おっとぉ? 門のとこにいるの、ケータ先輩だ!
サークル外で会えるなんて、ラッキーすぎるー!
って──先輩ってば、私に向かって手なんか振っちゃって、しかもなんか、うれしそうなカンジ?
いやまさかね、そんなはずは……。
「ノムラさん!」
「ケータ先輩、えっと、ぐ、偶然ですね〜!」
「や、偶然じゃないよ? 俺『君に会いたくて』待ってたから」
「……えっ」
私に?!
私に会いたくて、って言った?!
「ほら、これ。サークルの部室に忘れてたから、渡そうと思って」
「……あ、私のペンケース。ありがとう、ございます」
なーんだ。
忘れ物、かぁ……。
「や、本当は、その。忘れ物ってのは君に会う口実で、えーと……」
っ、私に会う口実って、どゆこと?
いや、まさか……?
「今日は帰り、一緒だったりする? その、彼女……ハタノさんと」
あーはい。
ハタノちゃん狙いってコトですか……納得。
「いえ、今日は一人なんです、スミマセ……」
「よかった! ノムラさんこの後、時間あるかな?」
よかった? ハタノちゃんがいなくて?
で、この後、って……。
まさかの、まさか?
「え、あ、はい。ヒマです」
「じゃあちょっと付き合ってくれるかな、夕飯奢るからさ?」
夕ごはんのお誘いぃいっ!
ヒャッホウ!
「ははは、はいっ、私などで、よろしければっ!」
「ありがとう! じゃ、行こうか。実は、相談に乗って欲しいことがあって、えーと……プレゼントを、その、」
あっ、嫌な予感〜。
「女の子に……なにをあげたら喜んでくれるのか、知りたい、っていうか……だから、協力してほしい、そんな感じ?」
「あー……了解、しました……」
女の子=ハタノちゃん。
なるほど、察しました……。
ってか、さっきから……上げられたり、落とされたりがね、もうキツかったし、うん。
いや、でもね!
これでもう、地の底まで落とされましたから!
なんなら地面に叩きつけられて、内臓飛び散ってますけど……ある意味、やっと落ち着いた!
泣泣泣〜〜〜!!
☆☆☆ バレンタインデー当日 ☆☆☆
「ノムラさん、これ。もらってくれるかな?」
「……へっ? え、だってあのとき、女の子にあげる、ってハナシで、」
「あれは! そういうことにしておけば、バレないかな〜って。つまり……よかったら、付き合ってください」
「……付き合う。ええと、買い物の相談とかに、」
「じゃなくて! 俺がノムラさんを好き、ってこと!」
「………………っ、〜〜〜、えええええっ?!」
ちょっ……待って待って待って。
現在位置:雲の上、って……どゆことデスカ?
無理ムリ無理、こんな上昇負荷にニンゲンが、なんならまだすっかり内臓散らばってたってのに、耐えられるわけ、ないよね?
こうなったらもう、肉体捨てて昇天するしか……。
ああもう、意識が飛びそうです! ヘルプミー!
1/20/2026, 9:34:56 AM