目の前に広がった光景は、ずっと、ずっと、願っていたもので。
例えばそれが偽物だとしても、もう、どうでもよかったんだ。
口の端が、つり上がるのが解る。
あぁ、笑ってる。嬉しいんだなぁ。
そうだなぁ。嬉しいなぁ。
だって、ずっと見たかった光景が見られたから。
嬉しくて、嬉しくて、泣きながら笑った。
ずっと願っていた光景を焼き付けて、ボクはそのまま堕ちていく。
だって、ボクが一緒にいる訳にいかないからね。
その全てが”刹那”だとしても、その”刹那”こそがボクには永遠で。
でも、やっぱりそうなんだろう。
ーーが堕ちてくるまで、あと少し。
刹那
4/28/2023, 1:21:31 PM