『刹那』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『刹那』4/28
「まばたき旅行?」
旅行のパンフレットを手に取り
疑問を口にする。
どうやら、まばたきすると、
見てる世界が変わるようになるらしい。
お試しも出来るらしく、
折角なので体験してみた。
「一体どんな感覚だろう」
夢を見ているような、
それともワープしているのだろうか?
目を閉じて、目の前の光景に息を飲む。
そこは、空の上だった。
巨大な化石のある場所だった。
太陽っぽいものが近くに見えたり、
乗り物に乗ったり、色々だった。
そして、体験してみて一つ。
一瞬じゃ物足りないので、旅行に行こう!
刹那
刹那・F・セイエイですね。
私は00の中だとティエリアが好き。
や、
みんな好きなんだけど、
神谷さん推しだからしょうがないよね。
でもね、
あえて言わせてもらおうグラハムも好きだと!
いつから始まったのか、わからなくなってしまったくらい長く長い、重苦しい旅の途中で、疲れ果て立ち止まった旅人は、ふと、つぶやいた。
「これは私だけの時間を歩く道。」
すると、丸っぽくて、全てが視界に入り切らないくらい大きな何かがやってきて、旅人に、ニヤリ顔でこう言った。
「お疲れ様でした」
すると、今まで見えていた細い砂利道が、すうっと消えた。
「私の道はもうここまでということか」
旅人は少し残念そうな、安心したような、何とも居心地が悪い気持ちになった。
しかし、後悔はなかった。
後悔が浮かばないことに驚いた。
「あなたの歩いた長さはこれくらいです。どうお感じになるかはわかりませんが、ほら、ごらんなさい。私の掌にスッポリ入ってしまうでしょう?」
大きな丸いだろうものは、ペラペラとした掌の上にのせた道を見せた。
「私には、あなたの掌が大きいのか、小さいのかが、わからない。どうしてだろう? だから、歩いた道の大きさも、長さも、わからない。わからない以外、何も感じない」
しかし、だんだんと旅人は、何だか惜しい気持ちになってきた。
「今までそれなりに歩いてきたのに、わからないとしか感じないなんて。これでいいのだろうか。何だかもったいない」
丸いのはニヤリと微笑んだ。
「おや、あなたはそうお感じになるのですね。では、続きを歩きますか?」
「まだ途中だったのか」
「あなたが、そうお考えになるのならそうでしょう」
旅人は考えた。
またあの道を歩くなんて、いや、どんな道だっただろうか?
旅人は驚いた。
どんな道だったのか、まるで覚えていないのだ。
刹那、丸いのは消えた。
「残念です、私をお忘れになるなんて。
私はあなた、あなたは私。私は私、あなたはあなた」
しん、と急に周りが白く静かになった。
そこには何もなかった。
ただ、摘まれて少ししんなりとした小さなタンポポだけが、そうっと落ちていた。
─今年も彼らの季節がやってきました。Ebroの石橋には、カゲロウの大群が群がり、まるでこの灼熱の地に季節外れの冬がやってきたようです。しかしこのカゲロウは……
型の古いテレビから、TVEのニュース番組が流れている。ただ客観的事実を伝えるだけであるのに少し情緒混じりの言葉作りは、なんとも感情豊かなこの国らしい。
「大変やなあ、お前んとこのあれ」
家主に委ねられるべきチャンネル決定権を握り締めたまま、ポルトガルはソファに組んだ足でリズムを取った。
「毎年のことや、もう慣れてもうたわ」
キッチンのダイニングテーブルで何やら本を読んでいたスペインは、ニュースもポルトガルの言葉もしっかり耳にはしていたらしい。本から目を離すことはなく答えた。
「あれ、駆除せえへんの?」
「んー、別に害虫やあらへんしなあ……それに知っとるか、アイツらむっちゃ寿命短いねんで」
スペインはやはり本から目を離さない。
「どれぐらい」
「1日も持たへん」
スペインの出してきた回答に、ポルトガルは目を大きく開いた。
「うわ、そら短いなあ」
自分が生まれて1日目は、果たして何をしていたのだろう。きっと生まれたばかりで、この世の全てに狼狽し泣き喚いていたのではなかろうか。生まれてから4桁の年月を生きてきた身では、もう全く覚えていない。カゲロウの刹那が、ポルトガルの胸にどしりと寄りかかった。
「せやろ?やからそのたった1日羽ばたかせてやれんっちゅーのは、寛容なスペインの名が廃るやん」
「……そうか?」
敬虔で保守的なスペインはいつのことやら、今のスペインは確かに種々の面で寛容な、ともすれば挑戦的とも言える決断を下すことが多々あるというのは、この縁だ、よく知っている。それにしてもその寛容は虫にも適用されるのだろうかと、ポルトガルは僅かに眉を顰めた。
「そうや。やからアレはな、うん、見守るしかないねん」
「見守る」
ポルトガルがスペインの言葉を反芻する。
「そう、見守るんや、見守る。俺らにはそれしかできへんもの」
そうやそうや、そうするしかないんや。スペインは自身の言葉を確かめるように繰り返すと、ゆっくりと本のページを捲った。
【刹那】
※同性愛などの描写が含まれます
長い長い夢を見た
とても楽しい、はずだった
あんな事が起きなければ…
俺は友達と楽しく話して学校から帰る途中だった。いつもは、小学生からの親友の優太と一緒に帰るのだが、その時は、高校で仲良くなった友達、茜(あかね)と明(あきら)、香織(かおり)と一緒に帰っていた。
「雪、今日、優太は?」
と明が言った
「今日は先に帰った」
「そ、…今日何する?」と香織が言った
「今日は…」
「どうした?」
明と香織と会話をしている時、横断歩道の上にいる優太が目に入った。
何をしているのだろうと思って様子を見ていると突然、後方から大型トラックが優太の方に進んで行った。
歩行者信号は青だった。
俺は声を出す前に体が動いていた。
止まることの無いトラック、恐らく運転手が居眠り運転でもしているのだろう。
「おい、雪!」
明の声なんて今はどうでも良かった。
助けないと!優太を!
「優太!」
手を伸ばした、つき飛ばそうとした。
けれど、その手は、優太に掴まれた、優太は俺を庇う様に抱きしめた。
その刹那、俺と優太はトラックに跳ねられた。
一瞬の出来事、なんでこうなったんだ、もっと早く俺が、いや、一緒に帰っていれば……
「ゆう……た」
頭が痛い
意識がゆっくり途切れていく、俺か、いや、優太の血か…嫌だ、まだ…
まだ…
耳元で声がした
「ごめんな、雪、俺ダメだ、まだ………に……の…………だよ」
優太が何を言ったのか聞き取れなかった、視界が真っ暗になって、何も聞こえなくなっていった。
いかないで、優太
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目を覚ました
見慣れない天井、慣れない香り。
「目、覚めたんだ」
そう、誰かが言った。声の主を探して視線を動かすと、隣に女性がいた。
「だれ、君?」
彼女の事は知らない。いや、覚えていないと言った方が正しいだろうか。
「そっか、やっぱ覚えてないよね…雪くん」
雪くん、どうやらそれが俺の名前らしい
「君は、前の俺を知っている、のか?」
「うん、知ってるよ、雪くんはね、誰にでも優しくて、運動神経も良くて、友達がいっぱいいるの!」
「そうか…今の俺とは真逆だな、そういえば、君の名前はなんて言うんだ?」
「私?私はね、私の名前はあかね、みそら あかね」
みそら あかね
それが彼女の名前…。
後で聞いたが海空 茜と書くらしい。
どこかで聞いた事があるような、それでも何も思い出せない。
全然、気にならなかったがなぜ俺はこの場所...病院にいるのだろう。
「なあ、茜、俺はなんでここにいるんだ?」
と聞くと茜はとても悲しそうな顔をした。
「交通事故、にあったんだよ…君は優しいから友達を助けようとして、その友達は男の子でね。でも、その子は死んじゃったの…君の親友だったのに」
「なんで、死んだんだ?」
茜の表情が段々暗くなっていく、
聞かなければよかった…。
「君を庇ったんだよ…」
俺を庇った?
「……ごめん」
なぜか謝った。
「雪くんは、雪くんは……悪くないよ、悪いのは、居眠り運転してた方だよ!だから、だから!」
耳鳴りがした
頭が痛かった
「うっ……」
「あ、ごめん、大丈夫?私、今日はもう、帰るね、私ね、実は███くんのこと好きだったの…
じゃあ」
好きか…
よくわからないな、今の俺には…
「ああ、またな…」
病室が静かになった。俺以外誰も居ない、そのはずなのに、誰かが言った。
久しぶりに聞いた声
【「ごめんな、雪、馬鹿だ、お前に本当のこと言えずに、死んじゃった、雪、俺、お前の事が…
…好きだよ……って言っても聞こえないか」】
誰だよ、君は、知らない、思い出せない、なのになんで
俺、泣いてんだよ
なあ、好きだった…
好きだった、君は一体誰なんだ!
刹那
後ろを見た。
崖になっていた。
前を見た。
道がなかった。
遠くを見た。
橋のようなものがあった。
すぐに歩き出した。
きっと壊れないと信じて。
数秒前の自分を
一つずつ捨てながら
今だ、と身を投げる。
全て捨てて
逃げ出していく
持続する安定を探して
一瞬の安心を求めて
コンマ何秒ごとに
私は生まれ変わっていく
生き直せるのは
今だけだから。
目の前に広がった光景は、ずっと、ずっと、願っていたもので。
例えばそれが偽物だとしても、もう、どうでもよかったんだ。
口の端が、つり上がるのが解る。
あぁ、笑ってる。嬉しいんだなぁ。
そうだなぁ。嬉しいなぁ。
だって、ずっと見たかった光景が見られたから。
嬉しくて、嬉しくて、泣きながら笑った。
ずっと願っていた光景を焼き付けて、ボクはそのまま堕ちていく。
だって、ボクが一緒にいる訳にいかないからね。
その全てが”刹那”だとしても、その”刹那”こそがボクには永遠で。
でも、やっぱりそうなんだろう。
ーーが堕ちてくるまで、あと少し。
刹那
今日の午後の1分スピーチの前、私は緊張していた。朝の電車で文章は完成させていて、それを読めばいいだけのことだと心ではわかっていた。しかし、私はただ文章を見て話すことは、自分のためにはならないと気づいていた。話す内容がわからなくなればスマホの文章を読めばいいという感情と、読まずに話すべきだという感情の葛藤から、緊張していたのかもしれない。自分の番が来て、名前が呼ばれたその刹那、私は深呼吸をしてスピーチを始めた。相手に分かりやすく、心に残るよう感情を込めて、精一杯話した。結局チラチラスマホを見てしまったが、話し方は良かった気がする。このスピーチと、その後のグループワークを通して、自分には文章作成力と人前で話す十分な力がないと痛感した。
だから、私は今このアプリで文章を書いている。
なんで一日はこんなにも長いのに1年はあんなにも短いんだろう。
こんなことをしている間にも時間は過ぎてゆく。
#刹那
刹那。
それは、極めて短い時間を指す言葉。
自分は、仮に『刹那的な生き方』と言われても、『刹那主義な人』でもいい。
ただ、今この瞬間を充実させたい。
友達が、僕に言った言葉。
友達と話す時間も束の間、
彼は刹那、用事を思い出したと言って家に帰ってしまった。
『刹那』
刹那
あなたはあの時、何を思っていたのだろう
どうしたの?
何気ない問さえ投げかける瞬間が無かった
何かが変
……変?
変とは、なんだったんだろう
君が好きな言葉だ
僕は変な奴だと
お気に入りの口癖だった
僕もその言葉が好きだった
変、同士
上手くやれてると思ってた
いつからまともだったんだろう
歯車が合わなくなった
最初から噛み合ってなかったのかもしれない
この思考も、一瞬の出来事なのだろうか
刹那だと勘違いしていた
余裕がなかったのは、僕だった
何か良い方法はないか
画面に並ぶアルファベットの羅列を眺めながら
私は耽った
あと何日、何ヶ月、何年……
どれくらい貯金ができて何をしてどうする
10年後
20年後(そんなに生きる予定はないが)
分針が1目盛り進んだ
椅子を座り直し片肘を付く
今、秒針が2秒止まった気がした
画面を見てキーボードを叩く
あと何文字打てば未来は来るのだろう
分針が3目盛り
データを書き込んで試しにボタンを押してみる
エラー
考える(40秒)直す(15秒)確認する(5秒)
さて次は――
画面に並ぶアルファベットの羅列を眺めながら
私は耽った
~刹那~
一瞬のうちに、私は地に倒れた。体が動かない。
「安心しろ、峰打ちだ」
この男は、私を殺す気がないのだろうか。殺そうとして襲いかかった人間に情けをかけるなんて。
この男は私の師範の仇。血も涙もない悪党。それなのに、私を生かしてどうするつもりなのか、聞きたいことも聞けずに男は去っていく。
男は倒れた人間を背に去っていく。背中越しに感じる殺気に、その口の端はうっすらとつりあがっている。
またかかってくるといい。力をつけろ。自分に相対する力をつけるのだ。
男は、各地の道場で師範を殺し回っていた。看板などいらぬ。必要なのは憎しみだ。仇をとりに襲いかかってくる者を野放しにする。自分を超えた者こそ、仇をとるに相応しい。
刹那
君と過ごした刹那的な時間はもう戻っては来ない。振り返ってしまえば嬉しかったことよりも辛いことの方が多かったようにも感じるがそれよりも君が私の隣で笑って居たことが奇跡だった。だが楽しい時間は続くはずもない。君は私から去ってしまったが私はまだ諦めはしない。君がこちらへ戻ってくることを願うよ。刹那的な時間は今はもうただの思い出だ。
薄灰色に濁った世界が、目を伏せても滑り込んでくる。痛いのか、それとも違うのか。手首の切り傷は鋭い。あんなに発明の得意だった手は、汚れてもないのに黒い。そんな気がする。もっとも、指まで隠れる錆た鉄の手錠さえ、なければ見えるのだが。
がっちり組んだ石レンガを重々しく踏みつけ、見上げた奥には何体もの兵が槍と盾とを持ち歩き、自分を恨めしげに見る。そうか、僕は罪人か。
…殺人の。
「罪状 イヴァライト・テルヌン!被告は親類を切り裂き、殺人した罪に追われる。よって、公開処刑とする。」
槍がクロスに立てられ、首の横にやってくる。
…次生まれてくるときは、こんな人間になりませんように
何も分からなくなるまで0.1秒の間、そんなことをおもった。
お題
刹那 より
刹那という言葉を見た時、一瞬とイコールかな、ということくらいしか思い浮かばなかった。
この世界、まだまだ知らないことだらけだ
刹那…
え?なんで読むんだ??
頭の悪い私はすぐには読めなかった。
このアプリを初めて1日目。
刹那
ずっとそんな生き方してきた
ほんの一瞬の度に、永遠を待ってる
「刹那的に生きる」
私はこの言葉が好きだ。
過去を反省することなく、未来に希望を持つこともなく、短縮的に生きる。
過去は過ぎたことだから仕方ないし、私は未来に希望を持っていない。
ただ、意味もなく今を生きている。
刹那は美しいね。
刹那。お前が生きていた時間の表現にはその単語がよく似合う。そう思いかけて、個人に限った話ではないと気がついた。全ての人間は俺より命が短いのだ。
現実的に言えばそこには何十年という時間があったはずなのに、それさえも圧縮してしまうほど永い生にはいい加減鬱屈としてくるもの。お前が遺した本はかなり擦り切れて脆くなってしまったのでもう触っていない。あんなに本を大事にしていたのに良いのか、などと独り言を口にするのも馬鹿らしかった。名前も薄れつつあるのに、未練がましく愛を主張するほど傲慢なことはない。
青い空を見上げて欠伸を零した。お前がいた刹那は楽しかったよ。薄っぺらい言葉で括ったその時間は、確かに存在したのだ。
『刹那』