
家に帰ればヒステリックな義母の怒号が降ってくる。父親は耐えられないと言って出てったきり戻ってこない。
学校へ行けば、片親ということで遠くからクスクス笑われる仕末。もう居場所と言える居場所が無い、明日からは冬休み。ずっと義母と二人きりなんて耐えられない...。
「よし、少しのあいだ家出をしよう。」そう心に決めた僕は行く宛も無いので、取り敢えず寒さを凌げる場所を探し彷徨った。
しばらくすると、忽然と現れた変哲もない地下へ伸びる階段を見つけた。他にも寒さを凌げそうな場所はあったのだが、無性に入りたくなった僕はいつの間にか地下へと降りていった。
降りた先には廊下が一本、奥には扉が見える。恐る恐る扉を開いて覗いてみると、そこには...街?地下へと進んできたはずなのに目の前にはアパートや空といった風景が広がっていたのだ。雨まで降っている。
訳が分からず混乱していると一人、外国の顔つきをした男が声を掛けてきた。
「ーfazjあdajaxjsak?」何語を話しているかはさっぱりだがニュアンスだけ通じた。
男はどうやら付いてこいと言っているようだ。なぜ見ず知らずの自分にそのような提案を持ちかけてくるのかは分からなかったが、それよりも初めて歓迎されるような扱いを受けたことに感動して、勿論!といった感じで付いていった。