『初恋の日』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
小さな私が初めて好きになった人は
ジャングルジムの上から
私の名前を呼ぶ4つ上のひとでした
どこでどう知り合ったのか
今となっては忘れてしまったけれど
ジャングルジムの上からの笑顔は
覚えている
あの笑顔が私の初恋の日
「初恋の日」
友人と初恋の話をした
私の恋愛は、恋愛感情が芽生える前に自分で殺してきたので大して出来る話もなく私はほぼ聞き専である
「幼稚園のとき好きな男の子がいた気がする。多分あれが初恋かなあ」と友人
「あー、私も気になる男の子はいたかもなあ。あれ…、でもそれとは別に好きな女の子もいたわ」
「…確かに。私もいた」
元々恋愛としてカウントなんかしていなかったが、なんとなく気付いてしまった。私の幼少期のアレは“好きなクラスメイト!男の子部門一位”だ…
胸がざわざわして
落ち着かない
何も手につかない
変に意識してしまう
初恋の日
初恋の日
1日中ずっと、
頭の中にちらつく時、
それに気付いた時、
これが好きってことなのかなって。
#大人しい2人がまったり恋してみる話 (BL)
Side:Tenri Fukaya
僕は生まれつき、声がものすごく小さい。
体育会系男子並みの大声を出そうとすると、喉を裂かれるような痛みに襲われる。
そんな僕はいつしか、人前で一切声を出さなくなった。
何度も聞き返されるのは苦痛だし、頑張って大声を出そうとするのも苦痛だから、僕の場合は少し手間はかかるけどメールや筆談で伝えたほうが早く伝わる。
"天宮先生の最新作発売の告知をしてからSNSでのいいねの数がものっっすごいことになってますよ〜!見ました!?"
"そうなんですか?SNSってあまり使わないのでよく分からなくて"
"ふっふっふ、これからさらに先生の評判もうなぎ登りになっていくと思いますよ!"
僕の名前は深屋天璃 。高校生の頃からずっと恋愛小説家「天宮シン」として創作活動をしている。
ずっとお世話になっている担当編集の佐藤さんは僕の声の小ささのことをよく理解してくれていて、それが本当にありがたい。
「…これで暫くは、ゆっくりできるな…」
ところが、大きく伸びをしてから立ち上がって後ろを振り返ったとき、僕はあっという間に締め切り明けの開放感から現実に引き戻された。
「…また部屋が悲惨なことになってしまった…」
…そう。僕は創作活動をしていると、集中しすぎて身の回りのことが一切できなくなってしまうのだ。
ひどい時だと、寝食すら忘れてしまうこともある。
このままではいけないと分かってはいるのに、この散らかりきった部屋を見る度に僕に生活能力がまるでないことを思い知らされる。
高校卒業と同時に母の生家だった一軒家を借りて一人暮らしを始めて、それから今までの数年間は1人で何とかやってきたつもりだったが…そろそろ人の手を借りなければ足の踏み場がない状態の一歩手前までになりそうだ。
「…だが、こんな僕と少し手間がかかる会話を続けていける気の長い人なんているのか…?」
思い切って家事代行サービスのサイトを検索したはいいものの、早速大きな壁にぶち当たってしまった。
耳が聞こえるのに声を一切出さずに筆談だけで会話をする三十路男が雇い主なんて、僕の声の事情を知らなければ絶対気持ち悪がられるに決まっている。
だからといって担当編集の佐藤さんに掃除まで手伝わせてしまったら佐藤さんの負担も倍になるし、絶対に迷惑がられてしまう…。
ネガティブ思考の無限ループにハマり始めたその時、家事代行サービスに登録している家政婦さんたちのリストの中の、とある家政婦…いや、家政夫さんの名前に目が留まった。
「野藤玲於さん…というのか。女性の方が多いけど、同性のほうが気が楽かも…」
野藤さんは僕より9歳年下の21歳で、家事代行サービスに登録している人の中では数少ない男性でありながら、家事全般を得意としているオールラウンダー。
そして何より僕が惹かれたのが、彼のプロフィールに書かれていた「口数は少ないほうですが、会話を長く続けることが苦手な方をはじめ、病気などが原因で会話が上手くできない方でも対応できます」の文字。
「…この人なら…」
──────────
「…やってしまった…」
約3時間かけて、ついに僕はおそらく僕の人生史上いちばん大きな決断を下した。
僕の荒れきったこの家の家事代行を野藤さんに任せることにしたのだ。
初めて利用するサービスということで、とりあえず契約時間は3時間にした。
幸いなことに今日は野藤さんに先約がない日だったようで、連絡したらすぐに来てもらえることになった。
「…この惨状を見てドン引きされることは覚悟しておくか」
約40分後。
何となく落ち着かないまま玄関のドアの前を歩き回っていた時、インターホンが鳴った。
…覚悟を決めるんだ、僕…。
「…はじめまして。この度深屋様の家事を代行させていただく、野藤玲於です」
「…!?」
初対面の彼に僕が抱いた第一印象は「怖そう」だった。
僕よりもかなりガタイがよくて、身長は明らかに190センチはある。
そして…声色は落ち着いているけれど、どこか無感情だ。
…本当に、彼に任せて大丈夫なのだろうか…?
"はじめまして、深屋天璃です。声が小さすぎてよく聞き返されるので、普段から筆談で会話をしています。すみません、話しづらくはないですか?"
「…あぁ、なるほど。筆談を用いる方への対応は初めてではないので、大丈夫です」
"ありがとうございます…では、どうぞ"
簡単な自己紹介をした後、僕は野藤さんを自分の部屋へ案内した。
…彼の反応は、だいたい分かりきっている。
「…これは…」
"…すみません。創作活動をしていると他のことがおざなりになってしまいがちで、ついにこんな惨状に…"
「…いえ、掃除しがいのある部屋だなと思っただけです。早速始めるので、触ってほしくないものがあればその都度教えてください」
…いや、そうでもなかった。
今回はむしろ、彼のこの落ち着きように救われたかもしれない。
野藤さんはエプロンとマスクと手袋で武装した後、かなり慣れたペースで淡々と掃除を始めた。
彼は本当に口数が少ないタイプのようで、僕が別作業をしていても必要以上に話しかけてくることはなかった。
でも…僕にはそれが、何だか心地よく感じた。
──────────
「…さん」
「…?」
「深屋さん」
「…!」
なんということだ…。思いのほか緊張しなくていい空気感で気が抜けてしまったのか、いつの間にか眠ってしまっていたらしい。
僕がハッと体を起こすと、時刻は午後6時。契約時間は3時間だったにもかかわらず、気づけば1時間以上タイムオーバーしていた。
"すみません…いつの間にか眠ってしまっていたみたいです。延長料金はいくらでしたっけ?"
「…いえ。俺が望んで残ったので、その必要はないです」
「…?」
辺りを見回すと、あんなに散らかり放題だった僕の部屋はビックリするほど片付いていた。
あの部屋を…約3時間ちょっとで片付けられたのか?
そして、望んで残っていたとはいったい…。
その理由は、キッチンから漂ってくる美味しそうなにおいですぐに分かった。
"もしかして、夕食まで作ってくれたんですか?"
「あ…はい。片付けていた時にパスタの作り方の本を見つけたので、作り置き用のおかずと一緒に作ってみました」
"ありがとうございます…何から何まで"
「いえ…では、俺はこれで失礼します。ご利用ありがとうございました」
…なんだか、泣きそうだ。
一人暮らし続きで孤独を感じていた心が、野藤さんの優しさでじんわりと癒されていくのを感じる。
部屋は見違えるほど綺麗になったけど…もし僕がまた家事代行をお願いしたら、彼は来てくれるだろうか?
またいつか、彼の優しさに触れられるだろうか?
そう考えるより先に、僕の体が動いていた。
「…?深屋さん?」
「…」
野藤さんが玄関のドアを開けて出て行く前に、僕は彼の服の裾を掴んで彼を引き止めた。
そして僕は出せるだけの勇気を全て出して、彼にこう提案した。
"契約の延長もしくは、再契約は可能ですか"
「…!」
この瞬間を、後に僕は何度も思い出すこととなる。
今日が恋愛小説家でありながら恋とは何かを知らなかった僕の、初恋の日となったのだから。
【お題:初恋の日】
◾︎今回のおはなしに出てきた人◾︎
・野藤 玲於 (のとう れお) 攻め 21歳 家政夫
・深屋 天璃 (ふかや てんり) 受け 30歳 恋愛小説家(PN:天宮シン)
過去を振り返って、思えばあれが初恋だったと分かるものなのだろうか?
正直私には分からない。
胸がドキドキ高鳴るとか、目が合うだけで嬉しくなるとか、全てが輝いて見えるとか、ビビッと来たとか、漫画や小説で見たような感覚がまるで記憶に無い。
幼なじみとか同級生とか先輩とか後輩とか上司とか同僚とか同好の士とか、いい人だなと思う人や、安心できる人はいた。でもそれは恋ではないと思う。
分からない。
恋。恋。恋。
知らないまま死んだとしても、多分一向に困らない。
だけど世界はそれが至上の幸福のように恋物語に溢れてる。
物語として受容する事に抵抗は無いけれど·····私は多分、部外者だ。
END
「初恋の日」
「初恋の墓地」と呼ばれるロマンチックな場所を知ってるかい?
ここには自分の初恋の感情を祀るんだよ。
初恋に捧げた思い出がたくさん詰まっている
青春のひとコマを刻んだ特別な場所なのさ。
そうだよ、重い肩を抱えたくたびれたおじさんがその墓地を訪れるんだ。
そして墓地から帰ったおじさんの姿には奇跡のような変化が起きているんだよ。
まるで少年のような頬で彩られ
清々しく生きる活力を取り戻した様子に変わるのさ。
今おじさんの胸の中は初恋の思い出で溢れている。
青春を取り戻したかのような若々しさと誇りに満ちているんだ。
そんな場所を見つけてごらんよ。
「初恋の日」
【初恋の日】
自分の幸せより
ただ一人の幸せを願った
初恋を知った日
4. 初恋の日
私の初恋の日。そんなものはハッキリと言って覚えていない。まぁ、僕の人生18年、自分より年上の人からすればたった18年と思うかもしれないが、私は今でもだが、恋なんてもんは星の数以上、まぁ、オリオン座が描けるくらいの数だろうか。それくらいはしてきた。ちょっとお題と逸れるかもしれないが、"恋"というものはどんな"恋"でも最初は鼓動が激しくなるものだ。とくに初恋なんてそうなんじゃないかな。だってこんなに何回も"恋"を経験してる俺だって緊張するし、お腹は下すし、思い通りの言葉をかけてやれないしもうどうしようもなくなってしまう。それなのに初恋なんてもんをしてしまったらそれはもう経験というものがないから尚緊張するだろう。
高2の時に私が半年間だけ付き合っていた彼女だって、最初で最後の恋愛と言ってもいいくらい愛し合ってもうずっとこの人と思っていたが、お互いの価値観や思想などに変化が互いに出てきたなどを理由に別れてしまい、そこから3、4ヶ月はその心を引きずっていた。それで思い出したことだが、僕の大好きな小説家の石原慎太郎さんの本人が最後に出版した自伝に書いてあった言葉で"女の失恋は3日で忘れるらしいが、男の失恋は半年はかかる"という言葉を思い出した。まさにその状態にあっただろう。そこから槇原敬之さんじゃないけど、もう恋なんてしないなんて決めてたのにそこから今も懲りずに自分なりに恋という"自分の欲求"を探し続けている。
その時、私は思ったのだ。"出会いって 別離(わかれ)のために存在する"のだと。
2024.5.7
初恋の日
私が初恋したのは、2004年ごろ
平成11年、1999年
生まれつき丈夫な体で生まれた私は、当時、
まだ脳出血、てんかん発作になっていない4〜5歳の私
同じ幼稚園で、同い年の男の子と、真夏の日に、外の
日陰で一緒に砂遊びをしたことが今でもよく
覚えている。砂掛けをしたり、大きな山をお互いに
作ったり、そして、その時の私は、
[この子といると、とても楽しい]
と、思った記憶がある。
幼稚園イベントでは、少し記憶が曖昧だけど、
その男の子と一緒に手を繋いで歩いたりもした記憶が
ある。
2004年の遊戯会では、その男の子と一緒にタッグを組んで、プリキュアみたいな可愛いピンク衣装を着て、一緒に踊った記憶が鮮明にある。そして、自宅も近くだったこともあり、男の子の親、自分の親がいないうちに、
頬と唇に軽いキスをされたことがあり、2004年に初恋の人から初キスされた記憶がある。
だけど、小学1年になった2006年9月28ごろに
私が脳出血になり、身体が右半身麻痺になった
お見舞いにも来てくれた私の初恋の人。退院して
偶然にも初恋の男の子とクラスが同じで、彼と
一緒にいると、その子もイジメに遭う
私は、2006〜2007年の1年間で
周りの皆んなと自分の身体が違う理由で
イジメされました。イジメが原因で、彼にもイジメに
あってほしくないから2008年に自分から振りました
2007年、小学2年生のときに、当時の私は学校の天井から飛び降り自殺をしようと考えていた時代でした。
ですが、ディズニーには行ったけど、まだユニバに旅行していない…と私の心が発言した様に思い、担当の先生方、初恋の人も、外から悔やみ泣きそうな顔でいたし、
昔の友達もその他のクラスメイトも飛び降りしようと
している私を見ていたため自殺できませんでした。
今では、本当に自分が、自殺しなくて
良かった。と、とても思います。
私が、もし、自殺していたら、
愛媛県と鹿児島県の、
全国障害者スポーツ大会にも出場できなかった
憧れの病院で仕事をして勤めていなかったし、
嵐、ももクロ、Hey!Say!JUMPなど、
生コンサートにも参戦できなかったし、
素敵な恋愛もしていなかった
そして今とても大切な友人もいるから
人との縁は、とても大切
初恋の人がいたから、心のスタミナにもなっていた
今では良い思い出の一つです。
ねぇしゅんくん覚えてる??
私の王子様になってくださいって言ったの。
今思うと凄く恥ずかしいけどw
でもしゅんくんは快く私の告白に
オッケーしてくれたよね。
その後、私泣いちゃったけど
あれは嬉し涙だったんだよ。
本当に嬉しかった。
それから手つなぎながら一緒に帰ったよね。
でも…。信号無視してきた車にひかれて
2人とも意識不明の状態になって病院に運ばれた。
私だけが助かってしまって…。
凄くやるせない思いでいっぱいだったんだ。。。
なんでしゅんくんが…
まだ一緒に遊びたかったのに。
まだ一緒にいたかったのに。。。
ずっとそばにいたかったのに。。
どうして…。
その時は本当に私、絶望の淵にまっ逆さまに
堕ちていってたの。
それから親たちにしゅんと
一緒にいてあげてって言われて
泣きながらしゅんくんの名前を叫んで
呼び続けてた。
でも。次の瞬間
「はるちゃん、もう泣かないで。
はるちゃんは笑顔が1番似合うんだから。
ねぇ、はるちゃん。
最後に1つお願いしていいかな。
僕に飛びっきりの笑顔を見せて」
と酸素マスクをつけて息切れしながら必死に
伝えてくれるしゅんくんの声が聞こえた。
わたしは大号泣しながら最高の笑顔を
しゅんくんへプレゼントした。
この日は絶対に忘れない。忘れたくない。。。
自分の初恋の日を無駄にしたくない。。
今もこれからもずっと心の中にはしゅんくんがいる。
お題「何もない日」
何もない日
何も予定がない日
何もすることがない日
その日は体を休める
布団で寝転んで
動画を見る
でも
休めている気がしないんだ
「なんでだろう」
そう考えると
気持ちは疑問でいっぱい
答えは見つからない
気持ちはモヤモヤでいっぱい
解決しないと休めない
私は一日中考え続けた
大切なモノを
忘れて
初恋は嫌だったので
自分でお題考えました
初恋の日
(本稿を下書きとして保管)
2024.5.7 藍
初恋の日
自分では初恋の日が何日だったとまで碌には覚えていない。反芻するのは恋の間が煌めいていたと流れのように。一言で言うと憧れの成れの果てであった。愛に成就することは結論としてなかった。ひっそり恋することが条件のない単純な恋である証明を内包していた。
会えない。一生会わない。
記憶が薄れるたびに愛を曖昧に妄想で満たしていく。
貴方はこの瞬間私を思ってはいないでしょう。
私にとっての程よい毒でありかつそれなりの痛み止めです
僕は恋をした。人形に。男の人形に。
人形は映画館の入口にいた。髪をぴったりとなでつけ、シワ一つないタキシードを身にまとって真っ直ぐ立っていた。彼は大きなガラスケースの中で、行き来する人に笑いかけたり、手を振ったりしていた。みんな「スライだ!」「この間の映画にも出ていたあの俳優さんじゃない?」などと口々に言いながら通り過ぎていく。確かに彼はある映画スターそっくりの見た目をしていた。映画館の客寄せとしてはなかなかの仕事をしていた。
僕が彼に恋したのは、彼がガラスケースからいなくなったときだ。その日の夕方、彼は映画館の裏のゴミ捨て場にいた。たぶん壊れたのだろうが、他人を模した人形をそのへんに打ち捨てておくなんてずいぶんひどいことをすると思った。
僕が捨てられた彼の前に立つと、彼は何もしなかった。彼は顔に微笑みをたたえたまま、僕を無視した。動力を失って眠っているかあるいは死んでいるのだから当然なのだが、突然僕はどうしようもなくもどかしくなった。彼に僕を見てほしい、僕に気づいてほしいと思ってしまった。僕は我慢できなくなって、その日のうちに映画館の支配人に許可を得てその人形を連れ帰った。支配人によると、彼は昨夜派手に故障し、めちゃくちゃな動きで通りかかった人々をひどく怖がらせたらしい。俳優に悪いイメージがついてしまうし、直せる人も思い当たらないので、勝手に持っていっていいと言われた。
まるで死体でも運んでいるかのような後ろめたさを感じながら、彼を自室に運び込んだ。椅子に座らせ、彼の目の前に立ってみると、やはり彼は僕になんの反応も返さなかった。そこに僕など存在していないかのように、僕の後ろの壁を見つめていた。
僕はたまらなくどきどきした。彼が僕に気づく瞬間を夢想しながら、僕は修理用の工具や部品を調達する準備を始めた。
『初恋の日』
気づいたら、好きになってた
あの頃は、素直に直球で好きだと伝えられていた
勇気とかそんな事は考え無し
ただただ、ストレートに伝えていた
まだ幼かったから、それで良かったんだよ
相手も、素直に喜びバレンタインやホワイトデーが楽しかった
今でも、貰った物は覚えている
6年、好きでいられたなぁ
それが、いつしか自然と消えた
心から好きになる気持ちと純粋さは、あの頃に燃え尽きたみたいだよ
初恋の日
どこから来てどこへ行く
すくった砂が流れ出てしまうかのような
払っても払っても払いきれず残された砂粒
そーっと顔を見せる
拾って風に乗せて今度こそ
遠くへ遠くへ行ってしまえ
お題 初恋の日
チョコレート
2月14日、バレンタイン。
学校中甘い匂いがして、皆そわそわして、いつもと様子が少し違う。
まあ、私もそわそわしてるから人の事言えないんだけど。
友達とチョコを交換して、クラスの男子に義理チョコをあげて…あと渡す人はあの人だけ。
あと一人なのに…その人に渡すのが難しい。
なぜなら好きな人だから。
私の初恋の人。かっこよくて、優しくて…ありきたりな褒め言葉かもしれないけど、本当に私はあの人に恋をした。
放課後、王道の体育館裏に呼び出した。
緊張して、震えて、上手く喋れるかも分からない。
でも今日、いや、今。
私は初恋の人に告白する。
『付き合ってください…!』
『こちらこそ。』
私の初恋が叶った日だった。
『初恋の日』
怪盗Xが現れた
緩やかに巻かれた長い髪の毛、美しいこの世界を見下ろす真っ黒な目、誘惑的な微笑を浮かばせる厚い唇
電飾に踊らされているこの世界で、ボクはカノジョに心を盗まれてしまった
「返して欲しい?」
「いいや。どうかキミが持ったままでいて」
すぅ、と細められるその瞳にボクは釘付け
カノジョは声を出して笑った
細い指がボクの顎に絡み、カノジョのキレイな顔はボクの顔に近づく
「それじゃあね、怪盗Xさん。アナタの心はアタシが頂いていくわ」
「ハハハ、やられたなぁ.......でも次はキミが奪われる番さ」
やれるものならやってみなさい
生温い風が草木を揺らし、身を翻したカノジョのワンピースもふわりと浮かせた
「参った参った.......ボクの元には予告状が届かなかったよ、小さな怪盗さん」
もう一度、次は強く吹いた風はカノジョの残り香を運んでくる
美しい海が下に見えるテラスでボクは
盗んだティアラを放り捨てた
初恋の日
その日は気づかぬうちにやってきて
心に桜色の淡い傷を残し
いつしか思い出に変わり
ふとした時に蘇って
私は優しく微笑むのだろう。